有価証券報告書-第119期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等
当社グループは、常に変革に挑戦し続け、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し、豊かで夢のある未来を世界中の人々に提供することを企業理念としております。そのためには、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることが重要と考えております。
情報機器やネットワークの高度化を背景に、社会や経済の至るところでICTの活用が広がり、従来の業界の枠組みを超えた新たなビジネスが生まれるなど、市場構造の変革が進んでおります。消費者の行動が変化し、またグローバルな競争が加速する中で、企業において新しいテクノロジーをビジネスの変革や競争優位の確保に活かす動きが高まっています。また、防災、エネルギー、環境、医療など、社会の抱える様々な課題を解決し豊かな社会の実現に貢献することが、ICTの新たな役割として期待されています。
このような環境下において、当社グループは、テクノロジーソリューションを中核とした真のサービスカンパニーになることを目指しております。
当社グループは、2015年度より「連結営業利益率10%以上」などの経営目標を掲げ、コア事業へのフォーカスを進める「形を変える」取り組み、成長を加速する「質を変える」取り組みを進めてまいりました。このうち、「形を変える」取り組みについては、2018年度までに一定の成果を上げることができたことから、今後は、「質を変える」取り組みにより集中してまいります。コア事業であるテクノロジーソリューションでの成長を目指し、3つの施策を進めてまいります。
1つ目は、当社の主要マーケットである日本国内において、一層のシェア向上を図るため営業改革に取り組んでまいります。これまでグループ各社に分散していた1万人を超える国内営業人員について、グループ全体の視点で最適な配置を検討し、重点分野へパワーシフトしてまいります。
2つ目は、より強い事業体質の確立のための事業強化として、グローバルで統一された商品開発、世界の有力なパートナーとのより一層の連携、世界各地の市場特性に合ったスピーディなサービス提供、グローバルに競争力のある人材の獲得・育成を進めてまいります。
3つ目は、新たなグローバル体制の構築のため、各リージョンにおけるマーケティング機能を強化し、世界中から集めた情報をグローバルな営業戦略や事業戦略にスピーディに反映していきます。グループ会社についても、機能の重複やリソースの分散を解消するため、組織の最適化に取り組んでまいります。
これらの「質を変える」取り組みを早期に実現するため、2018年度に経営体制の見直しを実施いたしました。まず、事業部門を「テクノロジーソリューション部門」として集約し、指揮系統のシンプル化と、従来の部門を越えたシナジーの創出を図ってまいります。これに伴い、「連結営業利益率10%以上」については、今後はテクノロジーソリューションをベースとした目標として達成を目指してまいります。次に、海外ビジネスについては、売上規模を追うのではなく、お客様へのさらなる価値提供を目指し、より強固な収益体質を築くことを優先いたします。そのため、EMEIAリージョンにおいては、製造機能を終息して販売機能に集中するとともに、プロダクトビジネスへの依存度が高い不採算拠点を整理し、顧客基盤が強い拠点へ経営資源を集中してまいります。
2019年度は、上記3つの施策を推し進め、デジタル時代における成長のための投資を続けて、グローバルでの競争力を維持するとともに、積極的な変革に取り組んでまいります。
なお、当社グループは、企業価値の維持・向上の観点から、コンプライアンスを含む内部統制体制の構築及び運用を経営の最重要事項の一つと認識し、FUJITSU Wayの「行動規範」に則り、その徹底を図っております。コンプライアンスに関する取り組みの一層の強化も対処すべき課題と位置づけ、今後も、継続して取り組んでまいります。
(2)気候変動・エネルギー問題への対応
気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社にとって重要な課題であると認識しています。
各国・地域における温室効果ガス排出規制の導入・強化や、世界の平均気温上昇に伴う自然災害の発生頻度・影響度の増大など気候変動に伴う影響は、事業におけるエネルギーコストや温室効果ガス削減施策に必要なコストの高騰、さらに調達・物流網の寸断など、様々なリスクをもたらします。さらなる省エネの強化や低/ゼロ排出エネルギーの利用の推進と、サプライチェーン管理の強化が必要です。
一方、気候変動への対応は、当社グループのお客様においても課題であることから、気候変動の緩和と適応に貢献する製品やサービスの開発と提供は、お客様とともに課題克服のイノベーションを創出する機会につながります。ICTにより多様なモノやサービスをデジタルにつなげることで、物流や交通、ものづくりなど様々な分野でエコシステムを形成し、社会システム全体としてのエネルギーの最適利用を実現するとともに、先進テクノロジーをレジリエントな社会インフラの構築などに活用することが可能です。
こうした背景を踏まえ、当社グループは、グローバルICT企業として、気候変動対策において果たすべき役割や実現すべき未来の姿を明確にした2050年までの中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」を策定しました。本ビジョンは、ICTを活用し自らの「脱炭素化」にいち早く取り組むこと、及び、そこで得たノウハウと当社のデジタルテクノロジーをソリューションとしてお客様・社会に提供し、ビジネスを通して気候変動の緩和と適応に貢献することを狙いとしています。
本ビジョンの実現に向け、2018年に、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)とすることを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。国内外の富士通グループ拠点で消費する電力を2050年までに100%再エネ由来とすることを目指すと共に、エネルギーのマネジメントや貯蔵などの研究開発や技術実証に取り組み、社会全体の再エネの普及拡大にも貢献していきます。
自らの「脱炭素化」について具体的には、2050年までに自らのCO2ゼロエミッションを掲げていますが、そのCO2削減シナリオは、「2℃目標」(注1)達成のために科学的に根拠のある水準であると認められ、国際的なイニシアチブ「Science Based Targets initiative(SBTi)」(注2)に承認されています。長期目標の達成に向け策定している短期目標「第8期富士通グループ環境行動計画」において、2017年度の温室効果ガス排出量削減目標を達成しました。2017年度の温室効果ガス排出量は、直接排出(Scope1)が198千トン、間接排出(Scope2)が939千トンでした。
こうした気候変動に係るリスクと機会に関する具体的な方針や目標の管理は、代表取締役社長を主宰とする「環境経営委員会」において実施され、経営会議での最終決定の後に取締役会に報告されます。さらに、取締役会の監督の下、全社レベルのリスクマネジメント体制において統合的に気候変動関連のリスク分析と対応が行われます。
当社は、2019年4月にTCFD(注3)による気候変動情報開示への提言に賛同を表明し、比較可能性や一貫性に配慮した開示に努めています。
最新の情報と詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
(注)1.「産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑える」という目標。国連気候変動枠組条約第21回締約国会議において、2020年以降の温暖化対策の国際的枠組みとして採択され、2016年11月にパリ協定において発効されました。
2.2015年に国連グローバルコンパクト、WRI(世界資源研究所)などの団体が共同で設立したイニシアチブ。産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標の設定を企業に働きかけています。
3.気候関連財務情報開示タスクフォース。気候変動に係る金融市場の不安定化リスクを低減するため、G20の要請で金融安定理事会が設立。2017年6月に、気候変動がもたらすリスク、および機会についての情報企業・団体等が自主的に把握、開示することを推奨する提言を発表しました。
(3)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
(1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等
当社グループは、常に変革に挑戦し続け、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し、豊かで夢のある未来を世界中の人々に提供することを企業理念としております。そのためには、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることが重要と考えております。
情報機器やネットワークの高度化を背景に、社会や経済の至るところでICTの活用が広がり、従来の業界の枠組みを超えた新たなビジネスが生まれるなど、市場構造の変革が進んでおります。消費者の行動が変化し、またグローバルな競争が加速する中で、企業において新しいテクノロジーをビジネスの変革や競争優位の確保に活かす動きが高まっています。また、防災、エネルギー、環境、医療など、社会の抱える様々な課題を解決し豊かな社会の実現に貢献することが、ICTの新たな役割として期待されています。
このような環境下において、当社グループは、テクノロジーソリューションを中核とした真のサービスカンパニーになることを目指しております。
当社グループは、2015年度より「連結営業利益率10%以上」などの経営目標を掲げ、コア事業へのフォーカスを進める「形を変える」取り組み、成長を加速する「質を変える」取り組みを進めてまいりました。このうち、「形を変える」取り組みについては、2018年度までに一定の成果を上げることができたことから、今後は、「質を変える」取り組みにより集中してまいります。コア事業であるテクノロジーソリューションでの成長を目指し、3つの施策を進めてまいります。
1つ目は、当社の主要マーケットである日本国内において、一層のシェア向上を図るため営業改革に取り組んでまいります。これまでグループ各社に分散していた1万人を超える国内営業人員について、グループ全体の視点で最適な配置を検討し、重点分野へパワーシフトしてまいります。
2つ目は、より強い事業体質の確立のための事業強化として、グローバルで統一された商品開発、世界の有力なパートナーとのより一層の連携、世界各地の市場特性に合ったスピーディなサービス提供、グローバルに競争力のある人材の獲得・育成を進めてまいります。
3つ目は、新たなグローバル体制の構築のため、各リージョンにおけるマーケティング機能を強化し、世界中から集めた情報をグローバルな営業戦略や事業戦略にスピーディに反映していきます。グループ会社についても、機能の重複やリソースの分散を解消するため、組織の最適化に取り組んでまいります。
これらの「質を変える」取り組みを早期に実現するため、2018年度に経営体制の見直しを実施いたしました。まず、事業部門を「テクノロジーソリューション部門」として集約し、指揮系統のシンプル化と、従来の部門を越えたシナジーの創出を図ってまいります。これに伴い、「連結営業利益率10%以上」については、今後はテクノロジーソリューションをベースとした目標として達成を目指してまいります。次に、海外ビジネスについては、売上規模を追うのではなく、お客様へのさらなる価値提供を目指し、より強固な収益体質を築くことを優先いたします。そのため、EMEIAリージョンにおいては、製造機能を終息して販売機能に集中するとともに、プロダクトビジネスへの依存度が高い不採算拠点を整理し、顧客基盤が強い拠点へ経営資源を集中してまいります。
2019年度は、上記3つの施策を推し進め、デジタル時代における成長のための投資を続けて、グローバルでの競争力を維持するとともに、積極的な変革に取り組んでまいります。
なお、当社グループは、企業価値の維持・向上の観点から、コンプライアンスを含む内部統制体制の構築及び運用を経営の最重要事項の一つと認識し、FUJITSU Wayの「行動規範」に則り、その徹底を図っております。コンプライアンスに関する取り組みの一層の強化も対処すべき課題と位置づけ、今後も、継続して取り組んでまいります。
(2)気候変動・エネルギー問題への対応
気候変動は国・地域を超えて世界に影響を与える問題であり、グローバルに活動する当社にとって重要な課題であると認識しています。
各国・地域における温室効果ガス排出規制の導入・強化や、世界の平均気温上昇に伴う自然災害の発生頻度・影響度の増大など気候変動に伴う影響は、事業におけるエネルギーコストや温室効果ガス削減施策に必要なコストの高騰、さらに調達・物流網の寸断など、様々なリスクをもたらします。さらなる省エネの強化や低/ゼロ排出エネルギーの利用の推進と、サプライチェーン管理の強化が必要です。
一方、気候変動への対応は、当社グループのお客様においても課題であることから、気候変動の緩和と適応に貢献する製品やサービスの開発と提供は、お客様とともに課題克服のイノベーションを創出する機会につながります。ICTにより多様なモノやサービスをデジタルにつなげることで、物流や交通、ものづくりなど様々な分野でエコシステムを形成し、社会システム全体としてのエネルギーの最適利用を実現するとともに、先進テクノロジーをレジリエントな社会インフラの構築などに活用することが可能です。
こうした背景を踏まえ、当社グループは、グローバルICT企業として、気候変動対策において果たすべき役割や実現すべき未来の姿を明確にした2050年までの中長期環境ビジョン「FUJITSU Climate and Energy Vision」を策定しました。本ビジョンは、ICTを活用し自らの「脱炭素化」にいち早く取り組むこと、及び、そこで得たノウハウと当社のデジタルテクノロジーをソリューションとしてお客様・社会に提供し、ビジネスを通して気候変動の緩和と適応に貢献することを狙いとしています。
本ビジョンの実現に向け、2018年に、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)とすることを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました。国内外の富士通グループ拠点で消費する電力を2050年までに100%再エネ由来とすることを目指すと共に、エネルギーのマネジメントや貯蔵などの研究開発や技術実証に取り組み、社会全体の再エネの普及拡大にも貢献していきます。
自らの「脱炭素化」について具体的には、2050年までに自らのCO2ゼロエミッションを掲げていますが、そのCO2削減シナリオは、「2℃目標」(注1)達成のために科学的に根拠のある水準であると認められ、国際的なイニシアチブ「Science Based Targets initiative(SBTi)」(注2)に承認されています。長期目標の達成に向け策定している短期目標「第8期富士通グループ環境行動計画」において、2017年度の温室効果ガス排出量削減目標を達成しました。2017年度の温室効果ガス排出量は、直接排出(Scope1)が198千トン、間接排出(Scope2)が939千トンでした。
こうした気候変動に係るリスクと機会に関する具体的な方針や目標の管理は、代表取締役社長を主宰とする「環境経営委員会」において実施され、経営会議での最終決定の後に取締役会に報告されます。さらに、取締役会の監督の下、全社レベルのリスクマネジメント体制において統合的に気候変動関連のリスク分析と対応が行われます。
当社は、2019年4月にTCFD(注3)による気候変動情報開示への提言に賛同を表明し、比較可能性や一貫性に配慮した開示に努めています。
最新の情報と詳細は、当社ウェブサイトをご参照ください。
(注)1.「産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑える」という目標。国連気候変動枠組条約第21回締約国会議において、2020年以降の温暖化対策の国際的枠組みとして採択され、2016年11月にパリ協定において発効されました。
2.2015年に国連グローバルコンパクト、WRI(世界資源研究所)などの団体が共同で設立したイニシアチブ。産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標の設定を企業に働きかけています。
3.気候関連財務情報開示タスクフォース。気候変動に係る金融市場の不安定化リスクを低減するため、G20の要請で金融安定理事会が設立。2017年6月に、気候変動がもたらすリスク、および機会についての情報企業・団体等が自主的に把握、開示することを推奨する提言を発表しました。
(3)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。