有価証券報告書-第113期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略
②-1.気候変動への影響
a.気候変動シナリオの選択
IEA(国際エネルギー機関)が公表している気候変動シナリオを参照し、1.5℃~2℃、4℃の各シナリオを選択しました。気候変動影響が中長期の期間の中で顕在化していく性質のものであるとの認識により、時間軸としては2030年における気候変動の影響を分析しています。これは、2030年以降の事業計画及び財務予測における前提条件の不確実性が高いためです。一方、カーボンニュートラルに向けた移行計画では、2050年という長期目標を掲げ、その実現に必要な主要な技術や取り組みの道筋を示しています。
今後、知見やデータの蓄積及びシナリオ分析手法の高度化を踏まえ、リスク・機会やKPIの分析期間を2050年程度まで順次拡大していく予定です。
なお、現状は2030年までのリスク分析結果を中間マイルストーンと位置づけ、移行計画の各施策と連動させて進捗管理を行います。
b.シナリオ分析のプロセス
(ⅰ)重要リスク・機会の特定
・当社事業におけるリスクと機会の情報を収集
・政策や市場などの観点から、自社で発生し得る脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会と気候変動に起因する物理的リスク・機会を特定
・特定したリスクと機会が自社事業に与える影響を考察し、特に大きな影響を与えうる重要リスク・機会を絞り込み
(ⅱ)将来予測データの収集
・重要リスク・機会に関する信頼度の高い外部の将来予測データを収集
・将来予測データをシナリオごとに整理し、将来起こりうる世界観について社内関係者と検討
(ⅲ)事業影響の試算
・収集した将来予測データと自社内の数値を用い、重要度の高いリスクと機会によってもたらされる事業インパクトをシナリオごとに定量評価
(ⅳ)対応策の検討
・事業影響の特に大きい気候変動リスク・機会への対応方法を検討
・必要に応じ、追加取り組みの推進体制を整備
c.シナリオ分析結果
シナリオ分析結果一覧
※時間軸に関して 短期:現在から2~3年以内 中期:2~3年後から2030年頃まで 長期:2030年頃からそれ以降


リスクへの対応案
移行リスク:
「Eco Action Plan 2030」の目標達成が、負の影響を一定程度削減することを確認しました。2022年に導入したインターナルカーボンプライシング制度(ICP)を活用しながらGHG排出量削減への投資に取り組むとともに、各施策の財務影響面の解像度を高め、財務計画と統合する形で目標達成に向けた活動を推進していきます。加えて、2050年のカーボンニュートラルを実現するための「カーボンニュートラル社会の実現に向けたロードマップ」を作成し、設備投資を実行することで、GHG排出量の削減や新技術へのシフトを加速していきます。
カーボンニュートラル社会の実現に向けたロードマップ:Page6
https://www.tskg-hd.com/pdf/sustainability/environment/tcfdtnfd/TCFD_TNFD.pdf
物理的リスク:
気象変化に伴い、水ストレスの高い地域で渇水のリスクが高まることや異常気象の激甚化による洪水被災リスクが高まることが、経営に大きな影響を与えうることを確認しました。
渇水や洪水被災も含む水のリスクに関する総合マネジメント・システムを運用しながら、これらの負の影響の軽減に努めていきます。
機会:
1.5~2℃シナリオにおいて、EV・PHEV向けの電池部材及び環境配慮型製品の需要増加に関する機会を特定しました。来たるべき需要の増加の見極めと、生産体制強化等の準備を進め、これらの機会を着実に当社グループの成長につなげていけるよう努めます。
想定されるシナリオの世界観:Page3
https://www.tskg-hd.com/pdf/sustainability/environment/tcfdtnfd/TCFD_TNFD.pdf
②-2.自然資本・生物多様性への影響
a.分析対象範囲
TNFD提言に基づく取り組みとして、当社グループの全生産拠点及び事業領域に関しては、金属とプラスチックの包装容器事業について自然資本・生物多様性への依存・影響の評価を実施しました。
b.拠点所在地に起因する環境リスクの評価
当社グループの全生産拠点を対象として、世界自然保護基金(WWF)が提供する評価ツールBRF※を用い、所在地に由来する生物多様性リスクの評価を実施しました。その結果、複数のリスク要因が特定され、特にレピュテーションリスク及び物理的リスクのスコアが高いことが判明しました。物理的リスクの中では、拠点所在地に起因する「熱帯低気圧(台風)」や「汚染」に関するスコアが特に高く、当社グループとして重点的に対策を講じるべきリスク要因と位置づけています。「熱帯低気圧(台風)」のリスクについては、風雨による土地・建物等の損壊や洪水による浸水、停電など、さまざまな形で拠点並びにバリューチェーン全体へ影響を及ぼす可能性があります。このため、一時的または長期的な生産拠点の閉鎖や収益損失につながるリスクが想定されます。
また、所在地に由来する「汚染」のリスクに関しては、汚染された土地・水・大気が製品の品質低下や従業員の健康被害を引き起こす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの影響を最小限に抑えるため、各拠点におけるリスク低減策の検討・実施を進めていきます。

※BRF(Biodiversity Risk Filter)は、WWF(世界自然保護基金)が2023年1月世界経済フォーラム(ダボス会議)において発表した、自社のビジネスやサプライチェーンの生物多様性に関連するリスクのスクリーニングと優先順位づけを行うためのオンラインツール
c.事業内容と自然資本・生物多様性との関連
当社グループの主だった事業内容の内、金属とプラスチックの包装容器事業が自然資本に与える影響について、ENCOREを用いて評価した結果は、下記Webサイトをご参照ください。
https://www.tskg-hd.com/sustainability/environment/tcfdtnfd/
②-1.気候変動への影響
a.気候変動シナリオの選択
IEA(国際エネルギー機関)が公表している気候変動シナリオを参照し、1.5℃~2℃、4℃の各シナリオを選択しました。気候変動影響が中長期の期間の中で顕在化していく性質のものであるとの認識により、時間軸としては2030年における気候変動の影響を分析しています。これは、2030年以降の事業計画及び財務予測における前提条件の不確実性が高いためです。一方、カーボンニュートラルに向けた移行計画では、2050年という長期目標を掲げ、その実現に必要な主要な技術や取り組みの道筋を示しています。
今後、知見やデータの蓄積及びシナリオ分析手法の高度化を踏まえ、リスク・機会やKPIの分析期間を2050年程度まで順次拡大していく予定です。
なお、現状は2030年までのリスク分析結果を中間マイルストーンと位置づけ、移行計画の各施策と連動させて進捗管理を行います。
b.シナリオ分析のプロセス
(ⅰ)重要リスク・機会の特定
・当社事業におけるリスクと機会の情報を収集
・政策や市場などの観点から、自社で発生し得る脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会と気候変動に起因する物理的リスク・機会を特定
・特定したリスクと機会が自社事業に与える影響を考察し、特に大きな影響を与えうる重要リスク・機会を絞り込み
(ⅱ)将来予測データの収集
・重要リスク・機会に関する信頼度の高い外部の将来予測データを収集
・将来予測データをシナリオごとに整理し、将来起こりうる世界観について社内関係者と検討
(ⅲ)事業影響の試算
・収集した将来予測データと自社内の数値を用い、重要度の高いリスクと機会によってもたらされる事業インパクトをシナリオごとに定量評価
(ⅳ)対応策の検討
・事業影響の特に大きい気候変動リスク・機会への対応方法を検討
・必要に応じ、追加取り組みの推進体制を整備
c.シナリオ分析結果
シナリオ分析結果一覧
| 重要なリスク・機会の項目 | 時間軸 | 当社への財務影響 | 当社グループの対応 | ||
| 移行リスク | 政策・規制 | 炭素税負担 | 中期 | 新たな炭素税の導入で操業コスト増加 | •2030年度までに事業活動のGHG排出量▲50%(2019年度比) |
| 電力単価変動 | 短期 | 電力単価の増加による操業コスト増加 | •太陽光発電システムの導入 •ICPによる省エネ投資加速 | ||
| バージンプラスチックを使用した容器包装へのプラスチック税課税 | 中期 | 新たな課税の導入で税賦課分を単価から差引いた場合の売上減少 | •全包装容器製品をリサイクル・リユース可能に転換 •再生材使用比率の向上 | ||
| 飲料ボトルへの再生プラスチック使用義務化 | 中期 | 再生プラスチックの含有割合引き上げのためのコスト増加 | •2030年度までにプラスチック製品における化石資源使用量▲40%(2013年度比) | ||
| 原材料価格 | 原油価格変動による石化原料変動 | 短期 | 原油需要の増減による石化原料調達コスト変動 | •化石資源の使用量削減 | |
| 炭素税による原材料価格変動 | 中期 | 新たな炭素税の導入で石化原料、鋼材、アルミニウム、原紙、ガラスの調達コスト増加 | •化石資源の使用量削減 •バイオマス材料の活用 •低炭素鋼材・アルミの使用 | ||
| グリーンスチール普及の影響 | 中期 | グリーンスチール普及による鋼材調達コストの増加 | •缶のゲージダウンによる鋼材使用量の削減 | ||
| 物理的リスク | 気象 変化 | 渇水による取水停止 | 中期 | 水ストレスの高い地域において生産活動が制限される | •水リスクの総合マネジメント・システムを構築し、リスク低減を推進 |
| 気温上昇に伴う空調への影響 | 中期 | 夏季空調電力使用量増加により操業コスト増加 | •太陽光発電システムの導入 •省エネ、ヒートポンプ活用 | ||
| 異常 気象の 激甚化 | 被災に伴う物損・ 逸失利益 | 短期 | 洪水リスクの上昇による物損・逸失利益発生の増加 | •水リスクの総合マネジメント・システムを構築し、リスク低減を推進 | |
| 機会 | 消費 行動の 変化 | 環境配慮型製品の 需要増加 | 中期 | 環境配慮型製品の売上増加 | •環境配慮型製品のラインナップ拡充と拡販 •成長率の高い環境配慮型製品への投資加速 |
| 殺虫剤の需要増加 | 中期 | 夏場の平均気温上昇により殺虫剤需要が増加しエアゾール充填事業の売上増加 | •殺虫剤充填事業の対応力を適宜強化 | ||
| 低炭素商品の拡大 | EV・PHEVの普及 | 長期 | EV・PHEVで使用される電池部材の需要が増加し、その売上が増加する | •EV・PHEVで使用される電池部材の増産体制構築 | |
※時間軸に関して 短期:現在から2~3年以内 中期:2~3年後から2030年頃まで 長期:2030年頃からそれ以降


リスクへの対応案
移行リスク:
「Eco Action Plan 2030」の目標達成が、負の影響を一定程度削減することを確認しました。2022年に導入したインターナルカーボンプライシング制度(ICP)を活用しながらGHG排出量削減への投資に取り組むとともに、各施策の財務影響面の解像度を高め、財務計画と統合する形で目標達成に向けた活動を推進していきます。加えて、2050年のカーボンニュートラルを実現するための「カーボンニュートラル社会の実現に向けたロードマップ」を作成し、設備投資を実行することで、GHG排出量の削減や新技術へのシフトを加速していきます。
カーボンニュートラル社会の実現に向けたロードマップ:Page6
https://www.tskg-hd.com/pdf/sustainability/environment/tcfdtnfd/TCFD_TNFD.pdf
物理的リスク:
気象変化に伴い、水ストレスの高い地域で渇水のリスクが高まることや異常気象の激甚化による洪水被災リスクが高まることが、経営に大きな影響を与えうることを確認しました。
渇水や洪水被災も含む水のリスクに関する総合マネジメント・システムを運用しながら、これらの負の影響の軽減に努めていきます。
機会:
1.5~2℃シナリオにおいて、EV・PHEV向けの電池部材及び環境配慮型製品の需要増加に関する機会を特定しました。来たるべき需要の増加の見極めと、生産体制強化等の準備を進め、これらの機会を着実に当社グループの成長につなげていけるよう努めます。
想定されるシナリオの世界観:Page3
https://www.tskg-hd.com/pdf/sustainability/environment/tcfdtnfd/TCFD_TNFD.pdf
②-2.自然資本・生物多様性への影響
a.分析対象範囲
TNFD提言に基づく取り組みとして、当社グループの全生産拠点及び事業領域に関しては、金属とプラスチックの包装容器事業について自然資本・生物多様性への依存・影響の評価を実施しました。
b.拠点所在地に起因する環境リスクの評価
当社グループの全生産拠点を対象として、世界自然保護基金(WWF)が提供する評価ツールBRF※を用い、所在地に由来する生物多様性リスクの評価を実施しました。その結果、複数のリスク要因が特定され、特にレピュテーションリスク及び物理的リスクのスコアが高いことが判明しました。物理的リスクの中では、拠点所在地に起因する「熱帯低気圧(台風)」や「汚染」に関するスコアが特に高く、当社グループとして重点的に対策を講じるべきリスク要因と位置づけています。「熱帯低気圧(台風)」のリスクについては、風雨による土地・建物等の損壊や洪水による浸水、停電など、さまざまな形で拠点並びにバリューチェーン全体へ影響を及ぼす可能性があります。このため、一時的または長期的な生産拠点の閉鎖や収益損失につながるリスクが想定されます。
また、所在地に由来する「汚染」のリスクに関しては、汚染された土地・水・大気が製品の品質低下や従業員の健康被害を引き起こす可能性があります。当社グループは、これらのリスクの影響を最小限に抑えるため、各拠点におけるリスク低減策の検討・実施を進めていきます。

| BRFで特定した熱帯低気圧(台風)のリスクが 高い東アジア、東南アジアの拠点図 出典:‘WWF Risk Filter Suite, riskfilter.org’ | BRFで特定した汚染リスクが高い東アジア、東南アジアのグループ拠点図 出典:‘WWF Risk Filter Suite, riskfilter.org’ |
※BRF(Biodiversity Risk Filter)は、WWF(世界自然保護基金)が2023年1月世界経済フォーラム(ダボス会議)において発表した、自社のビジネスやサプライチェーンの生物多様性に関連するリスクのスクリーニングと優先順位づけを行うためのオンラインツール
c.事業内容と自然資本・生物多様性との関連
当社グループの主だった事業内容の内、金属とプラスチックの包装容器事業が自然資本に与える影響について、ENCOREを用いて評価した結果は、下記Webサイトをご参照ください。
https://www.tskg-hd.com/sustainability/environment/tcfdtnfd/