有価証券報告書-第189期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ (当社、連結子会社及び持分法適用会社) の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。) の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い経済活動全体が制限されるなか、企業収益や景況感が悪化し、個人消費は大きく落ち込みました。感染防止と経済活動の両立が見通せないなか、世界や日本経済の先行き不透明感は依然として強く、企業業績へのマイナス影響は長期化することが懸念されます。
靴業界におきましても、新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きく、2度にわたる緊急事態宣言の発出等、全国的に不要不急の外出を控える動きが継続しており、消費動向は依然として低調に推移し、厳しい経営環境が続いております。
このような環境のなか、当社グループは、収益性の早期改善を重点課題に掲げ、お客さまニーズやライフスタイルの変化に適切かつ迅速に対応した商品開発を行うとともに、取扱いブランド・展開アイテム数の適正化と効率化による収益性の向上、ウェブ環境整備によるビジネスモデル改革の推進に取り組んでまいりました。
当期の春夏商戦につきましては、2020年4月上旬に発出された緊急事態宣言以降、外出自粛や商業施設の休業等(当社直営小売店においては最大で100店舗休業)により、大幅に来店・購買客数が減少し、売上・利益ともに極めて厳しい結果となりました。秋冬商戦につきましては、2019年10月からの消費税増税に伴う買い控えの反動等により個人消費は回復の兆しが見られましたが、11月中旬以降、新規感染者数の増加や不要不急の外出自粛要請に加え、年明け1月より関東圏および大都市圏を中心に2度目の緊急事態宣言が発出され、大型都市を中心とした店舗、商業施設等は勢いを欠く状況となり、厳しい結果となりました。
商品面につきましても、当社が主力としている中・高価格帯のビジネスカテゴリーの商品動向は、テレワークやオフィスカジュアルの浸透・拡大により低調に推移しており、更にインバウンド需要の激減等もあり、非常に厳しい状況が続いております。
このような状況のなか新たな取り組みとしましては、サステナブルなモノづくりを意識しリサイクル素材を原材料とした人工皮革やエコレザーを使用した環境配慮商品に加え、ビジネスシューズのスタイル感とスニーカーの履き心地を融合したシリーズ等、様々な着用シーンを想定した商品開発・提案を始めております。
利益面につきましては、固定費をはじめとした販売管理費は全般的に削減いたしましたが、滞留在庫の処分値引きの増加等による売上総利益率の低下や、売上高の大幅な減少に伴う売上総利益額の減少により、営業利益、経常利益ともに前年実績を下回りました。
また、特別損益において、新型コロナウイルス感染症にかかる助成金等収入を特別利益として 836百万円計上したものの、臨時休業等による損失を 1,259百万円、希望退職者の募集および連結子会社解散に伴う特別退職加算金等を事業構造改善費用として 1,129百万円、法人税等調整額を 360百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても前年実績を大きく下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は 19,200百万円 (前年同期比34.1%減) 、営業損失は 2,181百万円 (前年同期は営業損失 727百万円) 、経常損失は 2,087百万円 (前年同期は経常損失 591百万円) 、親会社株主に帰属する当期純損失は 4,417百万円 (前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失 1,302百万円) の計上となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
靴小売事業
靴小売事業では、2020年4月に発出された1回目の緊急事態宣言以降、臨時休業や営業時間短縮、外出自粛等の影響により極めて厳しい状況が続き、国内の実店舗(オンラインショップを除く)における第3四半期累計期間までの売上高は、前年同四半期比で34.9%の減収となりました。第4四半期以降、国内の実店舗(オンラインショップを除く)の売上高は、1月につきましては、関東圏および大都市圏を中心に2回目の緊急事態宣言が発出され、前年同月比で43.6%の減収、2月は新型コロナウイルス感染症の影響を受け始めた前年同月比で26.8%の減収、年間の最需要期である3月につきましては、各ブランドショップで感染予防対策および開催期間・実施内容を十分検討したうえで販促キャンペーンを実施した結果、前年同月比3.3%の減収となりました。
一方で外出自粛による巣ごもり消費やインターネット消費の拡大など消費動向の変化により、「オンラインショップ」は前年同期比で39.0%の増収となりましたが、実店舗における大幅な減収分を補うには至りませんでした。
今後は、消費者の購買行動が変化し続けることを踏まえ、ウェブコンテンツやSNSの強化を図ることで、実店舗と「オンラインショップ」の連携によるオムニチャネルの推進や外部ECを含めたEコマースの強化および各ブランドショップにおける会員制度の統合により、顧客の利便性向上に向けた新たな接点強化施策に注力してまいります。
当連結会計年度の店舗展開につきましては、「リーガルシューズグランエミオ所沢店」(埼玉県)など新規で計13店舗(セグメント区分変更等を含む)出店し、1店舗を移転改装するとともに、不採算店舗を中心に計14店舗を閉店いたしました。(直営小売店の店舗数 122店舗、前連結会計年度末比1店舗減)
この結果、当連結会計年度の売上高は 10,515百万円 (前年同期比 28.6%減) 、営業損失は 1,069百万円 (前年同期は営業損失 221百万円) となりました。
靴卸売事業
靴卸売事業では、靴小売事業同様、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響により、来店・購買客数が減少し、大幅な減収となりました。前年同期比で主力の百貨店業態では56.4%、量販店業態では44.3%、一般専門店業態では28.5%の減収と厳しい状況が続いております。
各業態とも、売場・店舗の縮小・撤退傾向が著しく、更に、仕入れ抑制や滞留在庫品の値引販売が増加しており、計画どおりの商品展開が出来ない状況が続いております。
また、低価格なランニングシューズやタウンカジュアル、一部の高付加価値商品、環境に配慮した素材のスニーカー等は需要があるものの、コロナ禍以前からのオフィスカジュアルの浸透に加え、テレワークの浸透・拡大の影響等により、当社の主力であるビジネスカテゴリーの動向は非常に鈍く、厳しい状況は今後も続くものと思われます。
今後は、ライフスタイルの多様化やオフィスカジュアルに対応した商品提案を行うとともに、取扱いブランド、展開アイテム数の更なる適正化と効率化を図り、在庫効率の改善と販売・販促方法の見直しを早急に行うことにより、収益性の向上に注力してまいります。
この結果、当連結会計年度の売上高は 8,662百万円 (前年同期比 39.7%減) 、営業損失は 1,221百万円 (前年同期は営業損失 610百万円) となりました。
その他
報告セグメントに含まれない不動産賃貸料の収入など、その他事業の当連結会計年度の売上高は 179百万円 (前年同期比 1.7%減)、 営業利益は 30百万円 (前年同期比 37.2%減) となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 824百万円減少し、27,871百万円となりました。
このうち、流動資産の残高は 18,024百万円と、前連結会計年度末に比べ 651百万円増加しております。
これは、商品及び製品が 1,953百万円、受取手形及び売掛金が 727百万円減少したものの、現金及び預金が 3,603百万円増加したことなどが主な要因であります。
固定資産の残高は 9,846百万円と、前連結会計年度末に比べ 1,475百万円減少しております。
これは、不採算店舗や、米沢工場の閉鎖による減損損失などにより、有形固定資産が 913百万円、繰延税金資産が 515百万円減少したことなどが主な要因であります。
当連結会計年度末における負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ 3,253百万円増加し、17,586百万円となりました。
このうち、流動負債の残高は 13,248百万円と、前連結会計年度末に比べ 2,865百万円増加しております。
これは、支払手形及び買掛金が 2,389百万円減少したものの、短期借入金が 5,100百万円増加したことなどが主な要因であります。
固定負債の残高は 4,337百万円と、前連結会計年度末に比べ 387百万円増加しております。
これは、退職給付に係る負債が 215百万円減少したものの、長期借入金が 729百万円増加したことなどが主な要因であります。
当連結会計年度末における純資産の部の合計は、10,285百万円と、前連結会計年度末に比べ 4,077百万円減少しております。
これは、親会社株主に帰属する当期純損失 4,417百万円を計上したことなどにより利益剰余金が 4,316百万円減少したことなどが主な要因であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は 6,756百万円と前連結会計年度末と比べ 3,629百万円の増加 (前年同期比 116.1%増) となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,498百万円の減少 (前連結会計年度は 435百万円の減少) となりました。
主な要因としてはたな卸資産の減少額 1,981百万円、売上債権の減少額 807百万円などの増加要因と、税金等調整前当期純損失 4,004百万円、仕入債務の減少額 2,268百万円などの減少要因によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、445百万円の収入 (前連結会計年度は 393百万円の支出) となりました。
主な要因としては、投資有価証券の売却による収入 246百万円、有形固定資産の売却による収入 202百万円を計上したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、5,672百万円の収入 (前連結会計年度は 411百万円の収入) となりました。
主な要因としては、短期借入金の純増加額 5,040百万円などの増加要因によるものであります。
③ 生産、商品仕入、受注及び販売の実績
当社グループでは、生産実績及び商品仕入実績については、セグメント別に把握することが困難であるため、扱い品目の合計額を記載しております。
a. 生産実績
| 品 目 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紳士靴・婦人靴 | 4,661 | △50.1 |
(注) 1. 金額は、卸売価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大による市場環境の悪化によるものであります。
b. 商品仕入実績
| 品 目 | 商品仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紳士靴・婦人靴 | 5,913 | △48.0 |
(注) 1. 金額は、仕入金額によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大による市場環境の悪化によるものであります。
c. 受注実績
当社グループは、見込生産を主としており、受注高及び受注残高に重要性がないため、記載しておりません。
d. 販売実績
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 靴小売事業 | 10,515 | △28.6 |
| 靴卸売事業 | 8,662 | △39.7 |
| その他 | 22 | △58.5 |
| 合計 | 19,200 | △34.1 |
(注) 1. 「その他」の販売高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大により外出を自粛する動きが拡がり来店・購買客数が減少するなど、市場環境の悪化によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、2度にわたる緊急事態宣言の発出等、全国的に不要不急の外出を控える動きが継続しており、個人消費が依然として低調に推移したことにより、19,200百万円 (前年同期比 34.1%減) となりました。また、固定費をはじめとした販売管理費は全般的に削減いたしましたが、滞留在庫の処分値引きによる売上総利益率の低下や、売上高の大幅な減少に伴う売上総利益額の減少により、営業損失は 2,181百万円 (前期同期は営業損失 727百万円)、経常損失は 2,087百万円 (前年同期は経常損失 591百万円) となりました。
また、特別損益において、新型コロナウイルス感染症にかかる助成金等収入を特別利益として 836百万円計上したものの、臨時休業等による損失を 1,259百万円、希望退職者の募集および連結子会社解散に伴う特別退職加算金等を事業構造改善費用として 1,129百万円、法人税等調整額を 360百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は 4,417百万円 (前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失 1,302百万円) となりました。
靴小売事業におきましては、緊急事態宣言下における店舗の臨時休業や営業時間短縮、外出自粛等の影響により、売上高は 10,515百万円 (前年同期比 28.6%減)、営業損失は 1,069百万円 (前年同期は営業損失 221百万円) となりました。今後は、ウェブコンテンツやSNSの強化を図り、オムニチャネルの推進や外部ECを含めたEコマースの強化施策に注力してまいります。
靴卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響により、来店・購買客数が減少し大幅な減収となったため、売上高は 8,662百万円 (前年同期比 39.7%減)、営業損失は 1,221百万円 (前年同期は営業損失 610百万円) となりました。今後は、テレワークの浸透・拡大などによるライフスタイルの多様化やオフィスカジュアルに対応した商品提案を行うとともに、在庫効率の改善と販売・販促方法の見直しを早急に行うことに注力してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は、11,930百万円となっております。また、当連結会計年度における現金同等物の残高は 6,756百万円となっております。
当連結会計年度における設備投資につきましては、直営店舗の出店、移転および改装による店舗内装工事などを行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は 194百万円となりました。
これらの投資のための所要資金は、自己資金及び借入により資金調達いたしました。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な後発事象及び、2 財務諸表等 注記事項 重要な後発事象」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の長期化に備えて、経営の安定を図るべく手元資金を厚くすることを目的とし、金融機関から資金の借入を行っており、手元流動性は充分と認識しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。