訂正有価証券報告書-第127期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
当社は2014年10月1日付で、商号を「住友理工株式会社」に変更いたしました。1929年に創業後、1937年より77年間にわたって「東海ゴム」の呼称で事業を展開してきた当社は、この商号変更を機に、既存事業の拡充はもちろん、新製品の開発と新市場・新領域への進出を加速させ、持続的な成長を後押しする強固なブランド力の創出を推し進めます。
当社は、2020年の経済情勢および経営環境を予測した「ありたい姿」を設定したうえで、2011年11月に中期経営計画「2015年 VISION」(以下2015V)を策定し、以下の8項目の課題に取り組んでいます。
<2020年のありたい姿>①グローバルNo.1技術を基盤に世界中のお客様に「喜び」を提供し続ける企業
②人々の「安心・安全・快適」のために新しい価値を創造し続ける企業
<2015Vに向けて取り組む課題>①グローバルに通用する「ブランド力」とニーズを先取りする「営業・マーケティング力」
②新しい価値を追究し続ける「先進的な研究開発力」
③新しい価値をスピーディーに形にする「高度な設計技術力」
④品質、価格両面での「モノづくりの圧倒的競争力」の獲得
⑤高度なノウハウと高効率なシステムにより事業を支える「コーポレート機能」
⑥柔軟かつスピーディーな意思決定を支える「グループ・グローバル経営管理」
⑦前例に固執せず、自由闊達に新しい仕事に挑戦する「人材と風土」
⑧世界各国の地域社会で信頼され敬愛される「企業行動の実践」
当社グループはこの2015Vで、2015年度の経営目標数値として、連結売上高を4,200億円、連結営業利益を340億円と設定しました。
このうち、連結売上高については、一昨年に欧州・南米の自動車用ゴム部品メーカー3社を買収し、事業規模を拡大したことや、米国の景気が好調に推移していること、さらに為替の影響などもあり、ほぼ達成の見込みです。一方、連結営業利益については、欧州や南米の経済が買収後に大きく低迷し、これらの地域を事業基盤とする3社の収益を圧迫しており、環境の変化に対応してDytech社の経営再建やAnvis社の事業構造改善など収益基盤の再構築を推進しているものの、達成は厳しい見通しとなっています。当社グループは計画最終年度である2015年度の事業活動を継続する中で、重点課題に掲げた各テーマの取り組みについてしっかりと分析・検証を行い、2016年度を起点とする新たな中期経営計画を策定してまいります。
このような状況の中、2015年度に取り組むべき課題としてまず挙げられるのが、子会社化したDytech社とAnvis社の収益化です。
意思決定のスピードを上げるため、昨夏、経営体制の強化と組織の刷新を図ったDytech社は、昨秋以降グループ一丸となり、部品やユニットの共通化による開発の効率化やコスト低減、販路を活用した防振ゴムや産業用ホースの新規売り込みなど、経営統合によるシナジー効果の早期創出を目指した計画を進めています。中長期的には欧州や南米の市場も回復に向かうと見られ、業績は今後、回復の見通しです。
Anvis社では、昨年から事業構造改善を進めていた同社傘下のフランス拠点について、自動車用部品事業をルーマニア拠点に移管するとともに、事業縮小に伴う従業員の退職手続きなどを進め、今春にはそれらをほぼ終えました。これにより、フランス拠点で行っていた自動車用部品事業はルーマニア拠点と合わせて、2015年度より黒字化を見込んでいます。
セグメント別の取り組みとして、自動車用品部門では、全世界で地域性やお客様のニーズに合致した製品を安定的に供給するため、グローバル・メガサプライヤーの地位確立を図ります。買収によりグループに加わった子会社とのシナジー効果の最大化、新興国市場の開拓と既存事業のシェア拡大に努めます。具体的には、欧州自動車メーカーに太いパイプを持つ子会社の販売チャネルを活用し、自動車用防振ゴムの世界シェアを25%へと引き上げ、圧倒的な優位性の確保を図ります。自動車用ホースでも早期にトップグループ入りを果たすことを目指します。
また、同部門での新たな事業展開として、咋年12月にトヨタ自動車株式会社が発売した燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」に、新開発した燃料電池スタック向けのゴム製シール部材「セル用ガスケット」を提供し、昨秋から量産を始めました。4月には「住理工FCシール株式会社」を設立、開発機能を自社内に残しながら生産機能を新会社に集約し、事業の拡大・効率化を期します。
一般産業用品部門では、一昨年末に京都府綾部市に設立した産業用ホース製造子会社「株式会社TRI京都」が今春、本格的な稼働を開始しました。国内外のインフラ需要の増大に対応するため、全世界への製品供給や海外拠点への技術供与を担うマザー工場として立ち上げたもので、今後事業の効率化と収益力のさらなる向上を図ります。昨年12月に中国・上海市に設立した産業用ホースの販売子会社では、中国市場で新規顧客の獲得を進めるだけでなく、将来的には産業用防振ゴムなどの産業資材製品を幅広く取り扱う予定です。
新規事業部門では、2014年を「介護事業元年」とし、「健康介護事業室」を同10月に発足させました。床ずれ防止の「SRアクティブマットレス」や高齢者の歩行を補助する「歩行アシストスーツ」などを開発しており、医療・介護・健康市場に投入していきます。
その他の活動として、当社グループは社名変更に合わせ、「住友理工グループ行動憲章」を制定しました。ダイバーシティ委員会を新設したほか、人権や環境をはじめとする国際的な規範を遵守し、社会・地球の持続的な成長の実現を目指す「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」へ署名するなど、グローバル社会の要請に応えながら事業を展開しています。また、長期的な視点に基づく投資家の皆様を中心としたステークホルダーに対し、投資活動に資する情報の提供を目的として統合報告書を発行しており、今後も鋭意提供してまいります。
2015Vの最終年度となる2015年度は、連結管理体制の構築が急務となっていることから、国際会計基準(IFRS)を任意適用し、第1四半期からIFRSに基づいた開示を始めます。財務情報の国際的な比較可能性とグループ内での会計処理の統一による経営効率の向上を狙ったものです。2016年1月にはグローバル本社を名古屋市内に新設し、グループを統括する経営機能の高度化や従業員の意識改革、優秀な人材の確保を図ります。さらに、グループ規程制度の整備や、ブランド統一を目的としたグループ会社の商号変更にも取り組んでおり、真のグローバル企業として躍進する礎といたします。
また、主要取引先である自動車業界では部品の共通化が加速し、自動車部品メーカーにとって大規模なリコールによるリスクが顕在化しています。新規事業分野でも、製品の安全性確保に、より慎重な対応が求められています。これらを踏まえ、グループ全体で品質管理体制を一層強化するとともに、万一、品質問題が生じた場合には、適切な方法で原因を究明し、迅速かつ誠実に対応いたします。加えて、グローバルでのコンプライアンス体制の充実を図るため、コンプライアンス委員会では子会社で整備すべき体制の基準を先のグループ規程で定め、各拠点で幹部らに対してコンプライアンス研修を定期的に実施しているほか、グループ全体で内部通報制度の整備を進めています。
当社グループは、2015年度を2015Vの「仕上げ」の年と位置付けるとともに、次のステップへ向けて大きく跳躍するための地力を蓄える年であるとも認識しています。長年にわたり培ってきたコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に、住友事業精神が謳う「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス(S.E.C.)」の取り組みを着実に積み重ねていくことにより、世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を目指してまいります。
当社は、2020年の経済情勢および経営環境を予測した「ありたい姿」を設定したうえで、2011年11月に中期経営計画「2015年 VISION」(以下2015V)を策定し、以下の8項目の課題に取り組んでいます。
<2020年のありたい姿>①グローバルNo.1技術を基盤に世界中のお客様に「喜び」を提供し続ける企業
②人々の「安心・安全・快適」のために新しい価値を創造し続ける企業
<2015Vに向けて取り組む課題>①グローバルに通用する「ブランド力」とニーズを先取りする「営業・マーケティング力」
②新しい価値を追究し続ける「先進的な研究開発力」
③新しい価値をスピーディーに形にする「高度な設計技術力」
④品質、価格両面での「モノづくりの圧倒的競争力」の獲得
⑤高度なノウハウと高効率なシステムにより事業を支える「コーポレート機能」
⑥柔軟かつスピーディーな意思決定を支える「グループ・グローバル経営管理」
⑦前例に固執せず、自由闊達に新しい仕事に挑戦する「人材と風土」
⑧世界各国の地域社会で信頼され敬愛される「企業行動の実践」
当社グループはこの2015Vで、2015年度の経営目標数値として、連結売上高を4,200億円、連結営業利益を340億円と設定しました。
このうち、連結売上高については、一昨年に欧州・南米の自動車用ゴム部品メーカー3社を買収し、事業規模を拡大したことや、米国の景気が好調に推移していること、さらに為替の影響などもあり、ほぼ達成の見込みです。一方、連結営業利益については、欧州や南米の経済が買収後に大きく低迷し、これらの地域を事業基盤とする3社の収益を圧迫しており、環境の変化に対応してDytech社の経営再建やAnvis社の事業構造改善など収益基盤の再構築を推進しているものの、達成は厳しい見通しとなっています。当社グループは計画最終年度である2015年度の事業活動を継続する中で、重点課題に掲げた各テーマの取り組みについてしっかりと分析・検証を行い、2016年度を起点とする新たな中期経営計画を策定してまいります。
このような状況の中、2015年度に取り組むべき課題としてまず挙げられるのが、子会社化したDytech社とAnvis社の収益化です。
意思決定のスピードを上げるため、昨夏、経営体制の強化と組織の刷新を図ったDytech社は、昨秋以降グループ一丸となり、部品やユニットの共通化による開発の効率化やコスト低減、販路を活用した防振ゴムや産業用ホースの新規売り込みなど、経営統合によるシナジー効果の早期創出を目指した計画を進めています。中長期的には欧州や南米の市場も回復に向かうと見られ、業績は今後、回復の見通しです。
Anvis社では、昨年から事業構造改善を進めていた同社傘下のフランス拠点について、自動車用部品事業をルーマニア拠点に移管するとともに、事業縮小に伴う従業員の退職手続きなどを進め、今春にはそれらをほぼ終えました。これにより、フランス拠点で行っていた自動車用部品事業はルーマニア拠点と合わせて、2015年度より黒字化を見込んでいます。
セグメント別の取り組みとして、自動車用品部門では、全世界で地域性やお客様のニーズに合致した製品を安定的に供給するため、グローバル・メガサプライヤーの地位確立を図ります。買収によりグループに加わった子会社とのシナジー効果の最大化、新興国市場の開拓と既存事業のシェア拡大に努めます。具体的には、欧州自動車メーカーに太いパイプを持つ子会社の販売チャネルを活用し、自動車用防振ゴムの世界シェアを25%へと引き上げ、圧倒的な優位性の確保を図ります。自動車用ホースでも早期にトップグループ入りを果たすことを目指します。
また、同部門での新たな事業展開として、咋年12月にトヨタ自動車株式会社が発売した燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」に、新開発した燃料電池スタック向けのゴム製シール部材「セル用ガスケット」を提供し、昨秋から量産を始めました。4月には「住理工FCシール株式会社」を設立、開発機能を自社内に残しながら生産機能を新会社に集約し、事業の拡大・効率化を期します。
一般産業用品部門では、一昨年末に京都府綾部市に設立した産業用ホース製造子会社「株式会社TRI京都」が今春、本格的な稼働を開始しました。国内外のインフラ需要の増大に対応するため、全世界への製品供給や海外拠点への技術供与を担うマザー工場として立ち上げたもので、今後事業の効率化と収益力のさらなる向上を図ります。昨年12月に中国・上海市に設立した産業用ホースの販売子会社では、中国市場で新規顧客の獲得を進めるだけでなく、将来的には産業用防振ゴムなどの産業資材製品を幅広く取り扱う予定です。
新規事業部門では、2014年を「介護事業元年」とし、「健康介護事業室」を同10月に発足させました。床ずれ防止の「SRアクティブマットレス」や高齢者の歩行を補助する「歩行アシストスーツ」などを開発しており、医療・介護・健康市場に投入していきます。
その他の活動として、当社グループは社名変更に合わせ、「住友理工グループ行動憲章」を制定しました。ダイバーシティ委員会を新設したほか、人権や環境をはじめとする国際的な規範を遵守し、社会・地球の持続的な成長の実現を目指す「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」へ署名するなど、グローバル社会の要請に応えながら事業を展開しています。また、長期的な視点に基づく投資家の皆様を中心としたステークホルダーに対し、投資活動に資する情報の提供を目的として統合報告書を発行しており、今後も鋭意提供してまいります。
2015Vの最終年度となる2015年度は、連結管理体制の構築が急務となっていることから、国際会計基準(IFRS)を任意適用し、第1四半期からIFRSに基づいた開示を始めます。財務情報の国際的な比較可能性とグループ内での会計処理の統一による経営効率の向上を狙ったものです。2016年1月にはグローバル本社を名古屋市内に新設し、グループを統括する経営機能の高度化や従業員の意識改革、優秀な人材の確保を図ります。さらに、グループ規程制度の整備や、ブランド統一を目的としたグループ会社の商号変更にも取り組んでおり、真のグローバル企業として躍進する礎といたします。
また、主要取引先である自動車業界では部品の共通化が加速し、自動車部品メーカーにとって大規模なリコールによるリスクが顕在化しています。新規事業分野でも、製品の安全性確保に、より慎重な対応が求められています。これらを踏まえ、グループ全体で品質管理体制を一層強化するとともに、万一、品質問題が生じた場合には、適切な方法で原因を究明し、迅速かつ誠実に対応いたします。加えて、グローバルでのコンプライアンス体制の充実を図るため、コンプライアンス委員会では子会社で整備すべき体制の基準を先のグループ規程で定め、各拠点で幹部らに対してコンプライアンス研修を定期的に実施しているほか、グループ全体で内部通報制度の整備を進めています。
当社グループは、2015年度を2015Vの「仕上げ」の年と位置付けるとともに、次のステップへ向けて大きく跳躍するための地力を蓄える年であるとも認識しています。長年にわたり培ってきたコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に、住友事業精神が謳う「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス(S.E.C.)」の取り組みを着実に積み重ねていくことにより、世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への飛躍を目指してまいります。