有価証券報告書-第45期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/19 16:09
【資料】
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【項目】
136項目

対処すべき課題

(1)当面の対処すべき課題の内容
当社グループは、水処理の研究開発、技術力の向上に積極的に取り組むことにより、半導体並びに液晶を中心とする世界の最先端産業の発展・向上に貢献するとともに、超純水分野で培った技術をベースに近年ニーズが高まっている環境関連分野を強化することで、中期経営目標の達成に向けた経営活動をグループ一丸となって推進しております。
これを実現させるための当社グループの課題としましては、①営業力の強化、②受注採算改善及び為替リスクの回避、③継続的な研究開発による他社との差別化及び新商品の市場投入、④優秀な人材の確保と育成、⑤一般水処理事業への事業領域拡大が重要な経営課題であると認識しております。
(2)具体的な取り組みの状況等
① 営業力の強化
水質の維持及びトラブル発生時の迅速な対応等顧客ニーズの的確な把握ときめ細かな対応を通じ、競争力の高い販売先を確保していくため、必要に応じて新たな拠点展開を図ってまいります。
この観点から、超純水製造装置の納入場所の近接地域への進出が営業強化には不可欠であるとの認識に基づき、平成18年1月に上海野村水処理工程有限公司、平成18年2月に野村マイクロ・サイエンス USA Ltd.,Co、平成21年6月に上海日村商貿有限公司、平成23年1月に台湾に野村微科學工程股份有限公司をそれぞれ設立し、受注活動を展開しております。
加えて、平成24年8月にはベトナムに、現地の情報収集及び各種マーケティングを通じ、今後の当社グループの海外事業拡大を図るために新たな海外拠点として、駐在員事務所を開設いたしました。さらに、平成25年3月には、韓国企業の中国進出に伴い、上海野村水処理工程有限公司が中国に西安支店、5月には広州支店をそれぞれ開設いたしました。
また、平成23年11月には海外における研究開発体制を構築し、顧客から求められる研究課題の解決を図るとともに、当社の技術力の向上と併せてコストダウンに資する提案を行うことを目的として、韓国に研究開発機能を有する株式会社NADを設立いたしましたが、同国における経営資源を集約することにより、グループ経営の一層の効率化・合理化を図るため、株式会社野村コリアと株式会社NADは、平成26年1月1日付で株式会社野村コリアを存続会社とする吸収合併を行い、存続会社の商号を株式会社野村マイクロ・サイエンス コリアに変更しております。
一方、国内におきましては、プラスチック製配管材料の販売強化を図る目的で、平成21年4月にアグループラスチック株式会社を設立しております。
② 受注採算改善及び為替リスクの回避
当社グループの海外売上高比率は概ね60%となっており、今後においてもアジア市場の成長が見込まれることから、外貨建て受注の増加による為替変動リスク回避を図るため、前述の拠点展開と並行して現地企業からの調達比率を引き上げ、コストダウンを図る等受注採算の改善及び為替変動リスクの回避にも取り組んでおります。
③ 継続的な研究開発による他社との差別化及び新商品の市場投入
「超純水の更なる高度化」、「環境規制への対応」、「省エネ」等の多様化・高度化する顧客ニーズに迅速かつ的確に対応するため、民間企業・大学等との共同研究に積極的に取り組んでおり、将来展望のある新商品の開発並びにRSシリーズ(レジスト剥離剤)、メトレート(金属除去モジュール)、シリコン回収リサイクル装置等の超純水製造装置以外の市場投入により、他産業・他用途向けの拡販等を図っております。
④ 優秀な人材の確保と育成
人材の確保と育成につきましては、従来から実施している大学の研究機関への派遣研修制度を継続するほか、エンジニア及び研究開発部門の採用を中心に展開しており、平成26年度は6名の新卒者を採用いたしました。
⑤ 一般水処理事業への事業領域拡大
長年当社で培った超純水製造技術を活用しつつ、素材メーカーや商社など他社との協業により、半導体・液晶関連企業以外の工場の廃水処理等、従来の当社のマーケットとは異なる領域での受注確保に取り組んでおり、平成25年12月には、中国貴州省における浄水並びに汚水処理事業に参画することにより、当社グループの事業領域の拡大及び長期安定収益の確保を図るため、中国貴州省凱里市に黔東南州凱創水資源環保科技工程有限公司(当社出資比率99%)を設立しております。