有価証券報告書-第138期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/26 16:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
124項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは2029年に創立100周年を迎えます。次の100年も社会から選ばれ続ける企業であるために、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)及び、3ヶ年の事業計画として「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)を策定し、2023年5月30日に公表しました。
2029Vで定めているとおり、当社グループは住友事業精神を根幹として、「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」というパーパスのもと、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を磨き続け、グループ内だけではなく、外部との共創による既存事業領域の深化と融合分野の事業探索によって、2029年のありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革を目指します。
2029年 住友理工グループVision
住友事業精神萬事入精・信用確実・不趨浮利
目指すべき企業像Global Excellent Manufacturing Company
存在意義
(パーパス)
素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える
2029年のありたい姿理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー
ありたい姿実現に
向けた3つの方向性
とマテリアリティ
未来を開拓する人・仲間づくり個々の成長を促す、育成機会の提供と働きがい溢れる
企業風土の醸成
社内外のパートナーシップによる共創の推進
柔軟かつ強固な組織づくり気候変動・自然資本に配慮した事業活動
環境変化に柔軟に対応できる経営基盤への変革
持続可能な社会に向けた価値づくり次世代モビリティ進化への対応と環境配慮型製品の提供
安全・快適の提供拡大に向けた技術の進化・融合
企業価値
(財務目標)
連結売上高7,000億円規模
ROIC(投下資本事業利益率) (注)110%以上ROE(親会社所有者帰属持分利益率) (注)210%以上
公益価値
(非財務目標)
※代表例
エンゲージメント経営理念やビジョンへの共感を高め、従業員と会社が
お互いに選び・選ばれる、自律的な関係構築
ダイバーシティ&インクルージョン多様な人材が安心して働き、新たな価値を創造
コンプライアンスサプライチェーンを含めた、グループ・グローバルでの法令・企業倫理の遵守徹底
人材育成高い志を持ち、未来を切り拓く自律型人材の育成
地球環境保全CO2排出量削減(2018年度比) Scope1+2 -30%
Scope3 -15%

(注)1. 投下資本事業利益率(ROIC)=事業利益/(純資産+有利子負債)
2. 親会社所有者帰属持分利益率(ROE)=親会社の所有者に帰属する当期利益/自己資本
2025Pについては、2029Vからのバックキャストによって、「未来を開拓する人・仲間づくり」「柔軟かつ強固な組織づくり」「持続可能な社会に向けた価値づくり」という、ありたい姿実現に向けた3つの方向性への取り組みを強化してきました。
また、「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」のテーマとして事業を推進する中、コロナ禍からの自動車生産台数の回復に伴う生産性改善に加え、構造改革及び原価低減活動等が当初想定を上回るペースで進展いたしました。これらの状況を踏まえ、2024年3月期の業績及び2025年3月期の業績予想を勘案し、「事業利益」「ROIC」「ROE」の数値目標を修正いたしました。
なお、2025Pにおける、上記以外の企業価値(財務目標)・公益価値(非財務目標)、及び「2029年 住友理工グループVision」(2029V)の目標については、2023年5月の発表内容から変更はありません。
2025年 住友理工グループ中期経営計画(2025P) ※2024年5月末に修正し公表
テーマさらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化
企業価値
(財務目標)
連結売上高6,200億円
事業利益320億円
ROIC(投下資本事業利益率)10%以上ROE(親会社所有者帰属持分利益率)9%以上
配当性向30%以上
投資額(3ヶ年累計)研究開発費 550億円
設備投資額 900億円
公益価値
(非財務目標)
※代表例
エンゲージメントグローバル幹部への理念教育及び全従業員への
理念・ビジョン周知活動推進
人材育成研修プログラムの拡充(3ヶ年累計)
・経営幹部研修 参加者 100人
・DX コア人材(注)3の育成 200人
・DX データ分析人材(注)4の育成 700人
地球環境保全CO2排出量削減(2018年度比) Scope1+2 -20%
廃棄物の削減(2022年度原単位比) -3%

(注)3. DXコア人材:自部門でIoT・AI活用の企画から実用導入に主導的に取り組む人材
4. DXデータ分析人材:自部門でIoT・AI など専門的ITツールを業務に使用する人材
(2) 経営環境及び対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く環境は、サステナブルな社会実現に向けた世界的な潮流や「CASE」といった自動車業界の大変革の中にあります。足元では、米国の関税政策や欧米・中東地域における地政学的リスクの顕在化により、資源の価格上昇や調達懸念、為替変動等が複合的に作用し、先行きに対する不確実性は一段と高まっている状況にあります。
このような中、当社グループでは3ヶ年の事業計画である2025Pに基づき事業活動を推進してまいりました。引き続き当社グループの強みであるコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使した製品開発と、グローバルでの生産体制を生かした受注の拡大、原価低減活動及び間接費抑制を継続して推進することで、収益性を高め、経営基盤を強化していきます。
親会社である住友電気工業㈱との連携においては、2026年2月に実施された完全子会社化を契機に、双方の経営資源のより一体的な運用を行ってまいります。あわせて、研究開発・営業・生産の各機能における連携体制の強化、人材交流の拡大並びに業務プロセスのデジタル化等を通じて、業務の効率化・高度化を進め、競争力の向上と事業基盤の強化に資するシナジー創出を図ってまいります。
加えて、サステナビリティを意識した経営の推進により、幅広いステークホルダーの皆様と共に持続的な成長とグリーンで快適な社会の実現を目指してまいります。
[自動車用品部門]
自動車業界においては急速に技術革新が進むなか、企業はこれらへの迅速な対応にとどまらず、カーボンニュートラルに象徴されるような社会課題への積極的な関与が求められています。
当社グループにおいては、創業以来培ってきたコアコンピタンスをもとに、CASEにおける「E:Electric(電動化)」を中心に、これからの自動車(モビリティ)に新たな価値を提供する製品の創出と開発を進めています。
特に、当社のコア技術を活用して開発した薄膜高断熱材「ファインシュライト」及び放熱機能を有する吸音材「MIF」は、電気自動車(EV)における電費や航続距離といった課題の解決に寄与すると考えております。また、2025年度より受託生産を開始した車載用輻射ヒーターは、安全性を確保しつつ、EVの航続距離と乗員の快適性の両立に資する製品として、今後の需要拡大が見込まれます。
防振ゴム事業については、EV時代にあわせ、エンジンマウントから振動制御をより高度化させたモーターマウントやeAxleマウントといった製品へ進化させ、グローバルへの拡販を進めています。
自動車用ホース事業については、EV用の電池やモーターをはじめとする、熱マネジメントのニーズに対応した開発を進め、2025年度においてはトヨタ自動車㈱の新型bZ4Xに、当社の冷却配管用樹脂チューブが採用されました。また、各国の環境規制やバイオ燃料に適合する燃料ホースなどの拡販を継続するとともに、他の製品で培った流体搬送技術を生かした冷却系ホースや、バッテリー冷却プレート「クールフィットプレート」などの開発にも注力しています。
水素社会の実現に向けては、当社の燃料電池自動車(FCEV)向けの基幹部品がトヨタ自動車㈱のMIRAIに採用されているほか、燃料電池トラック向け等にも水素タンクマウントや水素ホース、FCセル用ガスケットなどの部品を供給しています。
当社グループにおける欧州の業績低迷については、重要な経営課題として認識しています。欧州においては、市場動向や顧客の方針を見極めつつ、売価改善や受注活動、生産性向上やロス低減等による原価改善に継続して取り組むことで、収益性の改善を進めていきます。
今後も課題拠点の構造改革の完遂、売上拡大と原価低減の三本柱を軸に、さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化を推進してまいります。加えて、他社との協業も通じて付加価値の高い製品や技術の開発により、企業価値の向上と持続的な成長を目指していきます。
[一般産業用品部門・新規事業部門]
当社グループは、主力事業の「自動車(モビリティ)」分野に加えて、「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」といった、社会環境基盤の構築に不可欠な分野へも事業を展開しています。
2025年度においては、小牧製作所内における「インフラ・住環境」関連製品の生産体制の見直しを行い、新工場の稼働を開始しました。生産の最適化だけでなく、環境や周辺住民への配慮にも取り組み、持続可能な生産拠点としての機能強化を図っています。
インフラ分野における高圧ホースについては、原価低減とともに補修品市場への積極的な参入や未進出エリアを中心にグローバル拡販を進め、収益性向上を目指します。エレクトロニクス分野では、事務機器市場の成熟や働き方の変化による需要変動に対して、柔軟に対応できる体制への転換を目的とした構造改革を実施したことで、収益性が改善してきました。
ヘルスケア分野では、当社独自開発のSRセンサ技術を基にした、睡眠解析などへの応用が可能なバイタルセンサー「モニライフシリーズ」と、噛む力を可視化する歯科用咬合力計「Oramoシリーズ」の活用が広がりました。特に「Oramoシリーズ」は、研究機関や医療機関のみならず、プロ野球球団の口腔機能検査にも採用されました。当社の製品を通じて人々の暮らしと健康だけでなく、アスリートのパフォーマンス向上にも貢献してまいります。
新規事業部門では、社会からの要請に応えるべく、「2029V」に基づき、当社グループの技術領域の融合や外部との共創を通じて、新領域への挑戦や事業基盤の強化、将来の収益柱となる事業の創出を進めています。2025年度においては、インテグリカルチャー㈱と共同開発を進めてきた細胞農業向け細胞培養バッグについて、新たに戦略的パートナーシップを締結し、社会実装と事業化に向けた取り組みを加速させています。
これら以外にも、ランザテック社及び住友ゴム工業㈱・住友電気工業㈱とサーキュラーエコノミーに関する協業を進めているほか、2025年度には環境省、経済産業省、日本経済団体連合会が創設した官民一体の循環経済パートナーシップ「J4CE」へ参画しました。製品を供給するだけではなく、廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指して、業界の垣根を超えた価値共創を推進しています。
私たちはこれまで、モノづくり企業として90年以上にわたって培ってきたコアコンピタンスを軸に、住友事業精神が謳う「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」の取り組みを積み重ねてきました。これからも世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への成長を目指して、創立100周年に向けて着実な歩みを続けていきます。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。