有価証券報告書-第182期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかるためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しており、①経営の透明性と健全性の確保、②スピードある意思決定と事業遂行の実現、③アカウンタビリティ(説明責任)の明確化および④迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針としてその実現に努めています。
① コーポレート・ガバナンス体制
当社は、コーポレート・ガバナンス体制として監査役設置会社形態を採用し、その概要は下図のとおりです。

また、当社は、執行役員制度を導入しており、取締役会から執行役員に対して、業務執行に関する大幅な権限委譲を行うことにより、業務執行と監督の分離をはかり、迅速な意思決定に基づく事業遂行の実現に取り組んでいます。なお、2012年6月22日の株主総会において、取締役の員数を13名から11名に減員しています。取締役の員数11名のうち、社外取締役を5名とすることにより、取締役会による監督機能の強化をはかるとともに、取締役および監査役の人事ならびに取締役および執行役員の報酬の決定にあたっては、指名・報酬委員会による審議の結果を踏まえることで、それらの透明性の向上に努めています。また、監査役監査の機能を強化するための人材・体制を確保するとともに、監査役、内部監査部門および会計監査人の相互連携の強化をはかっています。
さらに、当社は、全社横断的な戦略を強化すべく、2011年7月にチーフオフィサー制を導入しました。また、2017年4月には、コーポレート機能の強化および意思決定スピードの加速を目的として、チーフオフィサーへの権限委譲の範囲を拡大しました。2018年10月には、意思決定の迅速化および機動的な職務執行の推進のため、「取締役会規則」ならびに執行役員および使用人の職務権限の行使について定めた「社内承認規程」および「日常業務承認基準」を改正し、さらなる権限委譲を行いました。また、経営陣の責任と権限をより明確にするため、2019年3月末をもって執行役員との雇用契約を終了し、新たに1年任期の委任契約に移行しました。
当社は、これらの体制により、当社のコーポレート・ガバナンスが十分に機能していると考えていますが、経営環境の変化等を踏まえた、より実効性の高いコーポレート・ガバナンスの実現に向けて、継続的にその体制の強化および改善に取り組んでいきます。
(イ) 取締役会
取締役会は11名で構成されており、そのうち5名は社外取締役です。取締役の氏名(社外取締役に該当する者についてはその旨の記載を含む。)は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載のとおりです。本有価証券報告書の提出日現在における取締役会の議長は、取締役会長である遠藤信博氏です。取締役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、経営計画に関する事項をはじめ、事業再編、資金計画、投融資などの重要な業務執行について決定しています。
当社は、(ⅰ)業務執行に対する監督機能を強化すること、(ⅱ)会社経営に対する幅広い助言を得ること、(ⅲ)経営に関するアカウンタビリティを向上させることなどを目的として、社外取締役を選任しています。選任にあたっては、各氏が人格、識見に優れ、高い倫理観を有していること、 「NEC Way」に共感し、その実現に向けて強い意思を持って行動できることおよび会社経営等の経験や深い見識を有していることに留意しています。なお、社外取締役は、取締役会全体において、独立性の確保が期待できる構成としています。
当社は、社外取締役に期待するこれらの役割および機能が十分に果たされるよう、社外取締役に対して、特に重要な取締役会付議案件の内容について事前説明を行うなど、取締役会の審議の充実に努めています。また、当社および当社子会社の事業場や展示会の見学など、NECグループについての理解を深めてもらえるよう社外取締役へのサポートを実施しています。
なお、事業年度ごとの経営責任の明確化をはかるため、2004年6月から取締役の任期を1年としています。
(ロ) 経営会議および事業執行会議
経営会議は、執行役員約20名で構成され、経営方針や経営戦略などNECグループの経営に関する重要事項の審議を行っています。特に重要な案件については、経営会議で予め十分な審議を行ったうえで取締役会に付議することにより、審議の充実と適正な意思決定の確保をはかっています。
一方、事業執行会議は、執行役員、事業部長等から構成され、取締役会で定めた予算の進捗状況などNECグループの事業遂行状況に関する報告、審議を行い、経営情報の共有と業務執行の効率化をはかっています。
(ハ) 指名・報酬委員会
当社は、取締役および監査役の人事ならびに取締役および執行役員の報酬等の透明性の向上のため、指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬委員会は、社外取締役3名および非業務執行の社内取締役1名による4名の委員で構成されており、委員長は社外取締役から選任することとしています。指名・報酬委員会の委員は、社外取締役である瀬戸薫、伊藤雅俊および中村邦晴ならびに社内取締役である遠藤信博の4氏が選任されており、委員長は、瀬戸薫氏です。指名・報酬委員会は、(ⅰ)取締役、代表取締役および監査役ならびに会長および執行役員社長の人事(執行役員社長の後継者計画を含む)、ならびに(ⅱ)取締役、代表取締役および執行役員の報酬構成・報酬水準について会社の業績等の評価を踏まえ、客観的視点から審議を行い、その結果を取締役会に報告することとしています。当連結会計年度は、指名・報酬委員会を6回開催し、主に、①取締役・監査役の人事および②執行役員社長の後継者計画について審議しました。
(ニ) 監査役会(監査役)
当社は、会社法に基づき、監査役および監査役会を設置しています。当社の監査役は5名であり、そのうち3名は社外監査役です。監査役の氏名(社外監査役に該当する者についてはその旨の記載を含む。)は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載のとおりです。監査役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査の方針、基準、年間監査計画等を決定し、各監査役の監査状況等の報告を受けています。
(ホ) 経営監査本部(内部監査部門)
当社は、執行役員社長直轄の内部監査部門として、経営監査本部を設置しています。経営監査本部は、NECグループにおける適法かつ適正・効率的な業務執行の確保のための監査を実施し、問題点の指摘と改善に向けた提言を行っています。NECグループの内部監査に従事する専門知識を有するスタフは、NECマネジメントパートナー㈱においてNECグループの内部監査に従事する人員を含め、約80名です。なお、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して監査を行っています。
(ヘ) コンプライアンス推進部(内部統制部門)
当社は、内部統制部門として、コンプライアンス推進部を設置しています。コンプライアンス推進部には、コンプライアンス推進、リスク管理および財務報告の適正性の確保を担当する者と合わせて約40名のスタフが在籍しています。
(ト) 会計監査人
当連結会計年度において当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、有限責任 あずさ監査法人に所属する浜嶋哲三、近藤敬および長谷川義晃の3氏です。また、当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士94名、公認会計士試験合格者等41名、その他の者42名から構成されています。
(チ) 責任限定契約の概要
当社は、社外取締役および社外監査役との間で、会社法第423条第1項の責任について取締役または監査役の職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、2,000万円または法令に定める金額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結しています。
(リ) 当社定款の規定
当社は、取締役を20名以内とする旨を定款に定めるとともに、取締役の選任決議に関する定足数を議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1とする旨を定款に定めています。また、当社は、機動的な剰余金の配当、自己株式の取得等の実施を可能とするため、会社法第459条第1項各号の事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めています。
さらに、当社は、株主総会の円滑な運営を目的として、会社法第309条第2項の規定による株主総会の決議の定足数を、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1とする旨を定款に定めてい
ます。
② 内部統制システム
(イ) 内部統制システムの整備状況
当社は、取締役会において決定した会社法第362条第4項第6号に定める会社の業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針に基づき、内部統制システムを整備し運用しています。本基本方針の概要は、次のとおりです。
当社は、本基本方針に基づく内部統制システムの整備・運用状況を絶えず評価し、必要な改善措置を講じるほか、本基本方針についても、経営環境の変化等に対応して不断の見直しを行い、一層実効性のある内部統制システムの整備・運用に努めます。
(a) 取締役、執行役員および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するため、取締役および執行役員は、NECグループにおける企業倫理の確立ならびに法令、定款および社内規程の遵守の確保を目的として制定した「NECグループ行動規範」を率先垂範するとともに、その周知徹底をはかり、これらの違反が判明した場合には、その原因を究明したうえで再発防止策を策定し、実行します。また、内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」の利用を促進します。
(b) 情報の保存および管理は、適用ある法令および社内規程に従って、適正に行います。
(c) リスク管理は、社内規程に基づき、NECグループとして一貫した方針のもとに、効率的かつ総合的に実施します。事業に関するリスク管理は、事業部門が適切に実施し、スタフ部門がこれを支援します。経営上の重要なリスクへの対応方針その他リスク管理の観点から重要な事項については、十分な審議を行うほか、特に重要なものについては取締役会において報告します。内部監査部門は、NECグループのリスク管理体制およびリスク管理の実施状況について監査を行います。ただし、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して監査を行います。
(d) 取締役の職務執行の効率性を確保するため、取締役会は、執行役員に対して大幅な権限委譲を行い、迅速な意思決定および機動的な職務執行を推進します。執行役員は、取締役会の監督のもと、中期経営目標および予算に基づき効率的な職務執行を行います。
(e) 当社は、NECグループにおける業務の適正を確保するため、「NECグループ経営ポリシー」を通じて、子会社の遵法体制その他業務の適正を確保するための体制の整備に関する指導および支援を行います。NECグループにおける経営の健全性および効率性の向上をはかるため、各子会社について、取締役および監査役を必要に応じて派遣するとともに、当社内に主管部門を定めることとし、当該主管部門は子会社の事業運営に関する重要な事項について子会社から報告を受け、子会社におけるリスク管理について子会社を指導および支援します。内部監査部門は、NECグループの業務の適正性について監査を行います。ただし、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して監査を行います。監査役は、監査に関して子会社監査役と意見交換等を行い、連携をはかります。
(f) NECグループにおける業務の適正化および効率化の観点から、業務プロセスの改善および標準化に努めるとともに、情報システムによる一層の統制強化をはかります。
(g) NECグループにおける財務報告に係る内部統制については、適用ある法令に基づき、評価、維持、改善等を行います。
(h) 監査役の職務遂行を補助する専任スタフを置き、その人事考課、異動、懲戒等については、監査役の承認を要するものとします。
(i) 取締役、執行役員および使用人は、随時、その職務の執行状況等について監査役に報告します。また、当社は、子会社の取締役、監査役、執行役員および使用人が、随時、その職務の執行状況等について監査役に報告するよう指導します。
(j) 監査役は、監査の実効性を確保するため、監査役会を開催し、監査実施状況等について情報の交換および協議を行うとともに、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行います。
(ロ) 内部統制システムの運用状況
当社は、当連結会計年度の内部統制システムの整備・運用状況について評価を行い、本基本方針に基づき内部統制システムが適切に整備され運用されていることを確認しました。なお、この過程において、監査役とも、内部統制システムの整備・運用状況について意見交換を行っています。当連結会計年度における主な取り組みは、次のとおりです。
コンプライアンスについては、「NECグループ行動規範」を、ESG(環境、社会、ガバナンス)視点や「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けた社会の要請への対応の観点から改定し、高い倫理観に基づく誠実な行動に加え、ICTの力で社会課題を解決するグローバル企業の一員として遵守すべき行動を示しました。「NECコンプライアンスの日」(2016年および2017年に国内において独占禁止法違反行為があった旨の認定を受けたことを踏まえ、NECグループの従業員一人ひとりがコンプライアンスの重要性を再確認する日として2017年に制定)には、当社の経営幹部および国内・海外の連結子会社社長が経済活動における倫理観の重要性やコンプライアンスの徹底に関するメッセージを発信することに加え、NECグループが過去の独占禁止法違反事案から得た教訓の風化防止と従業員のコンプライアンス意識のさらなる向上を目的とした同事案の振り返りセッション、および当社・国内連結子会社を対象にした企業倫理フォーラム「NECビジネスエシックス」を開催しました。同フォーラムでは、当社の執行役員社長や企業のコンプライアンスに精通した外部弁護士による講演に加え、コンプライアンス推進に向けて顕著な取り組みを行った事業部門を表彰しました。コンプライアンスに関する教育については、毎年実施しているWeb教育を当連結会計年度も実施し、その中で、当社の従業員一人ひとりがコンプライアンスを徹底する旨とコンプライアンスをNECグループの文化とするために自らが取り組む行動を宣言しました。また、当連結会計年度は、当社の内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」への相談・申告(内部通報)を促進することで不正行為等の早期発見および早期解決をはかるため、「コンプライアンス・ホットライン規程」を制定し、内部通報者および調査協力者の保護をより一層強化しました。なお、「コンプライアンス・ホットライン」の当連結会計年度の利用実績は90件であり、申告のあった内部通報については、その内容に応じて内部監査部門その他の社内関係部門において調査を行い、必要な対策を講じています。
リスクマネジメントについては、NECグループとして対策を講ずべき重点対策リスク(その影響度と対策の必要性の観点からNECグループ全体で新たな対策や既存の対策に改善を講ずべきリスク)として、リスク・コンプライアンス委員会および経営会議で、当連結会計年度においては、「労務管理に関わるリスク」、「新技術がもたらす人権問題に関わるリスク」、「贈収賄に関わるリスク」および「情報セキュリティに関わるリスク」の4つを選定し、その対策を策定・実行したうえで、その結果を取締役会に報告しました。また、当社では、コンプライアンス違反事案が発生した場合、リスク・コンプライアンス委員会に報告される体制としており、その事案の概要については、当月の取締役会で報告するなど、取締役会への迅速な情報共有をはかっています。また、当社では、前連結会計年度に事業部門長がオーナーシップを持って自部門のコンプライアンスリスクの特性に応じた適切な施策を策定・実施する体制に移行しました。当連結会計年度においては、コンプライアンス推進部が、事業部門長の選定したコンプライアンスリスクおよび年間改善計画ならびにその進捗状況・実績を定期的に確認し、必要に応じて取り組みを支援する活動を開始しました。
グループマネジメントについては、NECグループのグループマネジメントについて定めた「NECグループ経営ポリシー」に基づき、子会社経営の仕組みの統一に努めるとともに、グループ全体最適とグループ企業価値の最大化のためにグループ横断機能の強化に努めています。その一環として、海外子会社に対するグループ共通のポリシーや業務プロセス・基盤の導入を迅速に行えるよう、主要なグループ横断機能を担当する当社のチーフオフィサーが自らの担当領域について、海外子会社における業務の遂行を管理する仕組みの整備を進めています。
監査役による監査については、監査役は、当社および子会社の取締役、執行役員および使用人から職務執行状況等について随時報告を受けるほか、内部監査部門から内部監査の状況に加えて、「コンプライアンス・ホットライン」および子会社の内部者通報制度の運用状況について定期的に報告を受けています。また、監査役は、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け意見交換を実施するほか、会計監査人および内部監査部門との三者協議を定期的に実施することなどにより、密接な連携に努めています。
③ 情報開示体制
当社は、適時、適切かつ公平な情報開示により企業価値の適切な評価を市場から得ることが重要であると認識しています。そのため、社内関係部門間および子会社との間の連絡体制を構築しています。
また、当社は、マスコミ、アナリストおよび機関投資家向けに、経営幹部による経営説明会や四半期ごとの決算説明会を開催するほか、ESGをテーマとする説明会や各事業の責任者等による事業に関する説明会(工場見学会、IR Dayを含む。)の実施、当社ウェブサイトでの情報開示内容の充実(説明会等における和文および英文による資料、動画データ等の掲載を含む。)、グローバルなIR活動の強化(海外の機関投資家訪問を含む。)などに努めています。さらに、個人投資家向けの情報開示として、専用ウェブサイトを開設するほか、説明会を実施しています。
④ 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、株主が最終的に決定するものと考えています。一方、経営支配権の取得を目的とする当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、買収提案に応じるか否かについての株主の判断のため、買収提案者に対して対価等の条件の妥当性や買付行為がNECグループの経営方針や事業計画等に与える影響などに関する適切な情報の提供を求めるとともに、それが当社の企業価値および株主共同の利益の向上に寄与するものであるかどうかについて評価、検討し、速やかに当社の見解を示すことが取締役会の責任であると考えています。また、状況に応じて、買収提案者との交渉や株主への代替案の提示を行うことも必要であると考えます。
当社は、現在、買収提案者が出現した場合の対応方針としての買収防衛策をあらかじめ定めていませんが、買収提案があった場合に、買収提案者から適切な情報が得られなかったとき、株主が買収提案について判断をするための十分な時間が与えられていないときまたは買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益の向上に反すると判断したときには、その時点において実行可能で、かつ株主に受け入れられる合理的な対抗策を直ちに決定し、実施する予定です。
当社は、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかるためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しており、①経営の透明性と健全性の確保、②スピードある意思決定と事業遂行の実現、③アカウンタビリティ(説明責任)の明確化および④迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針としてその実現に努めています。
① コーポレート・ガバナンス体制
当社は、コーポレート・ガバナンス体制として監査役設置会社形態を採用し、その概要は下図のとおりです。

また、当社は、執行役員制度を導入しており、取締役会から執行役員に対して、業務執行に関する大幅な権限委譲を行うことにより、業務執行と監督の分離をはかり、迅速な意思決定に基づく事業遂行の実現に取り組んでいます。なお、2012年6月22日の株主総会において、取締役の員数を13名から11名に減員しています。取締役の員数11名のうち、社外取締役を5名とすることにより、取締役会による監督機能の強化をはかるとともに、取締役および監査役の人事ならびに取締役および執行役員の報酬の決定にあたっては、指名・報酬委員会による審議の結果を踏まえることで、それらの透明性の向上に努めています。また、監査役監査の機能を強化するための人材・体制を確保するとともに、監査役、内部監査部門および会計監査人の相互連携の強化をはかっています。
さらに、当社は、全社横断的な戦略を強化すべく、2011年7月にチーフオフィサー制を導入しました。また、2017年4月には、コーポレート機能の強化および意思決定スピードの加速を目的として、チーフオフィサーへの権限委譲の範囲を拡大しました。2018年10月には、意思決定の迅速化および機動的な職務執行の推進のため、「取締役会規則」ならびに執行役員および使用人の職務権限の行使について定めた「社内承認規程」および「日常業務承認基準」を改正し、さらなる権限委譲を行いました。また、経営陣の責任と権限をより明確にするため、2019年3月末をもって執行役員との雇用契約を終了し、新たに1年任期の委任契約に移行しました。
当社は、これらの体制により、当社のコーポレート・ガバナンスが十分に機能していると考えていますが、経営環境の変化等を踏まえた、より実効性の高いコーポレート・ガバナンスの実現に向けて、継続的にその体制の強化および改善に取り組んでいきます。
(イ) 取締役会
取締役会は11名で構成されており、そのうち5名は社外取締役です。取締役の氏名(社外取締役に該当する者についてはその旨の記載を含む。)は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載のとおりです。本有価証券報告書の提出日現在における取締役会の議長は、取締役会長である遠藤信博氏です。取締役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、経営計画に関する事項をはじめ、事業再編、資金計画、投融資などの重要な業務執行について決定しています。
当社は、(ⅰ)業務執行に対する監督機能を強化すること、(ⅱ)会社経営に対する幅広い助言を得ること、(ⅲ)経営に関するアカウンタビリティを向上させることなどを目的として、社外取締役を選任しています。選任にあたっては、各氏が人格、識見に優れ、高い倫理観を有していること、 「NEC Way」に共感し、その実現に向けて強い意思を持って行動できることおよび会社経営等の経験や深い見識を有していることに留意しています。なお、社外取締役は、取締役会全体において、独立性の確保が期待できる構成としています。
当社は、社外取締役に期待するこれらの役割および機能が十分に果たされるよう、社外取締役に対して、特に重要な取締役会付議案件の内容について事前説明を行うなど、取締役会の審議の充実に努めています。また、当社および当社子会社の事業場や展示会の見学など、NECグループについての理解を深めてもらえるよう社外取締役へのサポートを実施しています。
なお、事業年度ごとの経営責任の明確化をはかるため、2004年6月から取締役の任期を1年としています。
(ロ) 経営会議および事業執行会議
経営会議は、執行役員約20名で構成され、経営方針や経営戦略などNECグループの経営に関する重要事項の審議を行っています。特に重要な案件については、経営会議で予め十分な審議を行ったうえで取締役会に付議することにより、審議の充実と適正な意思決定の確保をはかっています。
一方、事業執行会議は、執行役員、事業部長等から構成され、取締役会で定めた予算の進捗状況などNECグループの事業遂行状況に関する報告、審議を行い、経営情報の共有と業務執行の効率化をはかっています。
(ハ) 指名・報酬委員会
当社は、取締役および監査役の人事ならびに取締役および執行役員の報酬等の透明性の向上のため、指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬委員会は、社外取締役3名および非業務執行の社内取締役1名による4名の委員で構成されており、委員長は社外取締役から選任することとしています。指名・報酬委員会の委員は、社外取締役である瀬戸薫、伊藤雅俊および中村邦晴ならびに社内取締役である遠藤信博の4氏が選任されており、委員長は、瀬戸薫氏です。指名・報酬委員会は、(ⅰ)取締役、代表取締役および監査役ならびに会長および執行役員社長の人事(執行役員社長の後継者計画を含む)、ならびに(ⅱ)取締役、代表取締役および執行役員の報酬構成・報酬水準について会社の業績等の評価を踏まえ、客観的視点から審議を行い、その結果を取締役会に報告することとしています。当連結会計年度は、指名・報酬委員会を6回開催し、主に、①取締役・監査役の人事および②執行役員社長の後継者計画について審議しました。
(ニ) 監査役会(監査役)
当社は、会社法に基づき、監査役および監査役会を設置しています。当社の監査役は5名であり、そのうち3名は社外監査役です。監査役の氏名(社外監査役に該当する者についてはその旨の記載を含む。)は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ① 役員一覧」に記載のとおりです。監査役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査の方針、基準、年間監査計画等を決定し、各監査役の監査状況等の報告を受けています。
(ホ) 経営監査本部(内部監査部門)
当社は、執行役員社長直轄の内部監査部門として、経営監査本部を設置しています。経営監査本部は、NECグループにおける適法かつ適正・効率的な業務執行の確保のための監査を実施し、問題点の指摘と改善に向けた提言を行っています。NECグループの内部監査に従事する専門知識を有するスタフは、NECマネジメントパートナー㈱においてNECグループの内部監査に従事する人員を含め、約80名です。なお、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して監査を行っています。
(ヘ) コンプライアンス推進部(内部統制部門)
当社は、内部統制部門として、コンプライアンス推進部を設置しています。コンプライアンス推進部には、コンプライアンス推進、リスク管理および財務報告の適正性の確保を担当する者と合わせて約40名のスタフが在籍しています。
(ト) 会計監査人
当連結会計年度において当社の会計監査業務を執行した公認会計士は、有限責任 あずさ監査法人に所属する浜嶋哲三、近藤敬および長谷川義晃の3氏です。また、当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士94名、公認会計士試験合格者等41名、その他の者42名から構成されています。
(チ) 責任限定契約の概要
当社は、社外取締役および社外監査役との間で、会社法第423条第1項の責任について取締役または監査役の職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、2,000万円または法令に定める金額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結しています。
(リ) 当社定款の規定
当社は、取締役を20名以内とする旨を定款に定めるとともに、取締役の選任決議に関する定足数を議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1とする旨を定款に定めています。また、当社は、機動的な剰余金の配当、自己株式の取得等の実施を可能とするため、会社法第459条第1項各号の事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めています。
さらに、当社は、株主総会の円滑な運営を目的として、会社法第309条第2項の規定による株主総会の決議の定足数を、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1とする旨を定款に定めてい
ます。
② 内部統制システム
(イ) 内部統制システムの整備状況
当社は、取締役会において決定した会社法第362条第4項第6号に定める会社の業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針に基づき、内部統制システムを整備し運用しています。本基本方針の概要は、次のとおりです。
当社は、本基本方針に基づく内部統制システムの整備・運用状況を絶えず評価し、必要な改善措置を講じるほか、本基本方針についても、経営環境の変化等に対応して不断の見直しを行い、一層実効性のある内部統制システムの整備・運用に努めます。
(a) 取締役、執行役員および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するため、取締役および執行役員は、NECグループにおける企業倫理の確立ならびに法令、定款および社内規程の遵守の確保を目的として制定した「NECグループ行動規範」を率先垂範するとともに、その周知徹底をはかり、これらの違反が判明した場合には、その原因を究明したうえで再発防止策を策定し、実行します。また、内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」の利用を促進します。
(b) 情報の保存および管理は、適用ある法令および社内規程に従って、適正に行います。
(c) リスク管理は、社内規程に基づき、NECグループとして一貫した方針のもとに、効率的かつ総合的に実施します。事業に関するリスク管理は、事業部門が適切に実施し、スタフ部門がこれを支援します。経営上の重要なリスクへの対応方針その他リスク管理の観点から重要な事項については、十分な審議を行うほか、特に重要なものについては取締役会において報告します。内部監査部門は、NECグループのリスク管理体制およびリスク管理の実施状況について監査を行います。ただし、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して監査を行います。
(d) 取締役の職務執行の効率性を確保するため、取締役会は、執行役員に対して大幅な権限委譲を行い、迅速な意思決定および機動的な職務執行を推進します。執行役員は、取締役会の監督のもと、中期経営目標および予算に基づき効率的な職務執行を行います。
(e) 当社は、NECグループにおける業務の適正を確保するため、「NECグループ経営ポリシー」を通じて、子会社の遵法体制その他業務の適正を確保するための体制の整備に関する指導および支援を行います。NECグループにおける経営の健全性および効率性の向上をはかるため、各子会社について、取締役および監査役を必要に応じて派遣するとともに、当社内に主管部門を定めることとし、当該主管部門は子会社の事業運営に関する重要な事項について子会社から報告を受け、子会社におけるリスク管理について子会社を指導および支援します。内部監査部門は、NECグループの業務の適正性について監査を行います。ただし、内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携して監査を行います。監査役は、監査に関して子会社監査役と意見交換等を行い、連携をはかります。
(f) NECグループにおける業務の適正化および効率化の観点から、業務プロセスの改善および標準化に努めるとともに、情報システムによる一層の統制強化をはかります。
(g) NECグループにおける財務報告に係る内部統制については、適用ある法令に基づき、評価、維持、改善等を行います。
(h) 監査役の職務遂行を補助する専任スタフを置き、その人事考課、異動、懲戒等については、監査役の承認を要するものとします。
(i) 取締役、執行役員および使用人は、随時、その職務の執行状況等について監査役に報告します。また、当社は、子会社の取締役、監査役、執行役員および使用人が、随時、その職務の執行状況等について監査役に報告するよう指導します。
(j) 監査役は、監査の実効性を確保するため、監査役会を開催し、監査実施状況等について情報の交換および協議を行うとともに、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行います。
(ロ) 内部統制システムの運用状況
当社は、当連結会計年度の内部統制システムの整備・運用状況について評価を行い、本基本方針に基づき内部統制システムが適切に整備され運用されていることを確認しました。なお、この過程において、監査役とも、内部統制システムの整備・運用状況について意見交換を行っています。当連結会計年度における主な取り組みは、次のとおりです。
コンプライアンスについては、「NECグループ行動規範」を、ESG(環境、社会、ガバナンス)視点や「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けた社会の要請への対応の観点から改定し、高い倫理観に基づく誠実な行動に加え、ICTの力で社会課題を解決するグローバル企業の一員として遵守すべき行動を示しました。「NECコンプライアンスの日」(2016年および2017年に国内において独占禁止法違反行為があった旨の認定を受けたことを踏まえ、NECグループの従業員一人ひとりがコンプライアンスの重要性を再確認する日として2017年に制定)には、当社の経営幹部および国内・海外の連結子会社社長が経済活動における倫理観の重要性やコンプライアンスの徹底に関するメッセージを発信することに加え、NECグループが過去の独占禁止法違反事案から得た教訓の風化防止と従業員のコンプライアンス意識のさらなる向上を目的とした同事案の振り返りセッション、および当社・国内連結子会社を対象にした企業倫理フォーラム「NECビジネスエシックス」を開催しました。同フォーラムでは、当社の執行役員社長や企業のコンプライアンスに精通した外部弁護士による講演に加え、コンプライアンス推進に向けて顕著な取り組みを行った事業部門を表彰しました。コンプライアンスに関する教育については、毎年実施しているWeb教育を当連結会計年度も実施し、その中で、当社の従業員一人ひとりがコンプライアンスを徹底する旨とコンプライアンスをNECグループの文化とするために自らが取り組む行動を宣言しました。また、当連結会計年度は、当社の内部者通報制度「コンプライアンス・ホットライン」への相談・申告(内部通報)を促進することで不正行為等の早期発見および早期解決をはかるため、「コンプライアンス・ホットライン規程」を制定し、内部通報者および調査協力者の保護をより一層強化しました。なお、「コンプライアンス・ホットライン」の当連結会計年度の利用実績は90件であり、申告のあった内部通報については、その内容に応じて内部監査部門その他の社内関係部門において調査を行い、必要な対策を講じています。
リスクマネジメントについては、NECグループとして対策を講ずべき重点対策リスク(その影響度と対策の必要性の観点からNECグループ全体で新たな対策や既存の対策に改善を講ずべきリスク)として、リスク・コンプライアンス委員会および経営会議で、当連結会計年度においては、「労務管理に関わるリスク」、「新技術がもたらす人権問題に関わるリスク」、「贈収賄に関わるリスク」および「情報セキュリティに関わるリスク」の4つを選定し、その対策を策定・実行したうえで、その結果を取締役会に報告しました。また、当社では、コンプライアンス違反事案が発生した場合、リスク・コンプライアンス委員会に報告される体制としており、その事案の概要については、当月の取締役会で報告するなど、取締役会への迅速な情報共有をはかっています。また、当社では、前連結会計年度に事業部門長がオーナーシップを持って自部門のコンプライアンスリスクの特性に応じた適切な施策を策定・実施する体制に移行しました。当連結会計年度においては、コンプライアンス推進部が、事業部門長の選定したコンプライアンスリスクおよび年間改善計画ならびにその進捗状況・実績を定期的に確認し、必要に応じて取り組みを支援する活動を開始しました。
グループマネジメントについては、NECグループのグループマネジメントについて定めた「NECグループ経営ポリシー」に基づき、子会社経営の仕組みの統一に努めるとともに、グループ全体最適とグループ企業価値の最大化のためにグループ横断機能の強化に努めています。その一環として、海外子会社に対するグループ共通のポリシーや業務プロセス・基盤の導入を迅速に行えるよう、主要なグループ横断機能を担当する当社のチーフオフィサーが自らの担当領域について、海外子会社における業務の遂行を管理する仕組みの整備を進めています。
監査役による監査については、監査役は、当社および子会社の取締役、執行役員および使用人から職務執行状況等について随時報告を受けるほか、内部監査部門から内部監査の状況に加えて、「コンプライアンス・ホットライン」および子会社の内部者通報制度の運用状況について定期的に報告を受けています。また、監査役は、会計監査人から定期的に会計監査に関する報告を受け意見交換を実施するほか、会計監査人および内部監査部門との三者協議を定期的に実施することなどにより、密接な連携に努めています。
③ 情報開示体制
当社は、適時、適切かつ公平な情報開示により企業価値の適切な評価を市場から得ることが重要であると認識しています。そのため、社内関係部門間および子会社との間の連絡体制を構築しています。
また、当社は、マスコミ、アナリストおよび機関投資家向けに、経営幹部による経営説明会や四半期ごとの決算説明会を開催するほか、ESGをテーマとする説明会や各事業の責任者等による事業に関する説明会(工場見学会、IR Dayを含む。)の実施、当社ウェブサイトでの情報開示内容の充実(説明会等における和文および英文による資料、動画データ等の掲載を含む。)、グローバルなIR活動の強化(海外の機関投資家訪問を含む。)などに努めています。さらに、個人投資家向けの情報開示として、専用ウェブサイトを開設するほか、説明会を実施しています。
④ 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方は、株主が最終的に決定するものと考えています。一方、経営支配権の取得を目的とする当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、買収提案に応じるか否かについての株主の判断のため、買収提案者に対して対価等の条件の妥当性や買付行為がNECグループの経営方針や事業計画等に与える影響などに関する適切な情報の提供を求めるとともに、それが当社の企業価値および株主共同の利益の向上に寄与するものであるかどうかについて評価、検討し、速やかに当社の見解を示すことが取締役会の責任であると考えています。また、状況に応じて、買収提案者との交渉や株主への代替案の提示を行うことも必要であると考えます。
当社は、現在、買収提案者が出現した場合の対応方針としての買収防衛策をあらかじめ定めていませんが、買収提案があった場合に、買収提案者から適切な情報が得られなかったとき、株主が買収提案について判断をするための十分な時間が与えられていないときまたは買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益の向上に反すると判断したときには、その時点において実行可能で、かつ株主に受け入れられる合理的な対抗策を直ちに決定し、実施する予定です。