有価証券報告書-第164期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1)経営方針
当社グループは平成28年4月に、中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION “G+”(ジープラス)」として「素材」「機械」「電力」の3本柱の事業体確立を目指した新中期経営計画をスタートしました。現在、その達成に向けた様々な戦略的な取組みを推し進めており、これらが随時実行段階に入る重要な局面に差し掛かっています。
また、変化の激しい時代、かつ多様な価値観が存在する中で、当社は「働き方変革活動」や「ダイバーシティの推進」などの取組みも開始しています。
このような状況において、改めてグループ全体の「核」となる価値観を共有し、グループ全員の思いを一つにする拠り所が必要と考えました。このため、平成18年に策定した「企業理念」に今一度立ち戻り、グループ全員でこの価値観を意識・共有することによって、全社員が一つになって、より良い企業集団、すなわち「誇り」「愛着」「魅力」溢れる企業集団を作り、当社グループが持続的に発展していくことを目指した活動「KOBELCOの約束 Next100プロジェクト(次の100年に向けた活動)」を平成29年度から開始いたします。
今回、グループ全体の理念であることを分かりやすく示すため、「企業理念」を「KOBELCOの3つの約束」と呼ぶことにしました。これらの約束は、当社グループの社会に対する約束事であり、グループ全体で共有する価値観を示しています。
そして、これらの約束を果たすために、全社員が守るべき誓いとして「KOBELCOの6つの誓い」を新たに策定しました。「KOBELCOの6つの誓い」は「KOBELCOの3つの約束」を達成するための具体的なアクションであり、社員一人ひとりの行動を指し示すものとなります。
当社グループは、「KOBELCOの3つの約束」「KOBELCOの6つの誓い」を、CSR、コンプライアンス、安全、品質管理などを含めた全ての企業活動に落とし込み、グループ内外に浸透させていくことによって、当社グループの持続的発展及び企業価値向上を目指すとともに、株主・投資家、顧客や取引先、グループ社員、地域社会などあらゆるステークホルダーに対して当社グループとしての社会的責任を全うし、社会へ貢献することを目指してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
足下の当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては雇用環境の改善や企業の設備投資及び個人消費の持直しの動きを受け、緩やかな回復基調が続くことが想定されます。海外では、中国やインドにおいては成長率が鈍化するものの、米国、欧州においては景気回復傾向が続くことが見込まれます。
一方で、保護主義的な傾向の強まりや為替変動などが経済に与える影響は懸念材料であり、不確実性が払拭できない状況にあります。
このような環境において、当社グループが取り組むべき課題は、二期連続での大幅な赤字計上の要因となった鉄鋼事業及び建設機械事業の収益構造改革と、現在取り組んでいる素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による将来に向けた成長戦略の確実な推進であると認識しております。
まず、鉄鋼事業については、「2016~2020年度グループ中期経営計画」で掲げた収益力強化策の推進、特に、鋼材生産の上工程集約の平成29年度内の完遂に向けて全力で取り組んでまいります。また、建設機械事業においては、販売体制の見直しと生産体制の再編により、早期の収益力強化を図ってまいります。
素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による成長戦略については、現在進行中の輸送機軽量化への取組みや、エネルギー・インフラ分野での事業拡大、電力事業の拡大などを確実に推し進めます。成長戦略の推進にあたっては、「D/Eレシオ 1倍以下」とする財務規律を維持すべく1,000億円規模のキャッシュ対策を早期に具体化してまいります。これらの取組みを通じ、盤石な事業体の確立と成長を目指してまいります。
「2016~2020年度グループ中期経営計画」の概要及び現在の進捗状況は以下のとおりであります。
「2016~2020年度グループ中期経営計画」
当社グループは、平成28年4月に「2016~2020 年度グループ中期経営計画」を策定し、素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による成長戦略を一層深化させ、盤石な事業体を確立させる新たな中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION “G+”(ジープラス)」への取組みをスタートいたしました。
輸送機の軽量化やエネルギー・インフラなど中長期的に伸張する成長分野に経営資源を集中し、当社グループ独自の付加価値をさらに高め、競争優位性を発揮していくことで、事業を拡大・発展させるとともに、社会への貢献を目指してまいります。
1)3本柱の事業成長戦略
素材系事業
<輸送機軽量化への取組み>◆ 軽量化実現のためのマルチマテリアル化(※)が加速する自動車分野での取組み
・高強度鋼板(ハイテン鋼板)・アルミ製品(板、押出材及び鍛造材)の競争力強化推進
・複数の素材と接合技術を有する当社ならではの幅広いソリューション提案を武器としたグローバルな自動車市場におけるシェア拡大
※ 自動車軽量化において、自動車メーカーが鋼板、アルミ製品、炭素繊維強化プラスチックなどをそれぞれが持つ優れた特性を活かして部品毎に適材適所で使い分けること。
◆ 運航機数の拡大が見込まれる航空機分野での取組み
・当社が保有するチタン・アルミ・マグネシウムなどの素材事業において、上工程(溶解、鋳造/鍛造)の強化及び下工程(機械加工、表面処理、塗装)への参入・拡大
・サプライヤーが不足するアジア圏での上~下工程一貫完結型のシンプルなサプライチェーン構築
<鉄鋼事業の収益力強化>・鋼材生産の上工程の加古川製鉄所への集約(高炉~連続鋳造)の完遂(平成29年度)
・上工程集約による稼働率の向上などによるコスト低減の実現(+150億円/年)
・追加の収益改善策(+300億円/年)の実行と輸送機分野での成長の両輪で収益の底上げ
機械系事業
<エネルギー・インフラ分野への取組み>・圧縮機事業の拡大に向けた、世界最大級の非汎用圧縮機試運転設備の立上げと各種工場で使用される大型ターボ圧縮機市場への参入
・グローバル展開や商品競争力強化、生産基盤強化(生産効率向上、リードタイム短縮)による汎用圧縮機事業の拡大
・両施策実施によるアジアにおける地位確立
・水素ステーション総合テストセンター新設と再生可能エネルギーを利用した水素ステーションの実証試験による差別化技術の確立、国内外市場での競争力強化及び水素ステーション向けユニットなどの拡販
<建設機械事業の収益力強化>・中国油圧ショベル事業の再構築(需要に応じた現地生産能力の見直しと収益力強化)
・欧米や需要伸張が見込まれるインドでの拡販等の実行
・事業会社の統合による強靭な事業基盤確立
電力事業
<安定収益化への取組み>・既設の神戸発電所の安定操業継続と真岡・神戸の2つの新規発電プロジェクトの着実な推進による、将来に向けた安定収益基盤の確立
2)経営基盤の強化
ⅰ)コーポレートガバナンスの強化
・取締役会の体制見直しなどによるコーポレートガバナンスの強化
ⅱ)人材確保・育成
・ダイバーシティの推進や働き方変革を通じた安全で働きやすい職場作りへの注力による当社グループの成長を牽引する人材の確保・育成
ⅲ)技術開発力・ものづくり力の向上
・主力製品の競争力強化のための差別化技術、自動車、航空機、エネルギー・インフラ分野で顧客価値を実現する製品・プロセスの創出
・品質力や現場力の強化、IoTなどのデータ活用による生産基盤強化とものづくり力の底上げ
3)財務戦略
・素材系・機械系事業の成長に向けた戦略投資、事業基盤を支える定常投資は、営業キャッシュ・フローにて対応
・財務規律を維持しながら着実に輸送機軽量化など重点分野への投資を実施すべく、1,000億円規模の資産売却、運転資金改善、投資の厳選といったキャッシュ対策を実施
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(「会社支配に関する基本方針」)は以下のとおりであります。
1.会社支配に関する基本方針
当社は、明治38年の創立から110年を超える歴史の中で、独自の事業領域を形成してまいりました。特に、当社の素材系事業や機械系事業は事業の裾野が非常に広く、これらの事業分野を構成する個別の事業の多様性を前提として初めて創出されるシナジーが存在いたします。また、これらの事業は、研究開発や生産現場で果敢な挑戦を続ける当社従業員をはじめ、当社との間で長年に亘り信頼関係を培ってきた輸送機やエネルギー・インフラ分野をはじめとする国内外の取引先ならびに顧客等の多様なステークホルダーによって支えられております。さらに、当社は、素材系事業における代替困難な素材や部材、機械系事業における省エネルギーや環境に配慮した製品等、当社独自の多彩な製品群を幅広い顧客に供給するとともに、電力事業においても極めて重要な社会的インフラである電力の供給という公共性の高いサービスを提供しており、社会的にも大きな責任を担っているものと考えております。当社は、こうした各事業間における技術の交流・融合によるシナジー効果や、独自・高付加価値製品の提供とこれにより構築されたステークホルダーとの信頼関係、社会的インフラ提供の責務と社会の皆様からの信頼こそが当社の企業価値の源泉であると考えております。
当社は、上場会社として、株式の自由な取引の中で、上記のような源泉から生み出される当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する形であれば、支配権の異動を伴う当社株券等に対する大規模な買付行為であっても、当然是認されるべきであると考えておりますが、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を向上させる上で必要不可欠な、当社の経営理念、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等の当社の企業価値を生み出す源泉を十分に理解し、その結果として当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
したがって、当社は、当社株券等に対する大規模な買付行為を行ないまたは行なおうとする者に対しては、関連する法令の許容する範囲内において、適切な対応をとることにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保に努めなければならないと考えております。
2.基本方針の実現に資する特別な取組み
(1)経営戦略の展開による企業価値向上への取組み
当社は、平成28年4月に「2016~2020年度グループ中期経営計画」を策定し、素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による事業成長戦略を一層深化させ、盤石な事業体を確立させる新たな中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION“G+”(ジープラス)」への取組みをスタートさせ、その実現に取り組んでおります。
輸送機の軽量化やエネルギー・インフラ等の中長期的に伸張する成長分野に経営資源を集中し、当社グループ独自の付加価値をさらに高め、競争優位性を発揮していくことで、事業を拡大・発展させるとともに、社会への貢献を目指してまいります。
(2)コーポレートガバナンス強化による企業価値向上への取組み
当社は、継続的に企業価値を向上させるためには、コーポレートガバナンスの強化が必要であると考えております。
当社は、監査等委員会設置会社への移行、取締役会メンバーの見直し、独立社外取締役の全員を構成員とし、経営陣の指名や報酬に対する客観的な意見の提供等を行なう場でもある独立社外取締役会議の新設等の様々な取組みを通じて、コーポレートガバナンス体制の強化を図ってまいりました。
今後も、当社は、独立社外取締役会議において出された意見や、事業年度ごとに各取締役に対して行なうアンケートおよびその結果に対する監査等委員会の評価に基づいて実施する取締役会実効性評価の結果等を踏まえながら、更なるコーポレートガバナンスの強化に向けて、継続的に検討を進めてまいります。
3.基本方針に照らして、不適切な者によって当社の財務および事業の決定を支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株券等の大規模な買付行為を行ないまたは行なおうとする者に対しては、当社の企業価値および株主共同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、株主の皆様が大規模な買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努めるものといたします。
また、仮に大規模な買付行為に対する速やかな対抗措置を講じなければ、当社の企業価値および株主共同の利益が毀損されるおそれがあると合理的に判断されるときには、株主から経営を負託された当社取締役会の当然の責務として、関連する法令の許容する範囲内において、適宜、当該時点で最も適切と考えられる具体的な措置の内容を速やかに決定し、実行することにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保に努めてまいります。
なお、上記2.および3.に記載の取組みは、上記1.に記載の方針に従い、当社の企業価値および株主共同の利益に沿うものであり、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(ご参考)
平成27年6月24日開催の当社第162回定時株主総会においてご承認いただきました「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)に基づく取組み」(以下、「本プラン」といいます。)については、平成29年5月15日開催の取締役会において、同日付プレス・リリースに記載のとおり、有効期間満了をもって、本プランを継続せず廃止することを決議いたしました。したがいまして、本プランは、平成29年6月21日開催の当社第164回定時株主総会終了後最初に開催された取締役会終了のときをもって廃止となっております。
当社グループは平成28年4月に、中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION “G+”(ジープラス)」として「素材」「機械」「電力」の3本柱の事業体確立を目指した新中期経営計画をスタートしました。現在、その達成に向けた様々な戦略的な取組みを推し進めており、これらが随時実行段階に入る重要な局面に差し掛かっています。
また、変化の激しい時代、かつ多様な価値観が存在する中で、当社は「働き方変革活動」や「ダイバーシティの推進」などの取組みも開始しています。
このような状況において、改めてグループ全体の「核」となる価値観を共有し、グループ全員の思いを一つにする拠り所が必要と考えました。このため、平成18年に策定した「企業理念」に今一度立ち戻り、グループ全員でこの価値観を意識・共有することによって、全社員が一つになって、より良い企業集団、すなわち「誇り」「愛着」「魅力」溢れる企業集団を作り、当社グループが持続的に発展していくことを目指した活動「KOBELCOの約束 Next100プロジェクト(次の100年に向けた活動)」を平成29年度から開始いたします。
今回、グループ全体の理念であることを分かりやすく示すため、「企業理念」を「KOBELCOの3つの約束」と呼ぶことにしました。これらの約束は、当社グループの社会に対する約束事であり、グループ全体で共有する価値観を示しています。
そして、これらの約束を果たすために、全社員が守るべき誓いとして「KOBELCOの6つの誓い」を新たに策定しました。「KOBELCOの6つの誓い」は「KOBELCOの3つの約束」を達成するための具体的なアクションであり、社員一人ひとりの行動を指し示すものとなります。
当社グループは、「KOBELCOの3つの約束」「KOBELCOの6つの誓い」を、CSR、コンプライアンス、安全、品質管理などを含めた全ての企業活動に落とし込み、グループ内外に浸透させていくことによって、当社グループの持続的発展及び企業価値向上を目指すとともに、株主・投資家、顧客や取引先、グループ社員、地域社会などあらゆるステークホルダーに対して当社グループとしての社会的責任を全うし、社会へ貢献することを目指してまいります。
| KOBELCOの3つの約束 |
| 1. 信頼される技術、製品、サービスを提供します |
| 2. 社員一人ひとりを活かし、グループの和を尊びます |
| 3. たゆまぬ変革により、新たな価値を創造します |
| KOBELCOの6つの誓い |
| 1. 高い倫理観とプロ意識の徹底 私たちは、法令、社内ルール、社会規範を遵守することはもちろんのこと、高い倫理観とプロとしての誇りを持って、公正で健全な企業活動を行います。 |
| 2. 優れた製品・サービスの提供 私たちは、安全かつ安心で、優れた製品・サービスを提供し、社会に貢献します。 |
| 3. 働きやすい職場環境の実現 私たちは、安全で安心して働くことができる職場環境を実現します。また、一人ひとりの人格・個性・多様性を互いに尊重し、それぞれが最大限の能力を発揮して活き活きと働ける職場環境を実現します。 |
| 4. 地域社会との共生 私たちは、グループの基盤である地域社会に貢献するよう努めます。 |
| 5. 環境への貢献 私たちは、より豊かで住みやすい社会づくりを目指して、環境に配慮した生産活動を行い、技術・製品・サービスで環境に貢献するよう努めます。 |
| 6. ステークホルダーの尊重 私たちは、顧客、取引先、社員、株主等を含む幅広いステークホルダーを仲間として尊重し、健全かつ良好な関係を築きます。 |
(2)経営環境及び対処すべき課題
足下の当社グループを取り巻く事業環境は、国内においては雇用環境の改善や企業の設備投資及び個人消費の持直しの動きを受け、緩やかな回復基調が続くことが想定されます。海外では、中国やインドにおいては成長率が鈍化するものの、米国、欧州においては景気回復傾向が続くことが見込まれます。
一方で、保護主義的な傾向の強まりや為替変動などが経済に与える影響は懸念材料であり、不確実性が払拭できない状況にあります。
このような環境において、当社グループが取り組むべき課題は、二期連続での大幅な赤字計上の要因となった鉄鋼事業及び建設機械事業の収益構造改革と、現在取り組んでいる素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による将来に向けた成長戦略の確実な推進であると認識しております。
まず、鉄鋼事業については、「2016~2020年度グループ中期経営計画」で掲げた収益力強化策の推進、特に、鋼材生産の上工程集約の平成29年度内の完遂に向けて全力で取り組んでまいります。また、建設機械事業においては、販売体制の見直しと生産体制の再編により、早期の収益力強化を図ってまいります。
素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による成長戦略については、現在進行中の輸送機軽量化への取組みや、エネルギー・インフラ分野での事業拡大、電力事業の拡大などを確実に推し進めます。成長戦略の推進にあたっては、「D/Eレシオ 1倍以下」とする財務規律を維持すべく1,000億円規模のキャッシュ対策を早期に具体化してまいります。これらの取組みを通じ、盤石な事業体の確立と成長を目指してまいります。
「2016~2020年度グループ中期経営計画」の概要及び現在の進捗状況は以下のとおりであります。
「2016~2020年度グループ中期経営計画」
当社グループは、平成28年4月に「2016~2020 年度グループ中期経営計画」を策定し、素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による成長戦略を一層深化させ、盤石な事業体を確立させる新たな中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION “G+”(ジープラス)」への取組みをスタートいたしました。
輸送機の軽量化やエネルギー・インフラなど中長期的に伸張する成長分野に経営資源を集中し、当社グループ独自の付加価値をさらに高め、競争優位性を発揮していくことで、事業を拡大・発展させるとともに、社会への貢献を目指してまいります。
| 2016~2020年度グループ中期経営計画 基本方針 | ||
| 1)3本柱の事業成長戦略 | 素材系事業 | 輸送機軽量化への取組み |
| 鉄鋼事業の収益力強化 | ||
| 機械系事業 | エネルギー・インフラ分野への取組み | |
| 建設機械事業の収益力強化 | ||
| 電力事業 | 安定収益化への取組み | |
| 2)経営基盤の強化 | ⅰ)コーポレートガバナンスの強化 | |
| ⅱ)人材確保・育成 | ||
| ⅲ)技術開発力・ものづくり力の向上 | ||
| 3)財務戦略 | 財務規律の維持とキャッシュ対策の実施 | |
| 2020年度達成目標 | ||
| ◆ROA(経常損益/総資産):5%以上 | ||
| ◆D/Eレシオ(有利子負債/自己資本):1倍以下を堅持 | ||
1)3本柱の事業成長戦略
素材系事業
<輸送機軽量化への取組み>◆ 軽量化実現のためのマルチマテリアル化(※)が加速する自動車分野での取組み
・高強度鋼板(ハイテン鋼板)・アルミ製品(板、押出材及び鍛造材)の競争力強化推進
・複数の素材と接合技術を有する当社ならではの幅広いソリューション提案を武器としたグローバルな自動車市場におけるシェア拡大
※ 自動車軽量化において、自動車メーカーが鋼板、アルミ製品、炭素繊維強化プラスチックなどをそれぞれが持つ優れた特性を活かして部品毎に適材適所で使い分けること。
◆ 運航機数の拡大が見込まれる航空機分野での取組み
・当社が保有するチタン・アルミ・マグネシウムなどの素材事業において、上工程(溶解、鋳造/鍛造)の強化及び下工程(機械加工、表面処理、塗装)への参入・拡大
・サプライヤーが不足するアジア圏での上~下工程一貫完結型のシンプルなサプライチェーン構築
| 〈取組み実績〉 ・自動車と航空機向けの取組みを全社横断的に進めるため、経営企画部に「輸送機材事業企画室(※)」を 新設(平成28年4月) ・中国での自動車用冷延ハイテンの生産拠点となる合弁会社の開業(平成28年4月)により、日・米・欧・中での「薄板ハイテンのグローバル供給体制」構築完了 ・米国での自動車用アルミ押出材生産拠点の設立(平成28年5月)と自動車用アルミ鍛造品生産拠点の設備 増強意思決定(平成29年4月) ・真岡製造所での自動車用アルミパネル材製造設備増強意思決定(平成29年4月) ・アルミ板圧延世界最大手の米国Novelis社の韓国子会社と、日本・中国向け母材生産拠点として韓国での アルミ板圧延品製造の合弁会社の設立に合意(平成29年5月) ※ 平成29年4月の自動車ソリューションセンター設立にあわせて、自動車軽量化事業企画室に発展・改編 |
<鉄鋼事業の収益力強化>・鋼材生産の上工程の加古川製鉄所への集約(高炉~連続鋳造)の完遂(平成29年度)
・上工程集約による稼働率の向上などによるコスト低減の実現(+150億円/年)
・追加の収益改善策(+300億円/年)の実行と輸送機分野での成長の両輪で収益の底上げ
| 〈取組み実績〉 ・加古川製鉄所において第3高炉の改修工事及び連続鋳造設備等の増設が完了したことにより、上工程集約に向けて加古川製鉄所での設備面での準備完了(需要家の再承認取得推進中) |
機械系事業
<エネルギー・インフラ分野への取組み>・圧縮機事業の拡大に向けた、世界最大級の非汎用圧縮機試運転設備の立上げと各種工場で使用される大型ターボ圧縮機市場への参入
・グローバル展開や商品競争力強化、生産基盤強化(生産効率向上、リードタイム短縮)による汎用圧縮機事業の拡大
・両施策実施によるアジアにおける地位確立
・水素ステーション総合テストセンター新設と再生可能エネルギーを利用した水素ステーションの実証試験による差別化技術の確立、国内外市場での競争力強化及び水素ステーション向けユニットなどの拡販
| 〈取組み実績〉 ・世界最大級の非汎用圧縮機試運転設備を立上げ(平成29年4月) ・米国水素ステーション向けに高圧水素圧縮ユニット「HyAC mini-A(ハイアック ミニ エー)」の販売開始(平成29年2月) ・プレス装置の世界大手メーカーであるQuintus Technologies社(スウェーデン)を買収し、産業機械事業を拡大(平成29年4月) |
<建設機械事業の収益力強化>・中国油圧ショベル事業の再構築(需要に応じた現地生産能力の見直しと収益力強化)
・欧米や需要伸張が見込まれるインドでの拡販等の実行
・事業会社の統合による強靭な事業基盤確立
| 〈取組み実績〉 ・コベルコ建機(株)とコベルコクレーン(株)経営統合(平成28年4月) ・再参入した米国において、油圧ショベルの組立工場の稼動を開始し、供給体制を確立(平成28年4月) ・中国油圧ショベル事業の当社主導での体制再構築 ‐中国側パートナーとの合弁解消合意(平成29年2月) ‐販売代理店の絞込・統廃合、販売管理体制の再構築着手 ‐成都(内陸部)を中国向け、杭州(沿岸部)を輸出向け拠点とする生産体制再編着手 |
電力事業
<安定収益化への取組み>・既設の神戸発電所の安定操業継続と真岡・神戸の2つの新規発電プロジェクトの着実な推進による、将来に向けた安定収益基盤の確立
| 発電規模 | 供給先 | 備考 | |||
| 既設 | 神戸 | 140万kW | 関西電力(株)へ全量供給 | 操業中 | |
| 新設 | 真岡 | 124.8万kW | 東京瓦斯(株)へ全量供給 | 平成31年度稼動予定 | |
| 新設 | 神戸 | 130万kW | 関西電力(株)へ全量供給 | 平成34年度稼動予定 | |
| 合計 | 約395万kW | ||||
| 〈取組み実績〉 ・既設の神戸発電所について、関西電力(株)と現行契約満了後の受給契約を締結(平成28年12月) ・真岡プロジェクト:平成28年6月に建設工事に着手し、予定通り推進中 ・神戸プロジェクト:環境アセスメントを実施中 |
2)経営基盤の強化
ⅰ)コーポレートガバナンスの強化
・取締役会の体制見直しなどによるコーポレートガバナンスの強化
| 〈取組み実績〉 ・監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行(平成28年6月) ・取締役会実効性評価制度開始(平成28年4月) ・役員研修制度の見直し・強化実施(平成28年4月) |
ⅱ)人材確保・育成
・ダイバーシティの推進や働き方変革を通じた安全で働きやすい職場作りへの注力による当社グループの成長を牽引する人材の確保・育成
| 〈取組み実績〉 ・全事業所にて管理監督職を対象にダイバーシティ推進への理解を深めるとともに気付きを促す研修を実施 ・19時以降の残業の原則禁止や会議の効率化など就労環境改善のための「働き方変革活動」を全社にて開始 |
ⅲ)技術開発力・ものづくり力の向上
・主力製品の競争力強化のための差別化技術、自動車、航空機、エネルギー・インフラ分野で顧客価値を実現する製品・プロセスの創出
・品質力や現場力の強化、IoTなどのデータ活用による生産基盤強化とものづくり力の底上げ
| 〈取組み実績〉 ・自動車向けの素材・異材接合技術など自動車軽量化に向けた当社独自のソリューション提案を推進・加速させるため、「自動車ソリューションセンター」を設立(平成29年4月) |
3)財務戦略
・素材系・機械系事業の成長に向けた戦略投資、事業基盤を支える定常投資は、営業キャッシュ・フローにて対応
・財務規律を維持しながら着実に輸送機軽量化など重点分野への投資を実施すべく、1,000億円規模の資産売却、運転資金改善、投資の厳選といったキャッシュ対策を実施
| 〈取組み実績〉 ・海外におけるグループ内資金の有効活用や資産の一部売却を実施 |
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(「会社支配に関する基本方針」)は以下のとおりであります。
1.会社支配に関する基本方針
当社は、明治38年の創立から110年を超える歴史の中で、独自の事業領域を形成してまいりました。特に、当社の素材系事業や機械系事業は事業の裾野が非常に広く、これらの事業分野を構成する個別の事業の多様性を前提として初めて創出されるシナジーが存在いたします。また、これらの事業は、研究開発や生産現場で果敢な挑戦を続ける当社従業員をはじめ、当社との間で長年に亘り信頼関係を培ってきた輸送機やエネルギー・インフラ分野をはじめとする国内外の取引先ならびに顧客等の多様なステークホルダーによって支えられております。さらに、当社は、素材系事業における代替困難な素材や部材、機械系事業における省エネルギーや環境に配慮した製品等、当社独自の多彩な製品群を幅広い顧客に供給するとともに、電力事業においても極めて重要な社会的インフラである電力の供給という公共性の高いサービスを提供しており、社会的にも大きな責任を担っているものと考えております。当社は、こうした各事業間における技術の交流・融合によるシナジー効果や、独自・高付加価値製品の提供とこれにより構築されたステークホルダーとの信頼関係、社会的インフラ提供の責務と社会の皆様からの信頼こそが当社の企業価値の源泉であると考えております。
当社は、上場会社として、株式の自由な取引の中で、上記のような源泉から生み出される当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する形であれば、支配権の異動を伴う当社株券等に対する大規模な買付行為であっても、当然是認されるべきであると考えておりますが、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を向上させる上で必要不可欠な、当社の経営理念、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等の当社の企業価値を生み出す源泉を十分に理解し、その結果として当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
したがって、当社は、当社株券等に対する大規模な買付行為を行ないまたは行なおうとする者に対しては、関連する法令の許容する範囲内において、適切な対応をとることにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保に努めなければならないと考えております。
2.基本方針の実現に資する特別な取組み
(1)経営戦略の展開による企業価値向上への取組み
当社は、平成28年4月に「2016~2020年度グループ中期経営計画」を策定し、素材系事業・機械系事業・電力事業の3本柱による事業成長戦略を一層深化させ、盤石な事業体を確立させる新たな中長期経営ビジョン「KOBELCO VISION“G+”(ジープラス)」への取組みをスタートさせ、その実現に取り組んでおります。
輸送機の軽量化やエネルギー・インフラ等の中長期的に伸張する成長分野に経営資源を集中し、当社グループ独自の付加価値をさらに高め、競争優位性を発揮していくことで、事業を拡大・発展させるとともに、社会への貢献を目指してまいります。
(2)コーポレートガバナンス強化による企業価値向上への取組み
当社は、継続的に企業価値を向上させるためには、コーポレートガバナンスの強化が必要であると考えております。
当社は、監査等委員会設置会社への移行、取締役会メンバーの見直し、独立社外取締役の全員を構成員とし、経営陣の指名や報酬に対する客観的な意見の提供等を行なう場でもある独立社外取締役会議の新設等の様々な取組みを通じて、コーポレートガバナンス体制の強化を図ってまいりました。
今後も、当社は、独立社外取締役会議において出された意見や、事業年度ごとに各取締役に対して行なうアンケートおよびその結果に対する監査等委員会の評価に基づいて実施する取締役会実効性評価の結果等を踏まえながら、更なるコーポレートガバナンスの強化に向けて、継続的に検討を進めてまいります。
3.基本方針に照らして、不適切な者によって当社の財務および事業の決定を支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株券等の大規模な買付行為を行ないまたは行なおうとする者に対しては、当社の企業価値および株主共同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、株主の皆様が大規模な買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努めるものといたします。
また、仮に大規模な買付行為に対する速やかな対抗措置を講じなければ、当社の企業価値および株主共同の利益が毀損されるおそれがあると合理的に判断されるときには、株主から経営を負託された当社取締役会の当然の責務として、関連する法令の許容する範囲内において、適宜、当該時点で最も適切と考えられる具体的な措置の内容を速やかに決定し、実行することにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保に努めてまいります。
なお、上記2.および3.に記載の取組みは、上記1.に記載の方針に従い、当社の企業価値および株主共同の利益に沿うものであり、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(ご参考)
平成27年6月24日開催の当社第162回定時株主総会においてご承認いただきました「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)に基づく取組み」(以下、「本プラン」といいます。)については、平成29年5月15日開催の取締役会において、同日付プレス・リリースに記載のとおり、有効期間満了をもって、本プランを継続せず廃止することを決議いたしました。したがいまして、本プランは、平成29年6月21日開催の当社第164回定時株主総会終了後最初に開催された取締役会終了のときをもって廃止となっております。