有価証券報告書-第58期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「伸びやかで豊かな企業人を育む環境づくりを目指し、オリジナリティ溢れる技術をベースに製品を開発し、顧客の信頼を得るとともに、社会の発展に貢献する。」という企業理念のもと、「常にユーザーの最新のニーズをキャッチし、最適設計のファスナーとツールを提供することにより、日本で最大の総合ファスニングメーカーを目指す。」ことを企業目標に掲げ、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益を、目標の達成状況を判断するための指標としております。
(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済環境は急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。下半期の段階的な経済活動の再開により一部の産業においては下げ止まりや持ち直しの兆しが見られるものの、更なる感染拡大の懸念から、景気の先行きは大変不透明な状況が継続しております。当社グループの業績に関係の深い住宅市場におきましても、新設住宅着工戸数が前年同期に比べ9.9%減少する等、厳しい状況が継続しました。
このような経営環境のもと、当社グループは、連結ベースにおいて2018年12月期以降3期連続で営業損益・経常損益・当期純損益の各段階で赤字を計上するに至っており、早期に赤字から脱却することが、事業上及び財務上の最優先課題と認識しております。少子高齢化等により日本の住宅市場を取り巻く環境がますます厳しくなっていくことを勘案するに、住宅市場向け既存ファスニング製品に偏重した事業構造では成長が見込めず、一般建築市場向け、その中でも首都圏市場の開拓が必要という認識をアドバンテッジアドバイザーズ株式会と共有しましたので、2019年8月にアドバンテッジアドバイザーズ株式会社がサービスを提供するファンドに対して新株予約権と新株予約権付社債を発行し資金調達を行うとともに、同社のもつ様々な知見を活用すべく、事業提携契約を締結しました。同社の支援のもと2020年2月に経営改革プランを作成し、事業構造の転換を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大による住宅・建築市場の低迷を受け、聖域なき経費削減に取り組んでまいりました。また、中国事業からの撤退を2019年12月に決定したことにより、中国現地工場の閉鎖、従業員の解雇等の作業を鋭意進めてまいりました。
このような取組みの効果もあいまって、2020年第4四半期(10~12月期)は売上高が前年同期に比べて大きく減少(△24.5%)したにもかかわらず、低採算取引の縮小や経費の大幅な見直しにより単体・連結ベースとも、2018年10-12月期以来8四半期ぶりに営業黒字を計上するに至りました。業績回復の流れを確かなものにすることで、新株予約権の行使や新株予約権付社債の転換を促進し、成長資金を確保するとともに、3期連続の赤字計上により悪化した財務構造を修復していきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、引き続き厳しい事業環境が続くことが予想されますが、経営改革プランに掲げた施策を遂行し、課題解決型の高付加価値企業を目指してまいります。
(4)経営戦略
上記の経営環境と課題に対する認識のもと、当社グループを取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続くものと予想されますが、経営上の目標達成及び課題解決に向けて経営改革プランに則った施策を推進しております。
なお、経営改革プラン(2020年~2022年)の進捗状況は下記のとおりです。
1.止血期対応(2020年度)
① 中国事業からの撤退
中国生産子会社である蘇州強力五金有限公司は、1994年10月から日本のプレハブ住宅向けを中心にねじ・金物等のファスナーを生産してまいりましたが、中国現地における人件費の高騰や環境規制の強化等から2012年度より営業赤字が続いていたため、2019年12月に事業撤退する方針を決定し撤退に向けた作業を進めてまいりました。この結果、2020年度の中国事業の赤字は営業利益段階で88百万円、経常利益段階で101百万円縮小しました。
② 経費削減
中国事業からの撤退や低採算品の商権返上により2020年度の売上高は2019年度に比べ連結ベースで約583百万円減少すると見込んでおりましたが、コロナ感染症の拡大による住宅・建築市場の低迷を受け1,784百万円(△25.1%)減少の5,309百万円にとどまりました。想定以上の売上減少に対応すべく本社事務所の移転による賃借料の削減や人員のスリム化、外注・出荷費用の削減、雇用調整助成金の活用による一時帰休の実施等、徹底的な
経費削減に努めてまいりました。その結果、2020年度の原価率は77.4%と2019年度に比べ1.7ポイント改善し、販管費も2019年度比412百万円(△23.5%)減少しました。こうした経費削減等により、2020年10~12月期の損益分岐点売上高は同年1~3月期に比べ20%強切り下がり、2021年度以降の反転攻勢に向けた基盤は、一定程度整ったものと考えております。
③ 資産の圧縮
保有していた賃貸住宅を2020年3月に売却(売却額97百万円)するとともに、保有株式を売却(6銘柄/売却額149百万円)し、資産の圧縮・現金化を行いました。
2.地盤固め期(2021年度)飛躍期(2022年度)に向けた対応
経営改革プランでは、これまで主力事業として取り組んできた鉄骨住宅向けファスニング製品の供給を基幹事業としつつ、今後インフラ更新等で需要が底堅く推移すると見込まれる一般建築市場向けを成長事業と位置づけ、特にこれまで手薄であった首都圏を重点市場として位置づけました。この方針のもと、以下に掲げる施策に取り組みました。
① 新商品・新用途の開発
当社は日本市場に初めてガス式鋲打ち機(ガスツール)を導入・商品化した歴史・実績を踏まえ、これまで主力商品としてきた「トラックファースト」に加え、新たにコストパフォーマンスに優れた新型のガス式鋲打ち機「ウルトラガスツール」を2020年度に商品化しました。新ツールの商品化とともに、ガスツールの新たな用途開発として、鉄骨造ビル建築等における各種床用デッキプレートの位置決めに溶接工法に代わる工法としてガスツールと鋲を用いた「ガスツール接合方法」(東京工業大学と共同研究)を提案し、火器工事の減少による火災予防効果や溶接工不足に対応する工法が評価され、比較的短時間で採用実績につながっております。また、鋼材への各種設備固定用商品として、裏側に手が入らない部位にも接合が可能な新型アンカー「ブルームスタッドアンカー」を商品化しました。
② 首都圏強化
首都圏強化策として、実際に上向きで穿孔・アンカー施工を体験できる天井試験架台をはじめ各種試験・実験設備を備えた筑西テクニカルセンターを茨城県の下館工場の敷地内に設置しました(2020年10月より本格稼働)。社内での活用はもちろんのこと、実際の施工現場に近い環境でお客様自身に当社製品を試打ちしていただくことが出来るようになりましたので、お客様へのPR・研修拠点として活用してまいります。
また、2021年1月に埼玉県さいたま市に新たに営業所を開設しました。営業人員の増強等今後経営資源を首都圏に重点的に投入していく計画です。
(1)経営方針
当社グループは「伸びやかで豊かな企業人を育む環境づくりを目指し、オリジナリティ溢れる技術をベースに製品を開発し、顧客の信頼を得るとともに、社会の発展に貢献する。」という企業理念のもと、「常にユーザーの最新のニーズをキャッチし、最適設計のファスナーとツールを提供することにより、日本で最大の総合ファスニングメーカーを目指す。」ことを企業目標に掲げ、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益を、目標の達成状況を判断するための指標としております。
(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済環境は急速に悪化し、極めて厳しい状況となりました。下半期の段階的な経済活動の再開により一部の産業においては下げ止まりや持ち直しの兆しが見られるものの、更なる感染拡大の懸念から、景気の先行きは大変不透明な状況が継続しております。当社グループの業績に関係の深い住宅市場におきましても、新設住宅着工戸数が前年同期に比べ9.9%減少する等、厳しい状況が継続しました。
このような経営環境のもと、当社グループは、連結ベースにおいて2018年12月期以降3期連続で営業損益・経常損益・当期純損益の各段階で赤字を計上するに至っており、早期に赤字から脱却することが、事業上及び財務上の最優先課題と認識しております。少子高齢化等により日本の住宅市場を取り巻く環境がますます厳しくなっていくことを勘案するに、住宅市場向け既存ファスニング製品に偏重した事業構造では成長が見込めず、一般建築市場向け、その中でも首都圏市場の開拓が必要という認識をアドバンテッジアドバイザーズ株式会と共有しましたので、2019年8月にアドバンテッジアドバイザーズ株式会社がサービスを提供するファンドに対して新株予約権と新株予約権付社債を発行し資金調達を行うとともに、同社のもつ様々な知見を活用すべく、事業提携契約を締結しました。同社の支援のもと2020年2月に経営改革プランを作成し、事業構造の転換を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大による住宅・建築市場の低迷を受け、聖域なき経費削減に取り組んでまいりました。また、中国事業からの撤退を2019年12月に決定したことにより、中国現地工場の閉鎖、従業員の解雇等の作業を鋭意進めてまいりました。
このような取組みの効果もあいまって、2020年第4四半期(10~12月期)は売上高が前年同期に比べて大きく減少(△24.5%)したにもかかわらず、低採算取引の縮小や経費の大幅な見直しにより単体・連結ベースとも、2018年10-12月期以来8四半期ぶりに営業黒字を計上するに至りました。業績回復の流れを確かなものにすることで、新株予約権の行使や新株予約権付社債の転換を促進し、成長資金を確保するとともに、3期連続の赤字計上により悪化した財務構造を修復していきたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、引き続き厳しい事業環境が続くことが予想されますが、経営改革プランに掲げた施策を遂行し、課題解決型の高付加価値企業を目指してまいります。
(4)経営戦略
上記の経営環境と課題に対する認識のもと、当社グループを取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続くものと予想されますが、経営上の目標達成及び課題解決に向けて経営改革プランに則った施策を推進しております。
なお、経営改革プラン(2020年~2022年)の進捗状況は下記のとおりです。
1.止血期対応(2020年度)
① 中国事業からの撤退
中国生産子会社である蘇州強力五金有限公司は、1994年10月から日本のプレハブ住宅向けを中心にねじ・金物等のファスナーを生産してまいりましたが、中国現地における人件費の高騰や環境規制の強化等から2012年度より営業赤字が続いていたため、2019年12月に事業撤退する方針を決定し撤退に向けた作業を進めてまいりました。この結果、2020年度の中国事業の赤字は営業利益段階で88百万円、経常利益段階で101百万円縮小しました。
② 経費削減
中国事業からの撤退や低採算品の商権返上により2020年度の売上高は2019年度に比べ連結ベースで約583百万円減少すると見込んでおりましたが、コロナ感染症の拡大による住宅・建築市場の低迷を受け1,784百万円(△25.1%)減少の5,309百万円にとどまりました。想定以上の売上減少に対応すべく本社事務所の移転による賃借料の削減や人員のスリム化、外注・出荷費用の削減、雇用調整助成金の活用による一時帰休の実施等、徹底的な
経費削減に努めてまいりました。その結果、2020年度の原価率は77.4%と2019年度に比べ1.7ポイント改善し、販管費も2019年度比412百万円(△23.5%)減少しました。こうした経費削減等により、2020年10~12月期の損益分岐点売上高は同年1~3月期に比べ20%強切り下がり、2021年度以降の反転攻勢に向けた基盤は、一定程度整ったものと考えております。
③ 資産の圧縮
保有していた賃貸住宅を2020年3月に売却(売却額97百万円)するとともに、保有株式を売却(6銘柄/売却額149百万円)し、資産の圧縮・現金化を行いました。
2.地盤固め期(2021年度)飛躍期(2022年度)に向けた対応
経営改革プランでは、これまで主力事業として取り組んできた鉄骨住宅向けファスニング製品の供給を基幹事業としつつ、今後インフラ更新等で需要が底堅く推移すると見込まれる一般建築市場向けを成長事業と位置づけ、特にこれまで手薄であった首都圏を重点市場として位置づけました。この方針のもと、以下に掲げる施策に取り組みました。
① 新商品・新用途の開発
当社は日本市場に初めてガス式鋲打ち機(ガスツール)を導入・商品化した歴史・実績を踏まえ、これまで主力商品としてきた「トラックファースト」に加え、新たにコストパフォーマンスに優れた新型のガス式鋲打ち機「ウルトラガスツール」を2020年度に商品化しました。新ツールの商品化とともに、ガスツールの新たな用途開発として、鉄骨造ビル建築等における各種床用デッキプレートの位置決めに溶接工法に代わる工法としてガスツールと鋲を用いた「ガスツール接合方法」(東京工業大学と共同研究)を提案し、火器工事の減少による火災予防効果や溶接工不足に対応する工法が評価され、比較的短時間で採用実績につながっております。また、鋼材への各種設備固定用商品として、裏側に手が入らない部位にも接合が可能な新型アンカー「ブルームスタッドアンカー」を商品化しました。
② 首都圏強化
首都圏強化策として、実際に上向きで穿孔・アンカー施工を体験できる天井試験架台をはじめ各種試験・実験設備を備えた筑西テクニカルセンターを茨城県の下館工場の敷地内に設置しました(2020年10月より本格稼働)。社内での活用はもちろんのこと、実際の施工現場に近い環境でお客様自身に当社製品を試打ちしていただくことが出来るようになりましたので、お客様へのPR・研修拠点として活用してまいります。
また、2021年1月に埼玉県さいたま市に新たに営業所を開設しました。営業人員の増強等今後経営資源を首都圏に重点的に投入していく計画です。