有価証券報告書-第133期(平成28年1月1日-平成28年12月31日)

【提出】
2017/03/28 10:54
【資料】
PDFをみる
【項目】
118項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度(平成28年1月1日~平成28年12月31日)における国内自動車市場は、年初からの円高や株式市場の低迷による日本経済への不透明感から販売動向に陰りが出ました。秋以降は新車投入による改善がありましたが、国内販売は5年ぶりに5百万台を割り込む結果となりました。この結果、当連結会計年度における国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の497万台、四輪車輸出台数は、前年比1.2%増の463万台、国内四輪車生産台数は、前年比0.8%減の920万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、北米、中国市場における堅調さを背景に、前年比5.1%増の1,850万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、50,992百万円と前連結会計年度(50,851百万円)に比べ0.3%の増収となりました。
(営業利益)
年初からの円高に伴う影響はありましたが、ロボット化による生産性改善活動、生産移管による不採算部門の解消、その他物流費削減の効果もあり、当連結会計年度の営業利益は6,618百万円と前連結会計年度(5,764百万円)に比べ14.8%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
営業利益6,618百万円に対し、為替差損389百万円等の発生により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,353百万円と前連結会計年度(6,163百万円)に比べ3.1%の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益6,353百万円から、過年度法人税等△177百万円を含む税金費用1,750百万円と非支配株主に帰属する当期純利益958百万円を控除し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、3,644百万円と前連結会計年度(3,322百万円)に比べ9.7%の増益となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「4.事業等のリスク」に記載しております。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、2015年を初年度とする中期経営計画(NGS2020)に取り組んでおります。
「NGS2020(2015年~2017年~2020年)」では、オリンピックイヤーである2020年をひとつのゴールと設定し、ビジョン(めざす姿)を明確にし、「2020年連結経営指針」を示しております。
「NGS2020」に示された「6つの全体戦略」をブレークダウンした「重点施策」を年度毎の短期経営計画に落とし込み、着実に遂行することで、「事業(Structure)」、「しくみ(System)」、「人(Skill)」の変革と「企業価値(Business Value)の向上」に取り組んでまいります。
なお、初年度(2015年)実績および2016年実績は下記のとおりであります。4期連続での最高益を更新しており、更なる進化と新たな成長を確実なものとすべく邁進してまいります。
(百万円)2015年実績2016年実績
売上高50,85150,992
営業利益5,7646,618
経常利益5,8496,343
親会社株主に帰属する当期純利益3,3223,644

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は32,142百万円(前連結会計年度末28,213百万円)となり、3,928百万円増加しました。主な増加内容は、現金及び預金の増加2,231百万円、受取手形及び売掛金の増加990百万円、電子記録債権の増加182百万円、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加483百万円、繰延税金資産の減少240百万円、その他(未収入金等)の増加279百万円などによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は16,743百万円(前連結会計年度末16,852百万円)となり、109百万円減少しました。主な減少内容は、有形固定資産の増加441百万円、のれんの増加194百万円、投資有価証券の減少709百万円などによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は13,128百万円(前連結会計年度末12,336百万円)となり、791百万円増加しました。主な増加内容は、支払手形及び買掛金の増加716百万円、電子記録債務の増加278百万円、その他(未払金等)の減少215百万円などによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,657百万円(前連結会計年度末6,941百万円)となり、283百万円減少しました。主な減少内容は、長期借入金の減少227百万円、その他の減少141百万円などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は29,100百万円(前連結会計年度末25,788百万円)となり、3,311百万円増加しました。主な増加内容は、利益剰余金の増加3,290百万円、その他有価証券評価差額金の減少152百万円、為替換算調整勘定の減少545百万円、非支配株主持分の増加681百万円などによるものであります。
なお、自己資本比率は50.3%となり、前連結会計年度末と比べ1.5%増加しております。
②キャッシュフローの分析
キャッシュ・フローについては「第2 事業の状況」の「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フロー5,670百万円の増加から、投資活動によるキャッシュ・フロー2,214百万円を差し引いたフリーキャッシュ・フローは3,456百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,353百万円(資金の増加)、減価償却費1,504百万円(資金の増加)、売上債権の増加1,076百万円(資金の減少)、法人税等の支払額1,515百万円(資金の減少)などにより営業活動による資金は5,670百万円増加し、一方、投資活動による資金の減少2,214百万円の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,772百万円に使用したためであります。また、財務活動では、借入金の純減少306百万円および配当金の支払い353百万円、非支配株主への配当金の支払い596百万円により、1,257百万円の減少となりました。その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,020百万円増加し、11,782百万円となりました。
また、財務政策につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大および効率的な設備投資の実施により、安定した運転資金の確保ならびに財務体質の向上を図る所存であります。なお、当社グループにおいては、流動性を確保するため金融機関との間で、特定融資枠契約(コミットメントライン契約)500百万円(当連結会計年度末の未使用残高は500百万円)および当座貸越契約2,580百万円(当連結会計年度末の未使用残高は2,580百万円)を締結しております。