有価証券報告書-第124期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦等の影響による経済成長の減速が継続しました。また、我が国経済におきましては、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復が見られたものの、年度後半には新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済活動が停滞する動き等もあり、先行きへの不透明感が強まりました。
当グループが関連する自動車業界におきましては、中国やインド等の成長鈍化により、世界の自動車生産台数が低調に推移した影響を受け、当グループの売上高は548億81百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
損益面におきましては、原価低減を推しすすめてまいりましたが、減産等の影響により、営業利益は18億29百万円(前年同期比46.5%減)、経常利益は17億76百万円(前年同期比47.2%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等調整額の増加により4億90百万円(前年同期比74.1%減)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ21億84百万円減少し、636億8百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ9億78百万円減少し、323億19百万円となりました。純資産は、前連結会計年度に比べ12億5百万円減少し、312億89百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて8億71百万円減少し、35億14百万円となりました。
キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 通期 | 増減 | ||
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 5,129 | 3,669 | △1,459 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △4,604 | △3,606 | 998 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △845 | △919 | △74 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により得られた資金は、36億69百万円の収入(前年同期は51億29百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が18億92百万円となり、減価償却費が41億22百万円あったこと、売上債権が12億5百万円減少、たな卸資産が10億69百万円増加、仕入債務が10億45百万円減少したこと、法人税等の支払が11億58百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、36億6百万円の支出(前年同期は46億4百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が37億40百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、9億19百万円の支出(前年同期は8億45百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金を34億2百万円借入し、36億2百万円返済したこと、また配当金を5億35百万円支払ったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連製品事業 | 51,009 | △2.4 |
| 舶用・その他の製品事業 | 2,345 | △10.4 |
| 報告セグメント計 | 53,355 | △2.8 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 53,355 | △2.8 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連製品事業 | 45,765 | △7.2 | 5,261 | △23.0 |
| 舶用・その他の製品事業 | 2,222 | △13.5 | 250 | △9.2 |
| 報告セグメント計 | 47,988 | △7.5 | 5,511 | △22.5 |
| その他 | 5,341 | 2.3 | 830 | 6.1 |
| 合計 | 53,329 | △6.6 | 6,341 | △19.7 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連製品事業 | 47,340 | △3.3 |
| 舶用・その他の製品事業 | 2,247 | △12.0 |
| 報告セグメント計 | 49,588 | △3.8 |
| その他 | 5,293 | △4.4 |
| 合計 | 54,881 | △3.8 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次の通りであります。
なお、本文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針の見積もり
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。これらの見積り及び判断を過去の実績や状況に応じ合理的に行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
a. 全体
当連結会計年度において、当グループが関連し、その売上高の約9割を占める自動車業界におきましては、中国やインド等の成長鈍化により、世界自動車生産台数が低調に推移しました。
また、当年度後半においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、全体として厳しい環境下での事業活動となりました。
そのようななかで、当グループは、顧客との技術交流を中心とした技術提案型営業を推進するとともに、開発能力の現地化をすすめる等、世界主要拠点で顧客ニーズに合わせた販売活動に取り組みました。その結果、欧米メーカーの戦略機種獲得等、中国ローカルメーカーも含めて非日系自動車メーカーへの拡販がすすみました。
また、コンカレントエンジニアリングを志向し、合理化を追求した「革新的生産ライン」を構築して主要製品及び海外への展開を図っております。加えて、国内外の生産現場では原価低減活動に積極的に取り組んでおり、併せて生産性向上を図っております。
以上の結果、当グループの当連結会計年度経営成績につきましては、売上高は548億81百万円(前年同期比3.8%減)、営業利益は18億29百万円(前年度比46.5%減)経常利益は17億76百万円(前年度比47.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億90百万円(前年同期比74.1%減)となりました。
売上高の減少は、グローバルな自動車市場における生産台数減の影響が主要因と認識しておりますが、営業利益の減益は、その減産影響や人件費の上昇、為替円高の影響を、原価低減等により十分吸収できなかったことによるものと考えております。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、新型コロナウイルスの影響による法人税等調整額の増加により、さらに減益率が大きくなりました。
b. セグメント
(a) 自動車関連製品事業
当グループにおける当セグメントは、全体の約9割の売上高を占めるものであり、当連結会計年度において前提となる市場条件や当会計年度における主な取り組み、当期の実績についての評価については、1) a.に記載の通りとなっております。
当セグメントにおける当連結会計年度の売上高は473億40百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は24億87百万円(前年同期比33.7%減)となりました。
(b) 舶用・その他の製品事業
当連結会計年度における当セグメントの売上高は22億47百万円(前年同期比12.0%減)、セグメント損失は2億13百万円(前年同期はセグメント損失2億33百万円)となりました。
当セグメントに関しましては、舶用のピストンリングやメタモールド(金属粉末射出成形部品)の非自動車向け製品の売上が中心となりますが、当連結会計年度につきましては、売上高は中国需要を中心とした産業機器向けメタモールド製品の需要減少等により減少した一方で、セグメント利益は、舶用のピストンリング製品に関する工法改善を軸とした原価低減への取り組み等を通じた収益性の改善により損失額が縮小したものと考えております。
(c) その他
当連結会計年度における当セグメントの売上高は52億93百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は1億32百万円(前年同期比68.7%減)となりました。
当セグメントに関しましては、商品等の販売事業が中心となりますが、当連結会計年度につきましては、ヨーロッパ向けのベアリング製品への需要減や為替相場の円高の影響等により減収減益となったものと認識しております。
2)財政状態
(連結財政状態) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減 | |
| 資産合計 | 65,793 | 63,608 | △2,184 |
| 負債合計 | 33,298 | 32,319 | △978 |
| 純資産合計 | 32,495 | 31,289 | △1,205 |
| 有利子負債 | 15,674 | 15,503 | △170 |
(資産)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ、21億84百万円減少し、636億8百万円となりました。これは主に、「受取手形及び売掛金」の減少14億79百万円、「現金及び預金」の減少8億71百万円、「投資有価証券」の減少8億52百万円に対し、「たな卸資産」の増加9億57百万円があったこと等によるものであります。
(負債)
負債におきましては、前連結会計年度末に比べ9億78百万円減少し、323億19百万円となりました。これは主に、「電子記録債務」の減少6億16百万円、「支払手形及び買掛金」の減少5億64百万円、「未払法人税等」の減少2億77百万円、「有利子負債」の減少1億70百万円に対し、「退職給付に係る負債」の増加4億59百万円等があったこと等によるものであります。
(純資産)
純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ12億5百万円減少し、312億89百万円となりました。これは主に、「その他有価証券評価差額金」の減少5億16百万円、「退職給付に係る調整累計額」の減少3億81百万円、「為替換算調整勘定」の減少2億2百万円があったこと等によるものであります。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源の確保及び資金の流動性に係る状況
1)財務戦略の基本的な考え方
当グループは、強固な財務体質と高い資本効率を維持しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を45%程度に保ち、かつ格付投資情報センターの格付において「BBBフラット」の取得・維持を目指し、リスク体制の強化を図ります。
2)経営資本の配分に関する考え方
当グループは、適正な手元現預金水準については売上高の約1ヶ月分を安定的な経営に必要な手元円預金水準とし、それを超える分については、業務計画に基づき必要とされる設備投資及び運転資金等の「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。また、手元現預金、今後創出するフリーキャッシュ・フロー及び有利子負債の活用により追加的に創出された追加的に配分可能な経営資源については、将来の新規事業のための投資、継続的かつ安定した株主配当等のために活用する考えです。
3)資金需要の主な内容
当グループの運転資金需要のうち主なものは、当グループ製品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を締めています。また、当グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場および海外工場での生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務健全性の維持と資本効率性の向上を両立させながら積極的に対応していく方針です。
4)資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。当グループの運転資金及び設備投資資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入れ等により、資金調達を実施しています。これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できると共に、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、さらに格付投資情報センターの格付けはBBBフラットとなっていることから、安定的かつ低コストでの資金調達が適時滞りなく実施可能と認識しています。加えて、主要通貨(ドル・ユーロ・円)によるグローバルコミットメントラインを設定しており、緊急時、突発的なリスク発生時のための流動性確保にも備えています。