有価証券報告書-第58期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 9:23
【資料】
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【項目】
142項目

研究開発活動

当社の研究開発活動は、従来より市場開発型企業の特性を活かし、消費者の食品嗜好の多様化など市場ニーズに対応すべく、食品の基礎研究および食品加工技術開発の両面から日常的に研究開発を重ね、当該技術を市場に提供していることに加え、今後さらに環境に配慮した生産技術を開発すべく鋭意努力しております。
当連結会計年度における研究開発費は、738百万円となっており、主な活動の状況は以下のとおりであります。
[食品加工機械製造販売事業]
食品成形機および製パンライン等の構成機械とラインシステムの研究開発、ならびにこれら機械システムを用いて生産される食品の研究開発を行っております。
食品成形機においては、海外向け火星人シリーズで、仕向け地に合わせた安全衛生規格、サニタリー性向上、異物混入対策、IoT化などの顧客ニーズに対応する用途拡大研究を進めています。アジアにおいては、中華まん市場に向け、従来機と生地流れを変え、より品質を向上させた「中華まん専用火星人 AN410型」を発売いたしました。また、分割生地からの包あん装置FEシリーズでは、スペース最小化とサニタリー性を向上させた「コンパクトFN(FN011型)」と「生地玉延展装置ミニゲージ(FR001型)」を標準登録いたしました。その他、最中、サブレー、マカロンなどの様々なサンド成形菓子の生産を自動化した「マルチサンドライン」の販売も昨年から順調に増加しており、フィリングポンプ機構の改良により、吐出時の計量精度が高くなり、品質向上が図れました。また、周辺機器においては、食品安全性の高まりに合わせ、衛生面を考慮した「水洗い対応セットパンナー(KP312型)」を標準登録いたしました。
製パンライン等においては、高品質なブレッドの分割に活用されているツインデバイダーのリニューアルを行いました。欧米向けの「ツインデバイダー1000(VX222型)」、国内アジア向け「ツインデバイダー300(VX221型)」では、お客様の要望に応え、吐出幅可変や操作性、整備性向上、掃除容易化を取り入れた性能向上を図り、それぞれ販売を開始しました。また、欧州向け大型のV4バケット生産ラインでは、従来のストレスフリーシステムにサニタリー性を向上させて、順調に販売を伸ばしております。米国向けには、メロンパンに似たメキシコ菓子パン‘コンチャ’の自動生産ラインなどを確立し販売いたしました。
[食品製造販売事業]
当社グループのオレンジベーカリーにて開発した新製品を、現地の市場で販売することを通じて顧客ニーズの調査・研究を行い、より市場に求められる製品の開発と、それらを生産するための食品加工機械の開発に役立てています。また、新しい天然酵母パン種の研究、天然酵母パン種の活用方法を拡大するための応用化研究を㈲ホシノ天然酵母パン種にて日々行っております。
研究開発活動の成果として、当連結会計年度に新たに取得した特許件数は、国内10件、海外60件の計70件となり、当連結会計年度末日現在の総保有特許は、国内153件、海外442件の合計595件を有するに至っております。