有価証券報告書-第145期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 11:38
【資料】
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【項目】
103項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による経済・金融政策の継続により、景気は全体として緩やかな回復基調で推移いたしましたが、中国や新興国経済の成長減速や英国EU離脱交渉の進捗に加えて米国新大統領の経済・貿易政策の動向等の主に海外情勢に起因した先行きの不安定さを抱えた状況となっております。
鉄鋼業界におきましては、自動車向けや建設向けを中心に国内需要の回復が進み平成28年度の粗鋼生産量は3年振りに前年度実績を上回りました。一方で鉄鉱石や副原料の値上がりを受け、マージンの確保が最大の課題となっております。
このような経済状況の中で、当社グループは、中期計画(平成27~29年度)の2年目に入り、鉄鋼製品事業において、みがき帯鋼事業およびステンレスエンボス製品、加工品事業に集中する事業体制の下で収益体質強化と強靭な財務体質確保に取り組んでおります。
主力のみがき帯鋼では受注内容の改善が引き続き課題ではありますが、自動車部品向けの需要回復で販売数量が増加いたしました。加工品を含むステンレスにおいても市況回復および先高感により国内販売と輸出向けがともに順調に推移いたしました。あわせて全社的な固定費等のコスト削減にも継続して取り組んでまいりました。
なお、当連結会計年度からステンレスの一部取引の売上高は、取引形態変更により純額表示にしております。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,032百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は422百万円(前年同期比50.2%増)、経常利益は374百万円(前年同期比76.9%増)となりました。
これに固定資産売却益268百万円を特別利益として,減損損失89百万円等を特別損失として計上し、法人税等の調整を行い、親会社株主に帰属する当期純利益は428百万円(前年同期比89.5%増)となりました。
鉄鋼製品事業
当社グループの主要事業である鉄鋼製品事業においては、主力であるみがき帯鋼において主要需要先である自動車部品向け需要の回復により販売数量が増加いたしました。
ステンレスにおいても、国内販売と輸出向けがともに堅調で、とりわけ加工品は順調に推移いたしました。また子会社でのステンレス加工販売も市況回復および先高感により荷動きが活発になり好調に推移いたしました。
その結果、事業全体の売上高は8,859百万円(前年同期比0.2%減)、経常利益は304百万円(前年同期比146.6%増)となりました。なお、売上高の減少はステンレスの一部取引を純額表示へ変更したことによる影響を含んでおります。
不動産事業
不動産事業は、賃貸物件の減少により、売上高は172百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益は69百万円(前年同期比21.0%減)となりましたが、引き続き利益面での下支えになっております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,146百万円となり、前連結会計年度に比べ68百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は791百万円(前年同期比192百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益512百万円、減価償却費422百万円、仕入債務の増加額466百万円に対して、売上債権の増加額323百万円、有形固定資産売却益268百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は225百万円(前年同期比0百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入333百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,085百万円(前年同期比147百万円増)となりました。これは主に借入金の返済によるものであります。