有価証券報告書-第70期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/25 12:44
【資料】
PDFをみる
【項目】
148項目
(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、以下のとおり取締役の報酬等の内容の決定に関する方針を定め、本方針に基づき、株主総会で決定した総額の範囲内で、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬に関しては取締役会にて、監査等委員である取締役の報酬に関しては、監査等委員会において監査等委員である取締役の協議によりそれぞれ決定しております。
なお、当社は、役員の指名・報酬に関する客観性・透明性の向上を含む経営上の重要な課題に対応するため、取締役会の諮問機関として、指名報酬委員会を設置し、役員の指名・取締役の報酬等の特に重要な事項について定期的な確認と、取締役会に対する適切な助言を行っております。指名報酬委員会は、取締役会長および社外取締役を構成員とする会議体であり、指名・報酬等の経営上の重要な課題に関する確認・助言を行っております。
当社の、取締役の報酬に関する方針は、以下のとおりです。
a.方針の決定方法
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬方針については、指名報酬委員会の助言も踏まえ、取締役会にて決定しております。また、監査等委員である取締役の報酬方針については、監査等委員会において監査等委員である取締役の協議にて決定しております。
b.基本方針
当社グループは、技術に裏打ちされた独自性ある、かつ社会に有用な商品を世界中で安くつくり適正価格で提供することで高い収益力を持つ強い企業になることを目指しております。そして、この方針を、中長期的な視野を持って追求することが、当社グループの中長期的な企業価値の向上、およびステークホルダーの満足度向上に資すると考えています。
この方針を遂行するにあたっては、当社の取締役をはじめとする経営陣の目標達成意欲と、ステークホルダーの満足度向上を、その報酬面から促すことが必要と考えております。そのため、当社の経営陣に対しては、一定割合が当社グループの中期計画における重点実施施策にかかるKPI達成度に応じて変動する自社株式報酬を導入しており、単年度の業績目標達成度に応じて変動する金銭報酬との両輪で、中長期的な企業価値の向上とステークホルダー満足度の向上を目指します。
c.個人別の報酬等の額または算定方法の決定方針
取締役(社外取締役、監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、各事業年度における業績の向上ならびに中長期的な企業価値の増大に向けて職責を負うことを考慮し、固定報酬部分・短期成果期待部分・長期成果期待部分からなる、基本報酬(金銭)・短期業績連動報酬(金銭)・中長期業績連動報酬(株式)の三区分としております。一方、監査等委員でない社外取締役には、業務執行から独立した社外の立場から客観的なご意見、ご指摘をいただくことを期待しており、その立場に鑑み、基本報酬(金銭)のみ支給いたします。
また、監査等委員である取締役の報酬につきましても、当社グループ全体の職務執行に対する監査・監督の職責を負うことから、職位に応じた基本報酬(金銭)のみ支給いたします。
なお、報酬の支給に関しては、急激な業績悪化や、企業価値毀損の事態があった場合は、臨時に減額または不支給とすることがあります。
当社の取締役の報酬体系は、役職(会長職、社長職、副社長職、専務職等の役付)の職責に応じ、報酬額に階差を設けるものとし、現在適用する階差は、短期・長期成果部分が基準額であった場合、専務職1に対し、会長、社長職は1.6内外の設定としております。
d.業績連動報酬等に係る業績指標等の内容および額または数の算定方法の決定方針
業績連動報酬は、評価項目の達成度に応じ、0%から200%の範囲で支給しております。
短期業績連動報酬の決定に際しては、企業業績の指標として利益水準の維持向上が最も適切であるとの判断から、期初営業利益計画の達成度合いを中心に、配当実施額、従業員賞与支給額、その他業績に影響を与える事項(天災、特別損益等)を勘案し、決定しております。
中長期業績連動報酬に係る指標は、企業グループの総合的な収益力を高めると同時に、ESGを考慮した経営を進めるという理由から、財務指標をROIC、非財務指標をFTSE Russell ESGスコアとしており、それぞれの評価加重を90%・10%としております。
e. 非金銭報酬等の内容およびその額若しくは数またはその算定方法の決定方針
中長期業績連動報酬については、当社グループの中長期的な業績向上と企業価値増大に対する取締役の貢献意欲を高めるため、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを活用しています。これは、対象となる取締役(社外取締役、監査等委員である取締役を除く。)および執行役員に対し、取締役会で承認された株式交付規程に従い、役位・在任期間および中期目標の達成度等に応じて算定されるポイント数に応じた数の当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下、「当社株式等」という。)を交付および給付する制度です。
f.個人別の報酬等の額につき種類ごとの割合(比率)の決定方針
当社の業域は自動車・建設機械、一般産業機械、半導体、船舶、航空宇宙を始めとした各産業における、メカニカルシール・特殊バルブ等の機械要素部品の製造販売であり、業績が同業界の動向に左右され易い状況も勘案し、取締役の短期業績連動報酬・中長期業績連動報酬の割合は、それぞれ報酬総額の10%・20%としております。
g.報酬等を与える時期または条件の決定方針
基本報酬は、定時株主総会後の取締役会において翌月から1年間の月額を決定し毎月支給とし、固定額を毎月一定日に支給しております。短期業績連動報酬は、取締役会において、期末決算に基づき、上記「業績連動報酬等にかかる業績指標等の内容および額または数の算定方法の決定方針」に従い決定し、当該決算に係る定時株主総会までに支給しております。中長期業績連動報酬は、取締役会で承認された株式交付規程に従い、役位および在任期間に応じて算出される固定ポイントと、中期経営計画達成等に対するインセンティブを高めることを目的とする業績連動ポイントを毎年一定時期に付与し、原則として中期経営計画終了時に、固定ポイントの累計数に相当する当社株式等と、業績連動ポイントの累計数に、中期目標達成度に応じた業績連動係数を乗じた数に相当する株式等を交付および給付します。
h.個人別の報酬等の内容の決定の方法
個別の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の額またはその算定方法の決定については、取締役会議長である取締役会長が、指名報酬委員会の助言も踏まえ、役員報酬案を取締役会に上程し、取締役会にて決定しております。
監査等委員である取締役の報酬の支給案については、監査等委員会において監査等委員である取締役の協議により決定しております。
② 役員報酬等に関する株主総会決議について
取締役(監査等委員である取締役を除く。)報酬につきましては、2024年6月25日開催の2023年度定時株主総会にて、総額上限を550百万円以内(うち社外取締役分40百万円以内)、監査等委員である取締役の報酬につきましては、同日、総額上限を100百万円以内とそれぞれ決議しております。
また、2022年6月23日開催の2021年度定時株主総会にて、当社の取締役(社外取締役を除く。以下同じ。)および執行役員(国内非居住者を除く。以下「取締役等」という。)を対象とした業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を、以下の概要で決議しております。本制度は、上記の取締役報酬額(年額550百万円)とは別枠で、取締役等に支給するものであります。
なお、2024年6月25日開催の2023年度定時株主総会の決議事項「定款一部変更の件」が承認可決されたことに伴い、当社は監査等委員会設置会社に移行いたしましたので、本制度の対象者を、当社の取締役(監査等委員である取締役、社外取締役および国内非居住者を除く。以下同じ。)および執行役員(国内非居住者を除く。以下「取締役等」という。)に改定しております。
(本制度における報酬等の額・内容等)
a.本制度の概要
本制度は、取締役等に対する株式報酬制度であり、当社が拠出する取締役等の報酬額に相当する金員を信託へ拠出し、当該金員を原資として信託を通じて当社株式が取得され、役位および業績目標の達成度等に応じて、当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)について役員報酬として交付および給付(以下「交付等」という。)を行う制度です(本制度の詳細は下記b.以降のとおり)。
本制度の対象となる当社株式等の交付等の対象者・当社の取締役
(監査等委員である取締役、社外取締役および国内非居住者を除く。)
・当社の執行役員(国内非居住者を除く。)
本制度の対象となる当社株式が発行済株式の総数に与える影響
当社が拠出する金員の上限
(下記b.のとおり。)
・300百万円に対象期間の事業年度数を乗じた金額
・なお、当初の対象期間については、4事業年度を対象として合計1,200百万円(当初の対象期間は2023年3月31日で終了する事業年度から2026年3月31日で終了する事業年度までの4事業年度)
取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限および当社株式の取得方法
(下記b.およびc.のとおり。)
・40万株に対象期間の事業年度数を乗じた株式数
・なお、当初の対象期間については、4事業年度を対象
として、合計160万株
・上記の1事業年度あたりの株式数(40万株)の当社発行済株式総数(2024年3月31日時点、自己株式控除後)に対する割合は約0.9%
・当社株式は、株式市場または当社(自己株式処分)から取得予定(当初の対象期間にかかる当社株式は株式市場から取得予定のため、希薄化は生じない)
業績達成条件の内容
(下記c.のとおり。)
・中期経営計画における業績目標の達成のための重要指標その他の取締役会が定める指標の目標達成度等(当初の対象期間については、ROICおよびFTSE Russell ESGスコアの目標達成度)に応じて0~200%の範囲で変動
取締役に対する当社株式等の交付等の時期
(下記d.のとおり。)
・対象期間終了後

b.当社が拠出する金員の上限等
本制度の対象となる期間は、原則として、当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(以下、「対象期間」という。)とします。なお、当初の対象期間は、2023年3月31日で終了する事業年度から2026年3月31日で終了する事業年度までの4事業年度とします。
当社は、対象期間毎に取締役等の報酬として拠出される信託金の上限を、300百万円に当該対象期間の事業年度数を乗じた金額(当初の対象期間である4事業年度については合計1,200百万円)としたうえで、かかる信託金を取締役等の報酬として拠出し、受益者要件を充足する取締役等を受益者として対象期間に対応する期間の信託(以下「本信託」という。)を設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として当社株式を株式市場または当社(自己株式処分)から取得します(当初の対象期間にかかる当社株式は株式市場から取得予定)。当社は、対象期間中、取締役等に対して、下記c.に定めるとおりポイントの付与を行い、あらかじめ定められた一定の時期に付与されたポイント数に相当する当社株式等の交付等を本信託から行います。
また、本信託の信託期間の満了時において、新たな本信託の設定に代えて信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、原則として、その時点において当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度が新たな対象期間となり、当該新たな対象期間と同一の期間について本信託の信託期間を延長し、当社は本株主総会の承認決議を得た、本信託に拠出する信託金の合計上限額の範囲内で追加拠出を行い、引き続き新たな対象期間について、取締役等に対するポイントの付与および当社株式等の交付等を継続します。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)および金銭(以下「残存株式等」という)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、300百万円に当該対象期間の事業年度数を乗じた金額の範囲内とします。
この信託期間の延長は、一度だけに限らず、その後も同様に信託期間を延長することがあります。
c.取締役等に対して交付等が行われる当社株式等の数の算定方法および上限等
取締役等に対して交付等が行われる当社株式等の数は、「株式交付ポイント」の数により定まります。株式交付ポイント1ポイントにつき当社株式1株を交付するものとし、1ポイント未満の端数は切り捨てます。ただし、当社株式について信託期間中に株式分割・株式併合等を行った場合には、分割比率・併合比率等に応じて、株式交付ポイント1ポイントあたりの当社株式数および取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限を調整します。
ⅰ.業績連動部分
取締役等に対する業績連動部分の株式交付ポイントは、対象期間中の各事業年度に付与される基準ポイントのうち50%に相当するポイントを累計し、対象期間終了後に、この累計値に業績連動係数を乗じて算定します。
業績連動係数は、業績目標の達成度等に応じて0~200%の範囲で変動します。業績目標の達成度等に関する指標は、中期経営計画における業績目標の達成のための重要指標その他の取締役会が定める指標を用いることとし、当初の対象期間においてはROICおよびFTSE Russell ESGスコアとします。
ⅱ.非業績連動部分
取締役等に対する非業績連動部分の株式交付ポイントは、対象期間中の各事業年度に付与される基準ポイントのうち50%の累計とします。
なお、対象期間中の事業年度の途中で退任、死亡又は海外赴任することとなった取締役等については、業績連動係数を100%とした上で上記の通り算定した株式交付ポイントを速やかに付与するものとします。
本信託の対象期間について取締役等に交付等が行われる当社株式等の数(取締役等に付与されるポイントの数)の上限は、40万株に対象期間の事業年度数を乗じた株式数とします(当初の対象期間である4事業年度に対しては合計160万株)。なお、当該取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限は、上記の当社が拠出する金員の上限を踏まえ、直近の株価等を参考に設定しています。
d.取締役等に対する当社株式等の交付等の方法および時期
受益者要件を満たした取締役等は、原則として対象期間終了後、所定の受益権確定手続を行うことにより、対象期間終了後、株式交付ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を受け、残りの株式交付ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
なお、対象期間中に受益者要件を満たす取締役等が死亡した場合には、当該時点における株式交付ポイント数に相当する当社株式について、その全てを本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を当該取締役等の相続人が受けるものとします。
e.本信託内の当社株式に関する議決権
本信託内にある当社株式(取締役等に交付等が行われる前の当社株式)については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使されないものとします。
f.本信託内の当社株式の配当の取り扱い
本信託内の当社株式にかかる配当は、本信託が受領し、本信託の信託報酬・信託費用に充当されます。信託報酬・信託費用に充てられた後、最終的に本信託が終了する段階で配当金の残余が生じた場合には、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属し、信託費用準備金を超過する部分については、当社および取締役等と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
g.その他の本制度の内容
本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更および本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。
③ 役員報酬等の額
a.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる
役員の員数
基本報酬業績連動報酬等
短期中長期
取締役
(社外取締役を除く)
29721716636
監査役
(社外監査役を除く)
4444--3
社外役員3838--9

b.当事業年度における業績連動報酬に係る指標について
短期業績連動報酬の決定に際しては、企業業績の指標として利益水準の維持向上が最も適切であるとの判断から、期初営業利益計画の達成度合いを中心に、配当実施額、従業員賞与支給額、その他業績に影響を与える事項(天災、特別損益等)を勘案し、決定しております。当事業年度の短期業績連動報酬等の額は、以下に結果を記載致します。
期初連結営業利益計画 95億円
当年度実績 81億7百万円
当該結果を踏まえ、当事業年度に係る業績連動報酬は基準値(100%)に対し50%の割合で支給を決定いたしました。
中長期業績連動報酬(非金銭報酬)の内容は、当社の株式であり、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを活用しています。当事業年度に係る中長期業績連動報酬等(非金銭報酬)の指標実績は、信託期間の終了する2026年3月期の結果に基づくことから未定となりますが、株式交付規程に基づいたポイントを各対象者に付与しております。
c.役員報酬等の決定権限者、及び決定方法について
取締役会議長である取締役会長が役員報酬案を取締役会に上程し、取締役会にて決定致します。
当事業年度の短期業績連動報酬は2024年5月22日開催の取締役会で審議決定されました。なお、監査役報酬の支給案は監査役会にて協議され、合議の上決定しております。