有価証券報告書-第105期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 9:43
【資料】
PDFをみる
【項目】
167項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における当社グループの経営環境は、中国の景気減速等による世界的な鋼材需要・市況軟化の影響を受けたため、主要製品であるH形鋼等の土木・建築用鋼材需要は全体的に盛り上がりに欠け、グループ総販売数量は減少傾向にあり、拠点によっては安価な中国材との競争が激しさを増すなど先行き不透明な状況が続いております。そのような環境のなか、継続して鋼材マージン維持及びコスト低減等に努めることで全拠点において収益を確保したことに加え、円安進行及び米国の高金利も当社グループ業績の押上げ要因となりました。
日本におきましては、都市再開発や半導体工場など大型建築案件向けや土木関連などの形鋼需要は堅調に推移したものの、人手不足等による工期の遅れが顕著化してきており、また、中小建築案件向けは建設費用の高止まりによる需要低迷が続いております。ヤマトスチールにおきましては、大型サイズの生産・販売強化及び短納期対応に製販一体となって取り組み、主力の物件向けH形鋼や鋼矢板の受注量確保及び販売価格維持に努めました。業績につきましては、圧延設備の更新工事を計画的に順次実施している影響もあり販売数量は減少したものの、鋼材マージンの改善により前期比で増益となりました。
連結子会社を有するタイ、また持分法適用関連会社を有する米国、バーレーン、サウジアラビア、ベトナム、韓国におきましては、いずれも2023年1月~12月の業績が当連結会計年度に反映されます。
タイの連結子会社サイアム・ヤマト・スチールカンパニーリミテッド(SYS)におきましては、タイ国内では経済の持ち直しや政権の安定化により、形鋼需要・市況は緩やかな回復基調となりました。一方、ASEAN市場では、昨年度下期以降、安価な中国材との厳しい競争が続いており、総販売数量は前期比で大幅に減少しました。業績につきましては、鉄スクラップ価格の下落もあり鋼材マージンは高水準を維持したものの、販売数量減の影響が大きく前期比で減益となりました。
なお、SYSはタイ国歳入局の税務調査を受け、当連結会計年度に過年度付加価値税等914百万円(特別損失)を計上しておりますが、不服申し立てを行っております。
米国の持分法適用関連会社ニューコア・ヤマト・スチールカンパニー(NYS)におきましては、半導体や電気自動車関連などの大型工場建設案件を中心に形鋼需要は底堅く推移したものの、金融引締めが長期化するなか、流通顧客の買い控え等により一部サイズでは競合他社や輸入材との競争が高まり、販売数量は伸び悩みました。業績につきましては、総じて需給が引き締まった状態が続き、形鋼市況は前年ほどではないものの比較的高値圏で推移したことで、前期比で減益となったものの引続き高収益を確保しました。
中東の持分法適用関連会社スルブカンパニー(SULB)におきましては、原油高を背景に、中東地域における形鋼需要はインフラ投資を中心に堅調であり、フル生産が続いております。一方、製品及び中間材の販売価格は、昨年度はロシアのウクライナ侵攻による鉄スクラップ市況の高騰等により一時的に高値圏で推移しましたが、今年度は鉄スクラップ市況が下落したことに加え、安価な中国材の流入の影響も受け軟化傾向となりました。業績につきましては、前期比で減益となったものの好業績が続いております。
ベトナムの持分法適用関連会社ポスコ・ヤマト・ビナ・スチールジョイントストックカンパニー(PY VINA)におきましては、インフラ投資等による需要回復が期待ほど進まず、また中国製鋼板を加工した建築材との競合も影響し、国内販売数量が伸び悩むなか、輸出強化により、生産・販売数量の確保に努めました。業績につきましては、前期比で若干の増益となりました。
韓国の持分法適用関連会社ワイケー・スチールコーポレーション(YKS)におきましては、インフレと金利上昇の影響を受け鉄筋需要が悪化し、販売数量が大幅に減少しました。鉄筋市況は軟化傾向が強まっているものの、鉄スクラップ価格も下落したため、鋼材マージンは比較的高水準を維持しましたが、業績につきましては、前期比で減益となりました。
なお、韓国の関係会社に対する訴訟提起の件に関して、当連結会計年度に当社グループの損失見込額1,968百万円(持分法による投資利益のマイナス652百万円及び訴訟損失引当金繰入額(特別損失)1,315百万円)を計上しておりますが、同社は反論のため答弁書を提出しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5 訴訟損失引当金繰入額」をご参照下さい。
なお、当連結会計年度の経営分析の結果は以下のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は163,479百万円であり、前連結会計年度に比べ16,958百万円減少しました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は131,678百万円であり、前連結会計年度に比べ17,076百万円減少しました。また、販売費及び一般管理費は14,517百万円であり、前連結会計年度に比べ352百万円減少しました。
(営業外収益、営業外費用)
当連結会計年度の営業外収益は82,099百万円であり、前連結会計年度に比べ8,241百万円増加しました。これは、主に受取利息が11,814百万円と前連結会計年度に比べ8,177百万円増加したことによります。また、営業外費用は158百万円であり、前連結会計年度に比べ17百万円減少しました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別利益は16百万円であり、特別損失は2,710百万円でありました。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は24,405百万円であり、前連結会計年度に比べ3,375百万円増加しました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は2,105百万円であり、前連結会計年度に比べ782百万円減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比16,958百万円減の163,479百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度比469百万円増の17,282百万円、経常利益は前連結会計年度比8,729百万円増の99,223百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比4,700百万円増の70,018百万円となりました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続で過去最高益を更新しております。
セグメントの業績は、次のとおりです。
① 鉄鋼事業(日本)
都市再開発や半導体工場など大型建築案件向けや土木関連などの形鋼需要は堅調に推移したものの、人手不足等による工期の遅れが顕著化してきており、また、中小建築案件向けは建設費用の高止まりによる需要低迷が続いております。ヤマトスチールにおきましては、大型サイズの生産・販売強化及び短納期対応に製販一体となって取り組み、主力の物件向けH形鋼や鋼矢板の受注量確保及び販売価格維持に努めました。業績につきましては、圧延設備の更新工事を計画的に順次実施している影響もあり販売数量は減少したものの、鋼材マージンの改善により前期比で増益となりました。
以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度比302百万円減の72,570百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度比2,161百万円増の10,863百万円となりました。
② 鉄鋼事業(タイ国)
タイ国内では経済の持ち直しや政権の安定化により、形鋼需要・市況は緩やかな回復基調となりました。一方、ASEAN市場では、昨年度下期以降、安価な中国材との厳しい競争が続いており、総販売数量は前期比で大幅に減少しました。業績につきましては、鉄スクラップ価格の下落もあり鋼材マージンは高水準を維持したものの、販売数量減の影響が大きく前期比で減益となりました。
以上により、当事業の売上高は、前連結会計年度比16,921百万円減の80,409百万円、セグメント利益(営業利益)は、前連結会計年度比1,898百万円減の8,836百万円となりました。
③ 軌道用品事業
当事業の売上高は、前連結会計年度比1,062百万円増の7,554百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度比655百万円増の905百万円となりました。
④ その他
その他の売上高は、前連結会計年度比798百万円減の2,943百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度比12百万円増の141百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は以下のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
鉄鋼事業(日本)71,918△2.1
鉄鋼事業(タイ国)80,185△16.9
軌道用品事業7,954+20.5
その他2,303△27.6
合計162,362△9.6

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
鉄鋼事業(日本)67,542△5.810,030△33.4
鉄鋼事業(タイ国)80,752△15.77,305+4.9
軌道用品事業8,263+25.71,621+77.7
その他2,339△25.477△4.2
合計158,898△10.419,034△17.3

③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
鉄鋼事業(日本)72,570△0.4
鉄鋼事業(タイ国)80,409△17.4
軌道用品事業7,554+16.4
その他2,943△21.3
合計163,479△9.4

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
阪和興業㈱20,98211.617,92611.0


(2) 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は311,449百万円であり、前連結会計年度に比べ73,206百万円増加しました。増加の主な要因は、現金及び預金の残高が74,800百万円増加したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は297,333百万円であり、前連結会計年度に比べ20,576百万円増加しました。増加の主な要因は、投資有価証券の残高が18,252百万円増加したことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は25,250百万円であり、前連結会計年度に比べ3,751百万円増加しました。増加の主な要因は、未払金の残高が1,764百万円増加したことによります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は28,591百万円であり、前連結会計年度に比べ5,301百万円増加しました。増加の主な要因は、繰延税金負債の残高が3,573百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は554,941百万円であり、前連結会計年度に比べ84,730百万円増加しました。増加の主な要因は、利益剰余金の残高が50,973百万円増加したことによります。
また、自己資本比率は85.9%であり、前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加しております。
(3) キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが80,915百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが33,292百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローが21,256百万円減少いたしました。これに資金に係る換算差額の増加8,469百万円を加えた結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末比34,836百万円増の168,695百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は80,915百万円(前連結会計年度は52,654百万円の増加)となりました。これは主に、当連結会計年度において、税金等調整前当期純利益が96,529百万円(前連結会計年度は89,235百万円)及び、利息及び配当金の受取額が76,027百万円(前連結会計年度は50,888百万円)であったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は33,292百万円(前連結会計年度は10,346百万円の減少)となりました。これは主に、当連結会計年度において、定期預金の預入による支出が76,150百万円(前連結会計年度は7,365百万円)及び、有形固定資産の取得による支出が6,341百万円(前連結会計年度は3,866百万円)であったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は21,256百万円(前連結会計年度は17,719百万円の減少)となりました。これは主に、当連結会計年度において、配当金の支払額による支出が19,022百万円(前連結会計年度は15,854百万円)であったこと等によります。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料、副資材、電気代、燃料代等の製造費用と販売費及び一般管理費等、営業費用によるものです。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、安定収益源としての既存設備の維持更新、生産効率向上・品質強化・省力化及び省エネルギー化等を伴う既存設備能力の戦略的増強のための投資、将来の成長に向けた新たな事業拠点・事業領域への投資や環境対策等によるものです。当社グループが事業を営む業界では、新規工場建設、買収資金等の投資額が非常に多額となること、市況産業であることから業績は景気変動に大きく影響を受けること、当社が展開している中東事業において、多額の貸付金、債務保証等を実施していること等を踏まえ、今後も財務健全性の維持に努めながら、将来の成長投資にも積極的に手元資金を配分していく方針です。なお、株主還元につきましては、毎期の営業キャッシュ・フロー未使用分を適切に配分してまいります。配当につきましては、連結配当性向40%を目処に毎期の配当額を決定するとともに、継続的かつ安定的な配当の維持にも努め、当面の間は1株当たり最低配当額を年間300円としております。また、自己株式の取得につきましては、中長期的に株主価値を高める観点から、市場環境や事業投資機会などを総合的に勘案し、機動的に実施を検討してまいります。
③ 資金調達
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、営業活動により獲得した資金及び内部資金を充当することを基本方針としております。また、戦略的な資金についても主として内部資金によって充当していく方針です。なお、不測の事態に備え、当社と金融機関3社との間で10,000百万円のコミットメントライン契約を設定しており、資金調達が適時滞りなく実施可能と認識しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、可能な限り合理的な根拠に基づいた仮定を用いて会計上の見積りを行っております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。