有価証券報告書-第195期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 14:26
【資料】
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【項目】
130項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、2007年に下記の「古河電工グループ理念」を制定し、これを基本方針として、グローバルに成長して企業価値を高めるよう努力してまいります。
基本理念
世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。
経営理念
私たち古河電工グループは、人と地球の未来を見据えながら、
・ 公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。
・ お客様の満足のためにグループの知恵を結集し、お客様とともに成長します。
・ 世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。
・ 多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループを目指します。
行動指針
・ 常に高い倫理観を持ち、公正、誠実に行動します。
・ あらゆる業務において革新、改革、改善に挑戦し続けます。
・ 現場・現物・現実を直視し、ものごとの本質を捉えます。
・ 主体的に考え、互いに協力して迅速に行動し、粘り強くやり遂げます。
・ 組織を超えて対話を重ね、高い目標に向けて相互研鑽に努めます。
グループビジョン
このようなグループ理念をベースとして、素材力を基礎とした商品開発力でグローバル企業を目指すため、当社グループビジョンとして「技術革新を志向し、創造的で世界に存在感のある高収益な企業グループへ」を掲げております。
(2)目標とする経営指標
平成28年5月に中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」を策定し、公表しております。当社グループ経営理念およびビジョンの実現に向けて、本中期経営計画を着実に推進してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
前述しました中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」では、"ゆるぎない成長の実現"というスローガンを掲げ、以下の3つのテーマに取り組んでまいります。
Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth -
Ⅰ. 事業の強化と変革
Ⅱ. グローバル市場での拡販推進
Ⅲ. 新事業での開拓加速


(4)会社の対処すべき課題
1)中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の推進
平成28年策定の中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」において掲げた次の3つの施策を引き続き実行してまいります。
① 事業の強化と変革
重点領域と位置付けているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野の強化を、引き続き図ってまいります。
情報通信分野では、通信トラフィックの増大や世界的なデータセンタの建設増加に伴い光通信関連製品の需要が引き続き旺盛であり、光ファイバ・ケーブルやデジタルコヒーレント通信の主要部品である小型波長可変半導体レーザ(μITLA)の生産能力増強を進めることで、収益力を更に強化していきます。
エネルギー分野では、エンジニアリング力を更に強化し、海外の海底線・地中線の案件受注に取り組んでいきます。国内においても電力会社の経年設備更新需要を着実に取り込み、また新エネルギー用海底線・地中線の受注活動を強化することで、電力事業を安定した利益を創出する事業へと変革していきます。
自動車分野では、アルミ防食端子やアルミワイヤハーネス等、自動車の軽量化に貢献する製品や、先進運転支援システムで必須となる周辺監視レーダ、大容量かつ長寿命の鉛バッテリーやバッテリー状態検知センサ等で構成される電源マネジメント関連製品など、当社グループが先端技術を有する領域を中心に、積極的に事業を展開していきます。
② グローバル市場での拡販推進
世界を5地域に区分し、各地域の特徴に応じた拡販戦略を展開するグローバルエリア戦略を推進しております。第一段階として、中国や東南アジアを対象とし、市場・顧客情報の収集・分析および事業部門への展開を行なうなど、各地域における当社グループのマーケティング活動を統合的にコーディネートする拠点を設けていきます。
③ 新事業の開拓加速
重点領域であるインフラ/自動車分野では、直流海底電力ケーブルや光海底ケーブル用低伝送損失光ファイバ、先進運転支援システム用周辺監視レーダの高機能化など、次世代製品・技術の開発を進めています。さらに、医療材料・医療機器などの分野を中心に、産官学連携による共同研究を継続して推進するとともに、横浜事業所内に設けたオープンラボ「Fun Lab」を活用することで、他企業や大学、公的研究機関等との協業によるオープンイノベーションの強化を図るなど、新事業創出に向けた施策を更に推進します。
中期経営計画に掲げた平成32年(2020年)度の各種財務目標値は以下の通りであります。
連結営業利益400億円以上
親会社株主に帰属する当期純利益200億円以上
ROE8%以上
海外売上高比率60%


2)コーポレートガバナンスの強化
当社では、コーポレートガバナンスの強化を重要な経営基盤強化施策の一つと位置づけ、その充実に取り組んでおります。当期は、業績連動性を高めるように役員報酬制度を見直すなどコーポレートガバナンスの強化に向けた改革を行ないました。
また、平成27年に設置した委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬委員会では、最高経営責任者である社長のサクセッション・プランに関する審議を重ねてきました。本年4月1日付で社長が交代しましたが、新社長は、同プランに基づき複数の候補者の中から指名・報酬委員会の審議を経て選定されました。今後も、指名・報酬委員会における公正かつ透明性の高いプロセスを通じて、最高経営責任者たる社長をはじめ、業務執行に当たる取締役や執行役員を選定・選任するなど、経営陣に対する監督機能を更に強化していきます。
前期に続いて当期も実施した取締役会実効性評価においては、前期の分析・評価結果を踏まえた課題への取組み結果も含め、より実質的な分析・評価を行ないました。取締役会では当社のコーポレートガバナンスの在り方を議論し、取締役会付議・報告基準の見直しや運営方法の改善など、取締役会がより戦略的な議論に集中できる体制への転換等を進めており、その実効性が前年度より改善されていることを確認しております。今後も取締役会の運営全般について更に改善を積み重ねるとともに、今回の取締役会実効性評価において重要課題として指摘された、中期経営計画達成度の検証や関係会社運営の課題に関する審議を充実させることで、引き続き取締役会の実効性向上を図ってまいります。
3)働き方改革・ダイバーシティ推進
① 働き方改革
従業員個々人の生活(人生)の充実と会社の持続的成長の両立を目指し、生産性の高い働き方の実現に向け取り組んでおります。当期は、勤務場所を柔軟に選択できることで個々の事情に応じた働き方を可能とするテレワーク勤務制度を本社などで開始しており、今後これを全社展開することによって、仕事と生活の調和をより一層進めていきます。
② ダイバーシティ推進
女性活躍推進活動「Furukawa “V” Challenge!!」の一環として、若手女性従業員向けネットワーキング活動を実施しました。若手女性従業員同士の関係構築やキャリア形成の支援を行ない、女性の活躍を推進する職場環境の構築を図っており、今後も当社グループの経営理念「多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループ」の実現へ向け、活動を加速していきます。
当社では、働き方の見直しや女性活躍推進をはじめとする各種施策の実施により、多様な人材・働き方・価値観を尊重するマインドの醸成を図り、従業員一人ひとりが生き生きと活躍し持続的に成長する企業を目指しております。