有価証券報告書-第69期(2022/04/01-2023/03/31)
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
a.子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。当社がある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社はその企業を支配していると判断しています。子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、当社の連結対象に含めています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の債権・債務、内部取引、並びに連結会社間取引によって発生した未実現損益は消去します。
支配が継続する子会社に対する当社の持分変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。
b.関連会社
関連会社とは、当社がその企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使する能力を有しているものの、支配していない企業をいいます。関連会社については、当社が重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しています。
(2)企業結合
企業結合は支配獲得日に取得法によって会計処理し、取得関連費用は発生時に費用として認識します。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発債務は、取得日の公正価値で測定します。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び当社が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得した識別可能な資本持分の公正価値を超過する場合にはその超過額をのれんとして認識し、下回る場合には純損益として認識します。移転された対価は、取得した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれています。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定します。
(3)外貨換算
a.機能通貨
当社及び当社の連結子会社はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各社の取引はその機能通貨により測定しています。
b.外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート、またはそれに近似する為替レートにより換算します。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しています。取得原価で測定される外貨建非貨幣性項目は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる為替差額は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、純損益として認識しています。
c.在外営業活動体
在外営業活動体とは、その活動が、当社と異なる国または通貨に基盤を置いているか、もしくは行われている、当社の子会社または関連会社をいいます。在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レート、収益、費用及びキャッシュ・フローは、超インフレ経済下にある在外営業活動体を除き、期中平均レートにより円貨に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算過程で生じた為替換算差額はその他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を、処分にかかる利得または損失の一部として純損益に振り替えます。
d.超インフレ調整
当社は、当連結会計年度よりIAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に従い、トルコ・リラを機能通貨とする子会社について、超インフレ会計による調整を実施しています。超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益、費用及びキャッシュ・フローは決算日の為替レートにより円貨に換算しています。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金及び預金に加え、取得日から3ヵ月以内に満期が到来する流動性の高い投資を含んでいます。
(5)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。
取得原価は、製商品及び仕掛品は主として総平均法により評価しており、原材料及び貯蔵品は主として先入先出法により評価しています。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した金額です。
(6)有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復費用が含まれています。有形固定資産については、その耐用年数にわたり定額法で減価償却しています。耐用年数はおおむね次のとおりです。
建物及び構築物 2~50年
機械及び器具 2~20年
残存価額、耐用年数及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。大規模な更新や改修にかかる支出は有形固定資産として計上し、耐用年数に基づき減価償却をしています。小規模な更新もしくは維持及び修繕に係る支出は、発生時に費用として認識します。
(7)のれん及び無形資産
a.のれん
企業結合により取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。のれんの償却は行わず、企業結合からの便益を享受できると期待される資金生成単位に配分し、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを実施しています。
b.無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
開発活動における支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しています。
(a)使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(b)無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
(c)無形資産を使用または売却できる能力
(d)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(e)無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上
及びその他の資源の利用可能性
(f)開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産については、その耐用年数にわたり定額法で償却しています。償却対象となる無形資産は主に顧客との関係、非特許技術、ソフトウェア並びに特許権であり、それぞれの耐用年数は、おおむね次のとおりです。
顧客との関係 2~20年
非特許技術 5~25年
ソフトウェア 2~15年
特許権 2~20年
その他 2~50年
耐用年数を確定できる無形資産の耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
当社は当連結会計年度の期首より、一部のソフトウェアの耐用年数を2年から5年に変更し、将来にわたり適用してい
ます。この変更は、直近のソフトウェアの利用実績を勘案し、より実態に即した耐用年数への見直しによるものです。
この結果、従来の方法に比べて、当連結会計年度の営業利益及び税引前利益は2,062百万円増加しました。
耐用年数を確定できる無形資産について、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しています。耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却せず、年1回の減損テストを実施するほか、減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを実施しています。
(8)リース
a.借手としてのリース
当社は、リース開始日において、使用権資産とリース負債を認識しています。使用権資産はリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で測定しています。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法により減価償却しています。リース負債は、リースの計算利子率が容易に算定できる場合には、残存リース料を適用開始日における当該利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しています。当該利子率が容易に算定できない場合には、借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。
なお、リース期間が12ヵ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
b.貸手としてのリース
リースは、オペレーティング・リースまたはファイナンス・リースのいずれかに分類しています。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものでない場合には、オペレーティング・リースに分類しています。リースの分類に際しては、契約の形式ではなく、取引の実質に応じて判定しています。
(a)ファイナンス・リース
リースの開始日において、ファイナンス・リース取引に基づいて保有している資産は、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
(b)オペレーティング・リース
当社は、オペレーティング・リース取引における受取リース料は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しています。
なお、当社が中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理しています。また、サブリースを分類する際に、中間の貸手である当社は、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
(9)非金融資産の減損
当社は、棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数が確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず年1回の減損テストを実施しています。減損損失は、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回った場合に認識しています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率により現在価値に割り引いて算定しています。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少または消滅の可能性を示す兆候の有無について評価を行っています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産または資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを行います。
(10)金融商品
金融資産及び金融負債は、当社が金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。
金融資産及び金融負債は当初認識時において公正価値で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融資産の取得及び金融負債の発行に直接起因する取引コストは、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算または金融負債の公正価値から減算しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しています。
a.非デリバティブ金融資産
非デリバティブ金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。この分類は、金融資産の性質と目的に応じて、当初認識時に決定しています。
当社は、通常の方法による金融資産(株式及び債券)の売買は、約定日に認識及び認識の中止を行っています。通常の方法による売買とは、市場における規則または慣行により一般に認められている期間内での資産の引渡しを要求する契約による金融資産の購入または売却をいいます。その他のすべての金融資産は取引の実施日に当初認識しています。
(a)償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定する金融資産は実効金利法による償却原価から必要な場合には減損損失を控除した金額で測定しています。実効金利法による金融収益は純損益で認識しています。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益は、その他の包括利益で認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を純損益に振り替えています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類された金融資産から生じる為替差損益及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る実効金利法による金融収益は、純損益で認識しています。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
資本性金融資産については、当初認識時に公正価値の変動を純損益ではなく、その他の包括利益で認識するという取消不能な選択を行っている場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。当初認識後、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益は、その他の包括利益で認識しています。
認識を中止した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を直接利益剰余金へ振り替えています。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に係る受取配当金は、純損益で認識しています。
(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産のいずれにも分類しない場合、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
なお、いずれの金融資産も、会計上のミスマッチを取り除くあるいは大幅に削減させるために純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定していません。
当初認識後、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益、受取配当金及び利息収益は純損益で認識しています。
(e)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合に、認識を中止しています。
(f)減損
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産については、期末日毎に予想信用損失を評価し、貸倒引当金を認識しています。
期末日に、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、予測情報も含めた合理的で裏付け可能な情報をすべて考慮して、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
一方、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
ただし、営業債権及びリース債権については信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しています。予想信用損失または戻入れの金額は、純損益に認識しています。
b.非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債または償却原価で測定する金融負債に分類しています。
非デリバティブ金融負債は、1つ以上の組込デリバティブを含む混合契約全体について純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に指定した場合に、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類します。当初認識後、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益及び金融費用は純損益で認識しています。
金融負債の公正価値の変動のうち、自己の信用リスクの変動によるものは、その他の資本の構成要素に含めています。
償却原価で測定する金融負債は当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。
金融負債は消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった場合に認識を中止しています。
c.デリバティブ及びヘッジ会計
(a)デリバティブ
当社は、為替リスクをヘッジするために為替予約等のデリバティブを利用しています。当該デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しています。
デリバティブの公正価値の変動額は、ヘッジ手段として指定していないまたはヘッジが有効でない場合は、直ちに純損益で認識しています。ヘッジ指定していないデリバティブ金融資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、ヘッジ指定していないデリバティブ金融負債は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債にそれぞれ分類しています。
(b)ヘッジ会計
当社は、一部のデリバティブ取引についてヘッジ手段として指定し、キャッシュ・フロー・ヘッジとして会計処理しています。
当社は、ヘッジ開始時に、ヘッジ取引にかかるヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスクの管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法は、すべて文書化しています。具体的には、以下の要件をすべて満たす場合に、ヘッジが有効と判断しています。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること
・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が、企業が実際にヘッジしているヘッジ対象の量と企業がヘッジ対象の当該量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること
この過程で、デリバティブを連結財政状態計算書上の特定の資産、負債または予定取引のキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定します。また、当社の関連会社は、変動金利で調達する資金についてキャッシュ・フローを固定化する目的で、変動金利による負債を固定金利に交換するために金利スワップを利用しており、当該金利スワップについてヘッジ会計を適用しています。
当社は、ヘッジ会計を適用しているヘッジ関係のヘッジ比率を調整してもなお、ヘッジの適格要件を満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計を中止します。
キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理は次のとおりです。
当社は、ヘッジの開始時点及び継続期間中に、ヘッジ取引に利用しているデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローを相殺する上で有効性があるか否かを評価します。ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識しています。その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ただし、ヘッジ対象の予定取引が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額は、当該非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
当社は、ヘッジの有効性がないか、もしくはなくなったと判断した時点で、将来に向かってヘッジ会計を中止します。ヘッジ会計の中止に伴い、未実現損益をその他の包括利益として繰り延べます。ただし、ヘッジ対象である予定取引が発生しない可能性が高い場合には、その他の包括利益に計上していた未実現損益を直ちに純損益として認識します。
(11)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益または資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日時点において施行または実質的に施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付または税務当局から還付されることが予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、未使用の繰越欠損金並びに繰越税額控除について認識しています。企業結合以外の取引で、かつ会計上または税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。
子会社及び関連会社に対する投資に関連する将来加算一時差異については、当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合には、繰延税金負債は認識していません。子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異から生じる繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しています。
繰延税金資産及び負債は、期末日時点において施行または実質的に施行されている税法に基づいて、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合に相殺しています。
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金並びに繰越税額控除のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
当社では、税務ポジションが、税務当局による調査において発生の可能性が高いと認められる場合に、その財務諸表への影響を認識しています。税務ポジションに関連するベネフィットは、税務当局との解決により、発生の可能性が高いと期待される金額で測定されます。
当社は、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定または実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。
(12)政府補助金
政府補助金は、その補助金交付に付帯する諸条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しています。政府補助金が費用項目に関連する場合は、補助金で補償することを意図している関連費用を認識する期間にわたって、規則的に収益として認識しています。資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(13)従業員給付
a.退職後給付
当社は、主に確定給付制度を採用しています。
確定給付制度において確定給付負債または資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定されます。この計算による資産計上額は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定され、その現在価値は将来の見積給付額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
当期勤務費用及び確定給付負債または資産の純額に係る利息は純損益として認識しています。
過去勤務費用は、発生時に純損益で認識しています。
数理計算上の差異を含む、確定給付負債または資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
b.短期従業員給付
短期従業員給付である賃金、給料並びに社会保険料等については関連する役務が提供された時点で費用として計上しています。
賞与については、当社が従業員から提供された労働の対価として支払うべき法的または推定的債務を有しており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、負債として認識しています。
有給休暇については、従業員に付与された有給休暇のうち、未使用の有給休暇に対して負債を計上しています。
(14)引当金
過去の事象の結果として、現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
(15)資本
a.普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は、関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除しています。
b.自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から直接控除しています。当社の自己株式の取得、売却または消却において利得または損失は認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しています。
(16)収益認識
当社は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、IFRS第15号)に従い、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当金等、及び、IFRS第16号「リース」(以下、IFRS第16号)に基づくリース契約等を除く顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する。
当社は、情報通信、自動車関連等の市場における販売を主な収益源としています。当社におけるレポーティングセグメントは、「コアコンポーネント」、「電子部品」、「ソリューション」で構成されており、事業単位並びに主要事業及び子会社は次のとおりです。
なお、当社において、顧客への販売は、顧客と締結した取引基本契約書及び注文書に記載された条件に基づいて行われます。当該契約書及び注文書には、価格、数量並びに所有権の移転時点が記載されています。
a.製品の販売
製品の販売については、主に製品が顧客へ引き渡された時点または船積日で顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、収益を認識しています。
なお、「ドキュメントソリューション」事業における、最終消費者向けの設置を伴うプリンター及び複合機販売については、契約上の義務がない限り、製品が設置され、顧客が受入れた時点において履行義務が充足されると判断し、収益を認識しています。
b.サービスの提供
「ドキュメントソリューション」事業において、プリンターや複合機の使用量に応じた従量料金、固定料金を支払う製品の保守契約による収益を認識しています。当社は、契約の履行義務を、契約に基づき、機器を常時利用可能な状態を顧客に提供することと判断しており、これらの収益を、関連する履行義務を充足するにつれて一定期間に渡り認識しています。固定料金の保守契約については顧客との契約に係る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しています。
すべてのセグメントにおいて、当社は製品に欠陥があった場合のみ返品を受入れます。また、当社の販売条件には、「電子部品」セグメントにおける販売プログラムを除いて、価格保証、ストック・ローテーションまたは返品規定はありません。
c.販売奨励金
「電子部品」セグメントにおいて、各種電子部品を販売する代理店への販売については、以下の様々な販促活動が定められており、顧客との契約において約束された対価から販売奨励金を控除した金額で収益を測定しています。
(a)ストック・ローテーション・プログラム
ストック・ローテーション・プログラムとは、品質に問題のない在庫について、直近6ヵ月の売上高に対して特定の比率を乗じ算出される金額分を、代理店が半年毎に返品することが可能な制度です。売上高に対するストック・ローテーション・プログラムの引当金は、現時点までの推移、現在の価格と流通量の情報、市場の特定の情報や売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて算出した代理店の売上高に対する比率に基づき、収益認識時点で算定し、計上されており、これらの手続きには、重要な判断を必要とします。当社は、ストック・ローテーション・プログラムによる将来の返品について妥当な算定ができていると考えており、これまでの実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。なお、製品が返品され、検収された時点で、代理店に対する売掛金を減額しています。
(b)シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム
シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム(以下、シップ・アンド・デビット)は、代理店が顧客への販売活動における市場での価格競争に対して代理店を補助する仕組みです。シップ・アンド・デビットが適用されるためには、代理店が在庫から顧客へ販売する特定部分についての価格調整を、代理店が要求する必要があります。シップ・アンド・デビットは、現在及び将来の代理販売において、代理店が顧客へ販売する特定部分について適用されることがあります。IFRS第15号に準拠し、当社は代理店に対して収益を認識した時点で、その代理店への売上高にシップ・アンド・デビットが適用される可能性を考慮して、その売上高に関連する代理店の将来の活動に対して変動対価を見積り、計上しています。当社は、当該期間における売上高、代理店に対する売掛金の残額、代理店の在庫水準、現時点までの推移、市場状況、設備製造業やその他顧客に対する直接的な販売活動に基づく価格変動の傾向、売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて、売上高に対する変動対価を見積り、計上しています。これらの手続きは慎重な判断のもとで行われており、またその結果、当社はシップ・アンド・デビットにおける変動対価について、妥当な算定、計上ができていると考えています。これまでの当社の実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。
d.リベート
「機械工具」事業及び「ドキュメントソリューション」事業における代理店への販売において、当社は、定められた期間内に予め定めた売上目標を達成した代理店に対し、現金でリベートを支払っています。このリベートについては、収益を認識した時点で見積った各代理店の予想販売額に基づき、リベート額を算定して、これを収益から控除しています。
e.返品
当社は、収益を認識した時点で過去の実績に基づいて返品による損失額を見積り、収益から控除しています。
f.製品保証
当社は、主に「ドキュメントソリューション」事業において、製品に対して通常1年間の製品保証を提供しています。また、最終消費者への販売において、1年間の保証期間終了後、延長保証契約を締結する場合があります。この延長保証契約については、別個の履行義務として識別し、取引価格の一部を当該履行義務に配分した上で、延長保証期間にわたり収益を認識しています。
また、製品販売、製品保証など複数の財またはサービスを提供する複数要素取引に係る契約については、契約に含まれる履行義務を識別し、契約の対価を配分する必要がある場合には、取引価格を独立販売価格に基づき配分しています。独立販売価格は、類似する製品またはサービスの販売価格やその他の合理的に利用可能な情報を参照して算定しています。
(17)1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を報告期間の自己株式を調整した普通株式の期中平均株式数で除すことにより計算しています。
(1)連結の基礎
a.子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。当社がある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社はその企業を支配していると判断しています。子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、当社の連結対象に含めています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の債権・債務、内部取引、並びに連結会社間取引によって発生した未実現損益は消去します。
支配が継続する子会社に対する当社の持分変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。
b.関連会社
関連会社とは、当社がその企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使する能力を有しているものの、支配していない企業をいいます。関連会社については、当社が重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しています。
(2)企業結合
企業結合は支配獲得日に取得法によって会計処理し、取得関連費用は発生時に費用として認識します。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発債務は、取得日の公正価値で測定します。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び当社が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得した識別可能な資本持分の公正価値を超過する場合にはその超過額をのれんとして認識し、下回る場合には純損益として認識します。移転された対価は、取得した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれています。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定します。
(3)外貨換算
a.機能通貨
当社及び当社の連結子会社はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各社の取引はその機能通貨により測定しています。
b.外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート、またはそれに近似する為替レートにより換算します。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しています。取得原価で測定される外貨建非貨幣性項目は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる為替差額は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、純損益として認識しています。
c.在外営業活動体
在外営業活動体とは、その活動が、当社と異なる国または通貨に基盤を置いているか、もしくは行われている、当社の子会社または関連会社をいいます。在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レート、収益、費用及びキャッシュ・フローは、超インフレ経済下にある在外営業活動体を除き、期中平均レートにより円貨に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算過程で生じた為替換算差額はその他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を、処分にかかる利得または損失の一部として純損益に振り替えます。
d.超インフレ調整
当社は、当連結会計年度よりIAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に従い、トルコ・リラを機能通貨とする子会社について、超インフレ会計による調整を実施しています。超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益、費用及びキャッシュ・フローは決算日の為替レートにより円貨に換算しています。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金及び預金に加え、取得日から3ヵ月以内に満期が到来する流動性の高い投資を含んでいます。
(5)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。
取得原価は、製商品及び仕掛品は主として総平均法により評価しており、原材料及び貯蔵品は主として先入先出法により評価しています。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した金額です。
(6)有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復費用が含まれています。有形固定資産については、その耐用年数にわたり定額法で減価償却しています。耐用年数はおおむね次のとおりです。
建物及び構築物 2~50年
機械及び器具 2~20年
残存価額、耐用年数及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。大規模な更新や改修にかかる支出は有形固定資産として計上し、耐用年数に基づき減価償却をしています。小規模な更新もしくは維持及び修繕に係る支出は、発生時に費用として認識します。
(7)のれん及び無形資産
a.のれん
企業結合により取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。のれんの償却は行わず、企業結合からの便益を享受できると期待される資金生成単位に配分し、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを実施しています。
b.無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示しています。耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
開発活動における支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しています。
(a)使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(b)無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
(c)無形資産を使用または売却できる能力
(d)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(e)無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上
及びその他の資源の利用可能性
(f)開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産については、その耐用年数にわたり定額法で償却しています。償却対象となる無形資産は主に顧客との関係、非特許技術、ソフトウェア並びに特許権であり、それぞれの耐用年数は、おおむね次のとおりです。
顧客との関係 2~20年
非特許技術 5~25年
ソフトウェア 2~15年
特許権 2~20年
その他 2~50年
耐用年数を確定できる無形資産の耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
当社は当連結会計年度の期首より、一部のソフトウェアの耐用年数を2年から5年に変更し、将来にわたり適用してい
ます。この変更は、直近のソフトウェアの利用実績を勘案し、より実態に即した耐用年数への見直しによるものです。
この結果、従来の方法に比べて、当連結会計年度の営業利益及び税引前利益は2,062百万円増加しました。
耐用年数を確定できる無形資産について、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しています。耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却せず、年1回の減損テストを実施するほか、減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを実施しています。
(8)リース
a.借手としてのリース
当社は、リース開始日において、使用権資産とリース負債を認識しています。使用権資産はリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で測定しています。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法により減価償却しています。リース負債は、リースの計算利子率が容易に算定できる場合には、残存リース料を適用開始日における当該利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しています。当該利子率が容易に算定できない場合には、借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。
なお、リース期間が12ヵ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
b.貸手としてのリース
リースは、オペレーティング・リースまたはファイナンス・リースのいずれかに分類しています。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものでない場合には、オペレーティング・リースに分類しています。リースの分類に際しては、契約の形式ではなく、取引の実質に応じて判定しています。
(a)ファイナンス・リース
リースの開始日において、ファイナンス・リース取引に基づいて保有している資産は、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
(b)オペレーティング・リース
当社は、オペレーティング・リース取引における受取リース料は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しています。
なお、当社が中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理しています。また、サブリースを分類する際に、中間の貸手である当社は、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
(9)非金融資産の減損
当社は、棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数が確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず年1回の減損テストを実施しています。減損損失は、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回った場合に認識しています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率により現在価値に割り引いて算定しています。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少または消滅の可能性を示す兆候の有無について評価を行っています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産または資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを行います。
(10)金融商品
金融資産及び金融負債は、当社が金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。
金融資産及び金融負債は当初認識時において公正価値で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融資産の取得及び金融負債の発行に直接起因する取引コストは、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算または金融負債の公正価値から減算しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しています。
a.非デリバティブ金融資産
非デリバティブ金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。この分類は、金融資産の性質と目的に応じて、当初認識時に決定しています。
当社は、通常の方法による金融資産(株式及び債券)の売買は、約定日に認識及び認識の中止を行っています。通常の方法による売買とは、市場における規則または慣行により一般に認められている期間内での資産の引渡しを要求する契約による金融資産の購入または売却をいいます。その他のすべての金融資産は取引の実施日に当初認識しています。
(a)償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定する金融資産は実効金利法による償却原価から必要な場合には減損損失を控除した金額で測定しています。実効金利法による金融収益は純損益で認識しています。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益は、その他の包括利益で認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を純損益に振り替えています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類された金融資産から生じる為替差損益及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る実効金利法による金融収益は、純損益で認識しています。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
資本性金融資産については、当初認識時に公正価値の変動を純損益ではなく、その他の包括利益で認識するという取消不能な選択を行っている場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。当初認識後、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益は、その他の包括利益で認識しています。
認識を中止した場合、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を直接利益剰余金へ振り替えています。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に係る受取配当金は、純損益で認識しています。
(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産のいずれにも分類しない場合、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
なお、いずれの金融資産も、会計上のミスマッチを取り除くあるいは大幅に削減させるために純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定していません。
当初認識後、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益、受取配当金及び利息収益は純損益で認識しています。
(e)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合に、認識を中止しています。
(f)減損
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産については、期末日毎に予想信用損失を評価し、貸倒引当金を認識しています。
期末日に、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、予測情報も含めた合理的で裏付け可能な情報をすべて考慮して、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
一方、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
ただし、営業債権及びリース債権については信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しています。予想信用損失または戻入れの金額は、純損益に認識しています。
b.非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債または償却原価で測定する金融負債に分類しています。
非デリバティブ金融負債は、1つ以上の組込デリバティブを含む混合契約全体について純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に指定した場合に、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類します。当初認識後、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益及び金融費用は純損益で認識しています。
金融負債の公正価値の変動のうち、自己の信用リスクの変動によるものは、その他の資本の構成要素に含めています。
償却原価で測定する金融負債は当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。
金融負債は消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった場合に認識を中止しています。
c.デリバティブ及びヘッジ会計
(a)デリバティブ
当社は、為替リスクをヘッジするために為替予約等のデリバティブを利用しています。当該デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しています。
デリバティブの公正価値の変動額は、ヘッジ手段として指定していないまたはヘッジが有効でない場合は、直ちに純損益で認識しています。ヘッジ指定していないデリバティブ金融資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、ヘッジ指定していないデリバティブ金融負債は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債にそれぞれ分類しています。
(b)ヘッジ会計
当社は、一部のデリバティブ取引についてヘッジ手段として指定し、キャッシュ・フロー・ヘッジとして会計処理しています。
当社は、ヘッジ開始時に、ヘッジ取引にかかるヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスクの管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法は、すべて文書化しています。具体的には、以下の要件をすべて満たす場合に、ヘッジが有効と判断しています。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること
・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が、企業が実際にヘッジしているヘッジ対象の量と企業がヘッジ対象の当該量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること
この過程で、デリバティブを連結財政状態計算書上の特定の資産、負債または予定取引のキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定します。また、当社の関連会社は、変動金利で調達する資金についてキャッシュ・フローを固定化する目的で、変動金利による負債を固定金利に交換するために金利スワップを利用しており、当該金利スワップについてヘッジ会計を適用しています。
当社は、ヘッジ会計を適用しているヘッジ関係のヘッジ比率を調整してもなお、ヘッジの適格要件を満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計を中止します。
キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理は次のとおりです。
当社は、ヘッジの開始時点及び継続期間中に、ヘッジ取引に利用しているデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローを相殺する上で有効性があるか否かを評価します。ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識しています。その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ただし、ヘッジ対象の予定取引が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額は、当該非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
当社は、ヘッジの有効性がないか、もしくはなくなったと判断した時点で、将来に向かってヘッジ会計を中止します。ヘッジ会計の中止に伴い、未実現損益をその他の包括利益として繰り延べます。ただし、ヘッジ対象である予定取引が発生しない可能性が高い場合には、その他の包括利益に計上していた未実現損益を直ちに純損益として認識します。
(11)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益または資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日時点において施行または実質的に施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付または税務当局から還付されることが予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、未使用の繰越欠損金並びに繰越税額控除について認識しています。企業結合以外の取引で、かつ会計上または税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。
子会社及び関連会社に対する投資に関連する将来加算一時差異については、当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合には、繰延税金負債は認識していません。子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異から生じる繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しています。
繰延税金資産及び負債は、期末日時点において施行または実質的に施行されている税法に基づいて、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合に相殺しています。
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金並びに繰越税額控除のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
当社では、税務ポジションが、税務当局による調査において発生の可能性が高いと認められる場合に、その財務諸表への影響を認識しています。税務ポジションに関連するベネフィットは、税務当局との解決により、発生の可能性が高いと期待される金額で測定されます。
当社は、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定または実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。
(12)政府補助金
政府補助金は、その補助金交付に付帯する諸条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しています。政府補助金が費用項目に関連する場合は、補助金で補償することを意図している関連費用を認識する期間にわたって、規則的に収益として認識しています。資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(13)従業員給付
a.退職後給付
当社は、主に確定給付制度を採用しています。
確定給付制度において確定給付負債または資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定されます。この計算による資産計上額は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定され、その現在価値は将来の見積給付額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
当期勤務費用及び確定給付負債または資産の純額に係る利息は純損益として認識しています。
過去勤務費用は、発生時に純損益で認識しています。
数理計算上の差異を含む、確定給付負債または資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
b.短期従業員給付
短期従業員給付である賃金、給料並びに社会保険料等については関連する役務が提供された時点で費用として計上しています。
賞与については、当社が従業員から提供された労働の対価として支払うべき法的または推定的債務を有しており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、負債として認識しています。
有給休暇については、従業員に付与された有給休暇のうち、未使用の有給休暇に対して負債を計上しています。
(14)引当金
過去の事象の結果として、現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
(15)資本
a.普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は、関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除しています。
b.自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から直接控除しています。当社の自己株式の取得、売却または消却において利得または損失は認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しています。
(16)収益認識
当社は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、IFRS第15号)に従い、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当金等、及び、IFRS第16号「リース」(以下、IFRS第16号)に基づくリース契約等を除く顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する。
当社は、情報通信、自動車関連等の市場における販売を主な収益源としています。当社におけるレポーティングセグメントは、「コアコンポーネント」、「電子部品」、「ソリューション」で構成されており、事業単位並びに主要事業及び子会社は次のとおりです。
| レポーティングセグメント及び事業単位 | 主要事業及び子会社 | |
| コアコンポーネント | ||
| 産業・車載用部品 | ファインセラミック部品、自動車部品、光学部品 | |
| 半導体関連部品 | セラミック材料、有機材料 | |
| その他 | 医療機器、宝飾・応用商品 | |
| 電子部品 | 電子部品、Kyocera AVX Components Corporation | |
| ソリューション | ||
| 機械工具 | 機械工具 | |
| ドキュメントソリューション | 情報機器(京セラドキュメントソリューションズ㈱) | |
| コミュニケーション | 通信機器、情報通信サービス(京セラコミュニケーションシステム㈱) | |
| その他 | スマートエナジー、ディスプレイ、プリンティングデバイス | |
なお、当社において、顧客への販売は、顧客と締結した取引基本契約書及び注文書に記載された条件に基づいて行われます。当該契約書及び注文書には、価格、数量並びに所有権の移転時点が記載されています。
a.製品の販売
製品の販売については、主に製品が顧客へ引き渡された時点または船積日で顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、収益を認識しています。
なお、「ドキュメントソリューション」事業における、最終消費者向けの設置を伴うプリンター及び複合機販売については、契約上の義務がない限り、製品が設置され、顧客が受入れた時点において履行義務が充足されると判断し、収益を認識しています。
b.サービスの提供
「ドキュメントソリューション」事業において、プリンターや複合機の使用量に応じた従量料金、固定料金を支払う製品の保守契約による収益を認識しています。当社は、契約の履行義務を、契約に基づき、機器を常時利用可能な状態を顧客に提供することと判断しており、これらの収益を、関連する履行義務を充足するにつれて一定期間に渡り認識しています。固定料金の保守契約については顧客との契約に係る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しています。
すべてのセグメントにおいて、当社は製品に欠陥があった場合のみ返品を受入れます。また、当社の販売条件には、「電子部品」セグメントにおける販売プログラムを除いて、価格保証、ストック・ローテーションまたは返品規定はありません。
c.販売奨励金
「電子部品」セグメントにおいて、各種電子部品を販売する代理店への販売については、以下の様々な販促活動が定められており、顧客との契約において約束された対価から販売奨励金を控除した金額で収益を測定しています。
(a)ストック・ローテーション・プログラム
ストック・ローテーション・プログラムとは、品質に問題のない在庫について、直近6ヵ月の売上高に対して特定の比率を乗じ算出される金額分を、代理店が半年毎に返品することが可能な制度です。売上高に対するストック・ローテーション・プログラムの引当金は、現時点までの推移、現在の価格と流通量の情報、市場の特定の情報や売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて算出した代理店の売上高に対する比率に基づき、収益認識時点で算定し、計上されており、これらの手続きには、重要な判断を必要とします。当社は、ストック・ローテーション・プログラムによる将来の返品について妥当な算定ができていると考えており、これまでの実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。なお、製品が返品され、検収された時点で、代理店に対する売掛金を減額しています。
(b)シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム
シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム(以下、シップ・アンド・デビット)は、代理店が顧客への販売活動における市場での価格競争に対して代理店を補助する仕組みです。シップ・アンド・デビットが適用されるためには、代理店が在庫から顧客へ販売する特定部分についての価格調整を、代理店が要求する必要があります。シップ・アンド・デビットは、現在及び将来の代理販売において、代理店が顧客へ販売する特定部分について適用されることがあります。IFRS第15号に準拠し、当社は代理店に対して収益を認識した時点で、その代理店への売上高にシップ・アンド・デビットが適用される可能性を考慮して、その売上高に関連する代理店の将来の活動に対して変動対価を見積り、計上しています。当社は、当該期間における売上高、代理店に対する売掛金の残額、代理店の在庫水準、現時点までの推移、市場状況、設備製造業やその他顧客に対する直接的な販売活動に基づく価格変動の傾向、売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて、売上高に対する変動対価を見積り、計上しています。これらの手続きは慎重な判断のもとで行われており、またその結果、当社はシップ・アンド・デビットにおける変動対価について、妥当な算定、計上ができていると考えています。これまでの当社の実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。
d.リベート
「機械工具」事業及び「ドキュメントソリューション」事業における代理店への販売において、当社は、定められた期間内に予め定めた売上目標を達成した代理店に対し、現金でリベートを支払っています。このリベートについては、収益を認識した時点で見積った各代理店の予想販売額に基づき、リベート額を算定して、これを収益から控除しています。
e.返品
当社は、収益を認識した時点で過去の実績に基づいて返品による損失額を見積り、収益から控除しています。
f.製品保証
当社は、主に「ドキュメントソリューション」事業において、製品に対して通常1年間の製品保証を提供しています。また、最終消費者への販売において、1年間の保証期間終了後、延長保証契約を締結する場合があります。この延長保証契約については、別個の履行義務として識別し、取引価格の一部を当該履行義務に配分した上で、延長保証期間にわたり収益を認識しています。
また、製品販売、製品保証など複数の財またはサービスを提供する複数要素取引に係る契約については、契約に含まれる履行義務を識別し、契約の対価を配分する必要がある場合には、取引価格を独立販売価格に基づき配分しています。独立販売価格は、類似する製品またはサービスの販売価格やその他の合理的に利用可能な情報を参照して算定しています。
(17)1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を報告期間の自己株式を調整した普通株式の期中平均株式数で除すことにより計算しています。