有価証券報告書-第121期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 14:42
【資料】
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【項目】
130項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高め、株主の期待に応えることを基本としています。
(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
①『2030 長期経営計画 日特BX』及び新中期経営計画(2021年度~2024年度)
当社グループは「良品主義」「総員参加」を基本姿勢とし、創意工夫・改善という変化を積み重ね、顧客視点に立ち「良い品質」の商品をお届けすることで、今日の日本特殊陶業グループを築き上げてまいりました。これこそが当社グループの基本であり、今後もこの姿勢を守り、さまざまな課題に取り組んでまいります。長期経営計画『日特進化論』では、2020年のありたい姿として「ものづくり企業」、「高収益率企業」、「発展的企業」、「人財企業」を掲げ、その実現のためのプロセスとして、3年ごとに現業の掘り下げと新ビジネスの種まきを目指す「深化」、新製品・新ビジネスの立ち上げを目指す「新化」、そして、現業と新ビジネスの加速度的な発展を目指す「進化」の3つのステージに分け、2020年にすべてのステークホルダーに対して、“真価(真の価値)”を提供することを目指してまいりました。
そして、『日特進化論』の最終ステージである第7次中期経営計画では、その総仕上げとなる「進化」の3年と、その先の“真価(真の価値)”を見据えた5カ年計画で、「既存事業のさらなる強化」、「新規事業の創出」、「強固な経営基盤の構築」を基本方針として各種施策を実施し、その成果は次のとおりです。
(既存事業のさらなる強化)
主力製品であるスパークプラグは圧倒的な地位を確立し、排ガス用センサも世界トップシェアを実現する等、ものづくり企業として“真価”を世界のお客さまに届けられるバリューチェーンの構築を達成いたしました。
(新規事業の創出)
医療分野では酸素濃縮装置事業を世界展開するCAIRE社の買収による事業拡大、環境・エネルギー分野では燃料電池事業における子会社設立、また新規事業の探索を推進する組織「ベンチャーラボ」の設立やベンチャーキャピタル投資等の“種まき”を進めたものの、具体的な成長ビジョンの提示までには至りませんでした。
(強固な経営基盤の構築)
「専務執行役員」及び「常務執行役員」という職位を「上席執行役員」に統合し、役員間の階層をフラットにすることで経営課題へ迅速に対応できる体制を整えるとともに、年齢や経歴を問わず有望な人財を活用するために、雇用型の「従業員執行役員制度」を導入いたしました。さらに、グローバルに拡大する事業環境に対し、より市場に近い拠点でスピーディかつ正確な経営判断を下すため、米州、EMEA、アジア地域を統括するRHQ(リージョナルヘッドクオーター)を導入する等、強固な経営基盤を構築してまいりました。
以上のとおり、『日特進化論』の総仕上げとなる第7次中期経営計画においては、スパークプラグ、排ガス用センサを中心とする自動車関連事業のさらなる強化に取り組み、安定的な収益基盤を構築してまいりました。しかし、電気自動車をはじめとした技術革新が急速に進行し、経済及び業界の構造そのものが大きく変化している今、“新たなステージ”へ向けた飛躍と革新が求められています。
このような状況を踏まえ、2020年には、セラミックスをコアとしながらもセラミックスを超えた事業を展開し、自動車関連事業を中心とした事業ポートフォリオからの転換を大きな戦略テーマに、当社グループの「2040年に目指す姿」として、「これまでの延長線上にない変化」、そのビジョンとして「Beyond ceramics, eXceeding imagination- セラミックスの先へ、想像のその先へ。」を掲げ、そのマイルストーンとなる2030年をターゲットにした新長期経営計画『2030 長期経営計画 日特BX』を策定いたしました。『2030 長期経営計画 日特BX』では、行動指針“Change with Will”のもと、「経営革新」「権限・責任の厳格化」「『志』『共生』の意識醸成」を具体的な施策として推進することで、自動車関連事業で得た収益を源泉として成長事業及び新規事業への投資を加速させ、事業ポートフォリオの転換を図ってまいります。
また、『2030 長期経営計画 日特BX』で目指す姿を見据え、2021年度から2024年度までの4年間を「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」として、組織を変革する期間に位置付けた新中期経営計画を策定いたしました。本中期経営計画においては、次の基本方針及び重点課題を掲げ、各種取組みを実行してまいります。
基本方針:「既存事業」と「新規事業」が独立しながら、両輪で走る
(重点課題)
■成長事業及び新規事業への投資・人財ポートフォリオ転換の促進
■ROIC経営による稼ぐ力のさらなる強化
・重点課題に基づく具体的な取り組みの一つとして、2021年4月には社内カンパニー制への移行と一部事業部門の分社化を実施いたしました。事業部門、事業サポート部門、コーポレート部門の各組織において権限と責任を明確にし、独立自営の体制のもと、機動的な意思決定の実現と収益性の可視化によるさらなる成長を推進してまいります。
・ROICを用いた事業別の目標管理及び事業ポートフォリオマネジメントの仕組みを構築・運用することで、経営資源の最適配分を実現し、投資対効果の最大化を図ります。
・事業ポートフォリオの転換に不可欠な人財ポートフォリオの転換を実現するため、成長事業・新規事業への人財の積極的な転換に取り組むとともに、「自律創造人財」の育成・創出を推進します。
(事業別の取組み)
事業ポートフォリオ転換の達成に向けて、自動車関連事業でキャッシュ創出を最大化し、成長事業・新規事業へ積極的な経営資源の再配分を図ってまいります。
(1)自動車関連事業
自動車関連事業においては、超効率化によりキャッシュ創出の最大化を図ります。具体的には、高付加価値製品におけるシェアの向上、生産性の向上による投資の抑制、在庫圧縮による資本効率の向上により、利益及びフリーキャッシュフローの最大化に取り組みます。
(2)成長事業
成長事業においては、各事業において市場成長率を超える事業成長を目指します。半導体製造装置用部品事業では、独自技術で競合との差別化を図り、顧客からの最先端のニーズに応えることで、同分野でのトップサプライヤーを目指します。また、呼吸器関連事業では、グローバルでの患者様のQOL改善に貢献するため、製品群の拡充と販売地域・販売チャネルの拡大に取り組みます。
(3)新規事業
新規事業においては、新たな事業の柱となる新規事業の実現、及び、事業創出サイクルの短縮化を目指します。新規事業の創出については、「Smart Health」「Decentralized Utility」「Smart Mobility」を注力領域として、コーポレートベンチャーキャピタルを通じたベンチャー企業との連携やM&Aの活用により、持続可能な成長に向けた新市場の獲得を目指します。燃料電池事業では、産業用燃料電池向け製品の発電性能の向上、家庭用・業務用の次世代燃料電池向け製品の開発、生産コストの低減及び量産体制の確立により、競争力の獲得及び事業規模の拡大に取り組みます。
②持続的成長に向けた取組み
企業の持続的成長を図っていく上では、重要な社会的課題に正面から向き合い、その解決に挑んでいくという基本姿勢が求められます。当社グループは、グローバル企業として持続可能な社会作りに寄与するため、ESG各分野の社会的課題のうち、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社にとっての重要性」の2軸からサステナビリティにおける重要課題を特定しました。「相互信頼を深め、未来を見つめた新たな価値を提案し、世界の人々に貢献します」という企業理念のもと、今後も「社会のよき一員」として企業活動を推進し、社会全体に貢献できるよう努めてまいります。
③コンプライアンスの徹底
当社グループはコンプライアンスを重要な経営課題と位置付けており、今後も企業の社会的責任を果たし、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、過去に生じた競争法違反の再発防止策の徹底と全社に対するコンプライアンス教育、啓発活動を継続して実施してまいります。
④新型コロナウイルス感染症への対応
当社では新型コロナウイルス感染症拡大の初期段階から対策本部を立ち上げ、さまざまな感染防止策を実施してまいりました。職場環境の感染リスクを低減するため、在宅勤務や時差勤務の積極的な推奨、WEB会議の活用、オフィスでの密集を避けるための分散勤務を目的としたサテライトオフィスを設置し、特に在宅勤務に関しては従業員が利用しやすい環境を整えるためにIT環境を刷新しました。また、2021年7月に小牧工場内に竣工予定の新オフィス棟においては、非在席勤務率30%以上を主な取組みのひとつとして掲げております。
これまでの新型コロナウイルス感染症への対応実績を事業継続計画(BCP)に反映し、引き続き感染の再拡大や新たな感染症に備えてまいります。

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