有価証券報告書-第101期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 9:46
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における当社グループの連結業績につきましては、海外の連結子会社及び持分法適用関連会社の業績は2019年1月~12月の業績が当連結会計年度に反映されており、国内の連結子会社の業績は2019年4月~2020年3月までの業績が反映されております。足下では新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界全体の経済が深刻な打撃を受けておりますが、当連結会計年度における当社グループの連結業績は以上の理由により、大半が新型コロナウイルス感染症の影響が大きく顕在化する前の決算である点にご留意ください。
当連結会計年度における当社グループの経営環境は、米中貿易摩擦による景気の先行き懸念から、鋼材需要は総じて弱含みで推移しました。主原料であるスクラップ価格は2019年末にかけ、一旦下げ止まったものの、鋼材需要の鈍化から2020年に入り再び下落基調に転じております。また、製造コストに大きな影響を与える電極価格につきましては、2019年初め頃から低下に転じております。一方で、当社グループで唯一、鉄鉱石ペレットを主原料とするスルブカンパニーBSC(c)(以下SULB社)では、鉄鉱石価格は一時の高騰期を脱したものの、中国の旺盛な需要により引き続き高値圏を維持している影響を大きく受けております。
日本におきましては、ハイテンションボルト不足による工期遅れの状況は脱したものの、景気の先行き不透明感から工場・中小ホテル建設等の新規投資を見直す動きが鋼材需要に影響を与えており、2020年3月期末に向け、販売数量は減少傾向となっております。このような状況のもと、当社は需要に見合う生産・販売に努めた結果、鋼材の販売数量は前期を下回り、前期比減収となったものの、営業利益は主原料であるスクラップ価格低下メリットを受け前期比増益となりました。なお、造船所向けの船尾骨材等につきましては造船所が過去の低船価で受注した船の建造を進めていることから数量・価格とも厳しい状況が続いております。
連結子会社を有する韓国、タイ国、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン王国、サウジアラビア王国におきましては、いずれも2019年1月~12月の業績が当連結会計年度に反映されます。
韓国のワイケー・スチールコーポレーションでは、韓国政府が行った借入残高の上限設定等の不動産取引規制により、新規のアパート建設着工数減少の影響を受け始めており、下期は厳しい状況となりましたが、上期において、スクラップ価格低下のメリットを受け利益を確保できたことから、営業利益は前期比増益となっております。
タイ国のサイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッドでは民間の設備投資が落ち込んでおり、国内需要は公共投資向けに支えられている状況が継続しております。そのような状況のもと、タイ国内市場ではアンチダンピング規制が終了した中国からの輸入は少量ながらも継続していることに加え、マレーシアで本格的に操業を開始した新興メーカーからのH形鋼流入の影響を受けております。また、主要輸出先である東南アジア市場では、バーツ高に加え、韓国・中国・マレーシアからの輸出攻勢を受け、販売数量は減少しております。その結果、売上高は前期比減収となっておりますが、営業利益はスクラップ価格低下のメリットを背景に、前期比で増益となっております。また、タイ国内においては、2019年11月に稼働を始めた鋼材物流センターを活用し、小ロット短納期対応という強みをさらに押し出すとともに、屋内での鋼材保管能力の増強、外部委託していた鋼材加工の一部内製化による付加価値向上などにより、輸入材との差別化及び顧客要望への対応力強化を図ってまいります。
米国の持分法適用関連会社につきましては、通商拡大法第232条による輸入関税や、中国からの輸入品に対する通商法第301条の発動もあり、一定の収益を確保しております。また、プロジェクト案件の獲得等、需要の捕捉体制強化に引き続き取り組んでおります。
バーレーン王国の持分法適用関連会社SULB社では、先行き不透明感や中東情勢不安等によりGCC諸国における政府支出等の回復が期待ほど進まず、中東市場での形鋼需要は低迷しております。そのような状況のもと、販売面では、スクラップ価格の下落に連動した製品販売価格及び中間材であるDRI・半製品販売価格の低下に加え、安価な鉄鋼製品の流入が続いております。また、コスト面でも中国の鉄鋼生産量が引き続き高水準となるなか、鉄鉱石価格はスクラップ価格と比べ高止まりしており、厳しい状況となっております。
なお、2020年3月27日に開示しましたとおり、当社グループがベトナム社会主義共和国の鉄鋼メーカーPOSCO SS VINA JOINT STOCK COMPANYの株式の49%を取得したことから、2020年3月期において、同社は持分法適用関連会社となっております。また、同社は2020年4月28日付で、名称をPOSCO YAMATO VINA STEEL JOINT STOCK COMPANY(略称 PY VINA)に変更しております。PY VINAの連結業績への反映につきましては、同社の会計期間が1月~12月であることから、2021年3月期第2四半期連結累計期間より開始いたします。
なお、当連結会計年度の経営分析の結果は以下のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は181,964百万円であり、前連結会計年度に比べ19,335百万円減少しました。事業を営む各所在国で主にスクラップ価格の低下を理由とする販売単価の引き下げ等により売上高が減少しました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は155,738百万円であり、前連結会計年度に比べ21,118百万円減少しました。また、販売費及び一般管理費は14,892百万円であり、前連結会計年度に比べ278百万円減少しました。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度の営業外収益は12,301百万円であり、前連結会計年度に比べ9,942百万円減少しました。これは、主に持分法による投資利益が7,744百万円と前連結会計年度に比べ9,325百万円減少したことによります。また、営業外費用は509百万円であり、前連結会計年度に比べ462百万円増加しました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は13百万円であり、特別損失は349百万円でありました。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は6,421百万円であり、前連結会計年度に比べ984百万円減少しました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は1,604百万円であり、前連結会計年度に比べ302百万円増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は前連結会計年度と比べ19,335百万円減の181,964百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度と比べ2,061百万円増の11,333百万円、経常利益は前連結会計年度と比べ8,343百万円減の23,125百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ8,030百万円減の14,762百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
① 鉄鋼事業(日本)
ハイテンションボルト不足による工期遅れの状況は脱したものの、景気の先行き不透明感から工場・中小ホテル建設等の新規投資を見直す動きが鋼材需要に影響を与えており、2020年3月期末に向け、販売数量は減少傾向となっております。このような状況のもと、当社は需要に見合う生産・販売に努めた結果、鋼材の販売数量は前期を下回り、前期比減収となったものの、営業利益は主原料であるスクラップ価格低下メリットを受け前期比増益となりました。なお、造船所向けの船尾骨材等につきましては造船所が過去の低船価で受注した船の建造を進めていることから数量・価格とも厳しい状況が続いております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ6,466百万円減の47,552百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ652百万円増の6,161百万円となりました。
② 鉄鋼事業(韓国)
韓国政府が行った借入残高の上限設定等の不動産取引規制により、新規のアパート建設着工数減少の影響を受け始めており、下期は厳しい状況となりましたが、上期において、スクラップ価格低下のメリットを受け利益を確保できたことから、営業利益は前期比増益となっております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度と比べ1,953百万円減の59,703百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度と比べ1,024百万円増の1,735百万円となりました。
③ 鉄鋼事業(タイ国)
民間の設備投資が落ち込んでおり、国内需要は公共投資向けに支えられている状況が継続しております。そのような状況のもと、タイ国内市場ではアンチダンピング規制が終了した中国からの輸入は少量ながらも継続していることに加え、マレーシアで本格的に操業を開始した新興メーカーからのH形鋼流入の影響を受けております。また、主要輸出先である東南アジア市場では、バーツ高に加え、韓国・中国・マレーシアからの輸出攻勢を受け、販売数量は減少しております。以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度に比べ10,382百万円減の66,882百万円、セグメント利益(営業利益)は、スクラップ価格低下のメリットを背景に、前連結会計年度に比べ1,112百万円増の5,268百万円となりました。
④ 軌道用品事業
当事業の売上高は、前連結会計年度に比べ547百万円減の7,518百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ179百万円減の636百万円となりました。
⑤ その他
その他の売上高は、前連結会計年度に比べ15百万円増の307百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ27百万円減の10百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は以下のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
鉄鋼事業(日本)46,585△14.1
鉄鋼事業(韓国)60,2091.6
鉄鋼事業(タイ国)67,205△12.4
軌道用品事業7,656△6.0
その他--
合計181,657△8.4

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
鉄鋼事業(日本)43,188△13.24,461△49.5
鉄鋼事業(韓国)50,015△39.520,059△32.6
鉄鋼事業(タイ国)66,847△12.27,432△0.5
軌道用品事業7,696△3.51,16418.1
その他----
合計167,747△22.533,116△29.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
鉄鋼事業(日本)47,552△12.0
鉄鋼事業(韓国)59,703△3.2
鉄鋼事業(タイ国)66,882△13.4
軌道用品事業7,518△6.8
その他3075.2
合計181,964△9.6

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は162,829百万円であり、前連結会計年度に比べ16,390百万円減少しました。減少の主な要因は、受取手形及び売掛金の残高が8,159百万円減少したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は220,196百万円であり、前連結会計年度に比べ15,347百万円増加しました。増加の主な要因は、長期預金の残高が4,359百万円増加したことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は23,012百万円であり、前連結会計年度に比べ10,662百万円減少しました。減少の主な要因は、支払手形及び買掛金の残高が7,809百万円減少したことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は17,406百万円であり、前連結会計年度に比べ706百万円増加しました。増加の主な要因は、繰延税金負債の残高が547百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は342,606百万円であり、前連結会計年度に比べ8,914百万円増加しました。増加の主な要因は、利益剰余金の残高が8,781百万円増加したことによります。
また、自己資本比率は83.0%であり、前連結会計年度に比べ1.9ポイント増加しております。
(3) キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが26,105百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローでは22,319百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは6,694百万円減少しました。これに資金に係る換算差額の減少166百万円を加えた結果、前連結会計年度末に比べ3,073百万円減少し、当連結会計年度末の資金残高は26,487百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は26,105百万円であり、前連結会計年度に比べ1,712百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度において、売上債権の増減額が8,240百万円(前連結会計年度は△1,465百万円)であったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は22,319百万円であり、前連結会計年度に比べ9,310百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度において、関係会社株式の取得による支出が△11,163百万円であったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は6,694百万円であり、前連結会計年度に比べ2,744百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度において、配当金の支払額が△5,977百万円(前連結会計年度は△3,321百万円)であったこと等によります。

②資金需要 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料、副資材、電気代、燃料代等の製造費用と販売費及び一般管理費等、営業費用によるものです。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、生産設備の合理化、省力化を進め、品質の向上及び省エネルギー化による原価低減及び環境・安全対策のための設備投資によるものです。また、将来の成長に向けた戦略的な資金需要に関しては、当社グループが所属する業界では、新規工場建設、買収資金等の投資額が非常に多額となること、市況産業であることから業績は景気変動に大きく影響を受けること、当社が展開している中東事業において、多額の貸付金、債務保証等実施していること等により、今後も財務健全性の維持に努めながら、将来の成長投資に向け内部留保を維持していく方針です。なお、株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、連結配当性向30%を目処に毎期の配当額を決定し、1株あたり最低配当額を年間50円としておりますが、継続的かつ安定的な配当の維持に努めてまいります。
③資金調達
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、営業活動により獲得したキャッシュ・フローより充当することを基本方針としております。また、戦略的な資金についても主として内部資金によって充当していく方針です。なお、不測の事態に備え、当社と金融機関3行との間で10,000百万円のコミットメントライン契約を設定しており、不測の事態にも資金調達が適時滞りなく実施可能と認識しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成され ております。連結財務諸表の作成にあたっては、可能な限り合理的な根拠に基づいた仮定を用いて会計上の見積りを行っております。新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループが被る影響については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりですが、連結財務諸表作成時には予測できなかった事象の発生等により、実際の結果が作成時の見積りと異なる場合も想定されます。
また、在外子会社及び在外関連会社(以下「在外子会社等」という。)の決算日は12月31日であるため、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の事実及び状況に基づいて作成された在外子会社等の財務諸表を基礎として、当社グループの連結財務諸表は作成されております。
なお、以下に掲げる事項については、連結財務諸表等の作成における会計上の見積りに関して、実際の結果が作成時の見積もりと異なる場合が有りうると判断しております。
・中東合弁事業に係る投融資の評価
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社は中東合弁事業に対し、多額の投資及び融資を行っております。これらの会社の財務諸表の作成における会計上の見積りの判断は、当社の財務諸表及び当社グループの連結財務諸表における投資及び融資の評価に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度においては、SULB社は、IAS第36号「資産の減損」に従って、有形固定資産に係る減損テストを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回っているため、減損損失は認識しておりません。減損テストの回収可能額は、使用価値により算定されており、その算定の基礎として、将来のスクラップ価格や鉄鉱石価格、見込販売数量等、見込成長率並びに割引率等の仮定が用いられております。なお、これらの仮定については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は反映されておりません。また、SULB社に対する融資の回収可能性については、SULB社の直近の財政状態及び経営成績等を考慮して判断しております。

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