有価証券報告書-第92期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 15:24
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

有報資料

(1) 業績
当期の世界経済は、米国においては安定的な成長が継続し、欧州においては緩やかな景気の回復が続いたことに加え、中国経済も政府の景気対策の効果等により持ち直しつつあるなど、全体としては緩やかに回復してまいりました。
日本経済は、企業の生産活動に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復が継続しました。
国内鉄鋼需要は、第1四半期を底として、建設向けや自動車向けを中心に増加し、第2四半期以降は回復基調で推移しました。海外鉄鋼需要は、アセアン諸国において緩やかな回復が見られ、減少が続いてきた中国内需も政府の景気対策の効果に加え生産活動の持ち直しにより、底堅く推移しました。こうしたなか、国際鉄鋼市況は、平成28年の年初に底を打ったのち上昇に転じ、当期は上昇基調が継続しました。特に、第2四半期以降の原料炭を中心とする原材料価格の高騰や鋼材需給の改善を受け、第3四半期以降はさらに上昇しました。
このような環境のなか、当社グループは、平成27年3月に策定した「2017年中期経営計画」に掲げた国内マザーミル競争力の強化、グローバル戦略の推進、技術先進性の発揮、世界最高水準のコスト競争力の実現、製鉄事業グループ会社の体質強化等の諸施策を着実に推進してまいりました。
当社グループと致しましては、各セグメントにおいて各社がそれぞれの環境変化に対応しながら、最大限の経営努力を重ねてまいりました。各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(当期のセグメント別の業績の概況)
製鉄エンジニ
アリング
化学新素材システム
ソリュー
ション
合計調整額連結財務諸表計上額
売上高当期40,5222,6751,7423452,32547,610△1,28146,328
(億円)前期42,8393,1571,8183622,18950,366△1,29249,074
経常利益当期1,3806845172211,732121,745
(億円)前期1,60012110301941,959502,009

<製鉄>製鉄セグメントにおきましては、国内マザーミル競争力の強化とグローバル戦略の推進を大きな柱として諸施策に取り組んでまいりました。
国内においては、製鉄所等の強化・再建を基本経営課題として、設備と人材の両面で製造実力の強化策を引き続き推進してまいりました。設備面では、設備の健全性を維持・強化することに加え、最新技術を導入した更新投資を行ってまいりました。当期においては、君津製鐵所及び鹿島製鐵所でコークス炉の改修・増設を致しました。また、人材面では、採用を強化するとともに、長期的な視点に立った人材育成施策を推進し、現場・安全に強い人づくりや、団塊世代の退職が進むなかで技能の確実な伝承に努め、製造実力の維持・向上に取り組んでまいりました。
また、日新製鋼㈱との間で、平成28年5月に子会社化等に関する契約を締結し、公開買付け(TOB)手続きを経て、本年3月13日に同社を子会社化致しました。今後、当社及び日新製鋼㈱は、当社の強みである世界トップレベルの技術先進性、商品対応力、鉄源を中心としたコスト競争力とグローバル対応力に、日新製鋼㈱の強みである需要家の皆様のニーズに即したきめ細かな開発営業による市場対応力を融合させ、より良い商品、技術及びサービスをグローバルに提供することを通じて需要家の皆様の期待に応えてまいります。
一方、海外においては、成長市場における需要の捕捉や需要家の皆様の海外展開に即応した事業体制の構築を図るなど、グローバル供給体制の一層の充実を図ってまいりました。たとえば、米国においては、主に自動車用部品に使用される冷間圧造用鋼線の製造・販売を行う子会社で工場新設に着手致しました。また、伸びゆく建材薄板需要を捕捉するため、溶融めっき鋼板の製造ラインを、アラブ首長国連邦における建材薄板を製造・販売する合弁会社では増設し、タイにおける合弁会社では増設を決定致しました。
技術先進性の発揮の面では、製造・販売・技術・研究部門が一体となって、需要家の皆様へのソリューション提案や高機能商品の開発に取り組んでおります。たとえば、グローバルマーケットの主力である自動車分野において、高成形性超ハイテンの製造対策を海外で初めて米国の鋼板製造・販売の合弁会社で行いました。資源エネルギー分野においては、優れた商品の供給、トータルソリューションの提案力等が高く評価され、オイルメジャー各社との間で油井管の長期販売契約を更新しました。
これらに加えて、コスト改善の観点から原燃料費の低減や製造歩留の向上等にも引き続き取り組むとともに、鋼材価格につきましては、原材料価格の高騰等を踏まえて、需要家の皆様に御理解いただけるよう丁寧な対応に努めてまいりました。製鉄セグメントとして、売上高は4兆522億円(前年同期は4兆2,839億円)、経常利益は1,380億円(前年同期は1,600億円)となりました。
なお、本年1月5日に発生しました大分製鐵所厚板工場での火災につきましては、株主、近隣住民及び取引先の皆様をはじめ、関係各位に多大な御迷惑と御心配をおかけし、改めて深くお詫び申しあげます。社長を本部長とする危機管理本部の下で、全社を挙げて再発防止策の実施及び早期復旧に取り組んでおります。
<エンジニアリング>新日鉄住金エンジニアリング㈱におきましては、国内においては建築分野で受注は堅調であったものの、原油価格の低迷や海外鉄鋼メーカーの投資手控え等、依然として厳しい事業環境が継続しております。当期は、プロジェクト実行管理の着実な遂行、固定費・経費削減等による収益改善等に取り組んでまいりましたが、売上・損益ともに減少しました。エンジニアリングセグメントとして、売上高は2,675億円(前年同期は3,157億円)、経常利益は68億円(前年同期は121億円)となりました。
<化学>新日鉄住金化学㈱におきましては、化学品事業では、汎用樹脂原料であるスチレンモノマーの市況がタイトな需給バランスを背景に堅調に推移しました。また、機能材料事業では、高精細液晶パネルなどの電子機器向けを中心としたディスプレイ材料の販売が好調を維持しました。一方、コールケミカル事業では、黒鉛電極用ニードルコークスの需要が低迷しましたが、年度末にかけて回復の兆しが見られました。化学セグメントとして、売上高は1,742億円(前年同期は1,818億円)、経常利益は45億円(前年同期は10億円)となりました。
<新素材>新日鉄住金マテリアルズ㈱におきましては、電子産業部材では、表面処理銅ワイヤの販売が引き続き好調でした。炭素繊維・複合材では、トンネルや橋梁等のインフラ補修・補強用途の需要が堅調に推移しました。しかしながら、競争の激化及び円高の影響を受け、売上・損益ともに減少しました。新素材セグメントとして、売上高は345億円(前年同期は362億円)、経常利益は17億円(前年同期は30億円)となりました。
<システムソリューション>新日鉄住金ソリューションズ㈱におきましては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、ITアウトソーシングサービスの運用拠点「NSFITOS Center(エヌエスフィットスセンター)」の東西2拠点化、ネットワーク・セキュリティ分野に強みを持つ企業の子会社化による当該分野の強化等、ITアウトソーシングサービスの競争力強化に取り組んでまいりました。これらの結果、増収増益となりました。システムソリューションセグメントとして、売上高は2,325億円(前年同期は2,189億円)、経常利益は221億円(前年同期は194億円)となりました。
(売上・損益)
当期の連結業績につきましては、最大限のコスト改善施策の実行に加え、海外事業を中心としたグループ会社損益の改善があったものの、エネルギー分野向け鋼材需要の低迷等による販売構成悪化に加え、原料炭価格の急騰に対応する販売価格への反映の遅れに起因するマージン悪化や円高の影響もあり、売上高は4兆6,328億円(前年同期は4兆9,074億円)、営業利益は1,142億円(前年同期は1,677億円)、経常利益は1,745億円(前年同期は2,009億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,309億円(前年同期は1,454億円)となりました。
また、当期の単独業績につきましては、売上高は2兆9,742億円(前年同期は3兆1,607億円)、営業利益は△291億円(前年同期は562億円)、経常利益は481億円(前年同期は879億円)、当期純利益は415億円(前年同期は837億円)となりました。
(2) 当期末の資産、負債、純資産及び当期のキャッシュ・フロー
当期末の連結総資産は、日新製鋼㈱の子会社化等があり、受取手形及び売掛金の増加(1,008億円)、たな卸資産の増加(1,047億円)、有形固定資産の増加(2,615億円)、投資有価証券の増加(2,239億円)等により、前期末(6兆4,250億円)から8,368億円増加し7兆2,619億円となりました。
負債につきましても上記子会社化等があり、有利子負債が2兆1,048億円と前期末(2兆82億円)から965億円増加し、支払手形及び買掛金の増加(1,389億円)、繰延税金負債の増加(564億円)、退職給付に係る負債の増加(591億円)等により、前期末(3兆4,159億円)から5,549億円増加し3兆9,709億円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益による1,309億円の増加、配当金の支払いによる減少(135億円)、自己株式の取得等による減少(441億円)に加え、その他有価証券評価差額金の増加(979億円)、日新製鋼㈱の子会社化等による非支配株主持分の増加(1,075億円)等により、前期末(3兆90億円)から2,819億円増加し3兆2,910億円となりました。なお、当期末の自己資本は2兆9,482億円となり、有利子負債自己資本比率(D/Eレシオ)は0.71倍となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,816億円に減価償却費(3,047億円)を加えた収入、及び売上債権の増加(292億円)・仕入債務の増加(273億円)等があり、4,842億円の収入(前年同期は5,629億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資による支出(3,218億円)、日新製鋼㈱の子会社化を中心とした投資有価証券・関係会社株式の取得による支出(1,160億円)がある一方、投資有価証券・関係会社株式の売却による収入(863億円)があり、3,437億円の支出(前年同期は2,422億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは1,405億円の収入(前年同期は3,207億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、日新製鋼㈱等の子会社化による有利子負債の増加(2,618億円)を控除した実質的な有利子負債の減少(1,653億円)に加え、自己株式の取得による支出(443億円)、前期末の配当(135億円)等により、1,350億円の支出(前年同期は3,375億円の支出)となりました。以上により、当期末における現金及び現金同等物は913億円となりました。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。