有価証券報告書-第34期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 11:14
【資料】
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【項目】
118項目

対処すべき課題

世界経済は、米国の金融緩和縮小による影響や中国の成長力の動向、ウクライナ情勢などの懸念材料はありますが、全体的には米国や欧州は回復傾向が続き、アジア新興諸国の底堅い動きに牽引されて回復傾向にあると予想されます。
また、日本経済は、消費増税や原油高等の下押し圧力並びに為替動向の不透明さはあるものの、世界経済の持ち直しを背景に回復基調が持続すると予想されます。
当社グループを取り巻く経済環境は、主要顧客である造船業界の新造船受注量が回復の方向にあるものの、竣工量が当面伸び悩むと予想されます。そのため、船舶用システム製品の市況についても緩やかに回復するものの時間が掛かると予想されます。
一方、民間設備投資については、世界市場では依然として新興国、資源国を中心とした設備投資が活発であり、産業用配電制御システム製品、機器製品、エンジニアリング及びライフサイクル(予防保全やアフターサービス等)の需要は高まるものと予想されます。国内でも、政府の成長戦略等により企業の設備投資への意欲持続が期待されます。また、新エネルギー関連市場も拡大しており機器製品の需要拡大も期待できます。
このような環境のもと、さまざまな顧客のニーズへの的確かつ迅速な対応によって顧客満足度を高め、シェアの維持・拡大に全力をあげてまいります。そのために、すべての部門で創造力が発揮でき、適応力のある体制の確立を目指しており、設計・生産の改善活動を継続して経営基盤の強化を図るとともに、市場ニーズを反映した新商品の開発に努めてまいります。
また、品質、営業・サービス、技術開発、生産場所及び購買等のすべてについて、当社グループが持つグローバルな組織の有効活用と更なる最適化の追求を目指してまいります。
加えて、経営全般においては、整備・構築した内部統制システムを有効に運用するとともに、法令遵守に向けた教育の徹底等、経営理念の一つとして挙げております企業倫理に基づく積極的な取り組みにより、広く企業の社会的責任(CSR)を果たしてまいります。
当社グループの大きな課題といたしましては、原材料の高騰及び為替の変動等があげられます。原材料については、銅及び銀価格の高止まりが利益圧迫要因となっておりますので、これらを含め総合的な原価低減活動を推進してまいります。また、為替変動への対応については、為替中立型を目指し、為替変動による影響を最小限にとどめるよう営業、購買、生産、財務及び設備投資等、総括的な改革・改善に取り組んでまいります。
セグメント別には次のような活動に取り組んでまいります。
「日本」
船舶用システム製品は、世界経済の回復やシェールガス革命等と相まって、船舶市況が緩やかに回復に向かうものと予想されるため、新造船受注量の回復を当社製品の受注に結びつけるための営業強化とともに、高付加価値船(LNG船、メガコンテナ船、客船等)の受注に注力してまいります。
エンジニアリング及びライフサイクルは、GSN(グローバル・サービス・ネットワーク)の拡充と新サービスの提案等により、更なる事業展開を推進してまいります。
産業用システム製品は、高圧配電制御システムや分散型エネルギーシステム向け製品を機軸として、国内・海外における電力関連インフラ整備における設備投資物件の営業活動を強化し、受注・売上増を図ってまいります。鉄道関連市場へは、強みである配電制御技術及びエンジニアリングサービスの総合力を活かし、新市場の開拓を進めてまいります。
医療用機器は、開発技術の向上と更なる生産性向上等に取り組み、新製品開発や新規顧客の獲得等を通じ、受注拡大に注力してまいります。
機器製品は、今後も再生可能エネルギー市場の伸張が期待されることから、直流遮断器の販売拡大、新興国インフラ市場への営業強化等によりシェアアップ及び顧客数増に注力し、受注・売上増を図ってまいります。さらに、今後益々拡大が期待される環境、省エネ、防災関連市場に対応したマーケティングと製品開発を進めてまいります。
「アジア」
中国や韓国の造船業界においても、新造船竣工量の低迷が続くと見込まれます。原価低減に注力しながら、営業力の強化を図り、中国市場におけるシェアの維持・拡大に努めてまいります。
東南アジアでは、オフショア市場(石油掘削のための海洋構造物及び関連船舶)からの受注を拡大していくとともに、内需の拡大が見込まれるインドネシア、ミャンマー、ベトナム等への機器製品の販売拡大を目指してまいります。
「ヨーロッパ」
欧州経済全体は、金融不安の影響は予断を許しませんが、民間設備投資が緩やかな回復傾向にありますので機器製品の販売拡大を目指してまいります。
また、中近東、アフリカ、ロシア及び中南米市場等のシェア拡大を図るとともに、OEM販売先との協力関係をさらに強化し、販売量の拡大を図ってまいります。