有価証券報告書-第159期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 17:12
【資料】
PDFをみる
【項目】
151項目
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが要求されています。
ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
連結財務諸表において、翌連結会計年度中に資産や負債の帳簿価額に重要な修正をもたらす要因となるリスクを伴う将来に関して行った仮定及び見積りの不確実性に関する事項は以下のとおりです。
・収益の認識
「建築・産業」、「エネルギー」、「インフラ」の各種ポンプ事業、コンプレッサ・タービン事業、冷熱事業及び「環境」における工事請負契約及び保守契約等については、製品又は役務に対する支配が一定期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識しています。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、履行義務の結果を合理的に測定できる場合は、見積総原価に対する実際原価の割合(インプット法)で算出しています。
見積り及び測定の前提条件は必要に応じて見直しを行い、追加コストの発生や契約金額の変更等により当初の見積りを修正する可能性があり、連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末における契約資産の帳簿価額については、注記「28.売上収益」に記載のとおりです。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討しており、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で繰延税金資産を計上しています。見積りの仮定となる将来の課税所得の発生時期及び金額は、経営者により承認された事業計画に基づき算定されていますが、その時の業績等により変動するため、これらの見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、連結財務諸表上で認識する繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末における繰延税金資産の帳簿価額については、注記「17.法人所得税」に記載のとおりです。
・引当金の会計処理と評価
当社グループは、完成工事補償引当金や工事損失引当金などの引当金を計上しています。それらの引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しています。
これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、連結財務諸表上で認識する引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末における引当金の帳簿価額については、注記「23.引当金」に記載のとおりです。
・確定給付制度債務
確定給付制度債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引くことによって算定しています。重要な数理計算上の仮定は割引率であり、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有する優良社債の期末日時点の市場利回りを参照して決定しています。
その他数理計算上の仮定には、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれています。それらの数理計算上の仮定は、将来の経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表上で認識する確定給付制度債務の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末における退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債の帳簿価額については、注記「24.従業員給付」に記載のとおりです。
・非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産等の非金融資産について資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しています。減損の兆候が存在する場合には、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しています。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、毎期同時期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度減損テストを実施しています。減損テストにおける回収可能価額の算定においては、将来キャッシュ・フロー、割引率及び成長率等について一定の仮定を設定しています。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動や事業計画等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末における有形固定資産の帳簿価額については、注記「11.有形固定資産」に、また、のれん及び無形資産の帳簿価額については、注記「12.のれん及び無形資産」に記載のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症に関しては、世界的に“withコロナ”と呼ばれる感染予防と経済活動の共存に向けた動きが継続しており、社会・産業インフラの需要は一時期に比べて改善しています。
同感染症による当社グループの事業への影響は限定的であり、翌連結会計年度においても、事業環境が底堅く推移すると仮定し会計上の見積りを行っています。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が当該前提と乖離する場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。