有価証券報告書-第74期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」
という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、アメリカを中心とした保護主義的な通商政策により特に中国経済の減速が顕著になり、2020年となってからの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、深刻な景気後退に陥りました。
日本経済は、消費税率の引き上げによる消費の減速に加えて、新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、先行きの不確実性が一層高まってきております。
このような環境のもとで、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は下記のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度に比べ1億33百万円減少し297億19百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度に比べ11億18百万円増加し79億82百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度に比べ12億51百万円減少し217億37百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度における売上高は149億69百万円(前連結会計年度比20.8%減)、営業利益は4億99百万円(前連結会計年度比78.3%減)、経常利益は4億84百万円(前連結会計年度比81.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20億79百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。
工業用ミシン事業
当セグメントにつきましては、戦略機種投入や上級機種の販売を進めておりますが、米中貿易摩擦の影響等により、売上高は122億63百万円(前年同期比24.3%減)、セグメント利益は16億23百万円(前年同期比52.6%減)となりました。
ダイカスト部品事業
当セグメントにつきましては、販路拡大に向けた販売活動を継続しており、売上高は27億5百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント利益59百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は56億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億53百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億50百万円減少し6億2百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益4億73百万円、減価償却費7億64百万円、売上債権の減少額7億60百万円に対し、仕入債務の減少額3億10百万円、たな卸資産の増加額2億47百万円、法人税等の支払額7億62百万円などによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ1億23百万円減少し16億27百万円となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出15億60百万円などによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ5億17百万円増加し5億76百万円となりました。これは主として短期借入金の純増加額10億95百万円、長期借入による収入額6億55百万円に対し、配当金の支払額6億20百万円、長期借入金の返済による支出額3億42百万円、社債の償還による支出額1億6百万円などによります。
③生産、受注及び販売の状況
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ. 受注実績
当社企業グループは、受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上高は、外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定の設定を行っております。当社グループにおいて重要性の高い会計上の見積りとして以下を認識しています。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断しておりますが、見積りの不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なるものとなる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
(棚卸資産の評価)
原価法(収益性の低下による簿価切り下げの方法)によっており、期末における取得原価と正味売却価額のうちいずれか低い価額を棚卸資産の貸借対照表価額としております。この正味売却価額は期末前後の販売実績に基づく価額を基礎としております。また、正味売却価額の合理的な算出が難しい滞留品については滞留期間に応じて評価減割合を設定し、保守完了予定品や過剰品については過去の消費、販売実績等に基づき将来需要予測を算出し評価しています。この評価減割合や将来需要予測は当社グループの各拠点における環境や情況を踏まえて決定していますが、実際の販売や生産状況等が変化することにより、在庫評価損の追加計上が将来において必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当期及び過去の課税所得、税務上の繰越欠損金の発生実績に応じて、繰延税金資産の回収可能性における会社分類を見直し、当該分類に応じた合理的な見積期間内の将来課税所得や将来減算一時差異等のスケジューリングに基づき繰延税金資産を計上しています。従って、当該会社分類に基づく見積期間や将来課税所得の見積額に変更が生じた場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度における資産の額は、297億19百万円と前連結会計年度に比べ1億33百万円の減少となりました。流動資産につきましては、主として受取手形及び売掛金が8億38百万円、現金及び預金が5億円それぞれ減少したこと、原材料及び貯蔵品が2億29百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ11億77百万円減少となりました。固定資産につきましては、主として本社ビル建替えなど有形固定資産が13億68百万円増加したこと、投資その他の資産が3億円、無形固定資産が24百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ10億44百万円増加となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債の額は、79億82百万円と前連結会計年度に比べ11億18百万円の増加となりました。流動負債につきましては、主として短期借入金が10億69百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億71百万円、流動負債のその他が1億2百万円それぞれ増加したこと、未払法人税等が5億86百万円、支払手形及び買掛金が3億53百万円、1年内償還予定の社債が1億11百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億86百万円増加となりました。固定負債につきましては、主としてリース債務が4億60百万円、繰延税金負債が2億73百万円、長期借入金が1億41百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ8億31百万円増加となりました。また、米ドル建のインパクトローンを活用し米ドル建債権の為替変動リスクに備えております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産の額は、217億37百万円と前連結会計年度に比べ12億51百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定の減少などによるものであります。また、自己資本比率70.9%について、変化の激しいグローバルマーケットでの競争に備え、一定水準の自己資本比率は必要との認識であります。成長のための投資に必要な内部留保を確保しつつ、業績に左右されない安定的な配当政策と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は149億69百万円となり、前連結会計年度に比べ39億21百万円の減収となりました。主な要因は、工業用ミシン事業の販売が低調に推移したことによります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は4億99百万円となり、工業用ミシン事業の販売が減少したことなどにより、前連結会計年度と比べ18億6百万円の減益となりました。営業利益率は3.3%となり指標とする10%以上を下回りました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は4億84百万円となり、前連結会計年度と比べ20億58百万円の減益となりました。主な要因は、営業利益の落ち込みに加え為替相場が円高に推移し為替差損が発生したことなどによります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損失は2億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20億79百万円)となりました。主な要因は、当期及び今後の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取崩したことなどによります。
2016年発表の中期経営計画は2020年3月期を最終年度とし、「お客様と共に成長するための顧客対応力強化」を中期経営計画のテーマとして掲げ、「製品・品質・サービス」の三つの差別化徹底等の基本方針に基づいた様々な施策のもと、計画の達成に向け取り組んでまいりました。
しかしながら、米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界的に景気の不確実性が高まる中、当社グループの経営環境は厳しさを増しております。
このような状況のもと、環境の変化を踏まえつつ次期中期経営計画の策定を見据え、引き続き主力事業の強みを生かした成長と収益構造及び経営基盤の強化を推進してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(工業用ミシン事業)
工業用ミシン事業は、前会計年度に引き続き、価格的戦略機種の第2弾を全世界で販売を開始し、当社主力製品の環縫いミシンの両輪である、オーバーロックミシンと偏平縫いミシンで市場拡大に努めてまいりましたが、米中貿易摩擦が長期化し、中国からの生産地移管が進む中で移管先の見極めによる設備投資の先送りや、環境問題への意識が高まったことで、アパレル企業の在庫大量廃棄が問題視されたことによる発注の減少などもあり、販売は低調に推移しました。
この結果通期では、売上高は前連結会計年度と比べ24.3%減、セグメント利益は前連結会計年度と比べ52.6%減となりました。
今後につきましては、消費電力を大幅に削減できる当社独自開発の小型ダイレクトドライブモーターを搭載した機種のラインナップを充実させ、IOTなどを活用した自動縫製の研究を推進するなど、市場ニーズを的確に捉えた製品を投入してまいります。
また、非アパレル市場向けとして自動車の内装やカーシートなどの分野への参入も視野に縫製以外の産業への参入と拡大にも注力いたします。
(ダイカスト部品事業)
ダイカスト部品事業は、世界的に自動車販売が低調に推移する中、新規取引先開拓の推進による販路拡大に注力しました。
地域別に見ますと、中国では過剰債務問題等による景気の低迷で自動車販売が低調に推移したことが影響しました。ベトナムでは自動車生産が盛んなインドネシアやタイでの新規顧客開拓を推進したことで受注獲得にいたり、業績に貢献しました。メキシコ子会社におきましては、本格的な量産を開始いたしました。
この結果通期では、売上高は前連結会計年度と比べ0.3%増、セグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント利益59百万円)となりました。
今後につきましては、世界三大自動車生産地に拠点を持つ強みを活かし、欧米自動車メーカー向けへの販売に取り組んでまいります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社企業グループにおける主な資金需要は、営業活動や生産活動に必要な運転資本、販売費、研究開発費等があります。投資活動においては、新規設備投資や更新投資があります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達し、資金の流動性確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。
なお、今後新型コロナウイルス感染症の影響で売上が急速に減少し、暫定的に手元資金が不足する場合は、金融機関からの借入により対応する予定であります。
ニ.目標とする経営指標に関する分析
当連結会計年度はミシン事業が低迷したことにより、売上高営業利益率は中長期的目標である10%以上に対して3.3%となり、ROEは前連結会計年度9.5%に対して当連結会計年度△1.0%となりました。引き続き配当性向30%を目安に、業績の変動に左右されない安定的かつ継続的な配当の実現に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」
という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、アメリカを中心とした保護主義的な通商政策により特に中国経済の減速が顕著になり、2020年となってからの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、深刻な景気後退に陥りました。
日本経済は、消費税率の引き上げによる消費の減速に加えて、新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、先行きの不確実性が一層高まってきております。
このような環境のもとで、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は下記のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度における資産合計は、前連結会計年度に比べ1億33百万円減少し297億19百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度に比べ11億18百万円増加し79億82百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度に比べ12億51百万円減少し217億37百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度における売上高は149億69百万円(前連結会計年度比20.8%減)、営業利益は4億99百万円(前連結会計年度比78.3%減)、経常利益は4億84百万円(前連結会計年度比81.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は2億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20億79百万円)となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。
工業用ミシン事業
当セグメントにつきましては、戦略機種投入や上級機種の販売を進めておりますが、米中貿易摩擦の影響等により、売上高は122億63百万円(前年同期比24.3%減)、セグメント利益は16億23百万円(前年同期比52.6%減)となりました。
ダイカスト部品事業
当セグメントにつきましては、販路拡大に向けた販売活動を継続しており、売上高は27億5百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント利益59百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は56億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億53百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億50百万円減少し6億2百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益4億73百万円、減価償却費7億64百万円、売上債権の減少額7億60百万円に対し、仕入債務の減少額3億10百万円、たな卸資産の増加額2億47百万円、法人税等の支払額7億62百万円などによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ1億23百万円減少し16億27百万円となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出15億60百万円などによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ5億17百万円増加し5億76百万円となりました。これは主として短期借入金の純増加額10億95百万円、長期借入による収入額6億55百万円に対し、配当金の支払額6億20百万円、長期借入金の返済による支出額3億42百万円、社債の償還による支出額1億6百万円などによります。
③生産、受注及び販売の状況
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 工業用ミシン | 5,738,709 | △29.3 |
| ダイカスト部品 | 2,076,815 | △2.2 |
| 合計 | 7,815,524 | △23.7 |
(注) 1 上記の金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ. 受注実績
当社企業グループは、受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 工業用ミシン | 12,263,399 | △24.3 |
| ダイカスト部品 | 2,705,870 | 0.3 |
| 合計 | 14,969,269 | △20.8 |
(注) 1 売上高は、外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定の設定を行っております。当社グループにおいて重要性の高い会計上の見積りとして以下を認識しています。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断しておりますが、見積りの不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なるものとなる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
(棚卸資産の評価)
原価法(収益性の低下による簿価切り下げの方法)によっており、期末における取得原価と正味売却価額のうちいずれか低い価額を棚卸資産の貸借対照表価額としております。この正味売却価額は期末前後の販売実績に基づく価額を基礎としております。また、正味売却価額の合理的な算出が難しい滞留品については滞留期間に応じて評価減割合を設定し、保守完了予定品や過剰品については過去の消費、販売実績等に基づき将来需要予測を算出し評価しています。この評価減割合や将来需要予測は当社グループの各拠点における環境や情況を踏まえて決定していますが、実際の販売や生産状況等が変化することにより、在庫評価損の追加計上が将来において必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当期及び過去の課税所得、税務上の繰越欠損金の発生実績に応じて、繰延税金資産の回収可能性における会社分類を見直し、当該分類に応じた合理的な見積期間内の将来課税所得や将来減算一時差異等のスケジューリングに基づき繰延税金資産を計上しています。従って、当該会社分類に基づく見積期間や将来課税所得の見積額に変更が生じた場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度における資産の額は、297億19百万円と前連結会計年度に比べ1億33百万円の減少となりました。流動資産につきましては、主として受取手形及び売掛金が8億38百万円、現金及び預金が5億円それぞれ減少したこと、原材料及び貯蔵品が2億29百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ11億77百万円減少となりました。固定資産につきましては、主として本社ビル建替えなど有形固定資産が13億68百万円増加したこと、投資その他の資産が3億円、無形固定資産が24百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ10億44百万円増加となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債の額は、79億82百万円と前連結会計年度に比べ11億18百万円の増加となりました。流動負債につきましては、主として短期借入金が10億69百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億71百万円、流動負債のその他が1億2百万円それぞれ増加したこと、未払法人税等が5億86百万円、支払手形及び買掛金が3億53百万円、1年内償還予定の社債が1億11百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億86百万円増加となりました。固定負債につきましては、主としてリース債務が4億60百万円、繰延税金負債が2億73百万円、長期借入金が1億41百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ8億31百万円増加となりました。また、米ドル建のインパクトローンを活用し米ドル建債権の為替変動リスクに備えております。
(純資産の部)
当連結会計年度の純資産の額は、217億37百万円と前連結会計年度に比べ12億51百万円の減少となりました。親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定の減少などによるものであります。また、自己資本比率70.9%について、変化の激しいグローバルマーケットでの競争に備え、一定水準の自己資本比率は必要との認識であります。成長のための投資に必要な内部留保を確保しつつ、業績に左右されない安定的な配当政策と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は149億69百万円となり、前連結会計年度に比べ39億21百万円の減収となりました。主な要因は、工業用ミシン事業の販売が低調に推移したことによります。
(営業損益)
当連結会計年度における営業利益は4億99百万円となり、工業用ミシン事業の販売が減少したことなどにより、前連結会計年度と比べ18億6百万円の減益となりました。営業利益率は3.3%となり指標とする10%以上を下回りました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常利益は4億84百万円となり、前連結会計年度と比べ20億58百万円の減益となりました。主な要因は、営業利益の落ち込みに加え為替相場が円高に推移し為替差損が発生したことなどによります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損失は2億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20億79百万円)となりました。主な要因は、当期及び今後の業績動向を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取崩したことなどによります。
2016年発表の中期経営計画は2020年3月期を最終年度とし、「お客様と共に成長するための顧客対応力強化」を中期経営計画のテーマとして掲げ、「製品・品質・サービス」の三つの差別化徹底等の基本方針に基づいた様々な施策のもと、計画の達成に向け取り組んでまいりました。
しかしながら、米中貿易摩擦の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界的に景気の不確実性が高まる中、当社グループの経営環境は厳しさを増しております。
このような状況のもと、環境の変化を踏まえつつ次期中期経営計画の策定を見据え、引き続き主力事業の強みを生かした成長と収益構造及び経営基盤の強化を推進してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(工業用ミシン事業)
工業用ミシン事業は、前会計年度に引き続き、価格的戦略機種の第2弾を全世界で販売を開始し、当社主力製品の環縫いミシンの両輪である、オーバーロックミシンと偏平縫いミシンで市場拡大に努めてまいりましたが、米中貿易摩擦が長期化し、中国からの生産地移管が進む中で移管先の見極めによる設備投資の先送りや、環境問題への意識が高まったことで、アパレル企業の在庫大量廃棄が問題視されたことによる発注の減少などもあり、販売は低調に推移しました。
この結果通期では、売上高は前連結会計年度と比べ24.3%減、セグメント利益は前連結会計年度と比べ52.6%減となりました。
今後につきましては、消費電力を大幅に削減できる当社独自開発の小型ダイレクトドライブモーターを搭載した機種のラインナップを充実させ、IOTなどを活用した自動縫製の研究を推進するなど、市場ニーズを的確に捉えた製品を投入してまいります。
また、非アパレル市場向けとして自動車の内装やカーシートなどの分野への参入も視野に縫製以外の産業への参入と拡大にも注力いたします。
(ダイカスト部品事業)
ダイカスト部品事業は、世界的に自動車販売が低調に推移する中、新規取引先開拓の推進による販路拡大に注力しました。
地域別に見ますと、中国では過剰債務問題等による景気の低迷で自動車販売が低調に推移したことが影響しました。ベトナムでは自動車生産が盛んなインドネシアやタイでの新規顧客開拓を推進したことで受注獲得にいたり、業績に貢献しました。メキシコ子会社におきましては、本格的な量産を開始いたしました。
この結果通期では、売上高は前連結会計年度と比べ0.3%増、セグメント損失は1百万円(前年同期はセグメント利益59百万円)となりました。
今後につきましては、世界三大自動車生産地に拠点を持つ強みを活かし、欧米自動車メーカー向けへの販売に取り組んでまいります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性
当社企業グループにおける主な資金需要は、営業活動や生産活動に必要な運転資本、販売費、研究開発費等があります。投資活動においては、新規設備投資や更新投資があります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達し、資金の流動性確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。
なお、今後新型コロナウイルス感染症の影響で売上が急速に減少し、暫定的に手元資金が不足する場合は、金融機関からの借入により対応する予定であります。
ニ.目標とする経営指標に関する分析
当連結会計年度はミシン事業が低迷したことにより、売上高営業利益率は中長期的目標である10%以上に対して3.3%となり、ROEは前連結会計年度9.5%に対して当連結会計年度△1.0%となりました。引き続き配当性向30%を目安に、業績の変動に左右されない安定的かつ継続的な配当の実現に取り組んでまいります。