有価証券報告書-第183期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、2020年4月1日にNECグループ共通の価値観であり行動の原点を示す「NEC Way」を改定しました。
「NEC Way」は、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。
「Purpose(存在意義)」はOrchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。
「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。
「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。
「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。
NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。
また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織のあり方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さをもったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。
お客さまや社会が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げてまいります。
(2) 目標とする経営指標
NECグループは、企業価値の最大化に向けて、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げています。Purposeの具現化に向けて、戦略ではEBITDA成長率を、文化ではエンゲージメントスコアを、特に中核指標と位置づけています。加えて、売上収益、調整後営業利益、調整後当期利益、EBITDA、およびROICを経営上の目標として掲げています。
(3) 経営環境
当連結会計年度の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下「新型コロナウイルス感染症」という。)の世界的な流行に伴う外出制限や営業・生産活動の停止等の影響から、世界経済、日本経済ともに、第1四半期に大きく悪化し、第2四半期以降はやや持ち直したものの、総じて低調に推移しました。
一方で、従来のIT市場におけるクラウドシフトへの流れに加えて、新しい生活様式への変化が進む中で社会全体のデジタル化が加速しました。欧州における先進的なデジタル・ガバメントの取り組みが世界的に拡大する中で、日本においてもデジタル庁創設が予定されており、今後、国および地方行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が一層進む見通しです。また、環境問題がさらに深刻化する中で、持続可能な社会の実現へ向けて企業の貢献が求められており、テクノロジーの役割が増大しています。
このような経営環境のもと、NECグループは、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げる「2025中期経営計画」を策定し、高いモチベーションをもって、日本を含むグローバルでの事業フォーカスと国内IT事業のトランスフォーメーションなどによる成長の実現や、サステナビリティ経営の基盤強化等を目指します。
(4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
NECグループは、Purposeの具現化に向けて2025年度を最終年度とする「2025中期経営計画」を2021年5月に策定しました。本中期経営計画ではPurpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げ、役員・社員一丸となって邁進します。
① Purpose
NECグループは、「NEC Way」において、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現をPurposeとして掲げています。NECグループは社会価値を創造する企業として、社会や顧客との「未来の共感」を創ることで、その実現を目指します。そのためNECグループは、2030年の目指す未来の姿を「NEC 2030VISION」として策定しました。
② 戦略
NECグループの強みである技術力を顧客価値に転換し、「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」、「国内IT事業のトランスフォーメーション」および「次の柱となる成長事業の創造」によって、成長を実現します。
「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」については、デジタル・ガバメント事業、デジタル・ファイナンス事業およびグローバル5G事業を注力領域と定め、事業成長を目指します。まず、デジタル・ガバメント事業およびデジタル・ファイナンス事業では、2018年以降に買収した欧州企業の確実な成長、および行政・金融の融合領域への取り組みや異業種顧客への新規事業機会の獲得といったNECグループとの事業シナジーによって事業成長を目指します。次にグローバル5G事業については、高品質や小型・軽量化といった技術力を強みにして、従来の基地局事業からグローバルOpen RAN事業へとハードウェア領域における事業を拡大し、さらには5GコアネットワークやOSS/BSSなどのソフトウェア領域へと拡大することで、グローバルトップベンダーを目指します。
「国内IT事業のトランスフォーメーション」では、従来の業種・顧客別の個別最適の事業から全体最適の事業へと変革します。具体的には、当社子会社のアビームコンサルティング㈱とのさらなる連携により、顧客に対して、コンサルティングから保守・運用までの一貫したサービス提供を実現します。加えて、生体認証やAI(人工知能)等の強い技術と社会のニーズを組み合わせ、デジタル・ガバメントやスーパーシティ構想といった先進的なDX領域での成長を目指します。また技術の共通基盤化や適切なソリューション提供に必要な提案モデルやツールの整備、他社とのアライアンスによる商材メニュー強化を通じて、収益性改善とともに競争力を強化します。
「次の柱となる成長事業の創造」では、NECグループのディスラプティブ技術(現在のビジネスモデルを破壊しうるユニークな技術)と米国におけるドットデータ社の設立などを通じて強化した事業開発力に、他社のノウハウ等を加えて、「NEC 2030VISION」を実現する新たな成長事業の創造に取り組みます。
これらの成長戦略の実行の裏付けとなる財務力については、引き続き、成長投資を重視したキャピタル・アロケーションを徹底するとともに、強固な財務基盤の維持と強化を行うことにより、今後の成長投資を支えます。
また、「顧客との未来の共感創り」では、「NEC 2030VISION」を社会や顧客に向けて積極的に発信することにより、NECグループの目指す社会像の共感を創り、新たな社会価値創造を加速します。
③ 文化
Purposeの実現には、高いモチベーションをもつ社員の存在が不可欠であることから、社員に選ばれる会社(Employer of Choice)への変革を目指します。その変革のため、「人・カルチャーの変革」、「ビジネスインフラの整備」および「顧客との未来の共感創り」の3つに取り組みます。
「人・カルチャーの変革」では、社員のエンゲージメントを高め、生産性向上やイノベーション創出につながる施策を実行します。具体的には、女性や外国人社員に代表される多様な人材の積極的な登用と計画的な育成により、ダイバーシティを加速させます。加えて、多様な人材が高い生産性・創造性をより発揮するために、働き方の選択肢を広げる等の人事制度の環境整備を進めます。
「ビジネスインフラの整備」では、これまで行ってきた共通業務のシェアードサービス化をさらに一歩進め、業務プロセス・制度・ITシステムの一体改革を実行します。具体的には、NECグループ全体最適視点での基幹システムのクラウド化や業務プロセス・制度の再設計、さらにはAIの活用などにより、データを最大限に活用した高度な経営基盤を構築します。
また、「顧客との未来の共感創り」では、「NEC 2030VISION」を社会や顧客に向けて積極的に発信することにより、NECグループの目指す社会像の共感を創り、新たな社会価値創造を加速します。
これらの施策を通じて、2025年度に売上収益3兆5,000億円、調整後営業利益3,000億円(利益率8.6%)、調整後当期利益1,850億円(利益率5.3%)、EBITDA4,500億円(利益率12.9%)、ROIC6.5%の達成を目指します。
NECグループは、2018年7月に、NECグループおよび社会のリスクを最小化し、NECグループが生み出す社会価値を最大化するために優先的に取り組むべきESG(環境・社会・ガバナンス)視点のテーマとして「マテリアリティ」を特定しました。2020年4月には、NECグループ共通の価値観であり行動の原点である「NEC Way」において、NECグループの存在意義である「Purpose」と企業としての行動原則である「Principles」を明確にし、これらの考え方に基づくマテリアリティの実践に取り組んできました。
このたび、NECグループは、「2025中期経営計画」の策定に際し、サステナビリティ経営の基盤強化に向け重点的に取り組むマテリアリティとして、「気候変動(脱炭素)」、「セキュリティ(情報セキュリティ・サイバーセキュリティ)」、「AIと人権」、「人材育成」、「コーポレートガバナンス」、「サプライチェーンサステナビリティ」および「コンプライアンス」を改めて特定しました。
社会とNECグループの継続的な成長に向け、顧客など多様なステークホルダーと対話し、取り組むことで国際連合の定める「SDGs」の達成に貢献します。
(5) 気候変動への対応
持続可能な社会を築くためには、地球温暖化がもたらす気候変動問題に対して、温暖化が進まないように温室効果ガスの排出を削減する緩和策だけでなく、気候変動リスクに備え、その被害を未然に防止し、または最小限に抑えるための適応策にも取り組む必要があります。NECグループは、気候変動リスクを最小限に抑え、お客さまや社会の気候変動対策への価値提供を通じてNECグループの事業成長へと繋げるため、緩和と適応の両面から気候変動がNECグループの事業にもたらすリスクと機会を評価し、NECグループが目指すべき方向と長期目標を定め戦略的に取り組んでいます。具体的には、お客さまと持続可能な社会を共創していく姿を示した「2050年を見据えた気候変動対策指針」を2017年7月に策定し、気候変動対策の強化を進めています。本指針は、①サプライチェーンからのCO₂排出量ゼロに向けた削減、②サプライチェーンでの気候変動リスクへの対策徹底、③世界が目指す低炭素社会の実現、④気候変動リスクに強い安全・安心な社会の実現、という4つの要素から構成されており、このうち①の要素については、NECグループが自らの事業活動に伴い発生するCO₂排出量(Scope1, 2(*1))を2050年までに実質ゼロとすることを目標として掲げています。
当連結会計年度の主な取り組みおよび実績としては、再生可能エネルギーの導入によるCO₂排出量の削減として、当社の府中事業場と我孫子事業場において太陽光発電を導入し、稼働を開始しました。当社子会社であるデンマークのケーエムディ社では、使用電力のグリーン電力への切り替えが100%完了しています。
また、当社は国際的なNGOであるCDP(*2)が主催する「CDPサプライチェーンプログラム」に加盟しています。当社はサプライヤーにおける気候変動対策の推進状況を把握するため、サプライヤーに対して当社の独自調査に加えて同プログラムを通じた調査を毎年実施し、優れた取り組みを行うサプライヤーを表彰するなど、サプライヤーと連携して、サプライチェーン全体の排出量削減および気候変動対策の強化に向けた取り組みを推進しています。このような取り組みが評価され、CDP2020において気候変動、水管理およびサプライヤーエンゲージメントの3部門で、最高評価である「Aリスト」企業に選定されました。
NECグループは、ICTを活用した省エネ型製品・サービスの提供や再生可能エネルギーの導入拡大などを積極的に進めるとともに、洪水や土砂災害などの気候変動リスクに備えるソリューションの開発・提供を進めることで、緩和策と適応策の両面からお客さまや社会の気候変動対策に貢献していきます。
*1 Scope1:事業者が所有または管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出
Scope2:電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出
*2 CDP:投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している
英国の慈善団体が管理する国際的なNGO。2020年度は全世界で9,600社以上の企業がCDPを通じて情報開示を行いました。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、2020年4月1日にNECグループ共通の価値観であり行動の原点を示す「NEC Way」を改定しました。
「NEC Way」は、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。
「Purpose(存在意義)」はOrchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。
NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる 持続可能な社会の実現を目指します。 |
「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。
| 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」 常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重 あくなきイノベーションの追求 |
「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。
| 視線は外向き、未来を見通すように 思考はシンプル、戦略を示せるように 心は情熱的、自らやり遂げるように 行動はスピード、チャンスを逃さぬように 組織はオープン、全員が成長できるように |
「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。
| 1.基本姿勢 2.人権尊重 3.環境保全 4.誠実な事業活動 5.会社財産・情報の管理 コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告 |
NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。
また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織のあり方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さをもったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。
お客さまや社会が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げてまいります。
(2) 目標とする経営指標
NECグループは、企業価値の最大化に向けて、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げています。Purposeの具現化に向けて、戦略ではEBITDA成長率を、文化ではエンゲージメントスコアを、特に中核指標と位置づけています。加えて、売上収益、調整後営業利益、調整後当期利益、EBITDA、およびROICを経営上の目標として掲げています。
(3) 経営環境
当連結会計年度の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下「新型コロナウイルス感染症」という。)の世界的な流行に伴う外出制限や営業・生産活動の停止等の影響から、世界経済、日本経済ともに、第1四半期に大きく悪化し、第2四半期以降はやや持ち直したものの、総じて低調に推移しました。
一方で、従来のIT市場におけるクラウドシフトへの流れに加えて、新しい生活様式への変化が進む中で社会全体のデジタル化が加速しました。欧州における先進的なデジタル・ガバメントの取り組みが世界的に拡大する中で、日本においてもデジタル庁創設が予定されており、今後、国および地方行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が一層進む見通しです。また、環境問題がさらに深刻化する中で、持続可能な社会の実現へ向けて企業の貢献が求められており、テクノロジーの役割が増大しています。
このような経営環境のもと、NECグループは、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げる「2025中期経営計画」を策定し、高いモチベーションをもって、日本を含むグローバルでの事業フォーカスと国内IT事業のトランスフォーメーションなどによる成長の実現や、サステナビリティ経営の基盤強化等を目指します。
(4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
NECグループは、Purposeの具現化に向けて2025年度を最終年度とする「2025中期経営計画」を2021年5月に策定しました。本中期経営計画ではPurpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げ、役員・社員一丸となって邁進します。
① Purpose
NECグループは、「NEC Way」において、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現をPurposeとして掲げています。NECグループは社会価値を創造する企業として、社会や顧客との「未来の共感」を創ることで、その実現を目指します。そのためNECグループは、2030年の目指す未来の姿を「NEC 2030VISION」として策定しました。
| NEC 2030VISION(目指す未来の姿) [環境] ・地球と共生して未来を守る [社会] ・個人と社会が調和し豊かな街を育む ・とまらない社会を築き産業と仕事のカタチを創る ・時空間や世代を超えて共感を生む [暮らし] ・人に寄添い心躍る暮らしを支える |
② 戦略
NECグループの強みである技術力を顧客価値に転換し、「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」、「国内IT事業のトランスフォーメーション」および「次の柱となる成長事業の創造」によって、成長を実現します。
「日本を含むグローバルでの事業フォーカス」については、デジタル・ガバメント事業、デジタル・ファイナンス事業およびグローバル5G事業を注力領域と定め、事業成長を目指します。まず、デジタル・ガバメント事業およびデジタル・ファイナンス事業では、2018年以降に買収した欧州企業の確実な成長、および行政・金融の融合領域への取り組みや異業種顧客への新規事業機会の獲得といったNECグループとの事業シナジーによって事業成長を目指します。次にグローバル5G事業については、高品質や小型・軽量化といった技術力を強みにして、従来の基地局事業からグローバルOpen RAN事業へとハードウェア領域における事業を拡大し、さらには5GコアネットワークやOSS/BSSなどのソフトウェア領域へと拡大することで、グローバルトップベンダーを目指します。
「国内IT事業のトランスフォーメーション」では、従来の業種・顧客別の個別最適の事業から全体最適の事業へと変革します。具体的には、当社子会社のアビームコンサルティング㈱とのさらなる連携により、顧客に対して、コンサルティングから保守・運用までの一貫したサービス提供を実現します。加えて、生体認証やAI(人工知能)等の強い技術と社会のニーズを組み合わせ、デジタル・ガバメントやスーパーシティ構想といった先進的なDX領域での成長を目指します。また技術の共通基盤化や適切なソリューション提供に必要な提案モデルやツールの整備、他社とのアライアンスによる商材メニュー強化を通じて、収益性改善とともに競争力を強化します。
「次の柱となる成長事業の創造」では、NECグループのディスラプティブ技術(現在のビジネスモデルを破壊しうるユニークな技術)と米国におけるドットデータ社の設立などを通じて強化した事業開発力に、他社のノウハウ等を加えて、「NEC 2030VISION」を実現する新たな成長事業の創造に取り組みます。
これらの成長戦略の実行の裏付けとなる財務力については、引き続き、成長投資を重視したキャピタル・アロケーションを徹底するとともに、強固な財務基盤の維持と強化を行うことにより、今後の成長投資を支えます。
また、「顧客との未来の共感創り」では、「NEC 2030VISION」を社会や顧客に向けて積極的に発信することにより、NECグループの目指す社会像の共感を創り、新たな社会価値創造を加速します。
③ 文化
Purposeの実現には、高いモチベーションをもつ社員の存在が不可欠であることから、社員に選ばれる会社(Employer of Choice)への変革を目指します。その変革のため、「人・カルチャーの変革」、「ビジネスインフラの整備」および「顧客との未来の共感創り」の3つに取り組みます。
「人・カルチャーの変革」では、社員のエンゲージメントを高め、生産性向上やイノベーション創出につながる施策を実行します。具体的には、女性や外国人社員に代表される多様な人材の積極的な登用と計画的な育成により、ダイバーシティを加速させます。加えて、多様な人材が高い生産性・創造性をより発揮するために、働き方の選択肢を広げる等の人事制度の環境整備を進めます。
「ビジネスインフラの整備」では、これまで行ってきた共通業務のシェアードサービス化をさらに一歩進め、業務プロセス・制度・ITシステムの一体改革を実行します。具体的には、NECグループ全体最適視点での基幹システムのクラウド化や業務プロセス・制度の再設計、さらにはAIの活用などにより、データを最大限に活用した高度な経営基盤を構築します。
また、「顧客との未来の共感創り」では、「NEC 2030VISION」を社会や顧客に向けて積極的に発信することにより、NECグループの目指す社会像の共感を創り、新たな社会価値創造を加速します。
これらの施策を通じて、2025年度に売上収益3兆5,000億円、調整後営業利益3,000億円(利益率8.6%)、調整後当期利益1,850億円(利益率5.3%)、EBITDA4,500億円(利益率12.9%)、ROIC6.5%の達成を目指します。
NECグループは、2018年7月に、NECグループおよび社会のリスクを最小化し、NECグループが生み出す社会価値を最大化するために優先的に取り組むべきESG(環境・社会・ガバナンス)視点のテーマとして「マテリアリティ」を特定しました。2020年4月には、NECグループ共通の価値観であり行動の原点である「NEC Way」において、NECグループの存在意義である「Purpose」と企業としての行動原則である「Principles」を明確にし、これらの考え方に基づくマテリアリティの実践に取り組んできました。
このたび、NECグループは、「2025中期経営計画」の策定に際し、サステナビリティ経営の基盤強化に向け重点的に取り組むマテリアリティとして、「気候変動(脱炭素)」、「セキュリティ(情報セキュリティ・サイバーセキュリティ)」、「AIと人権」、「人材育成」、「コーポレートガバナンス」、「サプライチェーンサステナビリティ」および「コンプライアンス」を改めて特定しました。
社会とNECグループの継続的な成長に向け、顧客など多様なステークホルダーと対話し、取り組むことで国際連合の定める「SDGs」の達成に貢献します。
(5) 気候変動への対応
持続可能な社会を築くためには、地球温暖化がもたらす気候変動問題に対して、温暖化が進まないように温室効果ガスの排出を削減する緩和策だけでなく、気候変動リスクに備え、その被害を未然に防止し、または最小限に抑えるための適応策にも取り組む必要があります。NECグループは、気候変動リスクを最小限に抑え、お客さまや社会の気候変動対策への価値提供を通じてNECグループの事業成長へと繋げるため、緩和と適応の両面から気候変動がNECグループの事業にもたらすリスクと機会を評価し、NECグループが目指すべき方向と長期目標を定め戦略的に取り組んでいます。具体的には、お客さまと持続可能な社会を共創していく姿を示した「2050年を見据えた気候変動対策指針」を2017年7月に策定し、気候変動対策の強化を進めています。本指針は、①サプライチェーンからのCO₂排出量ゼロに向けた削減、②サプライチェーンでの気候変動リスクへの対策徹底、③世界が目指す低炭素社会の実現、④気候変動リスクに強い安全・安心な社会の実現、という4つの要素から構成されており、このうち①の要素については、NECグループが自らの事業活動に伴い発生するCO₂排出量(Scope1, 2(*1))を2050年までに実質ゼロとすることを目標として掲げています。
当連結会計年度の主な取り組みおよび実績としては、再生可能エネルギーの導入によるCO₂排出量の削減として、当社の府中事業場と我孫子事業場において太陽光発電を導入し、稼働を開始しました。当社子会社であるデンマークのケーエムディ社では、使用電力のグリーン電力への切り替えが100%完了しています。
また、当社は国際的なNGOであるCDP(*2)が主催する「CDPサプライチェーンプログラム」に加盟しています。当社はサプライヤーにおける気候変動対策の推進状況を把握するため、サプライヤーに対して当社の独自調査に加えて同プログラムを通じた調査を毎年実施し、優れた取り組みを行うサプライヤーを表彰するなど、サプライヤーと連携して、サプライチェーン全体の排出量削減および気候変動対策の強化に向けた取り組みを推進しています。このような取り組みが評価され、CDP2020において気候変動、水管理およびサプライヤーエンゲージメントの3部門で、最高評価である「Aリスト」企業に選定されました。
NECグループは、ICTを活用した省エネ型製品・サービスの提供や再生可能エネルギーの導入拡大などを積極的に進めるとともに、洪水や土砂災害などの気候変動リスクに備えるソリューションの開発・提供を進めることで、緩和策と適応策の両面からお客さまや社会の気候変動対策に貢献していきます。
*1 Scope1:事業者が所有または管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出
Scope2:電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出
*2 CDP:投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している
英国の慈善団体が管理する国際的なNGO。2020年度は全世界で9,600社以上の企業がCDPを通じて情報開示を行いました。
NECは、安全・安心・公平・効率という