有価証券報告書-第102期(2024/04/01-2025/03/31)
b.戦略
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的
要請の高まりを受け、工場CO2排出量ゼロの達成時期を2050年から2030年に前倒し、さらに2030年再生可能
エネルギー導入率100%とより高い目標に見直しました。
その実現のため、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ(注3)」、
「1.5℃/2.0℃シナリオ(注4)」などを考慮し、下記のとおり事業活動に与える気候関連のリスク
(物理リスクおよび移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
(注3)4℃シナリオ:産業革命前と比べ4℃前後上昇するシナリオ
(注4)1.5/2.0℃シナリオ:産業革命前に比べ21世紀末に世界平均気温の上昇幅が1.5/2.0℃に抑えられる
シナリオ
< 物理リスク >気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
< 移行リスク >脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
(注5)影響:発生の頻度・規模による事業への影響度。
(注6)ZEV: Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV/FCEV等。
(注7)CP: Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。
(注8)ZEB: Net Zero Energy Buildingの略。高効率設備や再生可能エネルギー導入により、年間1次エネルギー収支ゼロとする
建築物。
(注9)グリーンテクノロジー:環境問題を解決、あるいは緩和するための技術・製品(例:軽量化や脱炭素に資する技術・製品など)
当社は、「TG2050環境チャレンジ」に基づき、これまでもCO2削減に取り組んできました。昨今の社会的
要請の高まりを受け、工場CO2排出量ゼロの達成時期を2050年から2030年に前倒し、さらに2030年再生可能
エネルギー導入率100%とより高い目標に見直しました。
その実現のため、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ(注3)」、
「1.5℃/2.0℃シナリオ(注4)」などを考慮し、下記のとおり事業活動に与える気候関連のリスク
(物理リスクおよび移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。
(注3)4℃シナリオ:産業革命前と比べ4℃前後上昇するシナリオ
(注4)1.5/2.0℃シナリオ:産業革命前に比べ21世紀末に世界平均気温の上昇幅が1.5/2.0℃に抑えられる
シナリオ
< 物理リスク >気候変動による災害など物理的影響に関連するリスク
| 影響する項目 | リスク | 影響 (注5) | 機会 | 影響(注5) | 対応 | |
| 急性 | ・異常気象による大規模災害 | ・河川の氾濫、巨大台風、サプライチェーンの分断、渇水などに よる生産支障 | 大 | ・BCPのレジリエンス強化による盤石な生産体制の確保と競争力の向上 | 中 | ・BCPのレジリエンス体制・訓練の強化 ・緊急時における重要インフラの確保 ・土地・建屋の耐久性、浸水リスクの 点検・改修 ・耐久、耐水、耐熱性に優れた機能性材料開発および新製品開発 |
| 慢性 | ・気温上昇 ・降水、気象パターンの変化 | ・温暖化による製品耐久 性の不足で品質不具合 | 中 | ・製品の耐久性の充実で付加価値が向上し、収益向上 | 中 | |
< 移行リスク >脱炭素社会への移行に伴い発生するリスク
| 影響する項目 | リスク | 影響 (注5) | 機会 | 影響 (注5) | 対応 | |
| 政策 ・ 規制 | ・電動化の促進施策 (ZEV(注6)、 燃費、ガソリン車 規制) ・政府のカーボン ニュートラル宣言 (CP(注7) 制度、補助金の 拡大) | ・BEV開発の加速に伴うガソリン車専用部品の売上減少 ・炭素税の導入による コスト競争力の低下 | 大 大 | ・ZEVであるBEV/FCEVの製品開発が進み売上増加 ・国の支援(補助金等)を活用した環境配慮型の製品、工法開発の伸展で競争力を確保 ・燃費(電費)向上に向けた軽量化の製品・部品の売上増加 | 大 中 中 | ・BEV/FCEV向けの新製品開発 ・BEV先行市場・OEMへの拡販 ・高分子材料の知見を活かした樹脂・ ゴム製品の高い耐久性・軽量化、脱炭素化 ・ICPの導入による取り組みの加速 ・2030年へのカーボンニュートラル 前倒し ・省エネ、創エネによる工場・オフィス のZEB(注8)化 |
| 市場 | ・CASE、MaaS市場 拡大 ・グリーンテクノロ ジー(注9)に よる新分野の市場 拡大 | ・ユーザーの価値観、 使い方の変化で従来 製品の売上減少 ・環境負荷の高い製品の不買化による売上減少 | 中 中 | ・カーシェアの拡大に伴う除菌/抗菌製品の売上増加 ・グリーンテクノロジーの開発による事業拡大 | 中 大 | ・深紫外線LED技術を活かした除菌/浄化製品の開発 ・GaNパワーデバイスの開発・商品化 ・自動運転向けの新製品開発 ・非自動車ビジネスの拡大(ヘルスケア、エネルギーなど) |
| 技術 | ・エネルギー生産・ 転換技術の開発・ 普及 ・再生可能エネルギ ー技術の進歩、普及 ・省エネ技術の普及 | ・新たなエネルギー資源への対応による生産 技術コストの増加 ・技術普及の乗り遅れによる競争力の低下(CO2削減の鈍化、炭素税によるコスト増) | 中 中 | ・省エネ活動によるエネルギーコストの削減による競争力の確保 ・環境に配慮した製品開発、工程整備が進み収益向上 | 大 中 | ・工場エネルギーの最適化を推進 ・IoT、デジタル活用による生産プロセスの効率化による省エネ ・再生可能エネルギーの積極的な導入 ・CAR to CARリサイクルや製品ライフサイクルでの負荷低減の推進 ・水素タンク事業の拡大 |
| 評判 | ・顧客の評価の変化 ・投資家の評判の 変化 | ・発注条件に環境配慮(脱炭素、 リサイクル材料など)が加わり対応できず競争力の低減 | 中 | ・自動車部品のゴム・樹脂分野で先んじたグリーンテクノロジーの開発による競争力の向上 | 中 | ・環境配慮型の製品開発と事業化(高機能材料、バイオ材料、リサイクル材料 開発) |
(注5)影響:発生の頻度・規模による事業への影響度。
(注6)ZEV: Zero Emission Vehicleの略。走行時にCO2等の排出ガスを出さないEV/FCEV等。
(注7)CP: Carbon Pricingの略。炭素税や排出量取引により炭素に価格付けを行うこと。
(注8)ZEB: Net Zero Energy Buildingの略。高効率設備や再生可能エネルギー導入により、年間1次エネルギー収支ゼロとする
建築物。
(注9)グリーンテクノロジー:環境問題を解決、あるいは緩和するための技術・製品(例:軽量化や脱炭素に資する技術・製品など)