有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「限りない創造 社会への奉仕」という「社是」のもとに、それを具体化した次の「経営理念」を掲げており、その実現に向けた企業活動に努めるとともに、社会・株主・顧客・仕入先・従業員等のあらゆるステーク
ホルダーに信頼される企業として、発展成長していくことをめざしています。
①私たちは、良き企業市民として、各国・地域に根ざした事業活動および社会貢献活動により、経済・社会の
発展に貢献します。[社会への貢献]
②私たちは、法令の遵守や企業倫理の徹底に向けた体制を構築し、誠実な事業活動を行います。
[適正な事業活動]
③私たちは、仕入先様とのオープンで対等な関係を基本に、互いに企業体質の強化・経営の革新に努め、グループの総合力を高めます。[持続的な成長]
④私たちは、変化を先取りした研究開発とものづくり技術により、お客様に満足いただける品質・価格で、
タイムリーに商品・サービスを提供します。[お客様の満足]
⑤私たちは、環境に配慮した製品の提供と工程づくりに努め、あらゆる企業活動を通じ、社会と連携して環境・資源を保全し、豊かな地球を未来に残すことに貢献します。[地球環境・資源の保全]
⑥私たちは、労使相互信頼・責任を基本に、一人ひとりの個性を尊重するとともに、チームワークによる総合力を高め、活力と働きがいのある企業風土を実現します。[人間性の尊重]
(2)今後の経営環境および対処すべき課題
CO2排出による地球温暖化や気候変動が大きな社会問題となっており、また菅内閣による2050年
カーボンニュートラル宣言もなされ、自動車業界も脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急務となっています。
加えて、ビジネス環境が激しく変化しており、AIやIoTを活用した事業や業務プロセス、企業文化の変革が
求められ、また将来のCASE・MaaSに対応できる事業構造の変化が必要不可欠となっています。
このような情勢の下、当社グループは、本年度の方策として①カーボンニュートラル、
②デジタルトランスフォーメーション(DX)、③新製品の市場投入に重点を置き、以下の課題に取り組んでいきます。
まず、①カーボンニュートラルについては、工場におけるCO2の直接排出ゼロ化だけではなく、事業活動に伴う
全ての間接排出も対象にしてCO2低減に貢献する製品開発などカーボンニュートラルを実現するための取り組みを
開始しています。
②DXについては、デジタル化を通じた働き方改革および必要な情報を電子化し、情報プラットフォームと
仕事のやり方の整理、統一化による業務の効率化を進めるとともに、ビジネスそのものや企業文化の変革にも
取り組んでいきます。
また③新製品の市場投入については、EV/FCV化(注)に向けた製品と新たな事業の柱となる製品の開発を加速し、早期の市場投入に向けた取り組みを進めていきます。
本年度は以上のような取り組みに対し、「一人ひとりが意識と行動を変える」仕掛けを実施し、目標達成に向けて
当社グループ一丸となって取り組んでいきます。
(注)EV:電気自動車 FCV:燃料電池自動車
(3)サステナビリティの取り組み
当社グループは「限りない創造 社会への奉仕」を社是に、当社の成長を通じ、持続可能な社会の実現に貢献
したいと考えています。そのため、SDGs(持続可能な開発目標)で示されているグローバルな課題解決や、ESG
(環境・社会・ガバナンス)領域に率先して取り組み、ステークホルダーからの期待に積極的に応えていきます。
2020年度は、サステナビリティ経営の推進とステークホルダーへの統合的な情報開示を効果的に実施することを
目的に、サステナビリティ・IR室を新設しました。また、当社の事業・経営基盤とSDGsの関係をより明確に
すべく、下記のとおりマテリアリティ(重要課題)の見直しを行いました。
(表)当社のマテリアリティ(重要課題)
ESGの取り組みについても、各分野への対応を通じて、持続的な企業価値の向上に努めています。
環境の分野では、みどりあふれる豊かな地球を残していくための取り組みを企業の使命と捉え、
「TG2050環境チャレンジ」において、カーボンニュートラルをめざし、2050年に工場のCO2排出量ゼロなどの目標を
掲げています。気候変動への対応に関しては「(4)気候変動への取り組みとTCFDへの対応(リスクと機会への
対応)」に詳細を記載しています。また、循環型社会の実現に向けて、廃棄物・水リスクの極小化を目指し、材料
使用量の削減、徹底的な分別による廃棄物の削減、リサイクルしやすい製品設計など資源の有効利用、水リスクの
特定と低減に取り組んでいます。生物多様性及び生態系の保全活動については、グローバルで継続している「工場の
森づくり活動」で、国内をはじめ、北米やアジア、欧州など28拠点で累計約30万本を植樹してまいりました。
これらの取り組みが評価され、2020年 日本経済新聞社「SDGs経営度調査」の環境評価価値でS+、環境活動に
関する情報開示を推進する国際NGOのCDP(注1)による「サプライヤー・エンゲージメント評価」で、2年連続
最高評価のAランクという高い評価を得ることができました。引き続き、グループ一丸となって、環境保全活動の
充実を図ってまいります。
⦅当連結会計年度の実績⦆
TG‐ESCO(注2)により、工場の蒸気放熱対策などの日常改善、ボイラー・冷温水発生器などのユーティリティ
設備の高効率化、国内外への太陽光発電システム設置など再生可能エネルギーの利用拡大を積極的に進め、連結CO2
排出量は466千t—CO2、CO2排出量原単位は58.4t—CO2/億円(基準年度である2012年度比23%減)となりました。
(注1)CDP:イギリスを拠点とした国際NGO。旧名称であるCarbon Disclosure Projectの略。
(注2)TG-ESCO:工場とカーボンニュートラル・環境推進部が一体となりあらゆるエネルギーロスを徹底的に
見つけ改善する独自の活動。ESCOは、Energy Saving Collaborative Operationsの略。
社会の分野では、従業員の能力を企業の持続的成長に繋げるために不可欠である活力と働きがいのある企業
風土づくりのため、グローバルに活躍できるプロフェッショナル人材の育成、ダイバーシティや働き方改革などの
取り組みを進めています。2020年度は、働き方改革の一環としてテレワークを制度化し、仕事の質の向上に繋げて
います。また、コロナ感染症の流行を受けた支援活動の一環として医療現場へのPCR検査車両・防護服の提供や、地域との交流の場として「豊田合成記念体育館(愛称:エントリオ)」をオープンしました。
ガバナンスの分野では、社会から信頼される誠実な企業で有り続けるために、当社グループ全体で
コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。2020年度は、役員報酬制度の見直しの一環として、当社の取締役
に、株主との一層の価値共有を進めるとともに、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを
目的に譲渡制限付株式報酬を導入しました。またコロナの拡大を契機にBCP対策を強化し、経営に重大な影響を
及ぼす危機へのリスクマネジメントを推進しました。
(4)気候変動への取り組みとTCFDへの対応(リスクと機会への対応)
当社は、気候変動への対策として、CO2排出量削減による脱炭素社会の構築をマテリアリティ(重要課題)の
1つとして掲げ、2019年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ盛り込む活動を
実施しています。なお、今後も財務への影響などを検証するなど充実していきます。
①ガバナンス
当社は、気候変動を含む環境問題への対応を経営の重要な課題の一つとして位置づけています。2016年2月
には長期の環境活動計画となる「TG2050環境チャレンジ」をカーボンニュートラル・環境委員会(旧環境委員会)
で策定し、公表を行い、当社グループで持続可能な社会の実現に向けて活動を強化しました。
カーボンニュートラル・環境委員会は社長が委員長を務め、年2回開催し、サプライヤーへの影響も含めて
気候変動によるリスクと機会について審議し、中長期計画の立案、企業経営へ反映を行っています。その結果は
取締役会、経営会議等へ定期的に報告しています。
②戦略
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的要請の
高まりを受け、CO2排出量ゼロの達成時期の前倒しをはかるため、2021年4月に「Targets 50&50」を定め、2030年
までにCO2排出量を50%減(2015年度比)、再生可能エネルギー導入率50%とより高い目標に見直しました。
その実現のため、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ(注1)」、
「2℃シナリオ(注2)」などを考慮し、下記のとおり事業活動に与える気候関連のリスク(物理リスクおよび
移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
(注1)4℃シナリオ:産業革命前と比べて4℃前後上昇するシナリオ
(注2)2℃シナリオ:産業革命前に比べて21世紀末に世界平均気温の上昇幅が2℃未満に抑えられるシナリオ
<物理リスク>気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
<移行リスク>脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
(注3)ZEV: Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV、FCV等。
(注4)CP: Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。
(注5)ZEB: Net Zero Energy Buildingの略。高効率設備や再生可能エネルギー導入により、年間1次エネルギー収支ゼロとする
建築物。
③リスク管理
当社では、カーボンニュートラル・環境委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会やマネジメント
システム(ISO14001)で、上記②に記載した気候関連のリスクを管理しています。リスク管理のプロセスは、リスクの識別・評価を行い、発生頻度やインパクトから優先順位付けした上で、委員会等で回避・軽減・移転・
保有などの対策を決定し、進捗管理を行います。重要リスクについては定期的に取締役会に報告しています。
④指標・目標
当社の環境活動は、長期目標である「TG2050環境チャレンジ」として、2050年に工場のCO2排出量ゼロなどの
目標を掲げています。また中期目標である「2030年マイルストーン」としてCO2排出量を50%減(2015年度比)、再生可能エネルギー導入率50%の目標(Targets50&50)を設定しながら、環境に配慮した生産工程や設備の開発
など、社内横断的にCO2低減活動を進めていきます。更に5年ごとに「環境取組みプラン」を策定し、毎年の
会社目標へ落とし込んで活動を推進しています。
<当社の中長期目標>
(注6)SCOPE1: 事業者自らによる燃料の使用によるCO2排出量
SCOPE2: 他社から供給された電力等の使用によるCO2排出量
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「限りない創造 社会への奉仕」という「社是」のもとに、それを具体化した次の「経営理念」を掲げており、その実現に向けた企業活動に努めるとともに、社会・株主・顧客・仕入先・従業員等のあらゆるステーク
ホルダーに信頼される企業として、発展成長していくことをめざしています。
①私たちは、良き企業市民として、各国・地域に根ざした事業活動および社会貢献活動により、経済・社会の
発展に貢献します。[社会への貢献]
②私たちは、法令の遵守や企業倫理の徹底に向けた体制を構築し、誠実な事業活動を行います。
[適正な事業活動]
③私たちは、仕入先様とのオープンで対等な関係を基本に、互いに企業体質の強化・経営の革新に努め、グループの総合力を高めます。[持続的な成長]
④私たちは、変化を先取りした研究開発とものづくり技術により、お客様に満足いただける品質・価格で、
タイムリーに商品・サービスを提供します。[お客様の満足]
⑤私たちは、環境に配慮した製品の提供と工程づくりに努め、あらゆる企業活動を通じ、社会と連携して環境・資源を保全し、豊かな地球を未来に残すことに貢献します。[地球環境・資源の保全]
⑥私たちは、労使相互信頼・責任を基本に、一人ひとりの個性を尊重するとともに、チームワークによる総合力を高め、活力と働きがいのある企業風土を実現します。[人間性の尊重]
(2)今後の経営環境および対処すべき課題
CO2排出による地球温暖化や気候変動が大きな社会問題となっており、また菅内閣による2050年
カーボンニュートラル宣言もなされ、自動車業界も脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急務となっています。
加えて、ビジネス環境が激しく変化しており、AIやIoTを活用した事業や業務プロセス、企業文化の変革が
求められ、また将来のCASE・MaaSに対応できる事業構造の変化が必要不可欠となっています。
このような情勢の下、当社グループは、本年度の方策として①カーボンニュートラル、
②デジタルトランスフォーメーション(DX)、③新製品の市場投入に重点を置き、以下の課題に取り組んでいきます。
まず、①カーボンニュートラルについては、工場におけるCO2の直接排出ゼロ化だけではなく、事業活動に伴う
全ての間接排出も対象にしてCO2低減に貢献する製品開発などカーボンニュートラルを実現するための取り組みを
開始しています。
②DXについては、デジタル化を通じた働き方改革および必要な情報を電子化し、情報プラットフォームと
仕事のやり方の整理、統一化による業務の効率化を進めるとともに、ビジネスそのものや企業文化の変革にも
取り組んでいきます。
また③新製品の市場投入については、EV/FCV化(注)に向けた製品と新たな事業の柱となる製品の開発を加速し、早期の市場投入に向けた取り組みを進めていきます。
本年度は以上のような取り組みに対し、「一人ひとりが意識と行動を変える」仕掛けを実施し、目標達成に向けて
当社グループ一丸となって取り組んでいきます。
(注)EV:電気自動車 FCV:燃料電池自動車
(3)サステナビリティの取り組み
当社グループは「限りない創造 社会への奉仕」を社是に、当社の成長を通じ、持続可能な社会の実現に貢献
したいと考えています。そのため、SDGs(持続可能な開発目標)で示されているグローバルな課題解決や、ESG
(環境・社会・ガバナンス)領域に率先して取り組み、ステークホルダーからの期待に積極的に応えていきます。
2020年度は、サステナビリティ経営の推進とステークホルダーへの統合的な情報開示を効果的に実施することを
目的に、サステナビリティ・IR室を新設しました。また、当社の事業・経営基盤とSDGsの関係をより明確に
すべく、下記のとおりマテリアリティ(重要課題)の見直しを行いました。
(表)当社のマテリアリティ(重要課題)ESGの取り組みについても、各分野への対応を通じて、持続的な企業価値の向上に努めています。
環境の分野では、みどりあふれる豊かな地球を残していくための取り組みを企業の使命と捉え、
「TG2050環境チャレンジ」において、カーボンニュートラルをめざし、2050年に工場のCO2排出量ゼロなどの目標を
掲げています。気候変動への対応に関しては「(4)気候変動への取り組みとTCFDへの対応(リスクと機会への
対応)」に詳細を記載しています。また、循環型社会の実現に向けて、廃棄物・水リスクの極小化を目指し、材料
使用量の削減、徹底的な分別による廃棄物の削減、リサイクルしやすい製品設計など資源の有効利用、水リスクの
特定と低減に取り組んでいます。生物多様性及び生態系の保全活動については、グローバルで継続している「工場の
森づくり活動」で、国内をはじめ、北米やアジア、欧州など28拠点で累計約30万本を植樹してまいりました。
これらの取り組みが評価され、2020年 日本経済新聞社「SDGs経営度調査」の環境評価価値でS+、環境活動に
関する情報開示を推進する国際NGOのCDP(注1)による「サプライヤー・エンゲージメント評価」で、2年連続
最高評価のAランクという高い評価を得ることができました。引き続き、グループ一丸となって、環境保全活動の
充実を図ってまいります。
⦅当連結会計年度の実績⦆
TG‐ESCO(注2)により、工場の蒸気放熱対策などの日常改善、ボイラー・冷温水発生器などのユーティリティ
設備の高効率化、国内外への太陽光発電システム設置など再生可能エネルギーの利用拡大を積極的に進め、連結CO2
排出量は466千t—CO2、CO2排出量原単位は58.4t—CO2/億円(基準年度である2012年度比23%減)となりました。
(注1)CDP:イギリスを拠点とした国際NGO。旧名称であるCarbon Disclosure Projectの略。
(注2)TG-ESCO:工場とカーボンニュートラル・環境推進部が一体となりあらゆるエネルギーロスを徹底的に
見つけ改善する独自の活動。ESCOは、Energy Saving Collaborative Operationsの略。
社会の分野では、従業員の能力を企業の持続的成長に繋げるために不可欠である活力と働きがいのある企業
風土づくりのため、グローバルに活躍できるプロフェッショナル人材の育成、ダイバーシティや働き方改革などの
取り組みを進めています。2020年度は、働き方改革の一環としてテレワークを制度化し、仕事の質の向上に繋げて
います。また、コロナ感染症の流行を受けた支援活動の一環として医療現場へのPCR検査車両・防護服の提供や、地域との交流の場として「豊田合成記念体育館(愛称:エントリオ)」をオープンしました。
ガバナンスの分野では、社会から信頼される誠実な企業で有り続けるために、当社グループ全体で
コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。2020年度は、役員報酬制度の見直しの一環として、当社の取締役
に、株主との一層の価値共有を進めるとともに、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを
目的に譲渡制限付株式報酬を導入しました。またコロナの拡大を契機にBCP対策を強化し、経営に重大な影響を
及ぼす危機へのリスクマネジメントを推進しました。
(4)気候変動への取り組みとTCFDへの対応(リスクと機会への対応)
当社は、気候変動への対策として、CO2排出量削減による脱炭素社会の構築をマテリアリティ(重要課題)の
1つとして掲げ、2019年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ盛り込む活動を
実施しています。なお、今後も財務への影響などを検証するなど充実していきます。
①ガバナンス
当社は、気候変動を含む環境問題への対応を経営の重要な課題の一つとして位置づけています。2016年2月
には長期の環境活動計画となる「TG2050環境チャレンジ」をカーボンニュートラル・環境委員会(旧環境委員会)
で策定し、公表を行い、当社グループで持続可能な社会の実現に向けて活動を強化しました。
カーボンニュートラル・環境委員会は社長が委員長を務め、年2回開催し、サプライヤーへの影響も含めて
気候変動によるリスクと機会について審議し、中長期計画の立案、企業経営へ反映を行っています。その結果は
取締役会、経営会議等へ定期的に報告しています。
②戦略
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的要請の
高まりを受け、CO2排出量ゼロの達成時期の前倒しをはかるため、2021年4月に「Targets 50&50」を定め、2030年
までにCO2排出量を50%減(2015年度比)、再生可能エネルギー導入率50%とより高い目標に見直しました。
その実現のため、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ(注1)」、
「2℃シナリオ(注2)」などを考慮し、下記のとおり事業活動に与える気候関連のリスク(物理リスクおよび
移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
(注1)4℃シナリオ:産業革命前と比べて4℃前後上昇するシナリオ
(注2)2℃シナリオ:産業革命前に比べて21世紀末に世界平均気温の上昇幅が2℃未満に抑えられるシナリオ
<物理リスク>気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
| 影響する項目 | リスク | 機会 | 対応 | |
| 急性 | ・異常気象による大規模 災害 | ・河川の氾濫、巨大台風、 渇水などによる生産支障 | ・BCP対応の強化で、顧客 信頼につながり受注拡大 | ・BCPのレジリエンス体制の強化 ・緊急時電源の確保 (非常用電源確保と自家発電設備の活用) ・建設地、建物耐久性の確認と改善 ・耐久、耐水、耐熱性に優れた製品の企画、開発 |
| 慢性 | ・気温上昇 ・降水、気象パターンの 変化 | ・温暖化による製品耐久性 の不足で品質不具合 | ・製品の耐久性の充実で 付加価値が向上し、収益向上 | |
<移行リスク>脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
| 影響する項目 | リスク | 機会 | 対応 | |
| 政策・ 規制 | ・電動化の促進施策 (ZEV(注3)、燃費、ガソリン車規制) ・政府のカーボンニュー トラル宣言 (CP(注4) 制度、補助金の拡大) | ・顧客のエコカー開発が加速 ガソリン車の部品の売上が 減少 ・炭素税が導入され収益悪化 | ・ZEV(注3)であるEV、FCV の製品開発が進み売上が増加 ・国の支援(補助金等)を活用 した製品、工法開発が進み 収益が向上 ・燃費(電費)向上に向けた 軽量化 ・ニーズの高まりから樹脂、 ゴムの軽量化製品の売上が 増加 | ・EV、FCV用の製品および部品開発 (水素タンク、EV電池パックなど) ・金属の樹脂化、樹脂・ゴム製品の 更なる軽量化、低炭素化 ・省エネ、創エネによる工場・ オフィスのZEB(注5)化 |
| 市場 | ・CASE、MaaS市場拡大 ・省エネ製品、ライフ ソリューション市場拡大 | ・車の価値、使い方の変化で 従来製品の売上が減少 ・環境負荷の大きい製品の 不買化 | ・カーシェア増加に伴い、除菌/ 抗菌製品の売上が増加 ・省エネ製品開発による 事業拡大、収益向上 | ・除菌/抗菌製品の開発 ・e-Rubber、GaNパワーデバイスの 開発・商品化 ・自然由来の材料の利用促進やバイオ プラスチックの利用技術の向上 |
| 技術 | ・エネルギー転換 ・再生可能エネルギー技術 の進歩、普及 ・省エネ技術の普及 | ・エネルギー転換への生産 技術対応でコストが増加 し、財務負担になる ・技術普及に乗り遅れ、CO2 低減が進まず炭素税等で 収益が悪化 | ・製造段階での省エネ、 低コスト生産の開発が進み 収益向上 ・再エネ、省エネ技術を活用 した環境に配慮した生産工程 の整備が進み収益向上 | ・工場エネルギーの最適化を推進 ・再生可能エネルギーの積極的な導入 ・IoT活用による省エネ生産、工程の 整備 ・製品ライフサイクルでの負荷低減の 推進 ・水素導入と蓄電用部品の開発 |
| 評判 | ・顧客の評価の変化 ・投資家の評判の変化 | ・環境負荷の小さい(脱炭素 など)製品が発注条件と なり、対応ができず失注 | ・脱炭素の製品開発ができ、 競合他社に優位性が増し、受注拡大 | ・カーボンゼロ製品の開発、商品化 (環境に優しい材料開発、易解体 製品設計) |
(注3)ZEV: Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV、FCV等。
(注4)CP: Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。
(注5)ZEB: Net Zero Energy Buildingの略。高効率設備や再生可能エネルギー導入により、年間1次エネルギー収支ゼロとする
建築物。
③リスク管理
当社では、カーボンニュートラル・環境委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会やマネジメント
システム(ISO14001)で、上記②に記載した気候関連のリスクを管理しています。リスク管理のプロセスは、リスクの識別・評価を行い、発生頻度やインパクトから優先順位付けした上で、委員会等で回避・軽減・移転・
保有などの対策を決定し、進捗管理を行います。重要リスクについては定期的に取締役会に報告しています。
④指標・目標
当社の環境活動は、長期目標である「TG2050環境チャレンジ」として、2050年に工場のCO2排出量ゼロなどの
目標を掲げています。また中期目標である「2030年マイルストーン」としてCO2排出量を50%減(2015年度比)、再生可能エネルギー導入率50%の目標(Targets50&50)を設定しながら、環境に配慮した生産工程や設備の開発
など、社内横断的にCO2低減活動を進めていきます。更に5年ごとに「環境取組みプラン」を策定し、毎年の
会社目標へ落とし込んで活動を推進しています。
<当社の中長期目標>
| 取組み | 目標年 | 目標値 |
| 第7次環境取組みプラン | 2025年 | SCOPE1+SCOPE2(注6) CO2排出量2015年度比 25%減 |
| 2030年マイルストーン (Targets 50&50) | 2030年 | SCOPE1+SCOPE2 CO2排出量2015年度比 50%減 |
| TG2050環境チャレンジ | 2050年 | SCOPE1+SCOPE2 CO2排出量ゼロ化 製品技術での環境社会への貢献 |
(注6)SCOPE1: 事業者自らによる燃料の使用によるCO2排出量
SCOPE2: 他社から供給された電力等の使用によるCO2排出量