有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、2025年度(当連結会計年度)末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、春闘における高水準の賃上げを背景に雇用・所得環境の改善が続き、政府による成長投資・危機管理投資の具体化に向けた動きが、景気の下支えの要因となりました。一方で、米国の関税政策の動向や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスク、これらを背景としたエネルギー価格上昇や原材料価格高騰などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社の関連する市場においては、国内電力市場では老朽設備の更新需要や防災・国土強靭化政策を背景とした需要が堅調に推移するとともに、海外先進国を中心に環境規制の強化によるSF6ガス不使用製品の需要が拡大するなど当社の事業に追い風となっております。一方で、自動車事業でのEVシフトの進展が一時的に鈍化しており、当社EV事業の業績に一定の影響を及ぼしました。
このような中、「中期経営計画2027」で掲げた方針に基づき、「成長&挑戦」の初年度として「製品」、「事業」、「技術」の3つの領域で戦略的に施策を展開してきました。また、成長戦略を支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」「人的資本の強化」「社内DXの加速」を推し進め、更なる価値創造基盤の強化にも努めてまいりました。
当連結会計年度(以下「当期」)の経営成績は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当期の営業利益は27,122百万円となり前連結会計年度(以下「前期」)と比較し5,609百万円増加しております。
当期の営業外損益につきましては、営業外収益が3,242百万円、営業外費用が2,475百万円となりました。
営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金1,181百万円であります。営業外費用の主な内訳は、支払利息928百万円であります。この結果、経常利益は27,889百万円となり前期と比較して6,697百万円増加し、売上高経常利益率は8.5%となっております。
当期の特別損益につきましては、特別利益が6,451百万円、特別損失が3,521百万円となりました。
特別利益の主な内訳は、固定資産売却益5,391百万円、投資有価証券売却益967百万円であります。特別損失の主な内訳は、減損損失3,303百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は30,820百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額合計で6,814百万円計上、及び非支配株主に帰属する当期純利益380百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は23,625百万円となっております。また、1株当たり当期純利益は520円78銭、自己資本利益率は15.1%となっております。
① 電力インフラ事業セグメント
売上高は前期比16.7%増の100,844百万円、営業利益は前期比4,596百万円改善の12,584百万円となり、売上高及び営業利益はいずれも過去最高となりました。
海外を主体とする変電事業については、アメリカ、シンガポールなどにおける需要の伸びや収益性改善の取組みにより、増収増益となりました。また、国内主体の電力エネルギー事業についても、電力会社向け案件の需要増を背景に、増収増益となりました。
② 社会システム事業セグメント
売上高は前期比8.5%増の104,555百万円、営業利益は前期比1,057百万円改善の4,092百万円となりました。
社会システム事業は工事進行案件の予想を上回る進捗により増収増益となりました。電鉄事業においては、一部工事進行案件における前倒し需要や海外プロジェクトにおける採算の事後改善により、増収増益となりました。また水インフラ事業においては、売上はほぼ前年並みに推移しましたが、工事進行基準を適用した高収益性案件の拡大により利益が改善しました。
③ 産業電子モビリティ事業セグメント
売上高は前期比3.8%減の69,308百万円となった一方、営業利益は前期比1,111百万円悪化の21百万円となりました。
モビリティT&S事業については、前年度に受注した大口案件の売上が順調に推移したことにより増収増益となりました。電動力ソリューション事業及び電子機器事業では、売上高はわずかな減少にとどまり、製品構成や設備稼働の変動に伴う利益率の低下により、営業利益は減少いたしました。EV事業は、当社製品を搭載する車種で販売台数の落ち込みにより減収減益となりました。
④ フィールドエンジニアリング事業セグメント
売上高は前期比15.0%増の57,007百万円、営業利益は前期比2,742百万円改善の12,673百万円となりました。
保守サービスに関する堅調な需要が継続していることに加えて、当年度に売り上がる案件の増加により、3年連続で売上高及び営業利益が過去最高を更新し、継続的な増収増益を実現しました。
⑤ 不動産事業セグメント
売上高は前期比0.1%減の3,233百万円、営業利益は29百万円悪化の1,413百万円となりました。
⑥ その他
報告セグメントに含まれない事業において、売上高は前期比2.9%増の8,920百万円となった一方で、営業利益は前期比386百万円悪化の91百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」)比32,321百万円(9.5%)増加し、373,668百万円となりました。
流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加により、前期末比23,154百万円(10.7%)増加の240,271百万円となりました。
固定資産は、保有する上場株式の市場価値上昇に伴う投資有価証券の増加により、前期末比9,166百万円(7.4%)増加の133,396百万円となりました。
負債合計は、退職給付に係る負債の減少により、前期末比3,997百万円(2.0%)減少して195,136百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金の増加により、前期末比36,318百万円(25.5%)増加して178,531百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末の40.7%から46.8%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ5,452百万円減少し、23,639百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,498百万円(前年同期は35,454百万円の獲得)となりました。
主な収入は、税金等調整前当期純利益30,820百万円、減価償却費11,174百万円であり、主な支出は、売上債権の増加額14,125百万円、法人税等の支払額7,699百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は17,134百万円(前年同期は9,065百万円の使用)となりました。
主な支出は、有形及び無形固定資産の取得による支出15,241百万円によるものであり、主な収入は、有形固定資産の売却による収入6,090百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7,785百万円(前年同期は14,536百万円の使用)となりました。
主な支出は、長期借入金の返済による支出7,246百万円、配当金の支払額6,114百万円であり、主な収入は、長期借入れによる収入4,550百万円であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当連結会計年度における資金調達は、主として借入金及びコマーシャル・ペーパーをもって行いました。調達においては、長期・短期のバランスと安定性を考慮し、長期の借入も実施しております。
その結果、借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の残高は、前期比161百万円減少の44,404百万円となりました。
また、当連結会計年度末のコミットメントラインは40,000百万円で設定されております。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「中期経営計画2027」(以下、「中計2027」)を「ニーズに対応した着実な成長」と「未来に向けた変化・挑戦」を両立する3年間として位置づけております。中計2027では既存事業の持続的な成長と非連続的な成長の両方を実現することを目指し、「製品」「事業」「技術」を成長戦略の柱に据えて、これらを支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」、「人的資本の強化」、「社内DXの加速」を着実に進展させることで、持続的な企業価値の向上を目指しております。
中計2027の初年度にあたる2025年度は、当初計画を上回るとともに、売上高、営業利益のいずれも過去最高を達成することができ、売上高326,194百万円、営業利益27,122百万円、ROE15.1%となりました。この達成の背景には、電力インフラ事業を中心とした旺盛な需要環境に加え、これまで取り組んできた価格適正化やコスト削減の取組み等の成果が現れ、社会インフラ事業の業績改善に繋がったことがあります。さらに、保守・メンテナンス等のストック型ビジネスの収益拡大により、外部環境の変動に左右されにくく、利益率と資本効率(ROIC)が同時に向上する収益構造が確立されつつあります。
当連結会計年度の投資の状況につきましては、設備投資18,082百万円、研究開発13,473百万円となりました。設備投資については、大型変圧器用試験エリアの拡張や乾燥炉の改修といった変圧器工場の既存生産ラインの増強をはじめ、生産能力の向上を図る投資とともに、沼津事業所全体の排水設備や空調追加設置等の工場のインフラ・職場環境改善に向けた投資を行いました。また、その他の工場においても2026年度以降の稼働に向け、生産能力増強に関する投資を着実に進めております。研究開発については後記「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載のとおりであります。
当社を取り巻く経営環境としては、米国関税の発動、中国による重要鉱物の輸出規制に伴うサプライチェーンリスクの表面化や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスク、急激な為替変動等が、経営上の大きな不確実性要因となっております。このような環境下においても、AI・データセンターの拡大、電動化の進展、再生可能エネルギーの導入拡大を背景とした世界的な電力需要の高まりや、設備更新需要、保守サービス需要の拡大等により、当社の成長に繋がる機会が継続すると捉えております。一方、EV市場の成長鈍化など事業分野によっては慎重な見極めが必要な状況も継続しております。このような環境の動向に注視しながら、今後も持続的な価値創造に向けて、更なる変化への対応力を高めながら中計2027の取組みを加速してまいります。
2026年度以降の単年度計画につきましては、以下の2026年度当初計画のように前年度実績を基礎としつつ、最新の事業環境および足元の進捗状況を適切に見極めながら、業績予想に反映させていく方針であります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
① 固定資産の減損及び投融資の評価
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、見積耐用年数にわたり、主として定率法又は定額法により償却しております。これらの有形固定資産及び無形固定資産について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の判定を行っております。減損が生じていると判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を、減損損失として計上しております。
回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定においては、見積り将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値及び資産固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いて算出しております。
なお、一部の子会社の買収時に発生したのれんの価値算定においては、過去実績、収益と費用の予測、将来の市場の成長度合、経営者により承認された事業計画の実現可能性度合、適切な市場における比較対象等の前提条件を使用しております。また、割引率の算定にあたっては、独立した外部の評価機関を利用しております。
これらの前提条件の見積りに関する評価は合理的であると判断しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の評価に関する見積りが変化した場合には、更に減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の見込みにより、回収可能と判断した部分につきましては評価性引当額を認識しておらず、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、過去実績、将来の課税所得及びタックス・プランニング等を考慮し、慎重に検討しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
③ 受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
④ 製品保証引当金
当社グループは、納入した製品の無償補修費用の支出に備えるため、無償補修費用を個別に見積り算出した額を計上しております。実際の補修費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付に係る負債
従業員の退職給付債務及び費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率及び長期期待運用収益率は、退職給付債務及び費用を決定する上で重要な前提条件であります。
割引率は、測定日時点における従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定しております。長期期待運用収益率は、債券及び株式等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益の加重平均に基づき決定しております。
当社グループは、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
なお、割引率及び長期期待運用収益率がそれぞれ0.5%変動した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりであります。
⑥ 工事契約に係る収益認識
工事契約に係る収益のうち、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、主として発生原価に基づくインプット法によっております。
工事契約に係る収益認識は、工事原価総額の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは当初は実行予算によって行っております。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた仕様や材料価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して各工事毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積ります。着工後は、プロジェクト毎に実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の見直しを行っております。
工事原価総額の見積りに用いられる前提は適切であると判断しておりますが、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、工事契約に係る収益及び費用の修正が必要となる可能性があります。
また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、2025年度(当連結会計年度)末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、春闘における高水準の賃上げを背景に雇用・所得環境の改善が続き、政府による成長投資・危機管理投資の具体化に向けた動きが、景気の下支えの要因となりました。一方で、米国の関税政策の動向や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスク、これらを背景としたエネルギー価格上昇や原材料価格高騰などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社の関連する市場においては、国内電力市場では老朽設備の更新需要や防災・国土強靭化政策を背景とした需要が堅調に推移するとともに、海外先進国を中心に環境規制の強化によるSF6ガス不使用製品の需要が拡大するなど当社の事業に追い風となっております。一方で、自動車事業でのEVシフトの進展が一時的に鈍化しており、当社EV事業の業績に一定の影響を及ぼしました。
このような中、「中期経営計画2027」で掲げた方針に基づき、「成長&挑戦」の初年度として「製品」、「事業」、「技術」の3つの領域で戦略的に施策を展開してきました。また、成長戦略を支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」「人的資本の強化」「社内DXの加速」を推し進め、更なる価値創造基盤の強化にも努めてまいりました。
当連結会計年度(以下「当期」)の経営成績は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 実績 | 2026年3月期 実績 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 売 上 高 | 301,101 | 326,194 | 25,092 | 8.3 |
| 営 業 利 益 | 21,512 | 27,122 | 5,609 | 26.1 |
| 経 常 利 益 | 21,192 | 27,889 | 6,697 | 31.6 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 18,487 | 23,625 | 5,138 | 27.8 |
当期の営業利益は27,122百万円となり前連結会計年度(以下「前期」)と比較し5,609百万円増加しております。
当期の営業外損益につきましては、営業外収益が3,242百万円、営業外費用が2,475百万円となりました。
営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金1,181百万円であります。営業外費用の主な内訳は、支払利息928百万円であります。この結果、経常利益は27,889百万円となり前期と比較して6,697百万円増加し、売上高経常利益率は8.5%となっております。
当期の特別損益につきましては、特別利益が6,451百万円、特別損失が3,521百万円となりました。
特別利益の主な内訳は、固定資産売却益5,391百万円、投資有価証券売却益967百万円であります。特別損失の主な内訳は、減損損失3,303百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は30,820百万円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額合計で6,814百万円計上、及び非支配株主に帰属する当期純利益380百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は23,625百万円となっております。また、1株当たり当期純利益は520円78銭、自己資本利益率は15.1%となっております。
① 電力インフラ事業セグメント
売上高は前期比16.7%増の100,844百万円、営業利益は前期比4,596百万円改善の12,584百万円となり、売上高及び営業利益はいずれも過去最高となりました。
海外を主体とする変電事業については、アメリカ、シンガポールなどにおける需要の伸びや収益性改善の取組みにより、増収増益となりました。また、国内主体の電力エネルギー事業についても、電力会社向け案件の需要増を背景に、増収増益となりました。
② 社会システム事業セグメント
売上高は前期比8.5%増の104,555百万円、営業利益は前期比1,057百万円改善の4,092百万円となりました。
社会システム事業は工事進行案件の予想を上回る進捗により増収増益となりました。電鉄事業においては、一部工事進行案件における前倒し需要や海外プロジェクトにおける採算の事後改善により、増収増益となりました。また水インフラ事業においては、売上はほぼ前年並みに推移しましたが、工事進行基準を適用した高収益性案件の拡大により利益が改善しました。
③ 産業電子モビリティ事業セグメント
売上高は前期比3.8%減の69,308百万円となった一方、営業利益は前期比1,111百万円悪化の21百万円となりました。
モビリティT&S事業については、前年度に受注した大口案件の売上が順調に推移したことにより増収増益となりました。電動力ソリューション事業及び電子機器事業では、売上高はわずかな減少にとどまり、製品構成や設備稼働の変動に伴う利益率の低下により、営業利益は減少いたしました。EV事業は、当社製品を搭載する車種で販売台数の落ち込みにより減収減益となりました。
④ フィールドエンジニアリング事業セグメント
売上高は前期比15.0%増の57,007百万円、営業利益は前期比2,742百万円改善の12,673百万円となりました。
保守サービスに関する堅調な需要が継続していることに加えて、当年度に売り上がる案件の増加により、3年連続で売上高及び営業利益が過去最高を更新し、継続的な増収増益を実現しました。
⑤ 不動産事業セグメント
売上高は前期比0.1%減の3,233百万円、営業利益は29百万円悪化の1,413百万円となりました。
⑥ その他
報告セグメントに含まれない事業において、売上高は前期比2.9%増の8,920百万円となった一方で、営業利益は前期比386百万円悪化の91百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 電力インフラ事業 | 97,691 | 115.6 |
| 社会システム事業 | 94,636 | 99.4 |
| 産業電子モビリティ事業 | 64,174 | 90.0 |
| フィールドエンジニアリング事業 | 54,502 | 114.2 |
| 不動産事業 | - | - |
| その他 | 3,319 | 101.9 |
| 合計 | 314,324 | 104.1 |
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 電力インフラ事業 | 115,693 | 92.3 | 179,365 | 113.4 |
| 社会システム事業 | 116,351 | 99.0 | 181,382 | 112.3 |
| 産業電子モビリティ事業 | 64,507 | 76.2 | 30,062 | 86.9 |
| フィールドエンジニアリング事業 | 55,256 | 112.5 | 19,550 | 108.2 |
| 不動産事業 | 3,195 | 99.9 | 248 | 118.1 |
| その他 | 3,234 | 88.7 | 1,323 | 72.8 |
| 合計 | 358,239 | 93.4 | 411,933 | 110.0 |
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 電力インフラ事業 | 100,295 | 117.4 |
| 社会システム事業 | 96,602 | 106.6 |
| 産業電子モビリティ事業 | 67,833 | 96.3 |
| フィールドエンジニアリング事業 | 54,501 | 114.3 |
| 不動産事業 | 3,195 | 99.9 |
| その他 | 3,766 | 101.4 |
| 合計 | 326,194 | 108.3 |
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」)比32,321百万円(9.5%)増加し、373,668百万円となりました。
流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加により、前期末比23,154百万円(10.7%)増加の240,271百万円となりました。
固定資産は、保有する上場株式の市場価値上昇に伴う投資有価証券の増加により、前期末比9,166百万円(7.4%)増加の133,396百万円となりました。
負債合計は、退職給付に係る負債の減少により、前期末比3,997百万円(2.0%)減少して195,136百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金の増加により、前期末比36,318百万円(25.5%)増加して178,531百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末の40.7%から46.8%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ5,452百万円減少し、23,639百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17,498百万円(前年同期は35,454百万円の獲得)となりました。
主な収入は、税金等調整前当期純利益30,820百万円、減価償却費11,174百万円であり、主な支出は、売上債権の増加額14,125百万円、法人税等の支払額7,699百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は17,134百万円(前年同期は9,065百万円の使用)となりました。
主な支出は、有形及び無形固定資産の取得による支出15,241百万円によるものであり、主な収入は、有形固定資産の売却による収入6,090百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7,785百万円(前年同期は14,536百万円の使用)となりました。
主な支出は、長期借入金の返済による支出7,246百万円、配当金の支払額6,114百万円であり、主な収入は、長期借入れによる収入4,550百万円であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当連結会計年度における資金調達は、主として借入金及びコマーシャル・ペーパーをもって行いました。調達においては、長期・短期のバランスと安定性を考慮し、長期の借入も実施しております。
その結果、借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債の残高は、前期比161百万円減少の44,404百万円となりました。
また、当連結会計年度末のコミットメントラインは40,000百万円で設定されております。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「中期経営計画2027」(以下、「中計2027」)を「ニーズに対応した着実な成長」と「未来に向けた変化・挑戦」を両立する3年間として位置づけております。中計2027では既存事業の持続的な成長と非連続的な成長の両方を実現することを目指し、「製品」「事業」「技術」を成長戦略の柱に据えて、これらを支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」、「人的資本の強化」、「社内DXの加速」を着実に進展させることで、持続的な企業価値の向上を目指しております。
中計2027の初年度にあたる2025年度は、当初計画を上回るとともに、売上高、営業利益のいずれも過去最高を達成することができ、売上高326,194百万円、営業利益27,122百万円、ROE15.1%となりました。この達成の背景には、電力インフラ事業を中心とした旺盛な需要環境に加え、これまで取り組んできた価格適正化やコスト削減の取組み等の成果が現れ、社会インフラ事業の業績改善に繋がったことがあります。さらに、保守・メンテナンス等のストック型ビジネスの収益拡大により、外部環境の変動に左右されにくく、利益率と資本効率(ROIC)が同時に向上する収益構造が確立されつつあります。
当連結会計年度の投資の状況につきましては、設備投資18,082百万円、研究開発13,473百万円となりました。設備投資については、大型変圧器用試験エリアの拡張や乾燥炉の改修といった変圧器工場の既存生産ラインの増強をはじめ、生産能力の向上を図る投資とともに、沼津事業所全体の排水設備や空調追加設置等の工場のインフラ・職場環境改善に向けた投資を行いました。また、その他の工場においても2026年度以降の稼働に向け、生産能力増強に関する投資を着実に進めております。研究開発については後記「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載のとおりであります。
当社を取り巻く経営環境としては、米国関税の発動、中国による重要鉱物の輸出規制に伴うサプライチェーンリスクの表面化や中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスク、急激な為替変動等が、経営上の大きな不確実性要因となっております。このような環境下においても、AI・データセンターの拡大、電動化の進展、再生可能エネルギーの導入拡大を背景とした世界的な電力需要の高まりや、設備更新需要、保守サービス需要の拡大等により、当社の成長に繋がる機会が継続すると捉えております。一方、EV市場の成長鈍化など事業分野によっては慎重な見極めが必要な状況も継続しております。このような環境の動向に注視しながら、今後も持続的な価値創造に向けて、更なる変化への対応力を高めながら中計2027の取組みを加速してまいります。
2026年度以降の単年度計画につきましては、以下の2026年度当初計画のように前年度実績を基礎としつつ、最新の事業環境および足元の進捗状況を適切に見極めながら、業績予想に反映させていく方針であります。
| 指標 | 2025年度 (当初計画) | 2025年度 (修正発表) | 2025年度 (実績) | 2026年度 (当初計画) | 2027年度 (目標) |
| 受注高 (百万円) | 340,000 | 345,000 | 358,239 | 375,000 | 380,000 |
| 売上高 (百万円) | 335,000 | 325,000 | 326,194 | 355,000 | 370,000 |
| 営業利益 (百万円) | 20,000 | 24,000 | 27,122 | 29,000 | 25,000 |
| 経常利益 (百万円) | 20,000 | 24,500 | 27,889 | 29,000 | 25,000 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 14,000 | 20,500 | 23,625 | 22,000 | 17,500 |
| ROE (%) | - | - | 15.1 | - | 10.0 |
| ROIC (%) | - | - | 9.4 | - | 8.0 |
| 営業利益率 (%) | 6.0 | 7.4 | 8.3 | 8.2 | 6.8 |
| 自己資本額(百万円) | - | - | 174,889 | - | - |
| 自己資本比率 (%) | - | - | 46.8 | - | - |
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
① 固定資産の減損及び投融資の評価
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、見積耐用年数にわたり、主として定率法又は定額法により償却しております。これらの有形固定資産及び無形固定資産について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の判定を行っております。減損が生じていると判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を、減損損失として計上しております。
回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定においては、見積り将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値及び資産固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いて算出しております。
なお、一部の子会社の買収時に発生したのれんの価値算定においては、過去実績、収益と費用の予測、将来の市場の成長度合、経営者により承認された事業計画の実現可能性度合、適切な市場における比較対象等の前提条件を使用しております。また、割引率の算定にあたっては、独立した外部の評価機関を利用しております。
これらの前提条件の見積りに関する評価は合理的であると判断しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の評価に関する見積りが変化した場合には、更に減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の見込みにより、回収可能と判断した部分につきましては評価性引当額を認識しておらず、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、過去実績、将来の課税所得及びタックス・プランニング等を考慮し、慎重に検討しておりますが、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
③ 受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
④ 製品保証引当金
当社グループは、納入した製品の無償補修費用の支出に備えるため、無償補修費用を個別に見積り算出した額を計上しております。実際の補修費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付に係る負債
従業員の退職給付債務及び費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率及び長期期待運用収益率は、退職給付債務及び費用を決定する上で重要な前提条件であります。
割引率は、測定日時点における従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定しております。長期期待運用収益率は、債券及び株式等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益の加重平均に基づき決定しております。
当社グループは、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
なお、割引率及び長期期待運用収益率がそれぞれ0.5%変動した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりであります。
| 退職給付費用 | 退職給付債務 | ||
| 割引率 | 0.5%上昇 | 87百万円の減少 | 1,708百万円の減少 |
| 0.5%低下 | 96百万円の増加 | 1,845百万円の増加 | |
| 長期期待運用収益率 | 0.5%上昇 | 21百万円の減少 | ― |
| 0.5%低下 | 21百万円の増加 | ― |
⑥ 工事契約に係る収益認識
工事契約に係る収益のうち、一定の期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、主として発生原価に基づくインプット法によっております。
工事契約に係る収益認識は、工事原価総額の見積りにより収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは当初は実行予算によって行っております。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づいた仕様や材料価格について仮定を設定し、作業効率等を勘案して各工事毎に詳細に積み上げることによって工事原価総額を見積ります。着工後は、プロジェクト毎に実際の発生原価と対比して適時・適切に工事原価総額の見直しを行っております。
工事原価総額の見積りに用いられる前提は適切であると判断しておりますが、想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、工事契約に係る収益及び費用の修正が必要となる可能性があります。
また、会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。