四半期報告書-第117期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/13 16:28
【資料】
PDFをみる
【項目】
28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続き、穏やかな回復基調が継続いたしましたが、米国政権による経済政策運営の不確実性及び地政学的リスクの高まりから、景気の先行きは引き続き不透明な状況が続いております。
このような中、当第3四半期連結累計期間の売上高は244億3千9百万円(前年同四半期比9.0%増)となりました。
利益面におきましては、営業利益12億9千8百万円(前年同四半期比99.4%増)、経常利益14億1千9百万円(前年同四半期比66.6%増)となりました。特別損失にメカトロニクス事業において減損損失2億6千7百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億9千1百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失13億1千9百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業の売上高は前年同四半期比23.7%増の70億4千4百万円(総売上高の28.8%)となりました。
液晶製造装置向けや成膜装置向けの高電圧電源については大型の設備投資需要があり伸長し、医療用・工業用・環境対応の高電圧電源についても、新規需要および更改等で堅調に推移しました。更に、スマートフォンなどの携帯端末向けの無線基地局用電源の投資について首都圏および関西・九州エリアを中心に全国的に伸長しました。
[メカトロニクス事業]
メカトロニクス事業の売上高は前年同四半期比73.0%減の6億6千5百万円(総売上高の2.7%)となりました。
大型溶接機と真空ソルダリングシステムは売上げたものの、拡販が進む新製品の車載ディスプレイ向け貼合せ装置は売上までには至りませんでした。
[ケミトロニクス事業]
ケミトロニクス事業の売上高は前年同四半期比10.9%増の87億7千2百万円(総売上高の35.9%)となりました。
国内、海外ともに主力の自動車関連分野を中心に堅調に推移し、新規分野開拓も売上に貢献しました。
[コンポーネント事業]
コンポーネント事業の売上高は前年同四半期比25.3%増の79億5千7百万円(総売上高の32.6%)となりました。
金融機器関係は、国内は回復傾向も海外が低調に推移しました。また医療機器関係は海外案件が順調に伸びるも、国内メーカーの在庫調整などがあり前年同四半期並みとなりました。一方、事務機関係は新たな用途開拓を行い新製品に結び付けたと共に、半導体製造装置を中心とした設備関係も好調に推移、また車載部品関係も好調維持により前年同四半期を大幅に上回りました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、439億5千3百万円となり、前連結会計年度末より16億9千5百万円増加しました。これは主に現金及び預金が4億2千5百万円、電子記録債権が2億2千2百万円減少しましたが、投資有価証券が13億8千9百万円、商品及び製品が3億7千5百万円、受取手形及び売掛金が3億5千4百万円、原材料及び貯蔵品が2億3千4百万円増加したことなどによるものであります。
負債は、190億円となり、前連結会計年度末より4億3千4百万円増加しました。これは主に環境対策引当金が14億9千8百万円、長期借入金が7億4千8百万円、支払手形及び買掛金が4億8千3百万円、賞与引当金が2億5千6百万円減少しましたが、電子記録債務が15億2千7百万円、短期借入金が15億円、流動負債のその他が3億2百万円増加したことなどによるものであります。
純資産は、249億5千3百万円となり、前連結会計年度末より12億6千1百万円増加しました。これは主にその他有価証券評価差額金が9億2千6百万円、利益剰余金が2億5千7百万円増加したことなどによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
1.会社の支配に関する基本方針
上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模な買付等が為された場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら、このような当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主の共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉が必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
このような当社株式の大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。
したがいまして、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある不適切な大規模な買付等またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配するものとしては不適切であると考えております。
2.会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み
当社では、多くの投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下の施策を実施しております。
これらの取組みは、上記1.の基本方針の実現に資するものと考えております。
(Ⅰ)当社経営理念
当社は、創業以来、時代の求める技術を独自に開発し「カスタム製品の開発」と「製品の多様化」を事業指
針として事業領域の拡大を図ってまいりました。当社は現在、経営理念として、
人類社会に役立つ存在感あふれる企業を目指し、
・世界から情報が集まる「開かれた企業」となろう
・オンリーワン技術を磨く「独自性のある企業」となろう
・チャンスを与え失敗を乗り越え、任せることの出来る「自己実現の場である企業」となろう
を掲げ、コア技術の更なる強化、新技術、新市場へのチャレンジで価値創造・向上に努めております。
(Ⅱ)中期経営計画に基づく取組み
当社グループは2016年4月1日開始年度から新たな3ヵ年中期経営計画を策定し、『世界に通用する技術で未来を創出』“Our Technologies Realize Your Dreams”を掲げ、国内ビジネスの強化、海外ビジネスの推進に
努めております。
また、地球環境保全につきましても、地球環境問題に配慮した企業活動をより一層推進することにより、社
会的責任を果たし、オリジン電気グループ行動憲章に則り、これらの活動を着実に実施しております。
(Ⅲ)コーポレート・ガバナンス(企業統治)強化等による企業価値向上への取組み
当社は、「公正かつ健全で透明性の高い企業経営を目指す」をコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方とし、変化の激しい市場において長期的に企業業績の成長を図り企業価値の最大化を追求するため、市場競争力の強化向上を目指しながら事業を迅速に運営し、グローバルに展開できる効率的なグループ体制の確立と公正かつ健全で透明性の高い経営の実現に向け、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めておりま
す。
当社は、これらの取組みとともに、コンプライアンスをはじめ内部統制の強化、地球環境への配慮を進める一方、事業におけるリスクの極小化や品質向上の徹底、海外市場の開拓や成長が見込まれる分野への経営資源の傾斜配分など、当社グループ全体の構造転換も一層進めることにより、さらに株主の皆様を始め顧客、取引先、従業員等ステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにし、中長期に亘る企業価値ひいては株主共同
の利益の確保および安定的な向上に注力してまいります。
当社は、取締役会の監査・監督機能のより一層の強化とガバナンスの更なる充実を図り、経営の公正性、透明性及び効率性を高めるため、平成28年6月開催の第115期定時株主総会において監査等委員会設置会社へ移行いたしました。これにより、取締役会は社外取締役3名を含む4名の監査等委員である取締役を新たに加えた構成となり、意思決定の迅速化及び監査等委員会による監査・監督機能のより一層の強化等が図れ、取締役会全体の実効性が高まっております。その他、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会、財務報
告に係る内部統制委員会を設置し、充実したコーポレート・ガバナンス体制を構築しております。
3.会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止する取組み(以下、「本プラン」といいます。)の内容
(Ⅰ)本プランの目的
本プランは、上記1.に記載した会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務お
よび事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして導入しております。
当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模な買付行為が為された場合の対応方針を含めた買収防衛策として、本
プランを継続しております。
(Ⅱ)本プランの対象となる当社株式の買付
本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除き、また市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」とい
い、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)とします。
注1:特定株主グループとは、
(ⅰ) 当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)およびその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づく共同保有者とみなされる者を含みま
す。以下同じとします。)または、
(ⅱ) 当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者およびその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。以下同じとします。)を意味しま
す。
注2:議決権割合とは、
(ⅰ) 特定株主グループが、注1の(ⅰ)記載の場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。以下同じとします。)も加算するものとしま
す。)または、
(ⅱ) 特定株主グループが、注1の(ⅱ)記載の場合は、当該大規模買付者および当該特別関係者の株券等保有
割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。
各議決権割合の算出に当たっては、総議決権の数(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)および発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書および自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとし
ます。
注3:株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等または同法第27条の2第1項に規定する株券等のいず
れかに該当するものを意味します。
(Ⅲ)独立委員会の設置
大規模買付ルールが遵守されたか否か、あるいは大規模買付ルールが遵守された場合でも、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会規程に基づき、独立委員会を設置いたします。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行から独立している社外取締役(監査等委員であるものを含みます。)または社外有識者
(注4)のいずれかに該当する者の中から選任します。
当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討の上で、当社取締役会に対し対抗措置を発動することができる状態にあるか否かについての勧告を行うものとします。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で対抗措置の発動について決定することと
します。独立委員会の勧告内容については、その概要を適宜公表することとします。
なお、独立委員会の判断が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、必要に応じて当社の費用で、独立した第三者である外部専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を得ることができるもの
とします。
注4:社外有識者とは、実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士、学識経験者またはこれに準じる者をいいま
す。
(Ⅳ)大規模買付ルールの概要
①大規模買付者による意向表明書の当社への事前提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、大規模買付行為または大規模買付行為の提案に先立ち、まず、大規模買付ルールに従う旨の法的拘束力を有する誓約文言を含む以下の内容等を日本語
で記載した意向表明書を、当社の定める書式により当社取締役会に提出していただきます。
(a) 大規模買付者の名称、住所
(b) 設立準拠法
(c) 代表者の氏名
(d) 国内連絡先
(e) 提案する大規模買付行為の概要
(f) 本プランに定められた大規模買付ルールに従う旨の誓約
当社取締役会が、大規模買付者から意向表明書を受領した場合は、速やかにその旨および必要に応じ、そ
の内容について公表いたします。
②大規模買付者からの必要情報の提供
当社取締役会は、上記(Ⅳ)①(a)~(f)までの全てが記載された意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者に対して大規模買付行為に関する情報(以下「必要情報」といいます。)について記載した書面(以下「必要情報リスト」といいます。)を交付し、大規模買付者には、必要
情報リストの記載にしたがい、必要情報を当社取締役会に書面にて提出していただきます。
必要情報の一般的な項目は以下のとおりです。その具体的内容は、大規模買付者の属性および大規模買付行為の内容によって異なりますが、いずれの場合も株主の皆様のご判断および当社取締役会としての意見形
成のために必要かつ十分な範囲に限定するものとします。
(a) 大規模買付者およびそのグループ(共同保有者および特別関係者および組合員(ファンドの場合)その他構成員を含みます。)の詳細(名称、事業内容、経歴または沿革、資本構成、財務内容、当社および当社グループ会社の事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)
(b) 大規模買付行為の目的、方法および内容(大規模買付行為の対価の価額・種類、大規模買付行為の時期、関連する取引の仕組み、大規模買付行為の方法の適法性、大規模買付行為および関連する取引の実現可能性等を含みます。)
(c) 大規模買付行為の当社株式に係る買付対価の算定根拠(算定の前提となる事実、算定方法、算定に用いた数値情報および大規模買付行為にかかる一連の取引により生じることが予想されるシナジーの内容を含みます。)
(d) 大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
(e) 大規模買付行為の完了後に想定している当社および当社グループ会社の役員候補(当社および当社グループ会社の事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、当社および当社グループ会社の経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等
(f) 大規模買付行為の完了後における当社および当社グループ会社の顧客、取引先、従業員等のステークホルダーと当社および当社グループ会社との関係に関しての変更の有無およびその内容
当社取締役会は、大規模買付ルールの迅速な運用を図る観点から、必要に応じて、大規模買付者に対し情報提供の期限を設定することがあります。ただし、大規模買付者から合理的な理由に基づく延長要請があっ
た場合は、その期限を延長することができるものとします。
なお、上記に基づき、当初提出された必要情報について当社取締役会が精査した結果、当該必要情報が大規模買付行為を評価・検討するための情報として必要十分でないと考えられる場合には、当社取締役会は、適宜合理的な期限(最初に必要情報を受領した日から起算して60日を上限とします。)を設けた上で、大規
模買付者に対して必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めることがあります。
当社取締役会は、大規模買付行為を評価・検討するために必要十分な必要情報の全てが大規模買付者から提出されたと判断した場合には、その旨の通知を大規模買付者に発送するとともに、その旨を公表いたしま
す。
また、当社取締役会が必要情報の追加的な提供を要請したにもかかわらず、大規模買付者から当該情報の一部について提供が難しい旨の合理的な説明がある場合には、当社取締役会が求める必要情報が全て揃わなくても、大規模買付者との情報提供に係る交渉等を終了し、後記③の取締役会による評価・検討を開始する
場合があります。
当社取締役会に提供された必要情報は、独立委員会に提出するとともに、株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部または一部を公表いたしま
す。
③当社取締役会による必要情報の評価・検討等
当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し必要情報の提供を完了した後、対価を現金(円価)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合は最長60日間またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。
取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて独立委員会とは別の独立した第三者である外部専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を受けつつ、提供された必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会として意見を慎重にとりまとめ、公表いたします。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあ
ります。
(Ⅴ)大規模買付行為が実施された場合の対応方針
①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律およ
び当社定款が認める対抗措置を講じることにより大規模買付行為に対抗する場合があります。
なお、大規模買付ルールを遵守したか否かを判断するにあたっては、大規模買付者側の事情をも合理的な範囲で十分勘案し、少なくとも必要情報の一部が提出されないことのみをもって大規模買付ルールを遵守し
ないと認定することはしないものとします。
②大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見の表明や、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案および当社が提示する当該買付提案に対する意
見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、例えば以下の(a)から(h)のいずれかに該当し、結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、例外的に当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲で、上記①で述べた対抗措置の発
動を決定することができるものとします。
(a) 真に当社の経営に参画する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で当社の関係者に引き取らせる目的で当社株式の買収を行っていると判断される場合(いわゆるグリーンメーラーである場合)
(b) 当社の経営を一時的に支配して当社又は当社グループ会社の事業経営に必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させるなど、い
わゆる焦土化経営を行う目的で当社株式の買収を行っていると判断される場合
(c) 当社の経営を支配した後に、当社又は当社グループ会社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で当社株式の買収を行っていると判断される場合
(d) 当社の経営を一時的に支配して当社又は当社グループ会社の事業に当面関係していない不動産、有価証券など高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って当社株式の高値売り抜けをする目的で当社株式の買収を行っていると判断される場合
(e) 大規模買付者の提案する当社株式の買付方法が、いわゆる強圧的二段階買収(最初の買付で当社株式の全部の買付を勧誘することなく、二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等による株式の買付を行うことをいいます。)など、株主の皆様のご判断の機会または自由を制約し、事実上、株主の皆様に当社株式の売却を強要するおそれがあると判断される場合
(f) 大規模買付者の提案する当社株式の買付条件(買付対価の種類および金額、当該金額の算定根拠、その他の条件の具体的内容、違法性の有無、実現可能性等を含むがこれに限りません。)が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分または不適切であると判断される場合
(g) 大規模買付者による買付後の当社の経営方針等が不十分または不適切であるため、当社又は当社グループ会社の事業の成長性・安定性が阻害され、企業価値ひいては株主共同の利益に重大な支障をきたすおそれがあると判断される場合
(h) 大規模買付者による支配権獲得により、当社はもとより、当社グループ会社の持続的な企業価値増大の実現のため必要不可欠な、顧客、取引先、従業員、地域関係者その他の利害関係者との関係を破壊する等によって、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合
③取締役会の決議、および株主総会の開催
当社取締役会は、上記①または②において対抗措置の発動の是非について判断を行う場合は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討したうえで対抗措置発動または不発動等に
関する会社法上の機関としての決議を行うものとします。
具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で当社取締役会が最も適切と判断したものを選択することとします。当社取締役会が具体的対抗措置の一つとして、例えば実際に新株予約権の無償割当てを行う場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した条件を設けることがあります。ただし、当社は、この場合におい
て、大規模買付者が有する新株予約権の取得の対価として金銭を交付することを想定しておりません。
また、当社取締役会は、独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い発動の決議について株主総会の開催を要請する場合には、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下「株主検討期間」といいます。)として最長60日間の期間を設定し、当該株主検討期
間中に当社株主総会を開催することがあります。
当社取締役会において、株主総会の開催および基準日の決定を決議した場合は、取締役会評価期間はその
日をもって終了し、ただちに、株主検討期間へ移行することとします。
当該株主総会の開催に際しては、当社取締役会は、大規模買付者が提供した必要情報、必要情報に対する当社取締役会の意見、当社取締役会の代替案その他当社取締役会が適切と判断する事項を記載した書面を、株主の皆様に対し、株主総会招集通知とともに送付し、適時・適切にその旨を開示します。
株主総会において対抗措置の発動または不発動について決議された場合、当社取締役会は、当該株主総会の決議に従うものとします。当該株主総会が対抗措置を発動することを否決する決議をした場合には、当社
取締役会は対抗措置を発動いたしません。
また、当該株主総会の終結をもって株主検討期間は終了することとし、当該株主総会の結果は、決議後適
時・適切に開示いたします。
④大規模買付行為待機期間
株主検討期間を設けない場合は、上記3.(Ⅳ)①「大規模買付者による意向表明書の当社への事前提出」に記載の意向表明書が当社取締役会に提出された日から取締役会評価期間終了までの期間(株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間と株主検討期間のあわせた期間終了までの期間)を大規模買付行為待機期間とします。そして大規模買付行為待機期間においては、大規模買付行為は実施できないものとしま
す。
したがいまして、大規模買付行為は、大規模買付行為待機期間の経過後にのみ開始できるものとします。
⑤対抗措置発動の停止等について
上記③において、当社取締役会または株主総会において、具体的な対抗措置を講じることを決議した後、当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行った場合など、対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の意見または勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の停
止等を行うことがあります。
例えば、対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合、当社取締役会において、無償割当てが決議され、または無償割当てが行われた後においても、大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行うなど対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、新株予約権の効力発生日の前日までの間は、新株予約権無償割当ての中止、または新株予約権無償割当て後においては、行使期間開始日の前日までの間は、当社による新株予約権の無償取得(当社が新株予約権を無償で取得することにより、株主の皆様の新株予約権は消滅します。)の方法により対抗措置の発動
の停止を行うことができるものとします。
このような対抗措置の発動の停止等を行う場合は、法令および当社が上場する金融商品取引所の上場規則
等にしたがい、当該決定について適時・適切に開示します。
(Ⅵ)本プランによる株主の皆様に与える影響等
①大規模買付ルールが株主の皆様に与える影響等
大規模買付ルールは、株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かをご判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としています。これにより株主の皆様は、十分な情報および提案のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切なご判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。したがいまして、大規模買付ルールの設定は、株主の皆様が適切
なご判断を行う上での前提となるものであり、株主の皆様の利益に資するものであると考えております。
なお、上記(Ⅴ)において述べたとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守するか否か等により大規模買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、株主の皆様におかれましては、大規模買付者の動
向にご注意ください。
②対抗措置発動時に株主の皆様に与える影響
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合または大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律および当社定款により認められている対抗措置を講じることがありますが、当該対抗措置の仕組み上、株主の皆様(大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者および会社に回復し難い損害をもたらすなど当社株主全体の利益を損なうと認められるような大規模買付行為を行う大規模買付者を除きます。)が法的権利または経済的側面において格別の損失を被る
ような事態が生じることは想定しておりません。
当社取締役会が具体的対抗措置を講じることを決定した場合には、法令および当社が上場する金融商品取
引所規則等に従って適時・適切に開示を行います。
対抗措置の一つとして、例えば新株予約権の無償割当てを実施する場合には、株主の皆様は引受けの申込みを要することなく新株予約権の割当てを受け、また当社が新株予約権の取得の手続きをとることにより、新株予約権の行使価額相当の金銭を払い込むことなく当社による新株予約権の取得の対価として当社株式を受領することになるため、申込みや払込み等の手続は必要となりません。ただし、この場合当社は、新株予約権の割当てを受ける株主の皆様に対し、別途ご自身が大規模買付者等でないこと等を誓約する当社所定の
書式による書面のご提出を求めることがあります。
なお、当社は、新株予約権の割当期日や新株予約権の効力発生後においても、例えば、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、新株予約権の行使期間開始日の前日までに、新株予約権の割当てを中止し、または当社が新株予約権に当社株式を交付することなく無償にて新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、当該新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後(権利落ち日以降)に1株当たりの株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売却等を行った株主または投資家の皆様
は、株価の変動により相応の損害を被る可能性があります。
(Ⅶ)本プランの適用開始、有効期限、継続および廃止
本プランの有効期限は平成32年6月30日までに開催予定の当社第119期定時株主総会終結の時までとしま
す。
ただし、本プランは、当社株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われ
た場合には、その時点で廃止されるものとします。
また、本プランの有効期間中であっても、当社取締役会は、企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から随時見直しを行い、株主総会の承認を得て本プランの変更を行うことがあります。このように、当社取締役会において本プランについて継続、変更、廃止等の決定を行った場合には、その内容を速やかに公表しま
す。
なお、当社取締役会は、本プランの有効期間中であっても、本プランに関する法令、当社が上場する金融商品取引所規則等の新設または改廃が行われ、かかる新設または改廃を反映することが適切である場合、誤字脱字等の理由により字句の修正を行うことが適切である場合等、株主の皆様に不利益を与えない場合には、必要
に応じて独立委員会の賛同を得た上で、本プランを修正または変更する場合があります。
4.本プランの合理性について(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて)
当社では、本プランの設計に際して、以下の諸点を考慮することにより、本プランが上記1.の会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の
地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。
(Ⅰ)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原
則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」および東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナ
ンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっております。
(Ⅱ)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること
本プランは、上記3.(Ⅰ)「本プランの目的」に記載のとおり、当社株式に対する大規模買付行為等がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって継続さ
れるものです。
(Ⅲ)株主意思を反映するものであること
本プランは、有効期間中であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合に
は、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。
(Ⅳ)独立性の高い社外者の判断の重視
本プランにおける対抗措置の発動は、上記3.(Ⅴ)「大規模買付行為が実施された場合の対応方針」に記載のとおり、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本プランの透明な運用を担保するための手続きも確保されております。
(Ⅴ)デッドハンド型およびスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によって廃止することが可能です。したがいまして、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役(監査等委員であるものを除きます。)の任期を1年としており、監査等委員である取締役についても期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではございません。なお、当社では取締役解任決議要件につきまして
も、特別決議を要件とするような決議要件の加重をしておりません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、12億3千9百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。