有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 12:04
【資料】
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【項目】
158項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営理念を以下のとおり定め、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。
1 お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。日東工業グループは、お客様にとっての価値を理解し、満足いただける製品やサービスを提供していきます。
われわれは価値創造を継続的に行うことにより、お客様との信頼関係を築き、強化していくことを大切にします。
2 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かし、育てることにより、新しい価値を創造する組織への更なる進化を図ります。
公正公平な人事評価と適材適所の人材配置により、従業員が職務を通じて自己実現を果せる会社であることを誓います。
3 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。日東工業グループは、社会規範に則った公明正大な経営を常に行います。
誠実な行動と日々のたゆまぬ努力の積み重ねによって、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供します。
4 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。電気と情報を主な事業領域とする日東工業グループは、企業市民として環境保護に努めていきます。
また同時に、再生可能エネルギーの活用を促進する技術等を通じ、持続可能性を高めることに貢献する価値を創造します。
5 株主価値を高める経営を常に行います。過去の成功を守ることや目先の利益を追うことを優先し、未来への投資を後回しにするようなことはしません。
株主価値を最大化する中長期的な成長と持続的な利益の創出を経営目標として、変わらず良い会社であり続けるために改善・改革を日々積み重ねます。
(2) 当社グループの経営環境
2019年度の当社グループ業績は、小中学校への空調設備事業や東京オリンピック・パラリンピックに関連するインフラ整備事業など、好調な事業環境に支えられ順調に推移してきました。しかしながら、2020年2月より広がった新型コロナウイルスの感染拡大防止による経済活動の停滞は、景気の下振れリスクを急激に高める状況となっています。当社グループを取り巻く事業環境へ大きく影響を及ぼすことが予想され、先行きに予断を許さない状況となりました。
このような状況の中、当社グループは以下の取り組みにより、お客様に満足いただける新たな価値を提供し続けることで持続的な成長を目指していきます。
1 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」において、連結売上高1,250億円、連結営業利益100億円を達成目標としていましたが、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果により売上が増加したほか、2018年10月から実施した当社製品の価格改定や2019年1月にグループ化した北川工業株式会社が業績に寄与したことなどにより、2019年度にこの目標を達成することができました。
一方、最終年度である2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止による経済活動の停滞が当社グループを取り巻く事業環境へ大きく影響を及ぼすことが予想されることから、連結売上高1,290億円、連結営業利益77億円を目標としました。
2 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループは「挑戦 次世代のビジネスモデルへ」を中期基本方針として掲げ、「2020中期経営計画」を策定しました。この方針を実現するために、①コア事業競争力の追求、②グローバル化、③新規ビジネスの展開、④生産体制・経営基盤の強化、を戦略の柱として定めました。苦戦を余儀なくされている戦略もありますが、当社の優位性である「安定品質」「量産する技術力」「効率的販売システム」をさらに磨き、コア事業競争力を強化すると同時に、グループ会社やアライアンス企業と協業し、次世代のビジネスモデル構築に向けて積極的に取り組んでいきます。
① コア事業競争力の追求(技術力、製品提案力強化)
主力製品である、キャビネットおよび配電盤関連製品では、お客様のニーズに合わせた製品・サービスで圧倒的No.1企業に成長させることを目指し、WEBを活用したキュービクル図面自動作成システムを2020年4月にリリースしたほか、2020年度に予定している盤用パーツ選定サイトのリリースなどにより、顧客利便性の向上を図ります。また情報通信関連市場では、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」や次世代の移動通信システム「5G」構築において、量産対応できる高性能キャビネットや情報通信ラックの需要が高まることが期待でき、当社グループとしても適切にニーズを捉えた受注活動を行っていきます。
社会的課題への対応として、当社独自の放電検出技術を用い、火花放電による電気火災の未然防止に貢献する「スパーテクト」(JECAフェア2019「経済産業大臣賞」受賞)の発売や老朽化した受電設備のリニューアル提案を行い、人命・建築物・財産等を保護するための活動に取り組んでいきます。
子会社である北川工業株式会社では、EMCセンターをリニューアルしたことにより電子化が進む各種車載機器の試験が可能となり、その対策までを含めたトータルのソリューション提案力が高まりました。今後も、お客様のニーズに合わせたソリューションの提案を目指し、技術力・製品提案力の強化に努めます。
② グローバル化(東南アジアにおける配電盤事業の確立)
当社グループは、成長を続ける海外市場において事業基盤を早期に確立するため、東南アジア地域を中心としたビジネス展開に注力します。
シンガポールにつきましては、収益性を重視した営業活動の継続とインフラ産業市場への参入によりビジネスの拡大を図り、利益貢献できる体制作りに努めます。
タイにつきましては、子会社であるNITTO KOGYO BM(THAILAND) CO.,LTDにおいてキャビネットおよび配・分電盤を生産する新工場を建設中(2020年11月稼働予定)であり、製販一貫体制を確立することで「コスト競争力」「納期対応力」「品質」をより高め、事業拡大および収益力強化に努めます。
③ 新規ビジネスの展開(新たな技術・企業との融合)
IoT、AIなどの技術革新が社会・産業の仕組みを大きく変えようとする中、従来製品の「モノ価値」に「コト価値」をプラスすることで新たな価値の創造に注力します。
新規事業ではエネルギー関連のスタートアップ企業であるデジタルグリッド株式会社へ出資し、発電事業者と消費者間の電力取引を可能とする技術に対応した分電盤開発を目指しています。また通信機能を有する乾電池の開発・製造事業を行うノバルス株式会社と協業し、電気と情報インフラをIoTで見守る製品やサービスの事業化を目指しています。
EV事業につきましては、中期経営計画において新規事業の柱としていましたが、当初の想定に比べ電気自動車充電インフラ整備が遅れており、見込みと実績の乖離が大きい状況となっています。このような環境の中、2019年度は「家庭での毎日の充電環境を快適に」をコンセプトとした製品(Pit-C3)を発売しました。電気自動車充電インフラ整備は時間がかかることが想定されますが、引き続き事業拡大に取り組んでいきます。
④ 生産体制・経営基盤の強化
2020年度は、既存事業と新規事業をバランスよく成長させることを目指し、戦略企画部門として事業企画統括部を新設しました。
また、配電盤関連製品の生産能力増強と生産効率化を図るため、愛知県瀬戸市に新工場の建設準備を進めています(2024年4月生産開始予定)。さらに、2020年3月に取得した当社栃木野木工場の隣接地にて、システムラックをはじめとする情報通信関連製品の生産能力拡充を目的とした工場ならびに南東北エリアから首都圏、関東圏をカバーする物流拠点の構築を予定しています。
3 新型コロナウイルス感染症の影響及び当社グループの取り組み
2020年2月より広がった新型コロナウイルスの感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年3月期第2四半期以降、緩やかに回復するという前提に基づいた各セグメントへの影響及び当社グループの取り組みは以下のとおりです。
配電盤関連製造事業や工事・サービス事業においては、民間非居住建築物棟数の減少や民間設備投資の腰折れ、ゼネコンの建設工事遅延等による電気・通信インフラ工事の停滞と市場縮小などが懸念され、その影響は半年前後遅れて当業界へ波及すると想定しています。
情報通信関連流通事業や電子部品関連事業においては、オリンピック・パラリンピックの延期やオフィス関連市場の停滞、自動車メーカーの生産ライン停止など、業績に与える影響が一部表面化してきていますが、第2四半期以降は緩やかに回復していくと想定しています。
これらの影響を踏まえ、海外生産品目につきましては、一部国内代替生産・調達が可能な体制づくりや在庫の積み増しなどを行っています。また、テレワークの定着や通信量の増大、GIGAスクール構想の加速などにより、情報通信に関連した市場が活況となると考えており、社会に求められる情報通信機器及び関連する製商品を速やかに提案できるよう、グループ全体で取り組んでいきます。
当社グループはこうした施策により、電気と情報を明日へつなげる価値創造企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。

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