有価証券報告書-第162期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 12:58
【資料】
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【項目】
130項目

事業等のリスク

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、次のとおりであります。
なお、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「第2 事業の状況」の他の項目、「第5 経理の状況」の注記事項、その他においても記載しておりますので、併せてご参照ください。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.主要市場の経済状況等
当社グループの国内向け販売は、自動車、造船、電気機械、建築・土木、IT、飲料容器、産業機械などを主な需要分野としております。一方、当連結会計年度の海外向け販売は全売上高の37.9%であり、最大の需要国である中国を含むアジア地域が、海外売上高の過半を占めております。
従って、当社グループの業績はこれらの需要分野の動向、需要地域における経済情勢等の影響を受けます。また、海外の各需要地域における政治・社会情勢、各地域における事業の監督や調整の困難さ、労働問題、関税、輸出入規制、通商・租税その他の法的規制の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各製品市場において、国内外の競合各社との厳しい競争状態にあり、競合各社による当社製品よりも高性能な製品開発や迅速な新製品の導入等、その状況次第では当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.鋼材販売数量・価格の変動
当社グループの販売する鋼材の数量・価格は、国内外の需要分野の動向や国際的な鋼材需給・市況により影響を受けます。
国内鋼材販売の形態は、大きくは製品数量・規格等を直接需要家との間で取り決めて出荷する「紐付き」と、需要家が不特定の状態で出荷する「店売り」とに分かれますが、当社の場合ほとんどが「紐付き」であります。鋼材の需給状況が変動した場合、「店売り」価格の方がより敏感に連動するものの、最終的には「紐付き」価格も影響を受けることになります。また、鋼材販売数量の概ね30%を占める輸出鋼材の販売数量・価格についても、各需要地域における鋼材需給等により影響を受けます。
これらの鋼材販売数量・価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼします。
3.原材料等の価格変動等
当社グループが調達している鉄鉱石、石炭、合金鉄・非鉄金属、スクラップ等の鉄鋼原料価格及びそれらの輸送に関わる海上運賃等は、国際的な市況、為替相場、法規制、自然災害、政治情勢等により影響を受けます。特に、鉄鉱石及び石炭については、原産国や供給者が世界的にも限られていることから、需給動向が国際市況に与える影響が大きくなる傾向があります。これらの価格・運賃の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼします。
また、アルミ・銅事業におきましては、アルミ・銅の地金価格の変動は基本的にお客様に転嫁する仕組みとなっております。しかしながら、地金価格の市況が短期間に大きく変動した場合には、会計上の在庫評価影響などによって、当社グループの業績に一時的に影響が生じる可能性があります。
さらに、当社グループは、耐火物等の副資材、設備投資関連資材、及び電装品、油圧機器、内燃機器等の資機材を外部調達しており、これら資機材の価格変動が、当社グループの業績に影響を及ぼします。
加えて、上記原材料やこれらの資機材等の調達先との取引関係に重大な変更があった場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.環境規制等の影響
鉄鋼、アルミ・銅事業部門を中心に、その生産活動の過程において廃棄物、副産物等が発生します。当社グループでは、国内外の法規制に則った適切な対応に努めておりますが、関連法規制の強化等によって、過去に売却した工場跡地等であっても土壌汚染の浄化のための費用が発生するなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後二酸化炭素等の排出に関連して数量規制や税の賦課が導入された場合には、鉄鋼事業部門を中心に当社グループの事業活動が制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.事故、災害等による操業への影響
当社グループの生産設備の中には、鉄鋼事業部門の高炉、転炉など高温、高圧での操業を行なっている設備があります。また、高熱の生産物、化学薬品等を取り扱っている事業所もあります。対人・対物を問わず、事故の防止対策には万全を期しておりますが、万一重大な事故が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の製造拠点等において、大規模地震や台風等の自然災害、新型インフルエンザ等の感染症、その他当社グループの制御不能な事態により操業に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.訴訟等のリスク
当社グループは、国内、海外において多岐にわたる分野で事業活動を行なっており、その遂行にあたっては、法令その他の社会規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行なうことを指針としております。しかしながら、当社グループ各社及び従業員が、製造物責任法や知的財産権の問題等で訴訟を提起され若しくはその他のクレームを受ける可能性や、法令違反等を理由として罰金等を課される可能性があり、その結果によっては、当社グループの業績や社会的信用力に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの技術・ノウハウを知的財産権等を通じて法的に保護できない場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.財務リスク
① 為替レートの変動
当社グループの外貨建取引は主として米ドル建で行なわれており、当連結会計年度におけるドル収支は輸入超過であります。当社グループは、短期的な対応として為替予約等を実施しておりますが、変動リスクを完全に排除することは困難であり、為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 金利率の変動等
当連結会計年度末における当社グループの外部負債残高は6,509億円(IPPプロジェクトファイナンスを含めると6,774億円)であります。これらの負債及び新規の借入金・社債等に関し、金融情勢の変化等による金利率及びその他の条件の変動等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 融資・債務保証等
当社グループは、関係会社等に対して融資等、及び関係会社等における一部の金融機関借入等について、債務保証等を行なっております。将来、これらの融資等の回収が滞ったり、債務保証等の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ たな卸資産の価値下落
当社グループが保有しているたな卸資産について、収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
⑤ 投資有価証券の価値変動等
当社グループが保有する投資有価証券の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は2,079億円であります。上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績に影響を及ぼします。
加えて、年金資産を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計算上の差異が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 繰延税金資産の計上
当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
⑦ 固定資産の価値下落
当社グループが保有している固定資産について、時価の下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
8.中期経営計画の実現
当社グループは平成25年5月に中期経営計画を発表しておりますが、成長分野・地域として掲げた分野・地域の市況や為替レートの状況等、中期経営計画の前提条件が想定と異なる場合や当該差異により予定どおり中期経営計画を遂行できない場合、当社グループは、鉄鋼事業の収益力強化、機械系事業の戦略的な拡大や電力供給事業の拡大といった中期経営計画の取組みが実現できない可能性があります。また、当社グループは、海外企業との業務提携やジョイントベンチャーを進めていますが、製品開発・サービス提供が困難を伴うことや、当初予定していたシナジー効果が実現されないこと等、これらの業務提携等が上手くいかない又は想定していた将来の事業機会を得ることができない可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在では予測できない上記以外の事象の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。