有価証券報告書-第42期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 11:02
【資料】
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【項目】
140項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、経営理念である「顧客第一主義」を念頭に、当社の商品を選んでいただいたお客様のニーズにおこたえするとともに、貴重なエネルギー資源を有効に利用して世界に通用する商品を提供し、社会に貢献することを経営の基本方針としております。
また、高度な「情報通信技術」や「コンピューター応用技術」との融合を進化させ、未来のための電気エネルギー制御を究め、技術の進歩に寄与していきます。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、安定経営を基軸とした着実な収益の向上により、中長期的な業容の拡大を目指しており、経営指標として、連結営業利益率5%以上及び自己資本比率55%以上を中期目標としております。これらを継続的に確保することにより、財務体質を強化し企業価値の向上を図ります。
(3)経営環境
世界経済及びわが国経済は、金融市場の変動や地政学的リスクに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感など多くの懸念材料を抱えており、予断を許さない状況にあります。
当社グループを取り巻く経済環境は、主要顧客である造船業界において、好調な海運市況により一定の新造船受注量が見込まれます。一方、設備投資関係では、国内において人手不足を背景とする自動化・省力化投資、グリーン関連並びにデジタル関連に向けた設備投資を中心に、底堅く推移すると見込まれます。海外においては、緩やかな回復が期待されますが、感染症による各国経済への影響に加え、ウクライナ情勢の影響により、そのペースに鈍化がみられると予想されます。
(4)経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、様々な顧客のニーズへの的確かつ迅速な対応によって顧客満足度を高め、シェアの維持・拡大に全力をあげてまいります。そのために、営業活動の強化、設計・生産の改善活動の継続による生産性及び品質レベルの向上を図るとともに、市場ニーズを反映した新製品の開発や他社との研究開発プロジェクトへの参画にも努めてまいります。
また、品質、営業・サービス、技術開発、生産場所及び購買等のすべてについて、当社グループが持つグローバルな組織の有効活用と更なる最適化の追求を「TEAM TERASAKI」として目指してまいります。
加えて、経営全般においては、内部統制システムの一層の強化を図り、強化した統制システムを有効に運用するとともに、法令遵守に向けた教育の更なる徹底等、経営理念の一つとしてあげております企業倫理に基づく積極的な取り組みにより、広くCSR(企業の社会的責任)を果たしてまいります。更に、コーポレート・ガバナンスを強化し、より透明性の高い経営の実現、経営の機動性向上の両立を図るとともに、BCP(事業継続計画)を強化し、企業の永続的発展に努めてまいります。
当社グループの大きな課題といたしましては、原材料の高騰及び為替の変動等があげられます。原材料については、銅及び銀価格が高騰・高止まりすれば利益圧迫要因となることから、これらを含め総合的な原価低減活動を推進してまいります。また、為替変動への対応については、為替中立型を目指しその影響を最小限にとどめるよう営業、購買、生産、財務及び設備投資等、総括的な改革・改善に取り組んでまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症等の重大な感染症の流行により、当社グループの一部又は全部の操業が停止する場合があります。このような事態が生じた場合は、当社グループ従業員、顧客及び取引先等への感染防止(咳エチケット、時差出勤、リモートワーク等)に努めるとともに、生産拠点、調達先及び調達ルートの変更等により事業活動への影響を低減してまいります。
セグメント別には次のような活動に取り組んでまいります。
「日本」
船舶用システム製品は、一定の受注量が見込まれる新造船に対して、当社製品の受注に結びつけるための営業活動強化及び顧客満足度の向上に努めてまいります。また、グリーンビジネスの拡大に対応して、環境・省エネ関連製品の受注拡大や、最適マネージメントシステム、IoT及びビッグデータ活用などの技術を利用した研究開発にも取り組み、1隻あたりの当社の活躍度を高めて受注・売上増を図ってまいります。
産業用システム製品は、配電制御システムや分散型エネルギーシステム向け製品を機軸として、グリーン市場、分散型電源市場や国内・海外の鉄道関連とプラント案件等の営業活動を強化し受注・売上増を図ってまいります。
メディカルデバイスは、売上拡大に向けて、製品開発力の向上及びビジネスパートナーとの共創力強化に注力してまいります。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、GSN(グローバル・サービス・ネットワーク)の拡充と舶用グリーン・エンジニアリングビジネス及びレトロフィットビジネス(耐用年数が過ぎた遮断器の換装等)の拡大、船員トレーニングサービスの拡販により、更なる事業展開を推進してまいります。
機器製品は、新製品の拡販、グリーン市場、海外舶用市場、新興国インフラ市場に対してのマーケティング及び営業活動の強化による顧客数増加、OEM(相手先ブランド製品製造)戦略の強化に注力し、受注・売上増を図ってまいります。
「アジア」
船舶用システム製品は、競争が激化している中国や韓国の造船業界において、原価低減に注力しながら営業力の強化を図るとともに、フィールド・エンジニアの育成によるエンジニアリングビジネスの拡充により、1隻あたりの当社の活躍度を高めることで、売上の拡大及び収益の改善に努めてまいります。
機器製品においては、新製品の拡販、東アジア・東南アジア各国内向け市場、日系企業の設備投資案件、舶用市場とインフラ関連市場及びデジタル関連市場向け等を中心に営業活動の強化を図り、シェアの拡大に努めてまいります。
「ヨーロッパ」
機器製品において、新製品の拡販、マーケティング及び営業活動の強化により、欧州、中東及びアフリカ向けのシェア拡大を図るとともに、OEM(相手先ブランド製品製造)販売先との協力関係を更に強化し、顧客数を増やし販売量の拡大を図ってまいります。また、ライフサイクル及びレトロフィットビジネスの更なる拡大にも取り組んでまいります。