有価証券報告書-第64期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/09/30 9:22
【資料】
PDFをみる
【項目】
142項目

研究開発活動

当社グループは、独自の温度・圧力・真空・動作の制御技術をベースに先端技術との融合を図りながら、顧客ニーズに応えるべく、独創的で高性能・高品質な製品の開発を行っております。
近年、AI・自動運転・IoTといった新たな技術によるビジネスの成長が見込まれており、電気・電子機器に要求される高速通信・小型化・信頼性向上の開発が行われております。また省エネルギー・環境問題への対策として、自動車の燃費向上とエネルギー転換が重要な課題となっており、軽量化・新素材の開発が盛んに行われております。
当社の研究開発活動は、電気・電子機器分野において、主力とするプリント配線板製造装置の他に特殊用途用成形装置の開発にも積極的に取り組み、高く評価をいただいております。
軽量化・新素材分野においては、自動車の軽量化素材として注目度の高いCFRTPの量産化を想定したシステム構築と成形技術の開発を進めており、「大型で積層構成自由度の高いCFRTP一方向連続繊維積層板の量産技術開発」として、経済産業省の平成29年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、2017年8月から2020年3月まで約3年間にわたり、共同研究実施機関と研究開発を行ってまいりました。本研究開発は、世界的に環境やエネルギー問題への関心が高まっている中、当社としても気候変動、地球温暖化に対応するために、軽量化部材の開発によって自動車の燃費性能改善とCO₂排出削減に貢献したいとの思いで開発を開始したものです。近年自動車メーカーでは、自動車部材を金属から、より軽量で高強度な素材であるCFRP(炭素繊維強化樹脂)に代替して、車体を軽量化する取り組みがなされていますが、開発の材料として使える大きさ・品質を備えたCFRP積層板が市場で入手できないとの声が多くありました。そこでCFRPの実用化に向け、当社技術によって高品質なCFRP積層板を早く安定して生産する方法及び装置の開発を目的に研究を行ってまいりました。
この研究開発が2020年3月に完了し、7月20日に名古屋大学ナショナルコンポジットセンターで開催されたNCC次世代複合材料研究会で研究成果の紹介を行い、来場者やWeb視聴者より高い評価を得ました。
さらに、樹脂成型製造装置及び自動車部品関連製造装置の製品品質向上・サイクルUP・自動化に対する要求に対応すべく、新規機構・周辺装置の開発・既存システムの改善にも取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は13百万円でありました。