有価証券報告書-第125期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、減速を余儀なくされました。我が国におきましては、昨年4月に発令された緊急事態宣言が解除された後は、段階的な経済活動の再開や各種政策の効果等により、持ち直しの動きが見られたものの、本年にも緊急事態宣言が再発令される等、依然として収束が見通せず、先行き不透明な状況が続きました。
当グループが関連する自動車業界におきましては、下半期において受注環境の改善が見られたものの、新型コロナウイルス感染症拡大による需要減少に加えて、車載半導体の供給不足による影響等を受け、世界の自動車生産台数は大幅に減少しました。
損益面におきましては、原価低減や固定費削減、業務効率化の効果等により下半期は黒字化したものの、上半期の落ち込みを補いきれず、営業損失は1億65百万円(前年同期は営業利益18億29百万円)、経常利益は助成金収入の計上等により3億55百万円(前年同期比80.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、一時的な法人税等調整額の増加等により、8億13百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4億90百万円)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ17億99百万円減少し、618億9百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ7億77百万円減少し、315億41百万円となりました。純資産は、前連結会計年度に比べ10億21百万円減少し、302億67百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて12億51百万円増加し、47億66百万円となりました。
キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 通期 | 増減 | ||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,669 | 4,358 | 688 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,606 | △3,489 | 116 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △919 | 596 | 1,516 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により得られた資金は、43億58百万円の収入(前年同期は36億69百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が4億37百万円となり、減価償却費が40億47百万円あったこと、売上債権が9億14百万円減少、たな卸資産が14億29百万円減少、仕入債務が17億82百万円減少したこと、法人税等の支払が3億52百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、34億89百万円の支出(前年同期は36億6百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が34億62百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、5億96百万円の収入(前年同期は9億19百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金を59億12百万円借入し、44億12百万円返済したこと、また配当金を4億45百万円支払ったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連製品事業 | 39,642 | △22.3 |
| 舶用・その他の製品事業 | 2,099 | △10.5 |
| 自動車関連軸受部品 | - | - |
| RV関連用品 | - | - |
| 報告セグメント計 | 41,741 | △21.8 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 41,741 | △21.8 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連製品事業 | 38,381 | △16.1 | 4,869 | △7.5 |
| 舶用・その他の製品事業 | 2,016 | △9.2 | 98 | △60.7 |
| 自動車関連軸受部品 | 2,295 | - | 329 | △6.5 |
| RV関連用品 | 1,179 | - | 223 | 15.7 |
| 報告セグメント計 | 43,873 | △8.6 | 5,520 | △8.9 |
| その他 | 783 | △85.3 | 201 | △29.2 |
| 合計 | 44,656 | △16.3 | 5,722 | △9.8 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車関連製品事業 | 38,773 | △18.1 |
| 舶用・その他の製品事業 | 2,168 | △3.5 |
| 自動車関連軸受部品 | 2,318 | △22.0 |
| RV関連用品 | 1,149 | 14.2 |
| 報告セグメント計 | 44,410 | △10.4 |
| その他 | 865 | △83.6 |
| 合計 | 45,276 | △17.5 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。
なお、本文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績
a. 全体
当連結会計年度において、当グループが関連し、その売上高の約9割を占める自動車業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による需要減少により、世界の自動車生産台数は大幅に減少しました。また、当年度後半においては、車載半導体の供給不足による影響も受け、全体として厳しい環境下での事業活動となりました。
このような状況の中、当グループは、昨年6月からスタートしました新体制のもと、機構改革や収益構造の見直し等を推しすすめ、需要変動にあわせた適正かつ柔軟な生産体制を構築するとともに、減産下であっても原価低減の進捗を図るため、実行性を重視した施策を展開してまいりました。
以上の結果、当グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は452億76百万円(前年同期比17.5%減)、営業損失は1億65百万円(前年同期は営業利益18億29百万円)、経常利益は3億55百万円(前年同期比80.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は8億13百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4億90百万円)となりました。
売上高及び営業利益の減少は、上半期を中心としたグローバルな自動車市場における生産台数の減少が主要因となっており、下半期において原価低減や固定費削減、業務効率化等に取り組み黒字化したものの、その落ち込みを補うことができなかったことによるものと考えております。また、経常利益については、雇用調整助成金の計上等により増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純損失については、新型コロナウイルスの影響による一時的な法人税等調整額の増加により減少しました。
b. セグメント
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(a) 自動車関連製品事業
当グループにおける当セグメントは全体の約9割の売上高を占めるものであり、当連結会計年度において前提となる市場条件や当連結会計年度における主な取り組み、当期の実績についての評価は、1)a.に記載のとおりとなっております。
当セグメントにおける当連結会計年度の売上高は387億73百万円(前年同期比18.1%減)、セグメント損失は24百万円(前年同期はセグメント利益24億87百万円)となりました。
(b) 舶用・その他の製品事業
当連結会計年度における当セグメントの売上高は21億68百万円(前年同期比3.5%減)、セグメント利益は1億37百万円(前年同期はセグメント損失2億13百万円)となりました。
当セグメントについては、舶用ピストンリングやメタモールド(金属粉末射出成形部品)等の非自動車向製品の売上高が中心となります。当連結会計年度の売上高は減少となりましたが、舶用ピストンリング製品の原価低減への取り組み等を通じた収益性の改善によりセグメント利益を計上しております。
(c) 自動車関連軸受部品
当連結会計年度における売上高は23億18百万円(前年同期比22.0%減)、セグメント利益は61百万円(前年同期はセグメント損失21百万円)となりました。
当セグメントは、購入製品と自社製品を組付けし自動車用補修部品として欧州周辺地域にて販売を行っております。
(d) RV関連用品
当連結会計年度における売上高は11億49百万円(前年同期比14.1%減)、セグメント利益は51百万円(前年同期はセグメント利益47百万円)となりました。
当セグメントは、米国及び欧州より仕入れた商品を国内にてキャンピング・カー用品として販売を行っております。
(e) その他
当連結会計年度における売上高は8億65百万円(前年同期比34.1%減)、セグメント利益は33百万円(前年同期はセグメント利益107百万円)となりました。
当セグメントは商品等の販売事業が中心となります。
2)財政状態
(連結財政状態) (単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減 | |
| 資産合計 | 63,608 | 61,809 | △1,799 |
| 負債合計 | 32,319 | 31,541 | △777 |
| 純資産合計 | 31,289 | 30,267 | △1,021 |
| 有利子負債 | 15,503 | 17,098 | 1,595 |
(資産)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ、17億99百万円減少し、618億9百万円となりました。これは主に、「有形固定資産」の減少17億86百万円、「たな卸資産」の減少14億86百万円、「受取手形及び売掛金」の減少8億65百万円、流動資産「その他」の減少3億93百万円に対し、「現金及び預金」の増加12億51百万円、「投資有価証券」の増加10億30百万円、「退職給付に係る資産」の増加6億94百万円等があったことによるものであります。
(負債)
負債におきましては、前連結会計年度末に比べ7億77百万円減少し、315億41百万円となりました。これは主に、「支払手形及び買掛金」の減少13億49百万円、流動負債「その他」の減少8億35百万円、「営業外電子記録債務」の減少7億89百万円、「電子記録債務」の減少4億20百万円、「退職給付に係る負債」の減少2億4百万円に対し、「有利子負債」の増加15億95百万円、「繰延税金負債」の増加11億44百万円等があったことによるものであります。
(純資産)
純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ10億21百万円減少し、302億67百万円となりました。これは主に、「利益剰余金」の減少12億74百万円、「為替換算調整勘定」の減少6億88百万円、自己株式の取得による減少3億76百万円に対し、「その他有価証券評価差額金」の増加7億18百万円、「退職給付に係る調整累計額」の増加4億84百万円等があったことによるものであります。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源の確保及び資金の流動性に係る状況
1)財務戦略の基本的な考え方
当グループは、強固な財務体質と高い資本効率を維持しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を45%程度に保ち、かつ格付投資情報センターの格付において「BBBフラット」の取得・維持を目指し、リスク体制の強化を図ってまいります。
2)経営資本の配分に関する考え方
当グループは、適正な手元現預金水準については売上高の約1ヶ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、業務計画に基づき必要とされる設備投資及び運転資金等の「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めてまいります。また、手元現預金、今後創出するフリーキャッシュ・フロー及び有利子負債の活用により創出された追加的に配分可能な経営資源については、将来の新規事業のための投資、継続的かつ安定した株主配当等のために活用する考えであります。
3)資金需要の主な内容
当グループの運転資金需要のうち主なものは、当グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用であります。当グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を締めております。また、当グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場及び海外工場での生産効率向上のための設備投資であります。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務健全性の維持と資本効率性の向上を両立させながら積極的に対応していく方針であります。
4)資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。当グループの運転資金及び設備投資資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じ金融機関からの借入れ等により、資金調達を実施しております。これらの借入金について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できると共に、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、さらに格付投資情報センターの格付けはBBBフラットとなっていることから、安定的かつ低コストでの資金調達が適時滞りなく実施可能と認識しております。加えて、主要通貨(ドル・ユーロ・円)によるグローバルコミットメントラインを設定しており、緊急時、突発的なリスク発生時のための流動性確保にも備えております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りや判断を行う必要がございます。これらの見積り及び判断を過去の実績や状況に応じ合理的に行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。