有価証券報告書-第83期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 12:48
【資料】
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【項目】
126項目

研究開発活動

当連結会計年度における当社及び連結子会社の研究開発費の総額は、1,044百万円であり、各事業の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
消防車輌事業におきましては、MFFシリーズとして、水槽付消防車とボディを共通にした軽化学消防車(MCX)を開発いたしました。薬液・水槽を合理的にレイアウトすることで、積載スペースを広く確保することができました。また、車輌周囲360°を映し出すアドバンスモニタについては、車輌状態表示をより見やすく改良するとともに、車輌状態表示と全周囲モニタが場面に応じて自動的に切り替わる機能、及び全周囲モニタ表示内容を録画できるドライブレコード機能を追加しました。また研究成果としては、既設防災設備のバックアップ用の消火装置として、動力(燃料)さえ確保できれば、大気から消火剤として利活用できる窒素を連続的に生産し継続注入できる当社グループの防消火システムが、信頼性と操作性及び安全性を重視した移動式窒素富化空気(NEA)防消火装置の実用化として評価され、平成27年度消防防災科学技術賞を受賞いたしました。さらに、NEA装置を装備した近未来型消防車をデザインコンセプトとした「Habot-mini(ハボット ミニ)」を世界最大級の消防防災展 INTERSCHUTZ2015 にて発表し、機能及びデザインが世界的なインダストリアルデザインとして高く評価され、平成28年2月には世界で最も権威のあるデザイン賞の一つである、iF DESIGN AWARD 2016 を受賞いたしました。
これら消防車輌事業にかかる研究開発費は、762百万円であります。
防災事業におきましては、消火器部門において、アルミ製蓄圧式消火器「アルテシモ」シリーズのメイン機種である10型(消火薬剤量3㎏)の新製品「アルテシモⅡ」を型式申請いたしました。(平成28年5月型式取得)。「アルテシモⅡ」は、「アルテシモ」よりも高さで20ミリ低く、総質量としては業界最軽量の3.9㎏を実現し、部品点数も業界最少としました。また、好評の半透明塗装キャンディレッドやユニバーサルデザインはそのままにコストパフォーマンスの向上を実現しました。設備部門においては、「平成27年度 消防防災科学技術研究推進制度」に「小規模な社会福祉施設等に適した簡易な自動消防設備の研究開発」というテーマで継続応募し採択され、この研究の成果として、スプリンクラー設備の設置が義務化された小規模福祉施設へ、スプリンクラー設備の代替設置が可能となるパッケージ型自動消火設備Ⅱ型の規格が整備されました。また、この規格を満たした当社グループ独自商品の「スプリネックス ミニ」を開発し型式を取得、本年4月より受注を開始いたしております。
これら防災事業にかかる研究開発費は、76百万円であります。
産業機械事業におきましては、切断機では、主力製品である「ギロチンプレス」「ニューギロ」の省エネ技術開発に取り組み、ランニングコストを大幅に削減する省エネ製品「ハイブリットギロチンプレス」及び「ニューエコギロ」のラインナップを拡充し納入いたしました。荷役設備においては、金属スクラップ等のリサイクル資源を海上輸送コンテナにスピーディに積載するコンテナローダー「アキュローダ」を市場投入し納入いたしました。また、選別システムにおいては、シュレッダ破砕物やギロチンダスト等からの有価物の回収市場に加え、ガラスカレットの選別市場へ製品を投入いたしました。さらに、廃電線から高純度の銅を回収する「シンクロ ミル」シリーズの販売を開始いたしました。これら選別装置については細かなニーズに応えるべく、引き続き機種拡充を図ってまいります。
これら産業機械事業にかかる研究開発費は、64百万円であります。
環境車輌事業におきましては、塵芥車において、前年度に販売を開始した小型回転ダンプ式塵芥車「パックマスター」のシリーズ展開に取り組みました。小型ワイド車6m3級及び中型車8m3級をラインナップに加え、平成27年11月より販売を開始いたしました。中型車においても小型回転ダンプ式塵芥車の特徴を継承するとともに、ハイマウントリアパネルを可動式にすることで、メンテナンスの容易化を図り、さらなる作業性の向上を実現いたしました。また、前年度から開発に取り組んでおりました回転式電動塵芥車を平成27年9月より販売を開始いたしました。電動モーター駆動時における作業時間の延長及び駆動の切り替え方式、低騒音化など、これまでに培った制御技術や架装技術により利便性の向上を実現いたしました。
これら環境車輌事業にかかる研究開発費は、141百万円であります。