有価証券報告書-第41期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 10:39
【資料】
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【項目】
114項目

研究開発活動

当社の研究開発活動は、長年蓄積されてきたファインセラミックスの材料技術と部品技術をベースに、多様化・高度化したお客様のニーズに応える新製品の開発を積極的に行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は708百万円であります。
セラミック部品事業
研究開発体制としましては、新材料及び新製品の開発は当社土岐工場及び瀬戸工場内に併設する開発グループが行い、既存製品の改良、改善及び派生製品への展開は各製造技術部門にて行っております。
セラミック部品事業における研究開発費の総額は、634百万円であります。
(1)新材料及び新要素技術
電子部品の小型化、高性能化に伴い、セラミック材料の性能に対する要求がますます厳しくなっております。当社は放熱及びノイズ対策の分野に的を絞り、新規絶縁材料、誘電体材料及び磁性体材料の開発に力を入れております。また、製品の高付加価値化や高性能化を目指し、セラミック材料への各種メタライズ技術の開発を積極的に進めてまいりました。
(2)高信頼性・高性能セラミック基板
放熱用高信頼性基板の材料として注目されている、アルミナ複合材料、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素の材料開発、新商品開発に取り組んでいます。
アルミナ複合材料は、従来のアルミナ基板に比較して曲げ強度、破壊じん性が著しく高く、高信頼性が要求される車載などの分野に応用され、今後の成長が期待されます。本製品の特性改善及び量産技術の向上を目指し、開発を進めてまいりました。また、窒化アルミニウム基板は近年環境対応の流れの中で一層注目されている製品で、今年度は引続きLED照明分野に向けて当社技術を融合した新商品の開発を進めてまいりました。
(3)セラミック多層基板
セラミックの同時焼成・多層回路基板の開発に取り組んでおります。本製品の用途としましては、車載用モジュール基板、高性能パッケージ、高周波モジュールなどがあります。素材の複合化や新製造方法を含め、開発を進めてまいりました。
(4)高周波部品及び光通信用薄膜製品
高周波部品関連では、超小型VCO(電圧制御発振器)や、基地局用誘電体フィルタ及び高周波モジュールなどの開発に注力しております。従来量産品に加え、当社の材料技術、多層基板技術、高周波技術などを活かした新商品の開発を進めてまいりました。
(5)EMC対策部品
①セラミックコンデンサ
高付加価値を追求し、光トランシーバやマイクロ波増幅機器向けにワイヤーボンディング積層セラミックコンデンサ及び高周波積層セラミックコンデンサの開発を進めてまいりました。
また、デジタル家電におけるICの高速化、部品点数削減、ノイズ低減の市場ニーズに対応した高容量3端子形積層セラミックコンデンサの開発を積極的に進めてまいりました。今年度も高周波用途、高耐電圧用途など高付加価値・差別化製品の市場開拓に注力して開発を進めてまいります。
②サージ対策部品
車載向けに特化した小型・高性能・低コストのチップ形積層セラミックバリスタの開発を進めてまいりました。
③フェライト応用製品
フェリカ搭載携帯電話のアンテナモジュール用に既に量産化しているフレキシブル焼結フェライトシートにアンテナ機能を付加させた部品の開発を進めています。更には非接触充電向けのフレキシブル焼結フェライトシートへの応用をめざし、製品開発を進めています。
④ノイズ対策部品
WIMAXやLTE基地局向けに差別化商品として表面実装形で大電流タイプ高周波ノイズフィルタの開発を進めております。今年度もLED照明の電源回路向けなど小型高性能な差別化商品の開発を進めてまいります。
照明機器事業
照明機器事業に関しましては、従来より取り組んできている道路灯や街路灯、防犯灯等の大型野外照明のLED化と、光の質を重視した 株式会社YAMAGIWA らしい照明機器の開発に注力してきています。特に株式会社YAMAGIWA向けLED照明には、当社グループで培われたセラミック技術を応用したセラミックLEDモジュールを積極的に採用していくことで高品質なあかりを実現させるよう開発を進めております。屋内、屋外用LED照明機器のラインナップを拡充することで省エネルギー化に貢献していきます。
照明機器事業における研究開発費の総額は73百万円であります。