有価証券報告書-第63期(2024/03/01-2025/02/28)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは第三次中期経営計画(2023年2月期から2025年2月期まで)において、①人的資本への投資、②製品開発のスピードアップ、③生産能力の増強、④販売網の拡充とアフターパーツの拡販、⑤サステナビリティ経営の推進を重点施策として取り組みました。2022年9月からセミノックダウン方式によりクローラーローダーの生産を開始した米国サウスカロライナ州の工場に続き、2023年9月に長野県小県郡青木村の青木工場におきまして、4トンから9トンのミドルクラスのショベルの生産を開始しました。当中期経営計画での生産能力目標を2024年8月末に達成し、既存の本社工場と合わせた生産能力は概ね1.5倍となりました。また、2024年7月にはホイール式油圧ショベル「TB370W」を市場投入し、新製品を加えた豊富な製品ラインナップで、市場シェアの拡大に取り組みました。
当中期経営計画の最終年度となる2025年2月期の連結会計期間(2024年3月1日から2025年2月28日まで)における当社グループの販売台数は、主に欧州市場での建設機械の需要減速により、前連結会計年度を下回りました。
北米では、住宅ローン金利と住宅価格の高止まりにより、新築住宅の着工件数は調整局面が継続していることに加え、関税引き上げの影響が懸念されるなど先行き不透明感が強まりました。当第4四半期で主力製品の販売が落ち込んだ影響により、前連結会計年度比で販売台数は減少しました。欧州では、低調な経済環境が継続し、建設機械のみならず全般において投資意欲が減退しております。クローラーローダーの販売は順調に推移しましたが、国ごとに差はあるもののミニショベル及び油圧ショベルの販売が低調に推移したため、販売台数は前連結会計年度を大きく下回りました。
当連結会計年度の受注高は1,627億5千万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。受注高が前連結会計年度比で増加しておりますが、これは主に当第4四半期において、米国販売子会社のディーラーからの受注が増加したことによるものです。当連結会計年度末の受注残高は、前連結会計年度末に比べ504億7千9百万円減少し、784億1千7百万円となりました。
以上により、当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度を下回りましたが、円安影響と製品価格の値上げ等により、売上高は過去最高の2,132億3千万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。利益面におきましては、部品調達価格の上昇や原材料棚卸資産の評価減、2023年9月に稼働開始した青木工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、円安影響、製品価格の値上げ等の増益要因により、営業利益は371億4千2百万円(同5.2%増)となり、経常利益は356億8百万円(同0.4%増)となりました。なお、原材料棚卸資産の評価減につきましては、電池式ショベルの売れ行きが想定を大きく下回っており、販売拡大を見越して先行手配したバッテリー等の関連部品が滞留在庫となったため、簿価を26億5千9百万円切り下げたことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を94億9千5百万円計上したことにより、261億1千3百万円(同0.1%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は671億3千3百万円(前連結会計年度比11.0%減)となり、セグメント利益は343億5百万円(同11.7%増)となりました。
(米国)
売上高は1,201億3百万円(前連結会計年度比4.3%増)となり、セグメント利益は109億1千1百万円(同0.4%増)となりました。
(英国)
売上高は145億4千7百万円(前連結会計年度比19.9%増)となり、セグメント利益は4億9千9百万円(同45.2%減)となりました。
(フランス)
売上高は113億2千5百万円(前連結会計年度比15.6%増)となり、セグメント利益は8億1千6百万円(同16.1%減)となりました。
(中国)
売上高は1億2千万円(前連結会計年度比6.5%増)となり、セグメント利益は2億9千7百万円(同113.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ195億6千5百万円増加し、2,177億1千8百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ1億9千万円増加し、507億1千8百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ193億7千4百万円増加し、1,670億円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ86億3千4百万円減少し、460億4千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は82億8千3百万円(前連結会計年度比163億5千7百万円の減少)となりました。これは主に、棚卸資産の増加額171億7千1百万円、法人税等の支払額150億7千2百万円等の支出がありましたが、売上債権の減少額18億5千6百万円、税金等調整前当期純利益356億8百万円の収入があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は23億4千8百万円(前連結会計年度比54億2千3百万円の減少)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入6億円、投資有価証券の償還による収入3億円がありましたが、有形固定資産の取得による支出32億6千9百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は145億8千3百万円(前連結会計年度比98億6千8百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出70億円、及び配当金の支払額75億3千9百万円等の支出があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.フランスセグメントでは、過年度受注高の取消しがあったため、受注高がマイナスとなりました。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、資料中の将来に関する事項は、米国の関税政策による影響を見込んでおりません。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当社グループの主力市場は米国及び欧州であり、欧米各国における住宅関連工事、生活インフラ整備工事、官民の建設投資に当社製品は使用されております。
当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度を下回りましたが、円安影響と製品価格の値上げ等により、売上高は過去最高の2,132億3千万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。利益面におきましては、部品調達価格の上昇や原材料棚卸資産の評価減、2023年9月に稼働開始した青木工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、円安影響、製品価格の値上げ等の増益要因により、営業利益は371億4千2百万円(同5.2%増)となり、経常利益は356億8百万円(同0.4%増)となりました。なお、原材料棚卸資産の評価減につきましては、電池式ショベルの売れ行きが想定を大きく下回っており、販売拡大を見越して先行手配したバッテリー等の関連部品が滞留在庫となったため、簿価を26億5千9百万円切り下げたことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を94億9千5百万円計上したことにより、261億1千3百万円(同0.1%減)となりました。
なお、当連結会計年度の販売状況は、クローラーローダーは主力の北米市場で力強さを維持し、欧州でも着実に伸ばしており、販売台数が増加したのに対して、ショベル販売は主力の欧州市場で減速し、北米でも一服感が出ており、販売台数が減少しました。このため、前連結会計年度と比較した当社グループのトータル販売台数は、上期は11.0%、下期は12.6%、通期は11.8%の減少となりました。生産面では、ショベルの生産能力をローダーに振り向けるため、本社工場間の生産機種の再編成を行いました。
当連結会計年度の受注高は1,627億5千万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。受注高が前連結会計年度比で増加しておりますが、これは主に当第4四半期において、米国販売子会社のディーラーからの受注が増加したことによるものです。当連結会計年度末の受注残高は、前連結会計年度末に比べ504億7千9百万円減少し、784億1千7百万円となりました。
米国政府による関税・通商政策が世界経済に大きな影響を及ぼしつつあり、米国市場では投資に対して慎重な姿勢が強まっております。このような先行き不透明な状況にあっても、社会インフラを支える企業として、当社グループがなすべきことを着実に推し進め、持続的な成長発展を果たしてまいります。
b. 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ195億6千5百万円増加し、2,177億1千8百万円となりました。これは主に、自己株式の取得のための資金を70億円拠出したことにより、現金及び預金が86億9千3百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が10億1千4百万円、棚卸資産が222億3千4百万円、繰延税金資産が38億9千7百万円増加したこと等によるものです。棚卸資産のうち、商品及び製品は205億2千2百万円増加し503億4千3百万円となりました。これは主に、紅海を迂回する海上輸送により物流に要する在庫期間が長期化したこと、来期以降の販売拡大を見込んで米国販売子会社の製品在庫を積み上げたこと、及び円安影響等によるものです。また、原材料及び貯蔵品は、滞留在庫となったバッテリー等電池式ショベルの関連部品の簿価を26億5千9百万円切り下げたこと等により、17億4千8百万円減少し144億7千7百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1億9千万円減少し、507億1千8百万円となりました。これは主に、製品保証引当金が8億4千6百万円増加しましたが、買掛金が3億5千8百万円、未払法人税等が6億9千1百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ193億7千4百万円増加し、1,670億円となりました。これは主に、配当金の支払により75億4千3百万円、自己株式の取得により70億円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により261億1千3百万円増加したこと、及び為替換算調整勘定が76億9千8百万円増加したこと等によるものです。
c. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入、人件費、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用です。また、投資資金需要の主なものは、製品の生産能力拡大、製造拠点の生産性及び品質向上、販売拠点の倉庫等の拡充のための設備投資です。
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施することとしております。
なお、当連結会計年度は全て自己資金を充当しました。また、当連結会計年度末の借入金残高はございません。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、3年間(2026年2月期~2028年2月期)の第四次中期経営計画を策定しました。売上高、営業利益、1株当たり当期純利益、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、主に以下の施策に取り組んでおります。
○販売網の拡充とアフターパーツの販売拡大
○生産機種の再編成とクローラーローラー新工場の建設
○電池式ミニショベルのラインナップ拡充
○人的資本への投資
○サステナビリティ経営の推進
なお、2025年4月に公表した第四次中期経営計画の最終年度(2028年2月期)の数値目標を以下のとおり定めています。
*資料中の将来に関する事項は、米国の関税政策による影響を見込んでおりません。
※1 2025年2月期の為替レートは、12ヶ月間の期中平均レートを表示しております。
※2 当社は以下を参考に、株主資本コストを10%と認識しており、株主資本コストを上回るROEを堅持したいと考えております。
■アンケート法
機関投資家の皆様へのヒアリングしたところ、10%程度とする方が多い。
■CAPM法
リスクフリーレート(1.1%)+β値(1.33)×市場リスクプレミアム(6%)≒ 9%
■益利回り法(PERの逆数)
当社株式のPERは8倍から9倍で推移 → ゆえに1/8 = 12.5%、1/9 = 11.1%
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められております。欧州では、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰により住宅需要が低迷しており、建設投資などの非住宅関連の建設工事需要も軟化しております。このような環境下、欧州ディストリビューター向けの販売台数は前連結会計年度を大きく下回り、売上高は671億3千3百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。セグメント利益は、製品価格の値上げ、及び円安影響等により343億5百万円(同11.7%増)となりました。セグメント資産は、売上高の増加に伴い売掛金が増加したこと、及びパーツセンター新設で固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末から23億9千2百万円増加の995億1千9百万円となりました。
(米国)
米国セグメントでは、住宅ローン金利と住宅価格の高止まりにより新築住宅の着工件数は調整局面が継続していることに加え、次期大統領による関税及び通商政策の見極め等により、投資に対して慎重な姿勢が強まりました。このような環境下、製品購入時期を見合わせる動きがあり、製品販売が当第4四半期で落ち込み、前連結会計年度比で販売台数が減少しましたが、製品価格の値上げ、及び円安影響等により、売上高は1,201億3百万円(前連結会計年度比4.3%増)となり、セグメント利益は109億1千1百万円(同0.4%増)となりました。セグメント資産は、来期以降の販売拡大を見込んで製品在庫を積み上げたことで棚卸資産が増加したこと等により、前連結会計年度末から244億6百万円増加の1,005億8百万円となりました。
(英国)
英国セグメントでは、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げておりましたが、インフレ率の低下にともない個人消費に回復の兆しがみられたことや、販売促進のための値下げを実施したことも奏功し、前連結会計年度比で販売台数が増加しました。このような環境下、円安影響等もあり、売上高は145億4千7百万円(前連結会計年度比19.9%増)となり、値下げを実施したこと等により、セグメント利益は4億9千9百万円(同45.2%減)となりました。セグメント資産は、売掛金が増加したこと等により、前連結会計年度末から6億6千万円増加の116億2千6百万円となりました。
(フランス)
フランスセグメントでは、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げていることに加え、低調な経済環境の継続により建設機械のみならず全般において投資意欲が減退しております。このような環境下、販売促進のための値引きにより製品の販売台数は前連結会計年度を上回ったことに加え、円安影響等もあり、売上高は113億2千5百万円(前連結会計年度比15.6%増)となり、本社からの仕切り価格の値上げにより、セグメント利益は8億1千6百万円(同16.1%減)となりました。セグメント資産は、棚卸資産が増加したこと等により、前連結会計年度末から25億2千8百万円増加の108億9千5百万円となりました。
(中国)
中国セグメントは、日本セグメントに向けた建設機械の部品の製造・販売が事業の大半であり、外部顧客への売上高は1億2千万円(前連結会計年度比6.5%増)となり、セグメント利益は2億9千7百万円(同113.2%増)となりました。セグメント資産は、売掛金が減少したものの、現金預金が増加したこと等により、前連結会計年度末から9千2百万円増加の35億6千9百万円となりました。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
① 経営成績の状況
当社グループは第三次中期経営計画(2023年2月期から2025年2月期まで)において、①人的資本への投資、②製品開発のスピードアップ、③生産能力の増強、④販売網の拡充とアフターパーツの拡販、⑤サステナビリティ経営の推進を重点施策として取り組みました。2022年9月からセミノックダウン方式によりクローラーローダーの生産を開始した米国サウスカロライナ州の工場に続き、2023年9月に長野県小県郡青木村の青木工場におきまして、4トンから9トンのミドルクラスのショベルの生産を開始しました。当中期経営計画での生産能力目標を2024年8月末に達成し、既存の本社工場と合わせた生産能力は概ね1.5倍となりました。また、2024年7月にはホイール式油圧ショベル「TB370W」を市場投入し、新製品を加えた豊富な製品ラインナップで、市場シェアの拡大に取り組みました。
当中期経営計画の最終年度となる2025年2月期の連結会計期間(2024年3月1日から2025年2月28日まで)における当社グループの販売台数は、主に欧州市場での建設機械の需要減速により、前連結会計年度を下回りました。
北米では、住宅ローン金利と住宅価格の高止まりにより、新築住宅の着工件数は調整局面が継続していることに加え、関税引き上げの影響が懸念されるなど先行き不透明感が強まりました。当第4四半期で主力製品の販売が落ち込んだ影響により、前連結会計年度比で販売台数は減少しました。欧州では、低調な経済環境が継続し、建設機械のみならず全般において投資意欲が減退しております。クローラーローダーの販売は順調に推移しましたが、国ごとに差はあるもののミニショベル及び油圧ショベルの販売が低調に推移したため、販売台数は前連結会計年度を大きく下回りました。
当連結会計年度の受注高は1,627億5千万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。受注高が前連結会計年度比で増加しておりますが、これは主に当第4四半期において、米国販売子会社のディーラーからの受注が増加したことによるものです。当連結会計年度末の受注残高は、前連結会計年度末に比べ504億7千9百万円減少し、784億1千7百万円となりました。
以上により、当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度を下回りましたが、円安影響と製品価格の値上げ等により、売上高は過去最高の2,132億3千万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。利益面におきましては、部品調達価格の上昇や原材料棚卸資産の評価減、2023年9月に稼働開始した青木工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、円安影響、製品価格の値上げ等の増益要因により、営業利益は371億4千2百万円(同5.2%増)となり、経常利益は356億8百万円(同0.4%増)となりました。なお、原材料棚卸資産の評価減につきましては、電池式ショベルの売れ行きが想定を大きく下回っており、販売拡大を見越して先行手配したバッテリー等の関連部品が滞留在庫となったため、簿価を26億5千9百万円切り下げたことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を94億9千5百万円計上したことにより、261億1千3百万円(同0.1%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は671億3千3百万円(前連結会計年度比11.0%減)となり、セグメント利益は343億5百万円(同11.7%増)となりました。
(米国)
売上高は1,201億3百万円(前連結会計年度比4.3%増)となり、セグメント利益は109億1千1百万円(同0.4%増)となりました。
(英国)
売上高は145億4千7百万円(前連結会計年度比19.9%増)となり、セグメント利益は4億9千9百万円(同45.2%減)となりました。
(フランス)
売上高は113億2千5百万円(前連結会計年度比15.6%増)となり、セグメント利益は8億1千6百万円(同16.1%減)となりました。
(中国)
売上高は1億2千万円(前連結会計年度比6.5%増)となり、セグメント利益は2億9千7百万円(同113.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ195億6千5百万円増加し、2,177億1千8百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ1億9千万円増加し、507億1千8百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ193億7千4百万円増加し、1,670億円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ86億3千4百万円減少し、460億4千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は82億8千3百万円(前連結会計年度比163億5千7百万円の減少)となりました。これは主に、棚卸資産の増加額171億7千1百万円、法人税等の支払額150億7千2百万円等の支出がありましたが、売上債権の減少額18億5千6百万円、税金等調整前当期純利益356億8百万円の収入があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は23億4千8百万円(前連結会計年度比54億2千3百万円の減少)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入6億円、投資有価証券の償還による収入3億円がありましたが、有形固定資産の取得による支出32億6千9百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は145億8千3百万円(前連結会計年度比98億6千8百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出70億円、及び配当金の支払額75億3千9百万円等の支出があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 166,615 | △8.2 |
| 米国(百万円) | 7,470 | 169.6 |
| 中国(百万円) | 4,857 | 20.2 |
| 合計(百万円) | 178,944 | △4.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 62,546 | △11.0 | 15,604 | △22.7 |
| 米国 | 84,811 | 54.3 | 58,772 | △37.5 |
| 英国 | 16,612 | 73.8 | 2,559 | 417.4 |
| フランス | △1,340 | - | 1,481 | △89.5 |
| 中国 | 120 | 6.5 | - | - |
| 合計 | 162,750 | 7.9 | 78,417 | △39.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.フランスセグメントでは、過年度受注高の取消しがあったため、受注高がマイナスとなりました。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 67,133 | △11.0 |
| 米国(百万円) | 120,103 | 4.3 |
| 英国(百万円) | 14,547 | 19.9 |
| フランス(百万円) | 11,325 | 15.6 |
| 中国(百万円) | 120 | 6.5 |
| 合計(百万円) | 213,230 | 0.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 当連結会計年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| HUPPENKOTHEN GmbH & Co KG | 29,865 | 14.0 | 27,694 | 13.0 |
| United Rentals, Inc. | 27,721 | 13.0 | 27,145 | 12.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、資料中の将来に関する事項は、米国の関税政策による影響を見込んでおりません。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当社グループの主力市場は米国及び欧州であり、欧米各国における住宅関連工事、生活インフラ整備工事、官民の建設投資に当社製品は使用されております。
当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度を下回りましたが、円安影響と製品価格の値上げ等により、売上高は過去最高の2,132億3千万円(前連結会計年度比0.3%増)となりました。利益面におきましては、部品調達価格の上昇や原材料棚卸資産の評価減、2023年9月に稼働開始した青木工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、円安影響、製品価格の値上げ等の増益要因により、営業利益は371億4千2百万円(同5.2%増)となり、経常利益は356億8百万円(同0.4%増)となりました。なお、原材料棚卸資産の評価減につきましては、電池式ショベルの売れ行きが想定を大きく下回っており、販売拡大を見越して先行手配したバッテリー等の関連部品が滞留在庫となったため、簿価を26億5千9百万円切り下げたことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を94億9千5百万円計上したことにより、261億1千3百万円(同0.1%減)となりました。
なお、当連結会計年度の販売状況は、クローラーローダーは主力の北米市場で力強さを維持し、欧州でも着実に伸ばしており、販売台数が増加したのに対して、ショベル販売は主力の欧州市場で減速し、北米でも一服感が出ており、販売台数が減少しました。このため、前連結会計年度と比較した当社グループのトータル販売台数は、上期は11.0%、下期は12.6%、通期は11.8%の減少となりました。生産面では、ショベルの生産能力をローダーに振り向けるため、本社工場間の生産機種の再編成を行いました。
当連結会計年度の受注高は1,627億5千万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。受注高が前連結会計年度比で増加しておりますが、これは主に当第4四半期において、米国販売子会社のディーラーからの受注が増加したことによるものです。当連結会計年度末の受注残高は、前連結会計年度末に比べ504億7千9百万円減少し、784億1千7百万円となりました。
米国政府による関税・通商政策が世界経済に大きな影響を及ぼしつつあり、米国市場では投資に対して慎重な姿勢が強まっております。このような先行き不透明な状況にあっても、社会インフラを支える企業として、当社グループがなすべきことを着実に推し進め、持続的な成長発展を果たしてまいります。
b. 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ195億6千5百万円増加し、2,177億1千8百万円となりました。これは主に、自己株式の取得のための資金を70億円拠出したことにより、現金及び預金が86億9千3百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が10億1千4百万円、棚卸資産が222億3千4百万円、繰延税金資産が38億9千7百万円増加したこと等によるものです。棚卸資産のうち、商品及び製品は205億2千2百万円増加し503億4千3百万円となりました。これは主に、紅海を迂回する海上輸送により物流に要する在庫期間が長期化したこと、来期以降の販売拡大を見込んで米国販売子会社の製品在庫を積み上げたこと、及び円安影響等によるものです。また、原材料及び貯蔵品は、滞留在庫となったバッテリー等電池式ショベルの関連部品の簿価を26億5千9百万円切り下げたこと等により、17億4千8百万円減少し144億7千7百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1億9千万円減少し、507億1千8百万円となりました。これは主に、製品保証引当金が8億4千6百万円増加しましたが、買掛金が3億5千8百万円、未払法人税等が6億9千1百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ193億7千4百万円増加し、1,670億円となりました。これは主に、配当金の支払により75億4千3百万円、自己株式の取得により70億円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により261億1千3百万円増加したこと、及び為替換算調整勘定が76億9千8百万円増加したこと等によるものです。
c. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入、人件費、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用です。また、投資資金需要の主なものは、製品の生産能力拡大、製造拠点の生産性及び品質向上、販売拠点の倉庫等の拡充のための設備投資です。
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施することとしております。
なお、当連結会計年度は全て自己資金を充当しました。また、当連結会計年度末の借入金残高はございません。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、3年間(2026年2月期~2028年2月期)の第四次中期経営計画を策定しました。売上高、営業利益、1株当たり当期純利益、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、主に以下の施策に取り組んでおります。
○販売網の拡充とアフターパーツの販売拡大
○生産機種の再編成とクローラーローラー新工場の建設
○電池式ミニショベルのラインナップ拡充
○人的資本への投資
○サステナビリティ経営の推進
なお、2025年4月に公表した第四次中期経営計画の最終年度(2028年2月期)の数値目標を以下のとおり定めています。
*資料中の将来に関する事項は、米国の関税政策による影響を見込んでおりません。
| 2025年2月期 実績 | 2028年2月期 数値目標 | ||||||
| 北米 売上高 | 1,200 | 億円 | 1,784 | 億円 | |||
| └販売台数増加率 | +60 | % | |||||
| 欧州 売上高 | 875 | 億円 | 1,087 | 億円 | |||
| └販売台数増加率 | +30 | % | |||||
| アジア・オセアニア 売上高 | 28 | 億円 | 100 | 億円 | |||
| 日本・その他地域 売上高 | 27 | 億円 | 29 | 億円 | |||
| 連結売上高 | 2,132 | 億円 | 3,000 | 億円 | |||
| └このうちアフターパーツ売上高 | 173 | 億円 | 208 | 億円 | |||
| 営業利益 | 371 | 億円 | 520 | 億円 | |||
| └営業利益率 | 17.4 | % | 17.3 | % | |||
| 1株当たり当期純利益 | 552 | 円 | 800 | 円 | |||
| 自己資本利益率(ROE) | 16.6 | % | ※2 17%以上 | ||||
| 為替レート | 米ドル | ※1 152.65 | 円 | 140.00 | 円 | ||
| 英ポンド | 194.85 | 円 | 177.00 | 円 | |||
| ユーロ | 163.74 | 円 | 147.00 | 円 | |||
| 人民元 | 21.13 | 円 | 19.30 | 円 | |||
※1 2025年2月期の為替レートは、12ヶ月間の期中平均レートを表示しております。
※2 当社は以下を参考に、株主資本コストを10%と認識しており、株主資本コストを上回るROEを堅持したいと考えております。
■アンケート法
機関投資家の皆様へのヒアリングしたところ、10%程度とする方が多い。
■CAPM法
リスクフリーレート(1.1%)+β値(1.33)×市場リスクプレミアム(6%)≒ 9%
■益利回り法(PERの逆数)
当社株式のPERは8倍から9倍で推移 → ゆえに1/8 = 12.5%、1/9 = 11.1%
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められております。欧州では、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰により住宅需要が低迷しており、建設投資などの非住宅関連の建設工事需要も軟化しております。このような環境下、欧州ディストリビューター向けの販売台数は前連結会計年度を大きく下回り、売上高は671億3千3百万円(前連結会計年度比11.0%減)となりました。セグメント利益は、製品価格の値上げ、及び円安影響等により343億5百万円(同11.7%増)となりました。セグメント資産は、売上高の増加に伴い売掛金が増加したこと、及びパーツセンター新設で固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末から23億9千2百万円増加の995億1千9百万円となりました。
(米国)
米国セグメントでは、住宅ローン金利と住宅価格の高止まりにより新築住宅の着工件数は調整局面が継続していることに加え、次期大統領による関税及び通商政策の見極め等により、投資に対して慎重な姿勢が強まりました。このような環境下、製品購入時期を見合わせる動きがあり、製品販売が当第4四半期で落ち込み、前連結会計年度比で販売台数が減少しましたが、製品価格の値上げ、及び円安影響等により、売上高は1,201億3百万円(前連結会計年度比4.3%増)となり、セグメント利益は109億1千1百万円(同0.4%増)となりました。セグメント資産は、来期以降の販売拡大を見込んで製品在庫を積み上げたことで棚卸資産が増加したこと等により、前連結会計年度末から244億6百万円増加の1,005億8百万円となりました。
(英国)
英国セグメントでは、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げておりましたが、インフレ率の低下にともない個人消費に回復の兆しがみられたことや、販売促進のための値下げを実施したことも奏功し、前連結会計年度比で販売台数が増加しました。このような環境下、円安影響等もあり、売上高は145億4千7百万円(前連結会計年度比19.9%増)となり、値下げを実施したこと等により、セグメント利益は4億9千9百万円(同45.2%減)となりました。セグメント資産は、売掛金が増加したこと等により、前連結会計年度末から6億6千万円増加の116億2千6百万円となりました。
(フランス)
フランスセグメントでは、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げていることに加え、低調な経済環境の継続により建設機械のみならず全般において投資意欲が減退しております。このような環境下、販売促進のための値引きにより製品の販売台数は前連結会計年度を上回ったことに加え、円安影響等もあり、売上高は113億2千5百万円(前連結会計年度比15.6%増)となり、本社からの仕切り価格の値上げにより、セグメント利益は8億1千6百万円(同16.1%減)となりました。セグメント資産は、棚卸資産が増加したこと等により、前連結会計年度末から25億2千8百万円増加の108億9千5百万円となりました。
(中国)
中国セグメントは、日本セグメントに向けた建設機械の部品の製造・販売が事業の大半であり、外部顧客への売上高は1億2千万円(前連結会計年度比6.5%増)となり、セグメント利益は2億9千7百万円(同113.2%増)となりました。セグメント資産は、売掛金が減少したものの、現金預金が増加したこと等により、前連結会計年度末から9千2百万円増加の35億6千9百万円となりました。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。