(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用環境や個人所得は緩やかに回復しているものの、長期化する米中の貿易摩擦の影響により輸出や設備投資に弱さが見られました。先行きにつきましては、米中の通商政策の動向や地政学的な緊張感の高まりなど依然として不透明な状況が見込まれます。
このような状況のなか、当社グループは、当期を初年度とする3か年の中期経営計画『ISHIZUKA 2021 ~次の100年に向けて~』をスタートさせました。この中期経営計画では、前中期経営計画から引き続き「グループ横断機能の更なる強化」を推進するとともに、最終年度である2021年度に「営業利益率5%の達成」及び「非容器事業を連結売上高の10%まで拡大」をめざして取り組んでおります。
売上高につきましては、PETボトル用プリフォームが主要ユーザー向けの出荷を大きく伸ばしたことなどにより、グループ全体の売上高は57,850百万円(前年同四半期比3.8%増)となりました。利益につきましては、エネルギー価格の上昇はありましたが売上高の増加に伴う増益効果などにより、営業利益は2,444百万円(前年同四半期比10.6%増)、経常利益は2,251百万円(前年同四半期比7.2%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,439百万円(前年同四半期比5.0%減)となりましたが、これは主に、前期に亞徳利玻璃(珠海)有限公司が清算結了したことにより同社に対する出資金が課税所得計算上損金処理されたため、前第3四半期連結累計期間の税金費用が減少していたためです。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<ガラスびん関連事業>ガラスびんは、清涼飲料水やビールのリターナブルびんの出荷が大きく減少したことに加え、焼酎びんや清酒びんの需要が落ち込んだことにより出荷が伸び悩み、売上高は12,845百万円(前年同四半期比5.7%減)となりました。
<ハウスウェア関連事業>ガラス食器は、一般市場向けの販売は堅調に推移しましたが、ビールメーカー向けの業務用品や景品の受注が落ち込みました。陶磁器は、国内のホテル・レストラン向けの受注は増加しましたが、海外のエアライン向けの受注が減少したことなどにより、セグメント全体の売上高は10,232百万円(前年同四半期比8.2%減)となりました。
<紙容器関連事業>紙容器は、主要ユーザーへの拡販により受注が増加したことに加え、原材料や物流コストの上昇に伴う販売価格是正もあり、売上高は5,816百万円(前年同四半期比4.6%増)となりました。
<プラスチック容器関連事業>プラスチック容器は、PETボトル用プリフォームが堅調な需要を背景に主要ユーザーからの受注が増加したことに加え、当期から本格的に生産を開始した新ラインの稼働により出荷総量が増加したことにより、売上高は24,953百万円(前年同四半期比19.5%増)となりました。
<産業器材関連事業>産業器材は、IHクッキングヒーター用トッププレートの受注が減少したことなどにより、売上高は1,320百万円(前年同四半期比12.4%減)となりました。
<その他事業>抗菌剤は、国内及び海外市場ともに売上高が減少しました。金属キャップは医薬品向けの出荷が伸び悩んだこともあり、セグメント全体の売上高は2,681百万円(前年同四半期比11.9%減)となりました。
② 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,301百万円増加し、82,501百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金、商品及び製品並びに有形固定資産が増加した一方、その他(未収金)が減少したことによるものです。
負債合計は470百万円増加し、54,072百万円となりました。これは主に、固定負債その他(長期未払金)が増加した一方、有利子負債が減少したことによるものです。
純資産合計は831百万円増加し、28,429百万円となりました。これは主に、株価下落に伴いその他有価証券評価差額金が減少した一方、利益剰余金が増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は30.9%(前連結会計年度末は30.4%)となりました。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。したがいまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 不適切な支配の防止のための取り組み
当社は上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取り組みとして「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。
本プランでは、当社株式に対し議決権割合が20%以上となるような大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。また、本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、当社における決定の合理性・公正性を担保するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外役員並びに社外有識者で構成される独立委員会を設置しております。当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表いたします。大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、原則として対抗措置を講じません。しかし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守している場合であっても、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断した場合には、例外的に、独立委員会の勧告を最大限尊重し、必要かつ相当な範囲内で、また、必要に応じて株主の皆様のご意思を確認の上で、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。
本プランの有効期間は3年間(2022年6月に開催予定の定時株主総会終結時まで)となっておりますが、有効期間中であっても、株主総会又は取締役会の決議により本プランは廃止されることがあります。また、随時見直しを行い、株主総会における株主の皆様のご承認を得て本プランの変更を行うことがあります。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」(2019年5月9日付)をご参照ください。
(参考URL http://www.ishizuka.co.jp/news/index.html)
③ 不適切な支配の防止のための取り組みについての取締役会の判断
本プランは、①買収防衛策に関する指針の要件を充足し、コーポレートガバナンス・コードの「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえていること、②株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること、③合理的な客観的発動要件を設定していること、④独立性の高い社外者の判断を重視し、情報開示をしていること、⑤株主意思を重視するものであること、⑥デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと、の理由から会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、535百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。