有価証券報告書-第61期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは 1.社会に存在価値ある会社 2.会社に存在価値ある部門 3.部門に存在価値ある個人 4.向上の矢印で確実な前進 を経営理念としております。この理念のもと、事業計画を策定し、各セグメントがその年度計画を達成することにより、一歩一歩、確実に前進して行くことを基本方針としております。
同時に、お客様のニーズを的確に捉えた製商品と行き届いたサービスの提供という活動を地道に進めていくことを通じて、社員は育ち、会社は発展し、社会にも貢献できることを使命と考えています。
以上の経営方針に沿って事業を推進していくために、当社グループは以下の3つのセグメントにより事業計画を推進・管理しています。
① 国内
当社の国内事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では69.2%を占め、主に圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメント並びに環境関連機器等の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラー、建機ディーラー、レンタル会社、エンドユーザーです。
② 海外
当社の海外事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では16.6%を占め、主に油圧ブレーカ及び圧砕機等の建機アタッチメントの販売、メンテナンスサポートを行っています。主要な顧客は各地域の建機ディーラー等の提携販売代理店やレンタル会社です。
③ 南星
子会社の株式会社南星機械に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では14.2%を占め、主に林業機械や金属リサイクル機械の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラーや機械ディーラー、エンドユーザーです。また、ゼネコン向けの請負事業としてダム建設工事等の運搬設備であるケーブルクレーンの設計・施工・運用管理を行っています。
(2)マーケット環境と各セグメントの状況
① 国内
当社国内の主力商製品である圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメントは、油圧ショベルの先端に装着し、ビル、マンション、公共建物等のコンクリート建造物の解体工事や砕石・土木工事、建築廃材再利用のための分別処理等に使用されています。
コンクリート建造物は建築後、数十年経過すると劣化が進んできます。そのため、大規模地震等の自然災害発生に対する安全対策上からも劣化が進んだ建物は解体・建て替えの対象となってきます。わが国では戦後の高度成長期以降に建てられたコンクリート建造物が順次解体対象に入ってきており、茲許の都市再開発の動きやインフラ再整備の必要性からも国内での建機アタッチメント需要は今後も堅調に推移するものと思われます。
特に、解体用建機アタッチメントは解体現場で厳しい使用環境にさらされており、摩耗・損傷が常時発生する中で、当社は自社でメンテナンス部門を持ち、販売後のアフターサービス体制を整備していることで、同業他社メーカーと差別化を図っております。加えて、より強度が求められる大割機や鉄骨カッターは鋳鋼製品とする等、製品強度面・品質面でも優位性を追求しており、圧砕機販売シェアは約4割と国内トップシェアを維持しております。また、土木工事、砕石、建物解体等の幅広い用途で汎用性の高い油圧ブレーカ、木造解体や復興処理等で使用され最近需要が高まっているつかみ機等、幅広い建機アタッチメントを取り揃え幅広い需要に対応しています。
一方、当社は木材のチップ製造や産廃処理等に使用される木材破砕機をはじめとする環境関連機器も取り扱っており、木質バイオマス発電業者やリサイクル業者向けの安定した需要を見込んでおります。
<国内セグメント売上高>(単位:百万円)
② 海外
海外では販売の約8割が汎用性の高い油圧ブレーカとなっており、土木工事、砕石、建物解体等で幅広く使用されています。当社の海外販売は、北米地域はOkadaAmerica,Inc.、欧州地域はOkada Europa,inc.、またそれ以外の地域は、当社海外事業所が担当しております。
主力の油圧ブレーカに関しては、オカダブランドの信頼の品質と品揃え、販売代理店への安定した部品供給や修理指導等のサポート体制によりシェア獲得に注力しております。当社海外販売額の約7割を占める米国でのシェアは推定5~6%程度、世界でのシェアは推定2~3%程度と海外進出においては後発の当社にとってはまだまだ開拓余力が大きく、最大マーケットの欧州や成長の見込まれるアジアを中心に今後の伸びしろに期待できます。また、圧砕機に関しては、日本国内と比較すると欧州以外では未成熟のマーケットであり、メンテナンス負担の少ない海外専用モデルや各地域のニーズに合わせた新商品の投入等により市場開拓、市場育成を図っております。
<海外セグメント売上高>(単位:百万円)
③ 南星
子会社の株式会社南星機械が製造販売する林業機械は、主に油圧ショベルの先端に装着され木材の伐採や集材に活用されます。国内の林業マーケットは戦後の輸入木材の急増に伴い、一時期は木材自給率の低下が続いていましたが、茲許は官民挙げての森林再生、林業再生への取組みや木質バイオマスのエネルギー利用等による国産材の需要拡大を背景に自給率は上昇しております。その一端を支えているのが、林業の機械化であり、今後も林業機械には一定の需要の増加が期待できると考えております。
林業機械の国内推定シェアは約2割程度とみておりますが、株式会社南星機械がオカダアイヨングループ入りしたことにより、販売面での連携強化や安定した部品供給・メンテナンス等のアフターサービス体制の充実、ユーザー目線の商品改良・商品ラインアップの見直し等の施策を進め、業界での評判・シェア向上を図っております。
また、金属リサイクル機械に関しては、油圧ショベルに装着するアタッチメントであるスクラップグラップルが中心ですが、その他にスクラップ工場内で活用される大型の定置式スクラップローダは安定受注が見込まれる一方で、納期待ちの状態が続いているため、納期短縮のための生産体制見直しにより供給体制を整備して対応を図っております。
主にダム建設や山間部における運搬設備であり国内で約5割のシェアを有するケーブルクレーンに関しても、茲許再生可能エネルギーとして再見直しされている水力発電所のリニューアル工事の引き合いが多く、当面は安定した受注が見込まれると考えております。
<南星セグメント売上高>(単位:百万円)
(3)経営戦略
当社グループは、更なる成長と企業価値向上を目指し、2020年度を最終年度とする6ケ年の中長期経営計画
「アーチ2020作戦」を展開し計画達成に向けて「稼ぐ力」の増強を図っております。本年度はその最終年度として、
引き続き、計画の達成に尽力するとともに、更なる持続的成長に向けた経営基盤の強化に向けて以下の経営戦略の基本方針に沿って企画・推進していく所存です。
① 人事戦略
当社グループのビジネスは、商製品の開発・製造・販売・メンテナンスに亘るバリューチェーン全体を通して
社員個々人の経験やスキル・技術に依存する部分が大きいため、個人の能力アップと組織としてのチーム力を高
めていくことが経営計画を遂行していくうえで最も重要な要素の一つです。
そのために、社員が当社グループの経営理念や価値観を共有したうえで、個人尊重・自由闊達な社風のもと、「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」職場環境づくりをしていくことが肝要であり、以下に掲げる種々の施策を検討・実施していきたいと考えております。
a.研修・キャリアサポートの充実
b.適時適材を確保する通年採用の実施
c.評価・報酬制度、利益分配制度の見直し・充実
d.分権化や企業慣習の見直しによる実質的な業務権限委譲の推進
e.働き方改革への取組み
・残業時間削減に寄与する合理化・省力化への取組み
・「同一労働・同一賃金」及び原則正社員化への取組み
・70歳迄雇用確保の制度化
f.現場での慰労制度などのモチベーションアップ施策拡充
g.社員への経営情報開示(見える化)の推進
② マーケット戦略
上記(2)マーケット環境と各セグメントの状況を念頭に置き、以下のマーケット戦略を進めていきます。
a.国内戦略 ・・・ 開発~製造~販売~メンテナンスに亘る各バリューチェーンの強化
国内では中長期的に堅調と見られる社会インフラ、環境需要に対応し、
・ユーザーニーズを先取りしたプロアクティブな商品開発、とりわけ安全性・効率性に資する商品開発
・安定的な部材調達力と生産体制の構築
・営業・メンテナンス対応力を強化すべく各営業拠点及び付随する修理工場の順次建替え、拡張
等を進めています。尚、営業拠点に関しては当連結会計年度中に四国営業所の移転新設(2019年11月)を行
い、2020年10月には(現)横浜営業所の(新)湘南営業所への移転新設を予定しております。
b.海外戦略 ・・・ 北米・欧州・アジアの3極体制の確立
海外では、海外部門の柱である米国現地法人に加えて、最大市場の欧州(オランダ)の現地法人化(2020年1月)、今後の伸びが期待できる東南アジアの試金石となるタイへの拠点設置(2019年6月駐在員事務所設置)により3拠点体制を強化してまいりました。今後も特に、
・拠点進出した欧州、東南アジアでの人員体制強化
・海外向け戦略商品の投入による品揃えの充実
・海外生産やOEM提携等
等を幅広く検討し、日本品質で品揃えや価格面でも国内外の競合他社と競争で勝てる商品、販売・アフターサポート体制づくりを目指してまいります。
c.南星戦略 ・・・ オカダ・南星のシナジー効果の実現化
南星では、オカダ・南星両社の強みを生かした販売・製造両面での協業に加えて、
・ユーザーニーズに対応した商品ラインアップの見直し
・強みである金属スクラップ用機械の生産体制の強化
・同じく強みであるケーブルクレーン事業の人員体制の強化
・製造工場の原価管理や生産性向上への取組
等により、生産・利益両面での改善を図り統合効果を実現してまいります。
d.新規事業戦略
・既存事業への新技術導入
新解体工法やAI・IOT等の新技術に対応、応用した解体アタッチメントや林業・スクラップ機械の研
究開発を進めていき、新工法・新技術による既存事業領域の拡大を検討していきます。
・M&A、資本提携による事業領域の拡大
当社グループの強みを生かした事業領域の拡大を図るため、当社と価値観を共有できること、人材の強化に寄与すること、ニッチ市場においてトップシェア獲得を期待できること等を目線にして、M&A、資本提携も前向きに検討していきたいと考えております。
③ 経営基盤強化
中長期的な持続的成長を支える経営基盤づくりとして、以下の施策を進めていきます。
a.統合基幹システムの導入
当社国内グループ会社共通の統合基幹システムの新規導入を進め、グループ連携を強化するとともに、業務の効率化・標準化、情報の一元化、意思決定の迅速化、内部統制システムの強化、BCP・セキュリティ対策の強化を図ります。
b.コーポレートガバナンスの強化
以下のコーポレートガバナンスの強化策を実施いたしました。
・取締役会
2020年5月に外部機関のサポートによる取締役会実効性評価を実施いたしました。今後はこの結果を活用し、取締役会の更なる活性化を図ります。
・社外取締役
2020年6月18日開催の定時株主総会で女性社外取締役1名を選任し、ジェンダーダイバシティーを確保す
るとともに、社外取締役比率を1/3以上といたしました。
・役員の指名報酬
2020年6月に任意の指名報酬委員会を設置いたしました。社内役員を対象として、指名報酬の客観性・透
明性を図ってまいります。
・株主総会の議決権行使
2020年6月18日開催の株主総会より、株主の皆さまに円滑に議決権を行使頂けるよう議決権の電子行使化
を導入いたしました。
・投資家との対話
IR担当チームを設置いたしました。今後、投資家の皆様との円滑で双方向の対話に向けた体制強
化を図ります。
c.SDGs(持続可能な開発目標)への取組み
当社グループは、これまで事業を通じて当社の経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現を目指し
てまいりました。今後も、SDGsの趣旨に則り、特に以下の商製品の性能・品質やアフターサービスの向
上に努め、ユーザーの皆様に安心してご使用して頂くことで環境保全や国土のレジリエンスの一助となり、機械メーカーとしての存在価値を高めていきたいと考えております。
・都市におけるリサイクルシステムを支える解体・リサイクル事業用機械
当社グループが開発、提供する解体用建機、リサイクル事業用機械は、環境に配慮した建物解体、解体廃
材の分別処理、リサイクルによる資源の再利用という都市におけるリサイクルシステムを支える機械とし
て環境保護と廃棄物の削減に寄与しています。
SDGs [目標11.住み続けられるまちづくりを] [目標12.つくる責任 つかう責任]
・国内の山地・森林の資源の有効活用に貢献する林業機械
当社グループが開発、提供する林業機械は、国内の林業作業の効率化ひいては林業経営の再生に寄与し、森林の回復に貢献しています。また、木材破砕機やケーブルクレーンは豊かな森林資源や水資源を有効に
活用した再生可能エネルギーの普及に関わっています。
尚、当社グループでは再生エネルギーの普及に貢献する活動の一部として、2020年1月より国内のグル
ープ全拠点において木質バイオマス発電所の電気を使用しております。
SDGs [目標15.陸の豊かさも守ろう] [目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに]
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営指標につきましては、事業の成長性をはかる売上高伸び率、事業の収益性をはかる売上高営
業利益率、事業の資本生産性をはかる自己資本利益率(ROE)の3つの指標を重視し、中長期経営計画「アーチ
2020作戦」では、売上高伸び率(平均)10%以上、売上高営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標値としております。当連結会計年度における売上高伸び率は0.5%(前年同期実績16.0%)、売上高営業利益率は7.6%(前年同期実績8.5%)、自己資本利益率(ROE)は8.5%(前年同期実績10.2%)でした。引き続きこれらの指標について、改善及び比率上昇を目指し取り組んでいき更なる企業価値の増大に努めてまいります。
(5)経営環境と対処すべき課題
当社グループは、都市再生、森林再生、金属リサイクル等に寄与するモノづくりを行い、環境・再生・リサイク
ルという社会課題の解決に関わっています。そして、開発・製造から販売・メンテナンスまで一気通貫で対応できる機械メーカーとしての強みを生かし、お客様のニーズに常に寄り添った商品・サービスを提供してきた結果、当連結会計年度まで、10期連続の増収、10期連続の増配を積み重ねてくることができました。しかしながら翌連結会計年度の見通しにつきましては、国内外の政治リスクや地政学リスク等の懸念材料に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国内外の経済活動が著しく制限されることにより、当業界全体においても相当な影響が予想されます。一方では、国土強靭化計画に基づく全国各地の老朽インフラの再整備、大都市圏を中心とした都市再開発、災害復興工事や耐震・防災構造への建替え、資源再利用のためのリサイクル、森林・林業再生プランに基づく林業機械化等、国土のレジリエンスに貢献する幅広い分野での需要が、引き続き期待できるものと思われます。
このような環境のもと、当社グループは、従業員及び関係する皆様方の安全を最優先とし、行政の指導に従いながら新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めつつ、顧客需要に対応した安定的な商品供給とアフターサービスに心がけ社会的責任を果たしてまいります。さらには、コロナ影響の長期化と収束後の需要回復も念頭に置きながら、6ケ年の中長期経営計画「アーチ2020作戦」の最終年度として、お客様ニーズに真摯に向き合うとともに社内体制の整備を図り、この難局に対処していく所存です。
まず、全社的にコストと在庫のスリム化を最優先に進めながら、国内事業においては、工場の生産性向上や協力会社との連携強化による生産体制の強化、安全性・効率性を重視したユーザー目線の商品開発、営業所・整備工場の設備増強を生かした販売・メンテナンス体制の強化を図ってまいります。海外事業では拠点進出した欧州、東南アジアでの人員強化を進めるとともに、海外生産・OEM等も幅広く検討し、日本品質で品揃えや価格面でも国内外の競合先と戦える海外向け戦略商品を投入し、米欧亜の3極体制強化を図ってまいります。また、南星事業では、当社との連携・協力強化策に加えて、主力製品の性能・品質の改善、工場の生産性向上、原価管理の徹底等により生産・利益両面での改善を図ってまいります。
一方、経営基盤面では、新基幹システムの導入による効率化・合理化と意思決定の迅速化、コーポレートガバナンス体制の強化、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み等に加え、就中、業績の担い手である従業員が「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社づくりを目指して、働き方改革を含む人事戦略を最重要課題として取り組む所存です。そのうえで、グループ一丸となってこの難局を乗り越え、持続的な成長と企業価値向上に向けた体制づくりを図ってまいります。
(1)経営方針
当社グループは 1.社会に存在価値ある会社 2.会社に存在価値ある部門 3.部門に存在価値ある個人 4.向上の矢印で確実な前進 を経営理念としております。この理念のもと、事業計画を策定し、各セグメントがその年度計画を達成することにより、一歩一歩、確実に前進して行くことを基本方針としております。
同時に、お客様のニーズを的確に捉えた製商品と行き届いたサービスの提供という活動を地道に進めていくことを通じて、社員は育ち、会社は発展し、社会にも貢献できることを使命と考えています。
以上の経営方針に沿って事業を推進していくために、当社グループは以下の3つのセグメントにより事業計画を推進・管理しています。
① 国内
当社の国内事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では69.2%を占め、主に圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメント並びに環境関連機器等の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラー、建機ディーラー、レンタル会社、エンドユーザーです。
② 海外
当社の海外事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では16.6%を占め、主に油圧ブレーカ及び圧砕機等の建機アタッチメントの販売、メンテナンスサポートを行っています。主要な顧客は各地域の建機ディーラー等の提携販売代理店やレンタル会社です。
③ 南星
子会社の株式会社南星機械に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では14.2%を占め、主に林業機械や金属リサイクル機械の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラーや機械ディーラー、エンドユーザーです。また、ゼネコン向けの請負事業としてダム建設工事等の運搬設備であるケーブルクレーンの設計・施工・運用管理を行っています。
(2)マーケット環境と各セグメントの状況
① 国内
当社国内の主力商製品である圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメントは、油圧ショベルの先端に装着し、ビル、マンション、公共建物等のコンクリート建造物の解体工事や砕石・土木工事、建築廃材再利用のための分別処理等に使用されています。
コンクリート建造物は建築後、数十年経過すると劣化が進んできます。そのため、大規模地震等の自然災害発生に対する安全対策上からも劣化が進んだ建物は解体・建て替えの対象となってきます。わが国では戦後の高度成長期以降に建てられたコンクリート建造物が順次解体対象に入ってきており、茲許の都市再開発の動きやインフラ再整備の必要性からも国内での建機アタッチメント需要は今後も堅調に推移するものと思われます。
特に、解体用建機アタッチメントは解体現場で厳しい使用環境にさらされており、摩耗・損傷が常時発生する中で、当社は自社でメンテナンス部門を持ち、販売後のアフターサービス体制を整備していることで、同業他社メーカーと差別化を図っております。加えて、より強度が求められる大割機や鉄骨カッターは鋳鋼製品とする等、製品強度面・品質面でも優位性を追求しており、圧砕機販売シェアは約4割と国内トップシェアを維持しております。また、土木工事、砕石、建物解体等の幅広い用途で汎用性の高い油圧ブレーカ、木造解体や復興処理等で使用され最近需要が高まっているつかみ機等、幅広い建機アタッチメントを取り揃え幅広い需要に対応しています。
一方、当社は木材のチップ製造や産廃処理等に使用される木材破砕機をはじめとする環境関連機器も取り扱っており、木質バイオマス発電業者やリサイクル業者向けの安定した需要を見込んでおります。
<国内セグメント売上高>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 圧砕機 | 6,309 | 6,055 |
| 油圧ブレーカ | 838 | 870 |
| 環境関連機器 | 1,402 | 1,549 |
| つかみ機 | 591 | 890 |
| 補材・修理 | 2,018 | 2,164 |
| その他 | 838 | 890 |
| 合計 | 11,996 | 12,418 |
② 海外
海外では販売の約8割が汎用性の高い油圧ブレーカとなっており、土木工事、砕石、建物解体等で幅広く使用されています。当社の海外販売は、北米地域はOkadaAmerica,Inc.、欧州地域はOkada Europa,inc.、またそれ以外の地域は、当社海外事業所が担当しております。
主力の油圧ブレーカに関しては、オカダブランドの信頼の品質と品揃え、販売代理店への安定した部品供給や修理指導等のサポート体制によりシェア獲得に注力しております。当社海外販売額の約7割を占める米国でのシェアは推定5~6%程度、世界でのシェアは推定2~3%程度と海外進出においては後発の当社にとってはまだまだ開拓余力が大きく、最大マーケットの欧州や成長の見込まれるアジアを中心に今後の伸びしろに期待できます。また、圧砕機に関しては、日本国内と比較すると欧州以外では未成熟のマーケットであり、メンテナンス負担の少ない海外専用モデルや各地域のニーズに合わせた新商品の投入等により市場開拓、市場育成を図っております。
<海外セグメント売上高>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 北米 | 2,072 | 2,153 |
| アジア | 635 | 411 |
| 欧州 | 294 | 361 |
| その他 | 60 | 58 |
| 合計 | 3,061 | 2,985 |
③ 南星
子会社の株式会社南星機械が製造販売する林業機械は、主に油圧ショベルの先端に装着され木材の伐採や集材に活用されます。国内の林業マーケットは戦後の輸入木材の急増に伴い、一時期は木材自給率の低下が続いていましたが、茲許は官民挙げての森林再生、林業再生への取組みや木質バイオマスのエネルギー利用等による国産材の需要拡大を背景に自給率は上昇しております。その一端を支えているのが、林業の機械化であり、今後も林業機械には一定の需要の増加が期待できると考えております。
林業機械の国内推定シェアは約2割程度とみておりますが、株式会社南星機械がオカダアイヨングループ入りしたことにより、販売面での連携強化や安定した部品供給・メンテナンス等のアフターサービス体制の充実、ユーザー目線の商品改良・商品ラインアップの見直し等の施策を進め、業界での評判・シェア向上を図っております。
また、金属リサイクル機械に関しては、油圧ショベルに装着するアタッチメントであるスクラップグラップルが中心ですが、その他にスクラップ工場内で活用される大型の定置式スクラップローダは安定受注が見込まれる一方で、納期待ちの状態が続いているため、納期短縮のための生産体制見直しにより供給体制を整備して対応を図っております。
主にダム建設や山間部における運搬設備であり国内で約5割のシェアを有するケーブルクレーンに関しても、茲許再生可能エネルギーとして再見直しされている水力発電所のリニューアル工事の引き合いが多く、当面は安定した受注が見込まれると考えております。
<南星セグメント売上高>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 林業機械 | 922 | 778 |
| 金属リサイクル機械 | 387 | 414 |
| ケーブルクレーン | 756 | 693 |
| 舶用クレーン | 230 | 206 |
| 商事部門・その他 | 513 | 463 |
| 合計 | 2,808 | 2,554 |
(3)経営戦略
当社グループは、更なる成長と企業価値向上を目指し、2020年度を最終年度とする6ケ年の中長期経営計画
「アーチ2020作戦」を展開し計画達成に向けて「稼ぐ力」の増強を図っております。本年度はその最終年度として、
引き続き、計画の達成に尽力するとともに、更なる持続的成長に向けた経営基盤の強化に向けて以下の経営戦略の基本方針に沿って企画・推進していく所存です。
① 人事戦略
当社グループのビジネスは、商製品の開発・製造・販売・メンテナンスに亘るバリューチェーン全体を通して
社員個々人の経験やスキル・技術に依存する部分が大きいため、個人の能力アップと組織としてのチーム力を高
めていくことが経営計画を遂行していくうえで最も重要な要素の一つです。
そのために、社員が当社グループの経営理念や価値観を共有したうえで、個人尊重・自由闊達な社風のもと、「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」職場環境づくりをしていくことが肝要であり、以下に掲げる種々の施策を検討・実施していきたいと考えております。
a.研修・キャリアサポートの充実
b.適時適材を確保する通年採用の実施
c.評価・報酬制度、利益分配制度の見直し・充実
d.分権化や企業慣習の見直しによる実質的な業務権限委譲の推進
e.働き方改革への取組み
・残業時間削減に寄与する合理化・省力化への取組み
・「同一労働・同一賃金」及び原則正社員化への取組み
・70歳迄雇用確保の制度化
f.現場での慰労制度などのモチベーションアップ施策拡充
g.社員への経営情報開示(見える化)の推進
② マーケット戦略
上記(2)マーケット環境と各セグメントの状況を念頭に置き、以下のマーケット戦略を進めていきます。
a.国内戦略 ・・・ 開発~製造~販売~メンテナンスに亘る各バリューチェーンの強化
国内では中長期的に堅調と見られる社会インフラ、環境需要に対応し、
・ユーザーニーズを先取りしたプロアクティブな商品開発、とりわけ安全性・効率性に資する商品開発
・安定的な部材調達力と生産体制の構築
・営業・メンテナンス対応力を強化すべく各営業拠点及び付随する修理工場の順次建替え、拡張
等を進めています。尚、営業拠点に関しては当連結会計年度中に四国営業所の移転新設(2019年11月)を行
い、2020年10月には(現)横浜営業所の(新)湘南営業所への移転新設を予定しております。
b.海外戦略 ・・・ 北米・欧州・アジアの3極体制の確立
海外では、海外部門の柱である米国現地法人に加えて、最大市場の欧州(オランダ)の現地法人化(2020年1月)、今後の伸びが期待できる東南アジアの試金石となるタイへの拠点設置(2019年6月駐在員事務所設置)により3拠点体制を強化してまいりました。今後も特に、
・拠点進出した欧州、東南アジアでの人員体制強化
・海外向け戦略商品の投入による品揃えの充実
・海外生産やOEM提携等
等を幅広く検討し、日本品質で品揃えや価格面でも国内外の競合他社と競争で勝てる商品、販売・アフターサポート体制づくりを目指してまいります。
c.南星戦略 ・・・ オカダ・南星のシナジー効果の実現化
南星では、オカダ・南星両社の強みを生かした販売・製造両面での協業に加えて、
・ユーザーニーズに対応した商品ラインアップの見直し
・強みである金属スクラップ用機械の生産体制の強化
・同じく強みであるケーブルクレーン事業の人員体制の強化
・製造工場の原価管理や生産性向上への取組
等により、生産・利益両面での改善を図り統合効果を実現してまいります。
d.新規事業戦略
・既存事業への新技術導入
新解体工法やAI・IOT等の新技術に対応、応用した解体アタッチメントや林業・スクラップ機械の研
究開発を進めていき、新工法・新技術による既存事業領域の拡大を検討していきます。
・M&A、資本提携による事業領域の拡大
当社グループの強みを生かした事業領域の拡大を図るため、当社と価値観を共有できること、人材の強化に寄与すること、ニッチ市場においてトップシェア獲得を期待できること等を目線にして、M&A、資本提携も前向きに検討していきたいと考えております。
③ 経営基盤強化
中長期的な持続的成長を支える経営基盤づくりとして、以下の施策を進めていきます。
a.統合基幹システムの導入
当社国内グループ会社共通の統合基幹システムの新規導入を進め、グループ連携を強化するとともに、業務の効率化・標準化、情報の一元化、意思決定の迅速化、内部統制システムの強化、BCP・セキュリティ対策の強化を図ります。
b.コーポレートガバナンスの強化
以下のコーポレートガバナンスの強化策を実施いたしました。
・取締役会
2020年5月に外部機関のサポートによる取締役会実効性評価を実施いたしました。今後はこの結果を活用し、取締役会の更なる活性化を図ります。
・社外取締役
2020年6月18日開催の定時株主総会で女性社外取締役1名を選任し、ジェンダーダイバシティーを確保す
るとともに、社外取締役比率を1/3以上といたしました。
・役員の指名報酬
2020年6月に任意の指名報酬委員会を設置いたしました。社内役員を対象として、指名報酬の客観性・透
明性を図ってまいります。
・株主総会の議決権行使
2020年6月18日開催の株主総会より、株主の皆さまに円滑に議決権を行使頂けるよう議決権の電子行使化
を導入いたしました。
・投資家との対話
IR担当チームを設置いたしました。今後、投資家の皆様との円滑で双方向の対話に向けた体制強
化を図ります。
c.SDGs(持続可能な開発目標)への取組み
当社グループは、これまで事業を通じて当社の経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現を目指し
てまいりました。今後も、SDGsの趣旨に則り、特に以下の商製品の性能・品質やアフターサービスの向
上に努め、ユーザーの皆様に安心してご使用して頂くことで環境保全や国土のレジリエンスの一助となり、機械メーカーとしての存在価値を高めていきたいと考えております。
・都市におけるリサイクルシステムを支える解体・リサイクル事業用機械
当社グループが開発、提供する解体用建機、リサイクル事業用機械は、環境に配慮した建物解体、解体廃
材の分別処理、リサイクルによる資源の再利用という都市におけるリサイクルシステムを支える機械とし
て環境保護と廃棄物の削減に寄与しています。
SDGs [目標11.住み続けられるまちづくりを] [目標12.つくる責任 つかう責任]
・国内の山地・森林の資源の有効活用に貢献する林業機械
当社グループが開発、提供する林業機械は、国内の林業作業の効率化ひいては林業経営の再生に寄与し、森林の回復に貢献しています。また、木材破砕機やケーブルクレーンは豊かな森林資源や水資源を有効に
活用した再生可能エネルギーの普及に関わっています。
尚、当社グループでは再生エネルギーの普及に貢献する活動の一部として、2020年1月より国内のグル
ープ全拠点において木質バイオマス発電所の電気を使用しております。
SDGs [目標15.陸の豊かさも守ろう] [目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに]
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営指標につきましては、事業の成長性をはかる売上高伸び率、事業の収益性をはかる売上高営
業利益率、事業の資本生産性をはかる自己資本利益率(ROE)の3つの指標を重視し、中長期経営計画「アーチ
2020作戦」では、売上高伸び率(平均)10%以上、売上高営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標値としております。当連結会計年度における売上高伸び率は0.5%(前年同期実績16.0%)、売上高営業利益率は7.6%(前年同期実績8.5%)、自己資本利益率(ROE)は8.5%(前年同期実績10.2%)でした。引き続きこれらの指標について、改善及び比率上昇を目指し取り組んでいき更なる企業価値の増大に努めてまいります。
(5)経営環境と対処すべき課題
当社グループは、都市再生、森林再生、金属リサイクル等に寄与するモノづくりを行い、環境・再生・リサイク
ルという社会課題の解決に関わっています。そして、開発・製造から販売・メンテナンスまで一気通貫で対応できる機械メーカーとしての強みを生かし、お客様のニーズに常に寄り添った商品・サービスを提供してきた結果、当連結会計年度まで、10期連続の増収、10期連続の増配を積み重ねてくることができました。しかしながら翌連結会計年度の見通しにつきましては、国内外の政治リスクや地政学リスク等の懸念材料に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国内外の経済活動が著しく制限されることにより、当業界全体においても相当な影響が予想されます。一方では、国土強靭化計画に基づく全国各地の老朽インフラの再整備、大都市圏を中心とした都市再開発、災害復興工事や耐震・防災構造への建替え、資源再利用のためのリサイクル、森林・林業再生プランに基づく林業機械化等、国土のレジリエンスに貢献する幅広い分野での需要が、引き続き期待できるものと思われます。
このような環境のもと、当社グループは、従業員及び関係する皆様方の安全を最優先とし、行政の指導に従いながら新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めつつ、顧客需要に対応した安定的な商品供給とアフターサービスに心がけ社会的責任を果たしてまいります。さらには、コロナ影響の長期化と収束後の需要回復も念頭に置きながら、6ケ年の中長期経営計画「アーチ2020作戦」の最終年度として、お客様ニーズに真摯に向き合うとともに社内体制の整備を図り、この難局に対処していく所存です。
まず、全社的にコストと在庫のスリム化を最優先に進めながら、国内事業においては、工場の生産性向上や協力会社との連携強化による生産体制の強化、安全性・効率性を重視したユーザー目線の商品開発、営業所・整備工場の設備増強を生かした販売・メンテナンス体制の強化を図ってまいります。海外事業では拠点進出した欧州、東南アジアでの人員強化を進めるとともに、海外生産・OEM等も幅広く検討し、日本品質で品揃えや価格面でも国内外の競合先と戦える海外向け戦略商品を投入し、米欧亜の3極体制強化を図ってまいります。また、南星事業では、当社との連携・協力強化策に加えて、主力製品の性能・品質の改善、工場の生産性向上、原価管理の徹底等により生産・利益両面での改善を図ってまいります。
一方、経営基盤面では、新基幹システムの導入による効率化・合理化と意思決定の迅速化、コーポレートガバナンス体制の強化、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み等に加え、就中、業績の担い手である従業員が「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社づくりを目指して、働き方改革を含む人事戦略を最重要課題として取り組む所存です。そのうえで、グループ一丸となってこの難局を乗り越え、持続的な成長と企業価値向上に向けた体制づくりを図ってまいります。