有価証券報告書-第54期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 9:21
【資料】
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【項目】
98項目

対処すべき課題

今後の課題といたしましては、以下のように考えております。
為替相場の円安傾向や原油価格の低下、加えて米国を中心とした海外経済の堅調等から、我が国の製造業にとっては好ましい環境となっております。しかしながら、労働人口の減少等我が国におけるモノづくりが抱える問題は依然として多く、中国を筆頭に新興国の追い上げも厳しさを増してきております。また、グローバル化の進展により、生産拠点の流動化や世界的な価格競争の激化がさらに進むと思われます。
このような状況の中当社グループでは、引き続き高品質と低コストの両立、高付加価値製品の拡販、開発のスピードアップ等が当面の課題であると認識しております。
特に「品質」に関しましては当社グループが最もこだわってきた部分であり、今後さらに向上させていかなければならないと考えております。今年度につきましては「品質重視」をキーワードに、製品品質だけではなく、営業品質といった課題に対しても取り組み、下記戦略を実施してまいります。
① 開発部門
技術講習会やセミナーを通じてユーザーからの声をダイレクトに吸い上げ、市場のニーズに即した新製品開発や製品改良を推進するとともに、大学等の研究機関や工作機械、周辺機器といった切削加工に関連するメーカーとの共同研究を積極的に進め、従来の工具開発に止まらない新しい加工提案を行ってまいります。
② 生産部門
自社開発機による自動化ラインの増強、自動化範囲の拡大等により無人化・省力化を推進し、高品質かつコスト競争力のある製品を安定的に供給できる体制を一段と強化するとともに、多品種・小ロット生産や短納期への対応にも取り組み、様々なユーザーニーズにお応えできる体制としてまいります。また一段の需要増に対応するため、今年度末の完成を目処に工場の増設を行います。
③ 販売部門
海外営業部門の強化を図り、今後も高い成長が見込まれるアジア地区を中心にしつつ、米国市場の開拓や欧州での拡販も行ってまいります。また国内におきましては、営業マンの技術力・提案力といった品質の向上に力を入れてまいります。
④ 事業領域の拡大
当社グループは、超硬小径エンドミルという比較的小規模なマーケットに経営資源を集中することにより、実績を上げてまいりました。この経営方針は今後も継続してまいりますが、エンドミルに次ぐニッチ・マーケットを開拓する必要があると考えております。具体的にはまだこれからですが、当社グループが得意とする精密・微細加工の周辺領域において、共同研究等を積極的に行うことにより構築を図ってまいります。