有価証券報告書-第100期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/24 15:01
【資料】
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【項目】
143項目
36 後発事象
(1)重要な設備投資
2025年5月30日、当社は「高炉プロセスから電炉プロセスへの転換」投資について、GX推進法に基づく「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業(事業Ⅰ(鉄鋼)) 令和7年度~令和11年度事業」に採択され、それを受けて以下の投資の実行を決定した。
①設備投資の目的
当社は、2021年3月に公表した「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」において、「大型電炉での高級鋼製造」、「水素による還元鉄製造」及び「高炉水素還元」という3つの革新技術を用いたカーボンニュートラルの実現を目指している。
当社は、GX投資の回収予見性を確保しつつ、3つの革新技術の開発と実装を進めることで、2050年カーボンニュートラルを目指していく。
②設備投資の概要
投資内容九州製鉄所八幡地区瀬戸内製鉄所広畑地区山口製鉄所(周南)合計
電炉1基新設電炉1基増設電炉1基改造・再稼働
高級鋼製造対策、物流対策、電源対策、下工程エネルギー対策等を含めた付帯・関連設備
生産能力約200万トン/年約50万トン/年約40万トン/年約290万トン/年
投資額6,302億円1,400億円985億円8,687億円
政府支援額
(上限額)
1,799億円428億円287億円2,514億円
生産開始2029年度下期2029年度下期2028年度下期

(2)取得による企業結合/当社米国子会社とUSスチールの合併及び特定子会社の異動
当社は、2023年12月18日に、当社の米国子会社であるNIPPON STEEL NORTH AMERICA, INC.(以下「NSNA」という。)の子会社が米国の高炉・電炉一貫の鉄鋼メーカーであるUnited States Steel Corporation(以下「USスチール」という。)と合併すること(以下「本合併」という。)、及びUSスチールとの間で本合併に関する合併契約を締結することを決定し、合併契約を締結した。
その後、2025年6月13日にトランプ大統領が国家安全保障協定(以下「NSA」という。)の締結を条件に本合併を承認する旨の大統領令を発し、同日、当社及びNSNAとUSスチールは米国政府とNSAを締結したことから、本合併の実行に必要なすべての規制当局からの承認取得が完了し、同年6月18日に、本合併が成立し、USスチールは当社の連結子会社(特定子会社)となった。
NSAには、日本製鉄が2028年までにUSスチールに対し約110億米ドルの投資を実施することが定められており、これには2028年以降に完了予定のグリーンフィールドのプロジェクトへの初期投資も含まれている。また、NSAには、ガバナンス(米国政府への黄金株の発行を含む)、国内生産、通商に関するコミットメントも定められている。
1.株式取得の目的等
当社は、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」として、「需要の伸びが確実に期待できる地域」「当社の技術力・商品力を活かせる分野」において、上工程から一貫して付加価値を創造できる鉄源一貫生産体制を拡大し、日本製鉄グループとして「グローバル粗鋼1億トン体制」を目指している。一貫生産体制の拡大に当たっては、買収・資本参加(ブラウンフィールド)等による一貫製鉄所の取得、既存拠点の能力拡張を基本戦略としており、2019年12月にインドのEssar Steel India Limited(現AM/NS India)、2022年3月にタイのG Steel及びGJ Steelを買収した。
米国鋼材市場は、輸出に依存しない国内需要中心の供給構造となっており、また、安価なエネルギー、世界経済の構造変化を背景に、エネルギー、製造業等の鋼材需要分野における米国内回帰の動きが顕著となってきている。米国鋼材市場は国内需要が今後も安定的に伸長すると見込まれていることに加えて、先進国最大の市場であり、高水準の高級鋼需要が期待できることから、当社の培ってきた技術力・商品力を活かせる地域である。
本合併は、当社の海外事業戦略に合致するだけではなく、規模及び成長率が世界的に見ても大きいインド、ASEANに加えて、先進国である米国に鉄源一貫製鉄所を持つことによるグローバル事業拠点の多様化の観点からも、大きな意義のある投資と判断した。今後、この3つのグローバル重点拠点の拡張・充実により、企業価値のさらなる向上を目指していく。
本合併により、当社グループのグローバル粗鋼生産能力は8,600万トンまで拡大し、さらなる広がりを持つことになる。当社とUSスチールの有する、電磁鋼板や自動車鋼板などの高級鋼製品に関する技術力を活かした製品・サービスを提供することで、顧客と社会に広く貢献し、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」として共に前進していく。
また、当社とUSスチールは、2050年カーボンニュートラル達成という目標に向けて、これまで技術開発を推進してきており、それぞれ技術的な強みを持っている。当社は、「高炉水素還元」「水素による還元鉄製造」「大型電炉での高級鋼製造」の3つの超革新的技術によるカーボンニュートラルの実現を目指している。
今後、両社の先端技術を融合することによって、2050年カーボンニュートラルへの取り組みをさらに推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2.株式取得した会社の名称、事業内容、規模
① 名称 :United States Steel Corporation
② 住所 :600 Grant Street, Pittsburgh, PA 15219-2800, U.S.A.
③ 代表者の氏名 :David B. Burritt, President and Chief Executive Officer
④ 資本金の額 :288百万米ドル(*)
⑤ 連結純資産の額 :11,440百万米ドル(*)
⑥ 連結総資産の額 :20,235百万米ドル(*)
⑦ 事業の内容 :自動車・家電・建材用途等の薄板、エネルギー分野用途の鋼管製品の製造・販売
(*)USスチールが2025年1月31日に米国証券取引委員会に提出したForm 10-Kから引用
3.株式取得の時期
2025年6月18日
4.取得した株式の数、取得価額及び取得後の持分比率
(1)異動前の所有株式数-株
(議決権の数:-個)
(議決権所有割合:-%)
(2)取得株式数226,576,075株
(議決権の数:226,576,075個)
(議決権所有割合:100%)
(3)取得価額(*1)USスチールの普通株式 約142億米ドル
(4)異動後の所有株式数 (*2)1株
(議決権の数:1個)
(議決権所有割合:100%)

(*1) 取得価額には、新株予約権、Restricted Stock Unit、Convertible Notes 等その他証券取得に関する支払いを行うために要する金額を含んでいる。
(*2)本合併は、NSNAの子会社がUSスチールを合併する方法(逆三角合併)により実行する。具体的には、本合併により、USスチールの発行済株式が合併対価(1株当たり55米ドル)を受領することができる権利に転換されて消滅し、それと同時に、NSNAが保有していた子会社の発行済株式がUSスチールの株式に転換されることにより、USスチールは当社の完全子会社となる。
5.その他
現時点において、当該企業結合に関する企業結合の会計処理が完了していないため、会計処理に関する詳細な情報は記載していない。
(3)米国政府との国家安全保障協定の締結
当社及び当社米国子会社であるNippon Steel North America, Inc.とUnited States Steel Corporation(以下「USスチール」という。)(以下、総称して「両社」という。)は、2025年6月13日、米国政府との間で国家安全保障協定(以下「NSA」という。)を締結した。また、USスチールは米国政府へ黄金株1株を発行する。
NSAにおいて、米国政府と両社は、米国の国家安全保障を守るため、両社による以下のコミットメントを含む措置等に合意している。
・ 設備投資-日本製鉄は、2028年までにUSスチールに対し約110億米ドルを投資する。これには2028年以降に完了予定のグリーンフィールドのプロジェクトへの初期投資も含まれる。
・ 本店所在地-USスチールは、米国法人として存続し、本社をペンシルベニア州ピッツバーグに維持する。
・ 取締役会-USスチールの取締役の過半数は米国籍とする。
・ 経営陣-USスチールの経営陣の中枢メンバー(CEOを含む)は米国籍とする。
・ 米国における生産-USスチールは、米国市場の鉄鋼需要に応えられるよう、米国内の製造拠点における鉄鋼生産・供給能力を維持する。
・ 自律的な通商措置-日本製鉄は、USスチールによる米国法に基づいた通商措置への妨害、禁止、干渉を行わない。
また、NSA及び黄金株の保有を通じて、米国政府は以下を含む一定の権利を有する。
・ USスチールの独立取締役1名の選任権
・ USスチールは以下の事項の実行に際して、大統領又はその指名する者の同意を必要とする
- NSAにおいてコミットされた設備投資の削減
- USスチールの会社名・本店所在地の変更
- USスチールの法人登記の米国外移転
- 生産・雇用の米国外移転
- 米国内の競合事業の重要な買収
- 米国既存製造拠点の閉鎖・休止、通商、労働、米国外からの調達に関する一定事項 等
この仕組みにより、米国の国家安全保障を守りながら、日本製鉄のUSスチールにおける経営の自由度及び採算性を確保することが可能となる。
(4)当社米国子会社とUSスチールの合併に伴う短期借入
当社は、当社米国子会社とUnited States Steel Corporationの合併に伴う株式取得対価の支払いを目的として、2025年6月18日に以下の短期借入を行った。
・借入額:約2兆円
・借入金利:基準金利+スプレッド
・借入期間:1年以内
(5)NS Kote社の譲渡を通じたAM/NS Calvert社の当社持分の譲渡
当社米国子会社とUnited States Steel Corporationの合併が完了したことから、当社は、ArcelorMittal, S.A.(以下「ArcelorMittal」という。)との間で2024年10月11日に締結した株式譲渡契約に基づき、2025年6月18日に、当社完全子会社のNS Kote, Inc.(当社持分法適用会社であるAM/NS Calvert LLCの当社全持分を有する持株会社)の全株式をArcelorMittalに譲渡した。
本株式譲渡に伴い、当社連結決算上2,300億円程度の事業再編損失(個別開示項目)を2026年3月期第1四半期に計上する見込みである。

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