有価証券報告書-第162期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/24 12:58
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対処すべき課題

今後のわが国経済は、引き続き公共投資が底堅く推移し、緩やかながら設備投資の増加も見込まれることなどから、景気は回復基調が持続するものと想定されます。一方、海外においては、中国、新興国における景気減速の長期化が懸念される他、各地域の地政学的リスクも相俟って、先行きへの不透明感が増しております。
当社グループは、平成22年4月より、「中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』~新しい価値の創造とグローバルな成長を目指して~」の実現に向けて取り組んでおります。しかしながら、海外経済の変調、為替水準の急激な変動など、事業環境がめまぐるしく変化する中、中長期経営ビジョンの実現に向けては、「経営基盤の再構築」と「収益の『安定』と事業の『成長』に向けた布石」を打つことが必要との認識のもと、平成25年5月にグループ中期経営計画を策定し、以下のような取組みを進めております。
経営基盤の再構築収益の『安定』と事業の『成長』
に向けた布石
・鉄鋼事業の収益力強化
・成長分野・地域での販売量の確保
・体質強化活動
・財務体質の改善
・鋼材事業の構造改革
・機械系事業の戦略的な拡大
・電力供給事業の拡大

こうした取組みにより、「素材系事業と機械系事業の2本柱に加え、電力供給事業を安定収益基盤とした独自の複合経営」をより強化し、中長期経営ビジョンの実現を目指してまいります。
<中長期経営ビジョン>中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』とは、多様な素材系、機械系のビジネスで培った神戸製鋼グループならではの知識・技術をさらに融合することにより、
・ グローバル市場において存在感のある企業グループ
・ 安定収益体質と強固な財務基盤を備え持つ企業グループ
・ 株主・取引先・従業員・社会と共栄する企業グループ
の3つを5年~10年後の神戸製鋼グループ像として目指すものです。当社グループは、安全・コンプライアンスへの取組みを徹底した上で、以下の基本方針の下、様々な事業を展開しております。
『KOBELCO VISION“G”』の基本方針
(ⅰ)オンリーワンの徹底的な追求
(ⅱ)「ものづくり力」の更なる強化
(ⅲ)成長市場への進出深化
(ⅳ)グループ総合力の発揮
(ⅴ)社会への貢献

「経営基盤の再構築」と「収益の『安定』と事業の『成長』に向けた布石」についての取組み内容は以下のとおりです。
「経営基盤の再構築」
<鉄鋼事業の収益力強化>鉄鋼事業部門を安定収益体質にすることは、当社グループにとって最大の課題です。設備投資効果や生産現場レベルでのコスト削減を中心に、品種構成改善や拡販など、あらゆる収益改善策に取り組み、競争力の強化を図ってまいります。
[当期における取組み実績]
・新溶銑予備処理設備(加古川)の稼動により製鋼プロセスを効率化
・2基目の高効率ガス火力自家発電設備(加古川)の稼動により発電効率を向上
・生産現場レベルでの100億円規模のコスト削減

<成長分野・地域での販売量の確保>従来から取り組んでいる海外拠点の拡充と国内外各拠点の最大限の活用により、自動車、資源・環境、エネルギー、社会インフラといった成長分野と、これらの分野で成長が期待できる地域において、鉄鋼・溶接・アルミといった素材系、産業機械・エンジニアリング・建設機械といった機械系のそれぞれのオンリーワン製品・技術・サービスを中心に、最大販売量の確保に取り組んでまいります。
[当期における取組み実績]
・鞍鋼股份有限公司と中国において自動車ハイテン鋼板の製造・販売に関する合弁会社を設立
・中国における自動車パネル用アルミ板材の新たな製造・販売拠点の建設工事を推進
・米国における自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の製造・販売拠点の能力増強工事を完了

<財務体質の改善を含む体質強化活動>在庫圧縮や債権流動化・資産売却などによるキャッシュの創出に加え、投融資案件の厳選を進め、継続的に財務体質の改善を図ってまいります。また、全社的な固定費の適正化や調達コストの削減、製造工程・技術の徹底した検証による不良率の低減などの品質失敗コストの削減に継続的に取り組み、中長期的な体質強化を進めてまいります。
[当期における取組み実績]
・保有株式の売却などを中心に、500億円規模のキャッシュ創出を実現
・財務の健全性を表すD/Eレシオの改善(前期末1.11倍→当期末0.88倍)

「収益の『安定』と事業の『成長』に向けた布石」
<鋼材事業の構造改革>製造業の海外移転などによる内需の漸減、東アジア地域での製鉄所増設などにより、更なる競争激化が予想される鋼材事業においては、もう一段の競争力強化に取り組みます。
具体的には、平成29年度を目処に神戸製鉄所の高炉をはじめとした上工程設備を加古川製鉄所へ集約することにより、上工程の稼働率を向上させ、固定費の削減を実施することで大幅なコスト低減を図ります。
また、加古川製鉄所において、最新鋭のブルーム連続鋳造設備と溶鋼処理設備を新設、分塊圧延機を能力増強し、主力品種である特殊鋼線材・棒鋼の競争力を強化してまいります。
[進捗状況]
・設備発注、現地工事など全体的に予定通り進捗
・上工程変更に伴い必要となる需要家の再承認取得を推進
・円滑な上工程集約に向け、加古川製鉄所・神戸製鉄所の組織体制を整備

<機械系事業の戦略的な拡大>圧縮機事業や建設機械事業などにおいて、国内外の拠点を整備し、グローバルな成長戦略を強化してまいります。また、多様な技術を有する当社グループの強みを活かし、グループ横断のプロジェクトによる技術融合を行ない、水素ステーション向け製品の開発など、新たな製品や事業の拡大を進めてまいります。
[当期における取組み実績]
・市場再参入を果たし、シェアの拡大を目指す北米において建設機械工場の建設を意思決定
・水素ステーションのコストダウン及び省スペース化を実現する、高圧水素圧縮機や冷却設備を組み合わせたパッケージ型ユニットを受注

<電力供給事業の拡大>これまでの電力供給事業や製鉄所での高効率ガス火力自家発電設備などの建設と操業で培ったノウハウを活かし、将来の安定収益基盤として、電力供給事業の拡大を進めてまいります。
具体的には、栃木県真岡市におけるガス火力発電所の建設及び神戸製鉄所の高炉休止後の跡地において、石炭火力発電所の建設を進めてまいります。いずれの発電所も、国の基準に則した高効率な発電設備の導入や、その他立地条件を考慮した高水準の環境対策を実施する計画です。
[進捗状況]
真岡:東京瓦斯(株)と電力受給契約締結
現在、環境アセスメント実施中(平成31年度稼動目標、発電能力120万kW)
神戸:関西電力(株)の火力電源入札に応札し、落札
同社と電力受給契約の締結
現在、環境アセスメント実施中(平成33年度稼動目標、発電能力130万kW)

これらの重点課題以外にも、中長期経営ビジョンの基本方針である「ものづくり力」の強化や、人材育成、技術開発の強化を引き続き推進してまいります。
なお、当社が、中長期経営ビジョンを実現するためには、安全・コンプライアンスの向上が大前提です。これまでも、当社並びにグループ各社では、リスクの抽出からチェック、改善までの年間計画を立て実行していく「リスク管理活動」を国内外において実施することを通じて、その周知徹底と問題の未然防止を図ってまいりましたが、さらに安全・コンプライアンス意識への感度を高めるよう、取り組んでまいります。
なお、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(「会社支配に関する基本方針」)は以下のとおりであります。
1. 基本方針の内容
当社は上場会社として、株式の自由な取引の中で、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する形であれば、支配権の移動を伴う大規模な株式買付行為であっても、当然是認されるべきであると考えております。
しかしながら、一方、昨今のわが国の資本市場においては、株主・投資家等に十分な情報開示が行なわれることなく、突如として株式等の大規模買付けが行なわれる事例が少なからず見受けられます。こうした大規模な株式買付行為および提案の中には、当社に回復し難い損害をもたらすおそれのあるものを内容として含むものや、株主の皆様に大規模買付行為を受け入れるか否かを検討するのに必要な情報と時間を提供しないものも想定されます。このような行為は、いずれも当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれのあるものです。
特に、当社は素材関連や機械関連等様々な事業を行なっており、事業の裾野が広い分、多様なステークホルダーや、様々な事業により生み出されるシナジーが存在しますが、これら全てが当社独自の企業価値の源泉であると考えております。また、平成25年5月に策定した「中期経営計画」で掲げた「収益の『安定』と事業の『成長』に向けた布石」としての取組み、すなわち「鋼材事業の構造改革」、「機械系事業の戦略的拡大」と「電力供給事業の拡大」を推進し、「素材系事業と機械系事業の2本柱に加え、電力供給事業を安定収益基盤とした独自の複合経営」という当社の将来像を実現し、中長期的に企業価値の向上を図っていくことが、多様なステークホルダーの方々に対して企業としての社会的責任を果たすことにつながると認識しております。
このような観点から、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を向上させる上で必要不可欠な、当社の経営理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等を十分に理解し、その結果として当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。これに反して、上述のような大規模な株式買付行為および提案を行なう者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
当社をとりまく事業環境をみると、国際的な競争激化の中、企業買収は依然として活発な状況にあり、当社の経営方針に影響を与えるような当社株式の大規模な買付行為が将来行なわれる可能性は否定できません。
一方、こうした大規模買付行為の際に利用される公開買付制度については、少なくとも現在の制度に基づく限り、株主が大規模買付行為の是非を判断するための情報と検討期間が十分に確保できない場合もありえるといわざるをえません。
すなわち、国内外で行なわれている大型のM&A案件を見ると、友好的に行なわれる場合であっても、合意に至るまでに相当期間の交渉を行なう事例も少なくありません。企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するためには、経営陣との事前の合意なく行なわれる大規模買付行為においても、友好的に行なわれるのと同等の情報開示と評価検討期間が確保されることが必要であり、これを確保するための手続きが、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者を株主が選ぶにあたって必要であると当社は考えます。
以上を考慮した結果、当社といたしましては、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供することを大規模買付者に求め、株主の皆様および当社取締役会のための一定の検討評価期間が経過した後にのみ当該大規模買付行為を開始するというルールを設定する必要があると考えております。
2. 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
(1) 経営戦略の展開による企業価値向上への取組み
当社グループでは、中長期の経営指針として平成22年4月に策定した「中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』~新しい価値の創造とグローバルな成長を目指して~」の実現に向け、現在、様々な取組みを続けています。このビジョンは、多様な素材系、機械系のビジネスで培った神戸製鋼グループならではの知識・技術を更に融合することにより、
・グローバル市場において存在感のある企業グループ
・安定収益体質と強固な財務基盤を備え持つ企業グループ
・株主・取引先・従業員・社会と共栄する企業グループ
の3つを5年~10年後の神戸製鋼グループ像として目指すものです。当社グループでは、このようなグループ像の実現に向けて、まず、安全・コンプライアンスへの取組みを徹底し、その上で、以下の基本方針のもと、新しい価値の創造とグローバルな成長を目指してまいります。
『KOBELCO VISION“G”』の基本方針
(ⅰ)オンリーワンの徹底的な追求
(ⅱ)「ものづくり力」の更なる強化
(ⅲ)成長市場への進出深化
(ⅳ)グループ総合力の発揮
(ⅴ)社会への貢献
※「中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』」の内容の詳細は、当社ホームページ(http://www.kobelco.co.jp)プレスリリース欄 平成22年4月14日付「神戸製鋼グループ『中長期経営ビジョン』」をご覧ください。
(2) コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化による企業価値向上への取組み
当社は、内部統制システムに基づき、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の充実と、万全なコンプライアンス体制の確立に全力を挙げ、企業価値の向上に取り組んでおります(具体的な内容につきましては、「第4 提出会社の状況 6.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております)。
3. 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
平成27年6月24日開催の当社第162回定時株主総会において、不適切な者によって当社の財務および事業の方針が決定されることを防止するための取組みとして、次のプラン(以下、「本プラン」といいます。)のご承認をいただきました。
<本プランの概要>本プランは当社株券等に対する大規模買付行為が行なわれる場合に、以下の手順を定めております。
(1) 本プランの趣旨
当社株券等に対する持株割合が20%以上となる当社株券等に対する大規模買付行為が行なわれる場合に、株主の皆様がこのような買付行為を受け入れるか否かを検討するために必要かつ十分な情報を事前に提供することを大規模買付者に求めるとともに、提供された情報に基づき、当社取締役会が当該大規模買付行為について検討評価を行なうための期間を設け、かかる期間が経過するまでの間、および、当該期間が経過した後であっても、対抗措置の発動の可否等を問うための株主の皆様のご意思を確認する総会(以下、「株主意思確認総会」といいます。)が招集された場合には、株主意思確認総会において対抗措置の発動等に関する決議がなされるまでの間、当該大規模買付行為が開始されないことを確保するものです。
(2) 独立委員会の設置および株主意思確認総会の利用
当社は、当社取締役会による恣意的な判断を防止し、本プランに則った手続きの客観性、公正性および合理性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は、3名以上とし、社外の弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者等および社外の経営者と最低1名の社外取締役によって構成いたします。
独立委員会が株主意思確認総会の招集を勧告した場合には、当社取締役会は、当該勧告を最大限尊重した上で、相当と判断される場合には、対抗措置の発動の可否等を問うために株主意思確認総会の招集手続きを実務上可能な限り速やかに実施するものとします。
(3) 必要情報の提供
大規模買付者の提案が企業価値、ひいては株主共同の利益を高めるものか否かについて判断するため、大規模買付者に対し、株式取得の目的、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、株式取得後の経営方針等について、情報提供を求めます。
ただし、提供される情報は、株主ならびに当社取締役会および独立委員会が大規模買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な範囲に限定されるものとし、独立委員会は、大規模買付者に延々と情報提供を求めるなどの濫用的な運用は行ないません。
(4) 当社取締役会および独立委員会による検討評価
独立委員会が大規模買付行為の是非を判断するのに必要かつ十分な情報提供を受けたと判断した旨を当社が開示した日から、円貨の現金のみを対価とする全部買付けの場合は60日間、これ以外の場合は90日間を当社取締役会および独立委員会の検討評価期間として確保いたします。
独立委員会は、この間、大規模買付行為の妥当性や対抗措置の発動の是非および株主意思確認総会の招集の是非を判断し、その検討の結果を取締役会に勧告いたします。
独立委員会が当社取締役会に対して対抗措置を発動すべき旨の勧告をする場合には、当社社外取締役を務める委員のうち、少なくとも1名が賛成していることを必要とするものといたします。
※検討評価期間は、独立委員会が必要と判断した場合、最大30日延長可能といたします。
(5) 大規模買付行為がなされたときの対応
独立委員会の勧告を最大限に尊重し、取締役会が以下の基準のもとで判断いたします。
a.大規模買付者が本プランの手続きを遵守しない場合、原則として対抗措置を発動します。
b.大規模買付者が本プランの手続きを遵守した場合、取締役会は、仮に反対であっても、大規模買付行為に対する反対意見の表明や代替案の提示等を行なうにとどめ、原則として対抗措置はとりません。ただし、大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすと認められる場合や当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には対抗措置をとることがあります。
もっとも、独立委員会が、対抗措置を発動する条件として、株主意思確認総会を開催して株主の皆様のご意思を確認することが相当であると判断した場合等においては、株主意思確認総会の招集を当社取締役会に勧告します。独立委員会が株主意思確認総会の招集を勧告した場合には、取締役会は、当該勧告を最大限尊重した上で、相当と判断される場合には、対抗措置の発動の可否等を問うために株主意思確認総会の招集手続きを実務上可能な限り速やかに実施します。
(6) 対抗措置の内容
大規模買付者は行使することができないなどの条件を付した新株予約権の無償割当ての方法をとります。ただし、大規模買付者に新株予約権の対価として現金を交付する旨の取得条項を付することはできないものといたします。
(7) 本プランの発効日と有効期限
本プランの発効およびそれに基づく対抗措置の発動については、株主の皆様にも一定の影響を与えるため、本プランについては当社第162回定時株主総会において株主の皆様のご意思を確認させていただき、ご承認を頂きました。
したがって、本プランは同定時株主総会の終了後に開催された最初の取締役会の終了時に発効いたしました。本プランの有効期限は平成29年6月に開催予定の当社定時株主総会の終了後最初に開催される取締役会終了のときまでといたします。ただし、平成29年6月に開催予定の当社定時株主総会の終了後最初に開催される取締役会の開催日において、現に大規模買付行為がなされ、または本プランの手続きが既に開始されている場合には、当該行為への対応または本プランの運用のために必要な限度で、かかる有効期間は延長されるものとします。
また、本プランは、その有効期間中であっても、当社取締役会によりこれを廃止する旨の決議が行なわれた場合は、その時点で廃止されるものとします。
※ 本プランの内容の詳細は、当社ホームページ(http://www.kobelco.co.jp) プレスリリース欄 平成27年4月28日付「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」をご覧ください。
4.経営者の取組みが会社支配に関する基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではないこと、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
当社グループにおける取組みは、会社支配に関する基本方針にいう「当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上」のための現在の経営者による取組みです。
当社の現在のコーポレート・ガバナンス(企業統治)体制およびその強化のための様々な取組みは、会社法の規律に基づき、取締役の職務執行に対する監督機能を確保し、経営の透明性を高め、もって企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に資する点で会社支配に関する基本方針に準拠するものです。
また、本プランは、「大規模買付行為に応じるか否かは、最終的には株主の皆様が判断する」という基本精神に基づき作成されております。本プランに定める手続きのいずれも、大規模買付行為に応じるか否かを当社株主の皆様が判断するために必要な情報を提供していただくため、あるいは代替案の提示を受ける機会を株主の皆様に保障するための手段として採用されたものです。よって、本プランは、会社支配に関する基本方針の考え方に沿って設計されたものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えます。
さらに、本プランの発効は、株主総会における当社株主の皆様の承認が条件となっております。また、有効期間が明確に規定されていることから、本プランの更新を株主総会の決議により承認しないことが可能です。加えて、本プランは、取締役会決議によりいつでも廃止が可能であることから、当社株主の皆様が本プランの維持により株主共同の利益を損なうこととなると判断する場合、取締役の選解任権を行使することにより、いつでも株主の皆様のご意思によって本プランを廃止することが可能となっております。また、本プランは、大規模買付者が本プランに定められた手続きに従うことなく大規模買付行為を開始した場合において、独立委員会が対抗措置を発動する条件として、株主意思確認総会を開催して株主の皆様のご意思を確認することが相当であると判断した場合には、当社取締役会は、当該判断を最大限尊重し、大規模買付者による大規模買付行為に対する対抗措置の発動の是非等について株主意思確認総会を開催することによって、株主の皆様のご意思を直接確認することとしております。このような仕組みにより、本プランが当社株主共同の利益を損なうことがないように配慮されております。
本プランに定める当社取締役会による対抗措置の発動は、かかる本プランの規定に従って行なわれます。さらに、当社取締役会が大規模買付行為の是非を検討評価し、対抗措置を発動するか否かを判断するにあたっては、外部専門家などの助言を得るとともに、当社の業務執行を行なう経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。このように、本プランには、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。以上から、本プランは当社役員の地位の維持を目的とするものでないと考えております。