有価証券報告書-第186期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ (当社、連結子会社及び持分法適用会社) の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。) の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 1,078百万円増加し、31,910百万円となりました。
このうち、流動資産の残高は 20,042百万円と、前連結会計年度末に比べ 236百万円増加しております。
これは、現金及び預金が 357百万円、受取手形及び売掛金が 288百万円減少したものの、商品及び製品が 752百万円、原材料及び貯蔵品が 149百万円増加したことなどが主な要因であります。
固定資産の残高は 11,868百万円と、前連結会計年度末に比べ 841百万円増加しております。
これは、株式の売却などにより投資有価証券が 168百万円減少したものの、営業所の移転や工場の建替えにより有形固定資産が 995百万円増加したことなどが主な要因であります。
当連結会計年度末における負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ 544百万円増加し、15,364百万円となりました。
このうち、流動負債の残高は 10,692百万円と、前連結会計年度末に比べ 594百万円減少しております。
これは、支払手形及び買掛金が 387百万円、未払法人税等が 222百万円増加したものの、短期借入金が 714百万円、預り金の減少などにより流動負債のその他が 438百万円減少したことなどが主な要因であります。
固定負債の残高は 4,672百万円と、前連結会計年度末に比べ 1,138百万円増加しております。
これは、退職給付に係る負債が 161百万円、長期未払金の返済などにより固定負債のその他が 156百万円減少したものの、長期借入金が 1,565百万円増加したことなどが主な要因であります。
当連結会計年度末における純資産の部の合計は、16,546百万円と、前連結会計年度末に比べ 533百万円増加しております。
これは、その他有価証券評価差額金が 75百万円、土地再評価差額金が 169百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益 772百万円を計上したことなどにより利益剰余金が 720百万円増加したことなどが主な要因であります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移しておりますが、海外経済の不確実性や地政学的リスクの高まり等の影響もあり、先行きは不透明な状況が続いております。
このような環境のなか、当社グループの経営成績について売上面につきましては、靴小売事業の紳士靴は前年並みに推移いたしましたが、婦人靴全般およびカジュアルシューズは、対象顧客の消費に対する意識、購買行動の変化等により苦戦いたしました。また、靴卸売事業において、百貨店や量販業態が苦戦しており、店頭販売状況を踏まえた上での在庫適正化施策を実施したことなどにより低調に推移し、全体では前年実績を下回りました。
利益面につきましては、販売管理費の削減や営業所移転に伴う土地の売却および投資有価証券の一部売却による特別利益の計上があったものの、売上高の減少に伴う売上総利益額の減少などにより、前年実績を下回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は 34,205百万円 (前年同期比 4.1%減)、営業利益は 1,326百万円 (前年同期比 8.6%減)、経常利益は 1,338百万円 (前年同期比 10.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 772百万円 (前年同期比 13.2%減) となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
靴小売事業
靴小売事業では、マーケットやライフスタイルの変化に対応した店舗開発を推進し、また多様化する顧客ニーズに対応すべく顧客との接点強化施策を展開し、店舗運営を通してのブランド価値の向上と売上の拡大に努めました。
業態別では、売上面につきましては、「ケンフォードショップ」がマスマーケット層の支持を得て好調に推移いたしましたが、「リーガルシューズ店」においては、都市部の店舗が相対的に堅調であったものの、地方や郊外型店舗が苦戦を強いられるなど厳しい状況が続いており、前年実績を下回りました。「アウトレット店」は、前年実績をやや下回ったものの、前期に過剰であった滞留在庫品の処分施策を実施した効果もあり、売上総利益率が改善いたしました。
商品・アイテム別では、紳士靴は付加価値の高いビジネスシューズを中心に堅調に推移いたしましたが、婦人靴全般およびカジュアルシューズが、対象顧客の節約志向やスニーカー需要の継続等の影響により苦戦いたしました。
当連結会計年度の店舗展開につきましては、「サントーニトーキョー」(東京都)など計3店舗を新規で出店し、「リーガルシューズ銀座数寄屋橋店」(東京都)など計8店舗を改装するとともに、不採算店舗計5店舗を閉店いたしました。(直営小売店の店舗数 131店舗、前年同期末比2店舗減)
この結果、当連結会計年度の売上高は 17,372百万円(前年同期比 2.4%減)、営業利益は 855百万円(前年同期比 2.9%増)となりました。
靴卸売事業
靴卸売事業では、多様化する顧客ニーズに対応すべく、上質感や機能性を訴求する商品開発に注力するとともに、チャネルごとの特性に合った営業活動を推進いたしました。
紳士靴につきましては、履き心地を重視した「リーガルウォーカー」やマスマーケットへ向けたオリジナルブランドの「ケンフォード」は好調に推移いたしましたが、主に百貨店や量販業態において、過剰気味であった店頭在庫の適正化施策を実施したことなどにより、売上高、営業利益ともに前年実績を下回りました。
婦人靴につきましては、発売2年目を迎えた「リーガル」の機能性パンプス「プラチナムシリーズ」が、その履き心地の良さが認知され、ブランドの中核として定着しつつあります。しかしながら、消費環境の変化等により、婦人靴市場全般が苦戦をしており、「リーガル」以外のブランドは低調に推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は 16,788百万円(前年同期比 5.8%減)、営業利益は 399百万円(前年同期比 26.9%減)となりました。
その他
報告セグメントに含まれない不動産賃貸料の収入など、その他事業の当連結会計年度の売上高は 181百万円(前年同期比 9.4%減)、営業利益は 38百万円(前年同期比 26.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は 4,369百万円と前連結会計年度末と比べ 360百万円の減少 (前年同期比 7.6%減) となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、345百万円の増加 (前連結会計年度は 2,291百万円の増加) となりました。
主な要因としては、税金等調整前当期純利益 1,432百万円、売上債権の減少額 231百万円、仕入債務の増加額 388百万円などの増加要因と、たな卸資産の増加額 856百万円、預り金等その他の減少額 402百万円、法人税等の支払額 463百万円などの減少要因によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、 1,124百万円の支出 (前連結会計年度は 883百万円の支出) となりました。
主な要因としては、営業所の移転や工場の建替えなどにより、有形固定資産の取得による支出 1,693百万円、有形固定資産売却による収入 438百万円を計上したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、 437百万円の収入 (前連結会計年度は 521百万円の支出) となりました。
主な要因としては、長期借入金による収入 2,000百万円、短期借入金の純減少額 900百万円、長期借入金の返済による支出 249百万円、配当金の支払額 220百万円などによるものであります。
③ 生産、商品仕入、受注及び販売の実績
当社グループでは、生産実績及び商品仕入実績については、セグメント別に把握することが困難であるため、扱い品目の合計額を記載しております。
a. 生産実績
| 品 目 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紳士靴・婦人靴 | 9,682 | +2.0 |
(注) 1. 金額は、卸売価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
| 品 目 | 商品仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紳士靴・婦人靴 | 12,830 | +0.6 |
(注) 1. 金額は、仕入金額によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループは、見込生産を主としており、受注高及び受注残高に重要性がないため、記載しておりません。
d. 販売実績
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 靴小売事業 | 17,372 | △2.4 |
| 靴卸売事業 | 16,788 | △5.8 |
| その他 | 43 | △23.1 |
| 合計 | 34,205 | △4.1 |
(注) 1. 「その他」の販売高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a.経営成績等の状況
靴業界におきましては、消費者の節約志向や低価格志向が継続するなか、スニーカーやスポーツシューズ需要が依然として根強く、婦人靴やレザーカジュアルが苦戦しております。また「モノ消費」から「コト消費」へのシフトやEコマースの急成長による競争の激化等、消費の構造変化が顕著になっており、厳しい経営環境が続いております。
このような環境のなか、当社グループは、靴小売事業を核とした製造小売型企業体への進展を目指し、企画・開発から製造、調達、販売まで各部門がスピード感をもって連携することによって効率化を図るとともに、顧客ニーズやライフスタイルの変化に対応した店舗開発や商品提案を行い、新たなマーケットを創造していくことを重点課題として取組んでまいりました。
この結果当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、スポーツシューズ需要が依然として根強い市況環境を背景に売上高は減少いたしました。靴小売事業では婦人靴全般およびカジュアルシューズが、対象顧客の消費に対する意識、購買行動の変化等により苦戦しました。また、靴卸売事業において、百貨店や量販業態が苦戦しており、店頭販売状況を踏まえた上での在庫適正化施策を実施したことなどにより低調に推移し、全体では前年実績を下回りました。 その結果、当社の目標とする経営指標であります売上高対営業利益率、売上高対経常利益率は前連結会計年度を下回る結果となりました。
しかしながら、前連結会計年度より取り組んでまいりました滞留在庫品削減施策の効果により、在庫水準が適正化されたため売上総利益率は改善いたしました。
また販売管理費の削減効果もあわせまして、目標指標値を上回る売上高対営業利益率、売上高対経常利益率となりました。
当社グループは、靴小売事業を核とした製造小売型企業体への進展を目指し、企画・開発から製造、調達、販売まで各部門がスピード感をもって連携することによって効率化を図り、調達コストのさらなる減少と売上総利益率の向上、販売管理費の削減を行い、売上高対営業利益率、売上高対経常利益率の向上を目指します。
また、顧客ニーズやライフスタイルの変化に対応した店舗開発や商品提案を行い、新たなマーケットを創造していくことにさらに取組んでまいります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は、 5,735百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金同等物の残高は 4,369百万円となっております。
当連結会計年度における設備投資につきましては、当社大阪支店の移転に係る不動産の取得、当社の連結子会社でありますチヨダシューズ株式会社の設備老朽化による新潟工場建替えなどを行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は 1,693百万円となりました。
これらの投資のための所要資金として、シンジケートローン及び実行可能期間付タームローンによる総額 2,000百万円の借入を実行しました。
今後の重要な設備投資といたしましては、当社の連結子会社であります米沢製靴の設備老朽化による工場の建替えにより 398百万円の支出を予定しております。
この投資のための所要資金は自己資金及び借入により資金調達することとしております。