有価証券報告書-第93期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
現在、世界13か国に展開するNITTAグループ(以下「当社グループ」といいます。)は、国や地域で異なるお客さまのご要望に、コツコツと応え続け、発明と改良の精神をもって、新たな顧客価値の創造に取り組んでいます。
当社グループは、2017年3月に新たな経営理念(以下「理念」といいます。)を制定しました。この理念においては、当社グループを取り巻くステークホルダーに対する当社グループの役割として[使命]、使命達成のために当社グループ社員が持つべき考え方として[価値観]、使命達成のために当社グループ社員が取るべき行動として[行動指針]を制定しております。この理念は、当社グループのあらゆる事業活動やサステナビリティに関する取り組みの判断基準となっており、この理念に基づき、グループ全体が一丸となり、真のグローバル企業として更なる価値創造に取り組んでまいります。

(2) 目標とする経営指標
当社グループは、いたずらに規模の拡大のみを求めることなく収益性重視の経営を基本とし、中長期的な経営戦略に基づき、経営指標について目標値を設定しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年3月期から2031年3月期の10年間を対象とする中長期経営計画『SHIFT2030』を策定し、全社一丸となってその達成に向けた取り組みを開始しました。
10年後のあるべき姿として、「ものづくりを核としたシフトイノベーター」と定め、それを達成するための3大SHIFTとして、①成長へのSHIFT、②企業価値向上へのSHIFT、③更なるグローバル化へのSHIFT、に取り組んでまいります。
2021年4月からスタートした『SHIFT2030』フェーズ1(2022年3月期~2025年3月期)の定量目標は、売上高900億円、営業利益率5.0%、新製品売上高比率10.0%、海外売上高は2021年3月期比+30%としています。
『SHIFT2030』の概要は以下のとおりです。
1.あるべき姿
ものづくりを核としたシフトイノベーター
2.『SHIFT2030』の3大SHIFT
(1)成長へのSHIFT
・既存事業の持続的成長
・新事業の探索
・新製品開発の加速
(2)企業価値向上へのSHIFT
・品質及びトータルコスト競争力の向上
・コーポレートガバナンス、コンプライアンスの強化
・ESG推進とSDGsのGOAL達成
(3)更なるグローバル化へのSHIFT
・各事業の更なるグローバル展開
・コーポレート部門によるグローバルサポート強化
3.業績目標(連結)
(※)当社は、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用いたしました。
上記の2025年3月期目標の売上高は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、また、
2021年3月期実績の売上高は、当該会計基準等を適用したと仮定して算定したものです。
これに伴い、2021年3月期の営業利益率も3.6%から3.9%となります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループの製品は、多様な業界で使用されており、その売上は様々な要因により増減いたします。当社グループの連結売上高に占める比率で主要な業界は、自動車業界、半導体業界、繊維機械・金融機器・紙工機などの機械類となります。
自動車業界では、ホース・チューブ製品の他、作業ロボットの先端ツールを容易に交換できるメカトロ製品などを製造販売しております。半導体業界では、ベルト製品、ホース・チューブ製品及び空調製品などを製造販売しております。機械類では、繊維機械・金融機器・紙工機用などのベルト製品の他、工作機械用のホース・チューブ製品やゴム製品などを製造販売しております。また、それぞれの需要業界別において対処すべき課題は以下の通りです。
自動車業界
自動車業界向けの売上は、自動車メーカーからの新規プログラムの受注や、その生産台数により売上が増減しますが、一旦受注したプログラムは3~5年単位で継続します。また、受注先は自動車メーカーの他、タンクメーカーなどのTier1の会社となります。当社グループは、常に新しいプログラムを受注すべく自動車メーカーやTier1の会社に対する受注活動を行っております。
また、環境問題に対する意識の高まりとともに脱炭素への動きが強くなり、電動車の比率が高まる事が予想されます。これにより現在当社グループが販売している製品の販売量が減少する可能性があります。当社では、そのような状況に備え、自動車メーカーの軽量化や新エネルギー対応ニーズに応えるべく、常に新たな製品や用途の開発を進めております。
半導体業界
当社グループは半導体業界市場の中でも、半導体製造装置メーカー向けの製品比率が高いため、半導体需要及びそれに伴う半導体メーカーの設備投資の増減により影響を受けます。その需要変動に対応するため、適切で安定的な供給体制を整える事が重要になっています。当社グループでは、需要先の発注計画だけではなく、社内や代理店の在庫等も注視し、常にお客様の要望に応えられる体制構築を目指しております。
機械類
機械類では、当社グループの需要先は前述の通り多岐にわたっており、需要先の要望も様々です。主要メーカーの要求性能に適合した製品を開発、提案し、新規物件に採用頂くと共に、その交換需要を的確にとらえる事が重要になっています。当社グループでは、営業と技術が一体となり、大手メーカーの技術的な要望に応え続けるとともに、代理店販売を通してその交換需要を的確にとらえる営業を行っております。
(5)サステナビリティの取り組み
当社グループは、企業価値の増大を図るとともに、産業・社会の持続的発展と環境の維持・保全に貢献すべく、「サステナブル経営方針」に基づく事業展開を推進していきます。当社の事業・経営基盤とSDGsの関係をより明確にするため、重要課題(マテリアリティ)を下記の通りとしています。
(6)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
①ガバナンス
当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応を経営上の重要な課題の一つとして位置付けています。サステナビリティに関する社会課題の解決に向けた取組みを一層推進するため、従来「CSR推進・リスク管理委員会」が所管していた業務の一部を移管する形で、2022年5月13日付で「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。
当委員会は代表取締役社長が委員長を務め、年4回開催し「NITTAグループ理念」、「NITTAグループ行動憲章」及び「サステナブル経営方針」に基づき、中長期的かつESGの観点から、気候変動によるリスクと機会についての審議や気候変動リスクへの対応について審議しています。その結果は年4回取締役会へ報告することとしており、取締役会ではその内容を考慮した上で、重要な事項について審議し、決定しています。
コーポレート・ガバナンス体制図

②戦略
当社グループは、事業において気候変動が及ぼすリスクと機会について検討を行いました。リスクと機会については、政策や規制など社会的要求の変化等によって生じる“移行”リスク・機会と、異常気象の激甚化などによって生じる“物理”リスク・機会を特定しています。
シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)等が公表している「科学的根拠を有するシナリオ」を用いて、事業にどのような影響を及ぼすかを検討しました。今回実施したシナリオ分析は、当社ベルト・ゴム製品事業及びホース・チューブ製品事業における原材料・部品の調達、製品開発、製造、販売までのサプライチェーン全体を対象とし、「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」の2つのシナリオを用いて、2030年時点における影響を考察・検討しました。
(注)定量分析を行った項目は1~5段階で評価し、定性分析を行った項目は大・中・小の3段階で評価
(注)定量分析を行った項目は1~5段階で評価し、定性分析を行った項目は大・中・小の3段階で評価
これらの分析・評価及び対応策の検討は、社外のコンサルティング会社と連携しながら、サステナビリティ推進委員会での議論を踏まえて実施したものです。
今後も外部環境の動向や変化を踏まえ、定期的にリスクと機会の分析・評価の見直しを行っていく方針です。
<対応策>列挙したリスクに対するレジリエンスを強化するために以下のような取り組みを推進しています。
▼インターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入
当社グループでは、設備投資の際には環境負荷の低減につながる高効率な機器を積極的に採用・導入するという方針を明確にしています。今後、一層の環境負荷低減の為、インターナルカーボンプライシング制度の導入を検討して参ります。
③リスク管理
当社グループでは、気候変動に関して生じる変化を重要なリスク要因として認識し「サステナビリティ推進委員会」(従来「CSR推進・リスク管理委員会」で所管していた業務を2022年5月に移管)にて、気候変動によるリスクの把握及びリスクの回避・低減・未然防止に取り組んでいます。
当委員会は原則年4回開催し、グループの事業が気候変動によって受ける影響を判断するために、シナリオの分析等を行い、気候変動リスク・機会を特定、分析、評価しています。特定したリスク・機会は取締役会へ年4回報告を行うこととしています。
④指標と目標
当社グループは、生産段階における温室効果ガス(以下、「GHG」とします。)排出量の削減に関する基本方針として、2030年度までに2013年度対比46%削減、2050年度までに「カーボンニュートラル実現」を目指すと定め、その実現に向けて取り組んでいます。GHG排出量削減のために、①エネルギー使用量自体を削減する省エネの徹底、②再生可能エネルギーの活用拡大、③GHGフリーエネルギーの購入の3つの視点での取り組みを進めて参ります。
GHG排出量(Scope1,2)の推移

※当社の主力事業であるベルト・ゴム製品事業とホース・チューブ事業の2事業を対象としています。
(1) 経営の基本方針
現在、世界13か国に展開するNITTAグループ(以下「当社グループ」といいます。)は、国や地域で異なるお客さまのご要望に、コツコツと応え続け、発明と改良の精神をもって、新たな顧客価値の創造に取り組んでいます。
当社グループは、2017年3月に新たな経営理念(以下「理念」といいます。)を制定しました。この理念においては、当社グループを取り巻くステークホルダーに対する当社グループの役割として[使命]、使命達成のために当社グループ社員が持つべき考え方として[価値観]、使命達成のために当社グループ社員が取るべき行動として[行動指針]を制定しております。この理念は、当社グループのあらゆる事業活動やサステナビリティに関する取り組みの判断基準となっており、この理念に基づき、グループ全体が一丸となり、真のグローバル企業として更なる価値創造に取り組んでまいります。

(2) 目標とする経営指標
当社グループは、いたずらに規模の拡大のみを求めることなく収益性重視の経営を基本とし、中長期的な経営戦略に基づき、経営指標について目標値を設定しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年3月期から2031年3月期の10年間を対象とする中長期経営計画『SHIFT2030』を策定し、全社一丸となってその達成に向けた取り組みを開始しました。
10年後のあるべき姿として、「ものづくりを核としたシフトイノベーター」と定め、それを達成するための3大SHIFTとして、①成長へのSHIFT、②企業価値向上へのSHIFT、③更なるグローバル化へのSHIFT、に取り組んでまいります。
2021年4月からスタートした『SHIFT2030』フェーズ1(2022年3月期~2025年3月期)の定量目標は、売上高900億円、営業利益率5.0%、新製品売上高比率10.0%、海外売上高は2021年3月期比+30%としています。
『SHIFT2030』の概要は以下のとおりです。
1.あるべき姿
ものづくりを核としたシフトイノベーター
2.『SHIFT2030』の3大SHIFT
(1)成長へのSHIFT
・既存事業の持続的成長
・新事業の探索
・新製品開発の加速
(2)企業価値向上へのSHIFT
・品質及びトータルコスト競争力の向上
・コーポレートガバナンス、コンプライアンスの強化
・ESG推進とSDGsのGOAL達成
(3)更なるグローバル化へのSHIFT
・各事業の更なるグローバル展開
・コーポレート部門によるグローバルサポート強化
3.業績目標(連結)
| 2021年3月期実績 | 2025年3月期目標 | |
| 売上高 | 734億円 | 900億円 |
| 営業利益率 | 3.9% | 5.0% |
| 新製品売上比率 | 11.2% | 10.0% |
| 海外売上高比 | 204億円 | 2021年3月期比 +30% |
(※)当社は、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用いたしました。
上記の2025年3月期目標の売上高は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、また、
2021年3月期実績の売上高は、当該会計基準等を適用したと仮定して算定したものです。
これに伴い、2021年3月期の営業利益率も3.6%から3.9%となります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループの製品は、多様な業界で使用されており、その売上は様々な要因により増減いたします。当社グループの連結売上高に占める比率で主要な業界は、自動車業界、半導体業界、繊維機械・金融機器・紙工機などの機械類となります。
自動車業界では、ホース・チューブ製品の他、作業ロボットの先端ツールを容易に交換できるメカトロ製品などを製造販売しております。半導体業界では、ベルト製品、ホース・チューブ製品及び空調製品などを製造販売しております。機械類では、繊維機械・金融機器・紙工機用などのベルト製品の他、工作機械用のホース・チューブ製品やゴム製品などを製造販売しております。また、それぞれの需要業界別において対処すべき課題は以下の通りです。
自動車業界
自動車業界向けの売上は、自動車メーカーからの新規プログラムの受注や、その生産台数により売上が増減しますが、一旦受注したプログラムは3~5年単位で継続します。また、受注先は自動車メーカーの他、タンクメーカーなどのTier1の会社となります。当社グループは、常に新しいプログラムを受注すべく自動車メーカーやTier1の会社に対する受注活動を行っております。
また、環境問題に対する意識の高まりとともに脱炭素への動きが強くなり、電動車の比率が高まる事が予想されます。これにより現在当社グループが販売している製品の販売量が減少する可能性があります。当社では、そのような状況に備え、自動車メーカーの軽量化や新エネルギー対応ニーズに応えるべく、常に新たな製品や用途の開発を進めております。
半導体業界
当社グループは半導体業界市場の中でも、半導体製造装置メーカー向けの製品比率が高いため、半導体需要及びそれに伴う半導体メーカーの設備投資の増減により影響を受けます。その需要変動に対応するため、適切で安定的な供給体制を整える事が重要になっています。当社グループでは、需要先の発注計画だけではなく、社内や代理店の在庫等も注視し、常にお客様の要望に応えられる体制構築を目指しております。
機械類
機械類では、当社グループの需要先は前述の通り多岐にわたっており、需要先の要望も様々です。主要メーカーの要求性能に適合した製品を開発、提案し、新規物件に採用頂くと共に、その交換需要を的確にとらえる事が重要になっています。当社グループでは、営業と技術が一体となり、大手メーカーの技術的な要望に応え続けるとともに、代理店販売を通してその交換需要を的確にとらえる営業を行っております。
(5)サステナビリティの取り組み
当社グループは、企業価値の増大を図るとともに、産業・社会の持続的発展と環境の維持・保全に貢献すべく、「サステナブル経営方針」に基づく事業展開を推進していきます。当社の事業・経営基盤とSDGsの関係をより明確にするため、重要課題(マテリアリティ)を下記の通りとしています。
| マテリアリティ項目 | 関連するSDGs | 主な活動 | あるべき姿 | |
| 環 境 | 温室効果ガス削減による低炭素社会の実現 環境負荷の低減と循環型社会の実現 地球温暖化対策・生物多様性保全に貢献する山林経営 | ![]() | 環境に配慮した製品の開発・拡販 ・CO2削減製品/省エネ貢献製品の開発 | 2050年におけるカーボンニュートラルの達成 持続可能な地球環境の維持 |
| 製造効率化によるエネルギー及び材料使用量削減 ・省エネルギー対応設備への改良、切替 ・3R、廃棄物削減活動の推進 | ||||
| グリーン調達の推進 | ||||
| 健全な山林経営による山林の維持・拡大 ・保有森林面積、蓄材積の維持、拡大 ・生物多様性に配慮した環境づくり | ||||
| 社 会 | バリューチェーン全体を通じての社会的責任の発揮 働きがいのある魅力的な職場環境の実現 顧客満足の追求 | ![]() | ニッタのCSR調達方針の明確化と展開 | 安心して働ける職場環境を整備 ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にし、良き企業市民として社会に貢献 |
| ダイバーシティと機会の均等 ・女性の活躍推進 ・外国人材の活用推進 ・グローバル人材の育成 | ||||
| 働き方改革の推進 | ||||
| 品質の向上 ・部門横断的品質保証体制の強化 | ||||
| ガ バ ナ ン ス | コンプライアンス推進とリスクマネジメント強化 | ![]() | コンプライアンスの徹底 ・NITTAグループ理念、行動憲章等の教育機会の設定 | 公正な事業活動を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上 |
| リスク管理委員会体制による適切なリスク管理 ・調達先のBCP活動の調査 ・海外環境規制問題への対応 ・リスクの把握と対応策の実施 | ||||
| 海外拠点を含めたグループガバナンスの強化 ・拠点における内部統制マニュアルの作成、提供 ・海外拠点配置人材を含めた経営管理、監査関係人材の育成 | ||||
| 公正かつ適正な情報開示とステークホルダーとのコミュニケーション充実への取り組み |
(6)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
①ガバナンス
当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応を経営上の重要な課題の一つとして位置付けています。サステナビリティに関する社会課題の解決に向けた取組みを一層推進するため、従来「CSR推進・リスク管理委員会」が所管していた業務の一部を移管する形で、2022年5月13日付で「サステナビリティ推進委員会」を設置いたしました。
当委員会は代表取締役社長が委員長を務め、年4回開催し「NITTAグループ理念」、「NITTAグループ行動憲章」及び「サステナブル経営方針」に基づき、中長期的かつESGの観点から、気候変動によるリスクと機会についての審議や気候変動リスクへの対応について審議しています。その結果は年4回取締役会へ報告することとしており、取締役会ではその内容を考慮した上で、重要な事項について審議し、決定しています。
| ▼サステナビリティ推進委員会 | |
| 委員長 | 代表取締役社長 |
| 副委員長 | コーポレートセンター管掌役員 |
| 委員 | 取締役、監査役、事業部長等 |
| 事務局 | 経営管理グループ、安全環境品質グループ |
コーポレート・ガバナンス体制図

| ▼気候変動関連のガバナンス体制 | ||
| 組織名 | 役割 | 頻度 |
| 取締役会 | 気候変動関連の最重要事項の決定・報告 | 4回/年 |
| サステナビリティ推進委員会 | 取締役会への気候変動関連事項の付議・報告 | 4回/年 |
②戦略
当社グループは、事業において気候変動が及ぼすリスクと機会について検討を行いました。リスクと機会については、政策や規制など社会的要求の変化等によって生じる“移行”リスク・機会と、異常気象の激甚化などによって生じる“物理”リスク・機会を特定しています。
シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)等が公表している「科学的根拠を有するシナリオ」を用いて、事業にどのような影響を及ぼすかを検討しました。今回実施したシナリオ分析は、当社ベルト・ゴム製品事業及びホース・チューブ製品事業における原材料・部品の調達、製品開発、製造、販売までのサプライチェーン全体を対象とし、「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」の2つのシナリオを用いて、2030年時点における影響を考察・検討しました。
| 4℃シナリオ | 気候変動対策が現状から進展せず、地球平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末ごろに約4℃上昇するとされるシナリオ。異常気象の激甚化や海面上昇など、物理的なリスクが大きくなる一方、企業活動や消費活動に対する締め付けは現行より強化しないとされています。 |
| 1.5℃シナリオ | カーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、地球平均気温が産業革命期以前と比較して、今世紀末ごろに約1.5℃の上昇に抑えられるとするシナリオ。物理的なリスクの高まりは抑制される一方で、税制や法規制という形で企業活動や消費活動に対する締め付けが強まるとされています。 |
| 項目 | 売上総利益への影響(注) | 事業インパクト | ||||
| 4℃ | 1.5℃ | リスク | 機会 | |||
| 移行 | 政策及び規制 | 炭素価格(炭素税) | - | 2 | (1.5℃)生産活動でCO2を排出しているため、炭素税が導入されることでCO2排出に伴うコストが増加する | - |
| 排出権取引GHG排出規制への対応 | - | 2 | (1.5℃)排出権取引制度の強化や対象地域の拡大により、GHG排出枠を超えた場合クレジット購入などの追加コストが発生する | - | ||
| プラスチック規制 | - | 大 | (1.5℃)プラスチックに関する規制の進行に伴い、代替材料の置き換えやリサイクルの高度化に対応するための費用が増加する | - | ||
| 森林保護に関する政策 | - | 中 | - | (1.5℃)森林吸収・炭素除去系クレジットの活性化に伴い、植林活動が推進され、CO₂吸収機会の拡大、植林地域における雇用や産業を創出 | ||
| 再エネ政策 | - | 2 | (1.5℃)排出規制強化(炭素税等)に伴い再エネ需要が高まり、再エネ価格が上昇しエネルギーコストが増加する | (1.5℃)再エネ政策が進み、木質バイオマス発電の需要が伸びるため、間伐材等燃料提供の機会が増える | ||
| 省エネ政策 | - | 大 | (1.5℃)省エネ政策の強化による、設備什器の高効率機への更新が迫られた場合の支出が増加する | - | ||
| 技術 | 再エネ・省エネ技術の普及 | - | 大 | - | (1.5℃)省エネ政策の規制強化に伴い、省エネ製品の需要が拡大する。そのため、「ゼロシーム」をはじめとする省電力製品の売上が増加する (1.5℃)省エネ需要の拡大に伴い、消費電力量を軽減できる「伝動用ベルト」の売上が増加する | |
| 低炭素技術の進展 | - | 大 | (1.5℃)EVの進展に伴いエンジン部品(内燃機関)の需要が減少に伴い、自動車向け燃料チューブの売上が減少する | (1.5℃)軽量かつ高強度を要する材料として期待されている「Namd」が技術開発により航空機や自動車に応用できた場合、軽量化が課題となっているEVや電動航空機での需要拡大により売上が増加する (1.5℃)大規模データセンターの増加に伴い、サーバーの冷却需要が増加し、冷却配管用のニーズが高まり、樹脂チューブの需要が高まる (1.5℃)低炭素化社会への移行に伴い、スマートシティー化が行われる。そのため、半導体ニーズの拡大により「半導体関連部品」の売上が拡大する (1.5℃)部品の軽量化やバッテリーの冷却需要があるEV・FCVの進展に伴い、冷却配管用樹脂チューブの売上が増加する | ||
(注)定量分析を行った項目は1~5段階で評価し、定性分析を行った項目は大・中・小の3段階で評価
| 項目 | 売上総利益への影響(注) | 事業インパクト | ||||
| 4℃ | 1.5℃ | リスク | 機会 | |||
| 物理 | 急性 | 異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂、高潮等) | 大 | 小 | (4℃)生産拠点やサプライチェーンへ甚大な影響を及ぼし、操業停止や物流機能の停止、対応コストが増加する (4℃)調達資材の納期遅延や調達(運搬)コストが増加する | - |
| 慢性 | 平均気温の上昇 | 大 | 中 | (4℃)空調負荷が増加し、エネルギーコストが増加する | (4℃)気温上昇に伴い、外出機会が減少し宅配サービスの需要が拡大する。そのため、荷物搬送に使用するベルト類の売上が増加する (4℃)平均気温の上昇に伴い、定温・冷蔵・冷凍状態の維持が困難になる。そのため、コールドチェーン輸送の需要拡大により「低温特性が高いベルト」の売上が増加する (4℃)異常気象をはじめとする自然災害の影響により、施設や道路などの破損頻度が増加する。そのため、建設機械の需要が増加し、「ホース製品」の売上が増加する | |
(注)定量分析を行った項目は1~5段階で評価し、定性分析を行った項目は大・中・小の3段階で評価
| ▼評価基準(定量分析) | |
| 1 | 1,000万円以下の損害 |
| 2 | 若干の(10%未満)の利益減少 |
| 3 | 10%超の利益減少 |
| 4 | 大幅な(30%超)利益減少 |
| 5 | 赤字化 |
これらの分析・評価及び対応策の検討は、社外のコンサルティング会社と連携しながら、サステナビリティ推進委員会での議論を踏まえて実施したものです。
今後も外部環境の動向や変化を踏まえ、定期的にリスクと機会の分析・評価の見直しを行っていく方針です。
<対応策>列挙したリスクに対するレジリエンスを強化するために以下のような取り組みを推進しています。
| 分類 | リスク対応策の方針 | ||
| 大分類 | 中分類 | 小分類 | |
| 移行 | 政策・規制 | 炭素価格(炭素税) | ・コージェネレーションシステムの高効率運用 ・再エネ由来電力への切り替え ・インターナルカーボンプライシングの導入検討 |
| 再エネ政策 | ・オンサイトPPA導入 | ||
| 省エネ政策 | ・照明のLED化 ・エネルギー効率の高い機器への変更 | ||
| 技術 | 低炭素技術の進展 | ・EV向け自動車部品、環境負荷低減ベルトなどの 「環境配慮型製品」の開発、販売促進 | |
| 物理 | 急性 | 異常気象の激甚化 (台風、豪雨、土砂、高潮等) | ・BCP対策 |
▼インターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入
当社グループでは、設備投資の際には環境負荷の低減につながる高効率な機器を積極的に採用・導入するという方針を明確にしています。今後、一層の環境負荷低減の為、インターナルカーボンプライシング制度の導入を検討して参ります。
③リスク管理
当社グループでは、気候変動に関して生じる変化を重要なリスク要因として認識し「サステナビリティ推進委員会」(従来「CSR推進・リスク管理委員会」で所管していた業務を2022年5月に移管)にて、気候変動によるリスクの把握及びリスクの回避・低減・未然防止に取り組んでいます。
当委員会は原則年4回開催し、グループの事業が気候変動によって受ける影響を判断するために、シナリオの分析等を行い、気候変動リスク・機会を特定、分析、評価しています。特定したリスク・機会は取締役会へ年4回報告を行うこととしています。
④指標と目標
当社グループは、生産段階における温室効果ガス(以下、「GHG」とします。)排出量の削減に関する基本方針として、2030年度までに2013年度対比46%削減、2050年度までに「カーボンニュートラル実現」を目指すと定め、その実現に向けて取り組んでいます。GHG排出量削減のために、①エネルギー使用量自体を削減する省エネの徹底、②再生可能エネルギーの活用拡大、③GHGフリーエネルギーの購入の3つの視点での取り組みを進めて参ります。
GHG排出量(Scope1,2)の推移

※当社の主力事業であるベルト・ゴム製品事業とホース・チューブ事業の2事業を対象としています。


