有価証券報告書-第59期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであり、その実現を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「SOFT・HARD・HEARTを創ります。人と地球に優しい製品を開発し社会に貢献します」の経営理念のもと、生産性の向上に役立つ切削工具等の開発・製造・販売に携わってまいりました。また、ブランドステートメントとして“「つくる」の先をつくる”を掲げ、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、モノづくりの夢と可能性を切り拓くことを経営の基本方針といたしております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
超硬小径エンドミルを中心に精密加工用工具分野で圧倒的な№1企業を目指します。そのために、開発・生産・販売の各部門において、下記戦略を実施してまいります。また、当社グループ全体の協力体制を強化し、事業領域の拡大を図ります。
① 開発部門
Webを積極的に利用する等様々な手法を通じてユーザーからの声をダイレクトに吸い上げ、市場のニーズに即した新製品開発や製品改良を推進するとともに、大学等の研究機関や工作機械、周辺機器といった切削加工に関連するメーカーとの共同研究も積極的に推進いたします。また、開発環境の充実と震災時の安全性・事業継続性の向上を図るため“オールラウンド免震”を採用した新開発センターを有効に活用し、従来の工具開発に止まらない新しい加工提案を行ってまいります。
② 生産部門
自社開発機による自動化ラインの増強、自動化範囲の拡大等により無人化・省力化を引き続き推進し、高品質かつコスト競争力のある製品を安定的に供給できる体制を一段と強化するとともに、多品種・小ロット生産や短納期への対応にも取り組み、様々なユーザーニーズにお応えできる体制としてまいります。
③ 販売部門
受注出荷業務の継続を強化するための体制整備のほか、営業マンの技術力・提案力といった営業品質の向上と多様な手法による情報提供に力を入れてまいります。また、本年1月に開催した「NS TOOLプライベートショー2020」にご来場いただいた方々へのフォローアップを通じて、新規ユーザーの開拓や当社製品の使用拡大を図ってまいります。
④ 事業領域の拡大
当社グループは、超硬小径エンドミルという比較的小規模なマーケットに経営資源を集中することにより、実績を上げてまいりました。この経営方針は今後も継続してまいりますが、エンドミルに次ぐニッチ・マーケットを開拓する必要があると考えております。具体的にはまだこれからですが、当社グループが得意とする精密・微細加工の周辺領域において、共同研究等を積極的に行うことにより構築を図ってまいります。
(3)経営環境について
当社グループの主力製品である超硬エンドミルは、切削工具の一種で、工作機械に取り付け、主に金型や各種部品の製作といった金属等の加工に使用されます。それらの金型や部品は様々な工業製品に用いられることから、当社グループの業績はそれら工業製品の生産動向に大きく影響されます。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、サプライチェーンの寸断や外出規制等による需要の縮小等、世界各国の製造業に大きな影響を与えています。中国をはじめ多くの国々で都市封鎖や外出規制の緩和が始まりましたが、本格的な回復には時間がかかると見られています。また、昨年世界経済の阻害要因となった米中貿易摩擦も、今年初めには「第1段階の合意」に至り改善の方向に向かうとの期待がありましたが、新型コロナ問題が加わり、再び制裁措置等が激しくなりつつあります。特に中国通信機器メーカーに対する米国の締め付けが厳しくなっていることから、我が国の電子部品メーカーにも影響を及ぼす可能性があります。また世界中で人々の移動が制限され、特に飛行機産業が大きな打撃を受けている他、自動車産業も当面販売台数の落ち込みは避けられないものと思われ、このような状況のもと経営環境は当面厳しい状態が続くものと認識しております。
しかしながら、当社製品が強みを発揮する精密・微細加工分野は、様々な製品において小型化・高集積化が進む流れの中で市場規模の拡大が期待されます。また、今回のコロナ禍において、働き方の常識や仕事の進め方が大きく見直され、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が今後急速に進展することが考えられます。日本でもサービスが開始された5Gは普及に遅れが生じる可能性があるものの、テレワークや遠隔医療、遠隔授業をはじめ、今回その必要性がクローズアップされた様々な要素を円滑に行うためのインフラとして、その重要性は確実に高まっています。また5Gの普及と相まってIoTやAIの活用もより積極的に行われるとみられることから、半導体や電子部品等への需要は今後さらに拡大が見込まれ、それに伴い精密・微細加工向けの工具需要も伸びていくことが期待されます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
我が国のモノづくりが引き続き世界をリードしていくためには、これまで培ってきた精密・微細加工分野を更に進化させ、様々な分野に応用していくことが重要であり、この我が国のモノづくりを工具の面から支えて行くことが、当社グループの使命であると認識しております。その使命を果たすため、お客様が安心して新たな加工にチャレンジできる、高いレベルで安定した製品を、妥当な価格で安定的に供給していくことが最も大切であると認識しております。安定供給につきましては最も重要な課題と位置付けており、今年3月に稼働を開始した新開発センターは、精密・微細加工に影響を与える微振動を抑えるとともに、大地震が発生した場合には免震に切り替わる構造となっており、大地震時の安全性・事業継続性の確保と、平常時における精密・微細加工に支障を生じない環境を両立しております。このシステムの有効性評価を行い、今後の自社生産工場に展開することで震災リスクの更なる低減を図るとともに、製品出荷体制の更なる強化を進めてまいります。また引き続き加工技術や測定技術の向上を図るとともに、自動化を推進してコストの低減を進め、製品開発のスピードアップや営業員のレベルアップ等を実現するため、「中長期的な会社の経営戦略」で挙げた各施策の実行に取り組んでまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上よりも利益を優先する経営を実行し、売上高経常利益率20%の確保を中長期的な目標としております。当期は、米中貿易摩擦の激化や海外経済の減速に伴う輸出の鈍化等に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、当社製品を使用する自動車関連や電子部品・デバイス関連も影響を受け、工具需要が減少したことから、売上高経常利益率は23.4%(前期比4.2ポイント低下)と前期の水準を下回りました。次期につきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大により製造業を含む様々な産業が影響を受け、売上高経常利益率の低下は避けられないものと想定しております。高付加価値製品の販売強化や改善活動による原価低減に加え、管理業務の簡素化等によりコストを抑え、このような状況の中でも引き続き目標である20%の維持に努力してまいります。また、株主資本を有効的かつ効率的に活用することも重要であると考え、自己資本利益率(ROE)10%の確保につきましても中長期的に目標とする経営指標として重視しておりますが、次期におきましては厳しい水準であると考えております。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、安定した製品を安定的にご提供するとともに、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、日本のモノづくりの進化に貢献してまいりたいと考えております。その一環として、生産現場での自動化を推進し製品品質の安定とコスト低減に取り組むとともに、CBN(立方晶窒化ホウ素)やPCD(多結晶ダイヤモンド)を使用した高付加価値製品の開発とそれらを用いた加工技術提案に注力しております。CBN製品は、ここ数年でようやくその有用性が認知され販売を拡大してまいりましたが、今後は新製品の投入等により使用領域を拡げてまいりたいと存じます。PCD製品は、まだ用途が限られておりますが、製品性能の向上を図り、市場の拡大に努めてまいります。また、より多くのお客様にそれらを用いた加工のご提案をさせていただくために作成した「トライアル・キット」の活用に加え、営業力の量的・質的強化にも取り組んでまいります。
加えて、製品を安定的にご提供できる体制の強化も図ってまいります。今年3月に稼働を開始した新開発センターは、通常時には微振動を抑制しつつ大きな地震の際には免震装置が作動し揺れを小さくする構造といたしました。今後その有効性の評価を行い、将来的には生産工場へ応用することで、更に震災に強い工場を目指します。また、万が一に備えて製品在庫の充実を進め、保管場所もある程度の海抜がある免震構造を備えたビルに移しましたが、今後は出荷業務が可能な在庫拠点の分散を図ってまいります。
(7)その他、会社の経営上重要な事項
内部管理体制の整備・運用状況
当社グループでは、社内規程や稟議制度を整備し、ルールに基づいた業務運営を実施しております。また、内部統制報告制度への対応につきましては、常務取締役を委員長とする「内部統制委員会」を設置し、内部統制の整備・運用の推進及びその評価、また監査法人により実施される内部統制監査への対応を行っております。
その他の取組みといたしましては、監査等委員による各部門長へのヒアリングの実施、内部監査部門による各部門への内部監査の実施等を行っております。
コンプライアンスにつきましては、コンプライアンス担当役員を中心に推進を図っており、全社教育のテーマの一つとして従業員研修会やメール・マガジンで取り上げることにより、社内での周知に努めております。また「コンプライアンス相談窓口」を設け、内部通報制度の窓口といたしております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「SOFT・HARD・HEARTを創ります。人と地球に優しい製品を開発し社会に貢献します」の経営理念のもと、生産性の向上に役立つ切削工具等の開発・製造・販売に携わってまいりました。また、ブランドステートメントとして“「つくる」の先をつくる”を掲げ、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、モノづくりの夢と可能性を切り拓くことを経営の基本方針といたしております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
超硬小径エンドミルを中心に精密加工用工具分野で圧倒的な№1企業を目指します。そのために、開発・生産・販売の各部門において、下記戦略を実施してまいります。また、当社グループ全体の協力体制を強化し、事業領域の拡大を図ります。
① 開発部門
Webを積極的に利用する等様々な手法を通じてユーザーからの声をダイレクトに吸い上げ、市場のニーズに即した新製品開発や製品改良を推進するとともに、大学等の研究機関や工作機械、周辺機器といった切削加工に関連するメーカーとの共同研究も積極的に推進いたします。また、開発環境の充実と震災時の安全性・事業継続性の向上を図るため“オールラウンド免震”を採用した新開発センターを有効に活用し、従来の工具開発に止まらない新しい加工提案を行ってまいります。
② 生産部門
自社開発機による自動化ラインの増強、自動化範囲の拡大等により無人化・省力化を引き続き推進し、高品質かつコスト競争力のある製品を安定的に供給できる体制を一段と強化するとともに、多品種・小ロット生産や短納期への対応にも取り組み、様々なユーザーニーズにお応えできる体制としてまいります。
③ 販売部門
受注出荷業務の継続を強化するための体制整備のほか、営業マンの技術力・提案力といった営業品質の向上と多様な手法による情報提供に力を入れてまいります。また、本年1月に開催した「NS TOOLプライベートショー2020」にご来場いただいた方々へのフォローアップを通じて、新規ユーザーの開拓や当社製品の使用拡大を図ってまいります。
④ 事業領域の拡大
当社グループは、超硬小径エンドミルという比較的小規模なマーケットに経営資源を集中することにより、実績を上げてまいりました。この経営方針は今後も継続してまいりますが、エンドミルに次ぐニッチ・マーケットを開拓する必要があると考えております。具体的にはまだこれからですが、当社グループが得意とする精密・微細加工の周辺領域において、共同研究等を積極的に行うことにより構築を図ってまいります。
(3)経営環境について
当社グループの主力製品である超硬エンドミルは、切削工具の一種で、工作機械に取り付け、主に金型や各種部品の製作といった金属等の加工に使用されます。それらの金型や部品は様々な工業製品に用いられることから、当社グループの業績はそれら工業製品の生産動向に大きく影響されます。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、サプライチェーンの寸断や外出規制等による需要の縮小等、世界各国の製造業に大きな影響を与えています。中国をはじめ多くの国々で都市封鎖や外出規制の緩和が始まりましたが、本格的な回復には時間がかかると見られています。また、昨年世界経済の阻害要因となった米中貿易摩擦も、今年初めには「第1段階の合意」に至り改善の方向に向かうとの期待がありましたが、新型コロナ問題が加わり、再び制裁措置等が激しくなりつつあります。特に中国通信機器メーカーに対する米国の締め付けが厳しくなっていることから、我が国の電子部品メーカーにも影響を及ぼす可能性があります。また世界中で人々の移動が制限され、特に飛行機産業が大きな打撃を受けている他、自動車産業も当面販売台数の落ち込みは避けられないものと思われ、このような状況のもと経営環境は当面厳しい状態が続くものと認識しております。
しかしながら、当社製品が強みを発揮する精密・微細加工分野は、様々な製品において小型化・高集積化が進む流れの中で市場規模の拡大が期待されます。また、今回のコロナ禍において、働き方の常識や仕事の進め方が大きく見直され、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が今後急速に進展することが考えられます。日本でもサービスが開始された5Gは普及に遅れが生じる可能性があるものの、テレワークや遠隔医療、遠隔授業をはじめ、今回その必要性がクローズアップされた様々な要素を円滑に行うためのインフラとして、その重要性は確実に高まっています。また5Gの普及と相まってIoTやAIの活用もより積極的に行われるとみられることから、半導体や電子部品等への需要は今後さらに拡大が見込まれ、それに伴い精密・微細加工向けの工具需要も伸びていくことが期待されます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
我が国のモノづくりが引き続き世界をリードしていくためには、これまで培ってきた精密・微細加工分野を更に進化させ、様々な分野に応用していくことが重要であり、この我が国のモノづくりを工具の面から支えて行くことが、当社グループの使命であると認識しております。その使命を果たすため、お客様が安心して新たな加工にチャレンジできる、高いレベルで安定した製品を、妥当な価格で安定的に供給していくことが最も大切であると認識しております。安定供給につきましては最も重要な課題と位置付けており、今年3月に稼働を開始した新開発センターは、精密・微細加工に影響を与える微振動を抑えるとともに、大地震が発生した場合には免震に切り替わる構造となっており、大地震時の安全性・事業継続性の確保と、平常時における精密・微細加工に支障を生じない環境を両立しております。このシステムの有効性評価を行い、今後の自社生産工場に展開することで震災リスクの更なる低減を図るとともに、製品出荷体制の更なる強化を進めてまいります。また引き続き加工技術や測定技術の向上を図るとともに、自動化を推進してコストの低減を進め、製品開発のスピードアップや営業員のレベルアップ等を実現するため、「中長期的な会社の経営戦略」で挙げた各施策の実行に取り組んでまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上よりも利益を優先する経営を実行し、売上高経常利益率20%の確保を中長期的な目標としております。当期は、米中貿易摩擦の激化や海外経済の減速に伴う輸出の鈍化等に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、当社製品を使用する自動車関連や電子部品・デバイス関連も影響を受け、工具需要が減少したことから、売上高経常利益率は23.4%(前期比4.2ポイント低下)と前期の水準を下回りました。次期につきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大により製造業を含む様々な産業が影響を受け、売上高経常利益率の低下は避けられないものと想定しております。高付加価値製品の販売強化や改善活動による原価低減に加え、管理業務の簡素化等によりコストを抑え、このような状況の中でも引き続き目標である20%の維持に努力してまいります。また、株主資本を有効的かつ効率的に活用することも重要であると考え、自己資本利益率(ROE)10%の確保につきましても中長期的に目標とする経営指標として重視しておりますが、次期におきましては厳しい水準であると考えております。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、安定した製品を安定的にご提供するとともに、お客様や社会のニーズに応える高付加価値製品を生み出し、日本のモノづくりの進化に貢献してまいりたいと考えております。その一環として、生産現場での自動化を推進し製品品質の安定とコスト低減に取り組むとともに、CBN(立方晶窒化ホウ素)やPCD(多結晶ダイヤモンド)を使用した高付加価値製品の開発とそれらを用いた加工技術提案に注力しております。CBN製品は、ここ数年でようやくその有用性が認知され販売を拡大してまいりましたが、今後は新製品の投入等により使用領域を拡げてまいりたいと存じます。PCD製品は、まだ用途が限られておりますが、製品性能の向上を図り、市場の拡大に努めてまいります。また、より多くのお客様にそれらを用いた加工のご提案をさせていただくために作成した「トライアル・キット」の活用に加え、営業力の量的・質的強化にも取り組んでまいります。
加えて、製品を安定的にご提供できる体制の強化も図ってまいります。今年3月に稼働を開始した新開発センターは、通常時には微振動を抑制しつつ大きな地震の際には免震装置が作動し揺れを小さくする構造といたしました。今後その有効性の評価を行い、将来的には生産工場へ応用することで、更に震災に強い工場を目指します。また、万が一に備えて製品在庫の充実を進め、保管場所もある程度の海抜がある免震構造を備えたビルに移しましたが、今後は出荷業務が可能な在庫拠点の分散を図ってまいります。
(7)その他、会社の経営上重要な事項
内部管理体制の整備・運用状況
当社グループでは、社内規程や稟議制度を整備し、ルールに基づいた業務運営を実施しております。また、内部統制報告制度への対応につきましては、常務取締役を委員長とする「内部統制委員会」を設置し、内部統制の整備・運用の推進及びその評価、また監査法人により実施される内部統制監査への対応を行っております。
その他の取組みといたしましては、監査等委員による各部門長へのヒアリングの実施、内部監査部門による各部門への内部監査の実施等を行っております。
コンプライアンスにつきましては、コンプライアンス担当役員を中心に推進を図っており、全社教育のテーマの一つとして従業員研修会やメール・マガジンで取り上げることにより、社内での周知に努めております。また「コンプライアンス相談窓口」を設け、内部通報制度の窓口といたしております。