有価証券報告書-第86期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 14:04
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119項目

対処すべき課題

(1) 対処すべき課題
当社は単なる素材提供メーカーに止まることなく、エンジニアリング力を高め、高付加価値品を提供することで、他社との差別化を進め、事業基盤の強化を図る経営戦略を進めています。そのためにネジテツコン・継手の供給体制の確立、研究開発体制の整備、国内営業体制の強化、海外マーケットの開拓に経営資源を重点的に投入しております。
また、東北地区における環境リサイクル事業では、電気炉を頂点として、シュレッダー、炭化炉など一連の処理設備を備えており、廃自動車、廃家電処理に加えて、廃プラ、廃石綿など処理品目の拡大に積極的に取り組み、事業の拡大を図りたいと考えております。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。
もとより、当社は、上場企業として株式を市場での自由な取引に委ねている以上、会社を支配する者のあり方は、株主の皆様の判断においてなされるのが原則であり、当社株券等の大規模買付行為が行われる場合においても、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、当社株券等の大規模買付行為の中には、その目的・手法等から見て会社に回復し難い損害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付けの条件等について検討し、あるいは当社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大規模買付行為が行われる可能性も否定できません。
当社は、このような当社株券等の大規模買付行為を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切でないと考えております。
Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社の企業価値向上への取り組みで重要なことは、ネジテツコン生産と顧客ニーズに適合した商品開発、及び提案営業に経営資源を重点的に投入し、エンジニアリング力を強化することにあります。このために、体制整備、人材育成などを積極的に進めてまいります。
設備面では平成20年度までに本社工場にビレットの広角化、加熱炉の更新、圧延スタンドの増設など総額60億円の設備投資を実施しており、これにより品質、生産性の向上が図られ、ネジテツコンの拡販に向けての生産体制が整備されました。
開発体制も強化し、直近では次世代の超高層ビルへの採用が期待される超高強度ねじ節棒鋼「USD980ネジテツコン」の開発に成功するなど着実な成果をあげております。販売面でも福岡営業所、横浜営業所、札幌出張所、西日本物流センターを開設するなど、北から南まで全国をネットする営業網の整備を進めております。また、人材面でも若手登用を進めるほか、高強度棒鋼の製造ノウハウなどの継承に取り組んでおります。
さらに、変化の激しい時代にスピード感をもって事業を展開していくためには、他社との提携も積極的に行っていく必要があると認識しております。現在、拓南製鐵株式会社と提携しネジテツコンのOEM生産を行っていますが、今後とも海外も含め様々な形での提携を検討していきたいと考えております。
環境リサイクル事業では、一連の処理設備を活用して廃自動車、廃家電処理に加えて、アスベストや廃プラなど処理品目の拡大や、一般廃棄物への取り組みを進めております。これにより、国土の環境保全に寄与する独自技術をさらに進化させ、新たな資源リサイクルの事業化を進めたいと考えております。
さらに、一層の企業価値の向上を図るためにはコーポレートガバナンスの向上が欠かせません。この観点で執行役員制度を導入し、業務監督と業務執行の役割分担を行うとともに、経営体制の効率化、迅速化と透明性、安定性を図っております。グループ会社も将来性の低い事業の整理、人材の適正配置など構造改革を進めております。
Ⅲ 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成23年5月20日開催の取締役会及び平成23年6月29日開催の第83回定時株主総会の各決議に基づき、平成20年6月26日に導入した「当社株券等の大規模買付行為への対応策」(買収防衛策)の内容を一部改定した上で更新いたしました。(以下、改定後の買収防衛策を「本対応策」といいます。)
本対応策は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。)及び当社株券等の保有者が当社の他の株主との間で当該他の株主が当該保有者の共同保有者に該当することとなる行為を行うことにより、当該保有者の議決権割合が20%以上となるような行為(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行おうとする者を「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付行為がなされる場合には、それらの者によって当社の財務及び事業の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。
当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社取締役会宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。さらに、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する大規模買付情報リストに基づき株主の皆様の判断及び当社取締役会の意見形成のために必要かつ十分な情報の提供を求めます。
次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の大規模買付情報の提供を完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)(いずれの場合も最大30日間の延長がありえます。)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の独立委員会の勧告等を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を取りまとめて開示します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。
当社取締役会は、本対応策を適正に運用し、当社取締役会の決定の合理性・公正性を確保するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役、社外監査役、又は社外有識者の中から選任された委員からなる独立委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため新株予約権の無償割当てを実施すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため新株予約権の無償割当てを実施すべきか否か等の本対応策に係る重要な判断に際しては、独立委員会に諮問することとします。独立委員会は、新株予約権の無償割当てを実施すべきか否か、又はその判断について株主総会に諮るべきか否か、等の勧告を当社取締役会に対して行います。
当社取締役会は、新株予約権無償割当ての実施又は不実施その他必要な決議を行うにあたり、独立委員会からの勧告等を最大限尊重いたします。新株予約権無償割当てを実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会が新株予約権無償割当てを実施することを決定した後も、新株予約権無償割当ての実施が適切でないと判断した場合には、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、新株予約権無償割当てを中止することがあります。当社取締役会は、前述の決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。
本対応策の有効期限は、平成23年6月29日開催の定時株主総会においてその導入が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとします。
なお、本対応策の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.tokyotekko.co.jp/news/pdf/20110520topix.pdf)に掲載する平成23年5月20日付プレスリリースをご覧下さい。
Ⅳ 具体的取組みに対する当社取締役の判断及びその理由
Ⅱに記載した当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、Ⅱに記載した通り、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。
また、Ⅲに記載した本対応策も、Ⅲに記載した通り、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために導入されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応策は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置し、新株予約権無償割当ての実施又は不実施の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、独立委員会は当社の費用で独立した第三者である専門家等を利用することができるとされていること、本対応策の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(ご参考)
本対応策の有効期間は、平成26年6月27日開催の第86回定時株主総会(以下、本定時株主総会といいます。)終結の時までとしておりました。当社は、平成26年5月22日開催の取締役会において、本定時株主総会の時をもって、本対応策を継続しないことを決議いたしました。