有価証券報告書-第137期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、長引く米中通商交渉に対する警戒感を背景に減速基調で推移しておりました。加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威をふるい、感染拡大の収束時期の見通しが立たないことから、先行きの不透明感を強めております。国内経済においても、感染拡大の影響で予断を許さない状況が続き、長引く企業の経済活動縮小や個人消費の減少により景気は急速に悪化しております。
このような厳しい状況下でありますが、当社グループは、「インフラの進化」を安全・快適のソリューションで支えることにより、国内外の社会的課題を解決していくことを使命として、2019年度より新たな長期経営計画(Vision-2028 EVOLUTION 100)をスタートいたしました。創立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指し、従来の延長線上にはないグローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、「持続可能な開発目標(SDGs)」や社会との共生を目指して持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。
当期の経営成績といたしましては、受注高は118,604百万円(前期比4.6%増)、売上高は111,675百万円(前期比11.8%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は8,912百万円(前期比27.3%増)、経常利益は9,674百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,584百万円(前期比24.1%増)となり、過去最高の業績となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。
[交通運輸インフラ事業]
「鉄道信号」では、国内市場において、JR・私鉄各社向けの各種信号保安装置の販売に取り組み、列車の走行、停止、駅と列車のドア制御連携などをトータルで管理するATO(Automatic Train Operation/自動列車運転装置)の拡販やATC(Automatic Train Control/自動列車制御装置)など各種信号保安装置をはじめとした機器の受注・売上がありました。東京都交通局からは都営大江戸線において、海外で多数の導入実績を持ち、安全性と信頼性で高い評価を受けている当社製CBTC(Communications Based Train Control/無線式列車制御システム)「SPARCS」の受注がありました。また、労働人口減少に対応するため、CBM(Condition Based Maintenance/状態基準保全)及び鉄道の自動運転を基礎としたO&M(Operation & Maintenance/運用・保守)ソリューションの提案も積極的に行いました。
海外市場においては、当社製CBTC「SPARCS」を搭載したジャカルタ都市高速鉄道、韓国の金浦都市鉄道が開業を迎えました。また、台湾鐵路管理局からは、各種信号装置の保守・更新を受注したほか、台湾交通部鉄道局より台湾・嘉義市街高速鉄道高架化計画電子連動システム工事を受注いたしました。そのほか、新興国の旺盛な鉄道インフラ需要に応えるべく、営業活動を推進しております。
道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、小型化・軽量化した新型LED交通信号灯器や新型パーキングメーター、停電などにより電力供給が断たれた場合に自動で起動する発動発電機の受注・売上がありました。また、当期は内閣府主導による戦略的イノベーションプログラムや、JR東日本気仙沼線BRTのバス自動運転の技術実証等7件の実証実験に参加し、研究開発に活かしてまいりました。
結果といたしましては、受注高は62,790百万円(前期比8.8%増)となり、売上高につきましては55,966百万円(前期比7.3%増)となりました。また、損益面では6,243百万円のセグメント利益(前期比2.0%減)となりました。
[ICTソリューション事業]
駅務自動化システムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、様々なラインナップを誇るホームドアで、JR・私鉄や公営交通において受注・売上があり、業績を牽引いたしました。視覚障がいのある方がホームドアに接近した際の案内や、車両の開扉案内をする装置の開発も進めております。他にも多言語対応次世代券売機などの新製品の拡販に努めたほか、消費税増税に対応するためのシステム改修を行いました。
海外市場においては、インドのチェンナイメトロ公社より延伸9駅分のAFCシステム一式を受注したほか、インド、タイ、バングラデシュなどのアジア諸国を中心としたプロジェクトの履行に努めております。
今後の取り組みといたしましては、音声対話による駅案内を行う駅案内ロボットの開発・販売を進めてまいります。また、顔認証システムを利用した次世代改札機の実用化に向けた開発も推進してまいります。
パーキングシステムソリューションやセキュリティシステムソリューションを中心とする「スマートシティ」では、国際線旅客ターミナルビルにおいて顔認証によるスムーズな搭乗を可能にするPRS(Passenger Reconciliation System/旅客通過確認システム)の受注・売上がありました。
また、スタジアムやアミューズメント施設などの不特定多数の人が集まる場所において、従来よりも短時間で検査可能なX線手荷物自動検査装置の受注・売上がありました。キャッシュレス社会の到来に向けて、QRコードでの決済が可能なパーキングシステムの拡販にも努めてまいりました。
結果といたしましては、受注高は55,814百万円(前期比0.3%増)となり、売上高につきましては55,709百万円(前期比16.8%増)となりました。また、損益面では6,209百万円のセグメント利益(前期比59.2%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、時価の下落等による投資有価証券の減少3,072百万円等がありましたものの、受取手形及び売掛金の増加1,548百万円、繰延税金資産の増加1,050百万円、有形・無形固定資産の増加337百万円、たな卸資産の増加235百万円、現金及び預金の増加179百万円等により、前連結会計年度末に比べ328百万円増加の137,971百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金の増加1,608百万円、短期借入金の増加795百万円、電子記録債務の増加196百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,815百万円増加の58,323百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益6,584百万円の計上等がありましたものの、自己株式の取得3,500百万円、その他有価証券評価差額金の減少3,776百万円、配当金の支払1,621百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,487百万円減少の79,648百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は12,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ179百万円増加いたしました。
各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払△2,760百万円等がありましたものの、税金等調整前当期純利益9,662百万円の計上、減価償却費2,066百万円の計上等により、9,160百万円の資金の増加(前年同期は3,291百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出△2,328百万円、有形・無形固定資産の取得による支出△2,254百万円等により、4,600百万円の資金の減少(前年同期は2,437百万円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる資金の増加784百万円等がありましたものの、自己株式の取得による支出△3,500百万円、配当金の支払による支出△1,621百万円等により、4,367百万円の資金の減少(前年同期は426百万円の資金の増加)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当連結会計年度は、10年後の100周年に向けて長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を策定し、ビジネス転換や、事業ドメイン、人材・組織、技術開発などに関する戦略を定めました。また、長期経営計画を3年ごとに展開した「21中計」をスタートさせ、同期間を当社の構造改革期と位置づけ、ビジネスのグローバル化とソリューション化を推進しております。
売上高については、交通運輸インフラ事業においてはJR各社向けの信号設備更新や海外案件の増加があったこと、ICTソリューション事業においてはホームドアの売上が牽引したことにより111,675百万円(前期比11.8%増)と増加しております。
損益面につきましても、売上高の増加及び原価率の改善などによって利益は大幅に増加し、営業利益8,912百万円(前期比27.3%増)、経常利益9,674百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,584百万円(前期比24.1%増)となりました。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金は、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達については、運転資金は期限が1年以内の短期借入金により調達しております。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。
③経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をより具体的な取り組み・施策に展開した、3年ごとの中期経営計画「21中計」の初年度の経営上の目標値としましては、売上高1,050億円、営業利益率7.0%、並びにRОE7.0%としておりました。
当期における当社グループの経営成績は、売上高1,116億円、営業利益8.0%、並びにRОE8.1%となり、2期連続の増収増益で過去最高の業績を達成し、収益性・効率性の各指標で目標値を上回ることができました。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益、及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とは異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
a.完成工事高及び完成工事原価
当社及び連結子会社においては、社内の原価管理部門が策定した工事原価総額に基づき、成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。工事原価総額は、受注案件ごとに過去の実績等を考慮して、当初策定していますが、想定外の事象の発生等により、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
b.受注損失引当金
当社及び連結子会社においては、社内の原価管理部門が策定した原価総額に基づき、受注済みの案件のうち、当該受注契約の履行に伴い、翌期以降に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、将来の損失に備えるため翌期以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。受注損失引当金は、受注案件ごとに過去の実績等を考慮して、当初策定していますが、想定外の事象の発生等により、見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
c.退職給付
当社及び連結子会社2社においては、各種退職給付及び年金制度を有しており、退職給付債務及び退職給付費用を、割引率等のさまざまな仮定に基づいて算出しております。将来の経済環境の変化などによる割引率等の仮定の変更は、将来の退職給付債務、退職給付費用及び制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。また、実際の結果は、当社及び連結子会社2社の仮定と異なる場合があり、当該差異は、発生時にその他の包括利益として認識しております。
d.繰延税金資産
当社及び連結子会社は、繰延税金資産について、回収可能性が見込まれるものに限り認識しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上、実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に、将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、長引く米中通商交渉に対する警戒感を背景に減速基調で推移しておりました。加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威をふるい、感染拡大の収束時期の見通しが立たないことから、先行きの不透明感を強めております。国内経済においても、感染拡大の影響で予断を許さない状況が続き、長引く企業の経済活動縮小や個人消費の減少により景気は急速に悪化しております。
このような厳しい状況下でありますが、当社グループは、「インフラの進化」を安全・快適のソリューションで支えることにより、国内外の社会的課題を解決していくことを使命として、2019年度より新たな長期経営計画(Vision-2028 EVOLUTION 100)をスタートいたしました。創立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指し、従来の延長線上にはないグローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、「持続可能な開発目標(SDGs)」や社会との共生を目指して持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。
当期の経営成績といたしましては、受注高は118,604百万円(前期比4.6%増)、売上高は111,675百万円(前期比11.8%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は8,912百万円(前期比27.3%増)、経常利益は9,674百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,584百万円(前期比24.1%増)となり、過去最高の業績となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。
[交通運輸インフラ事業]
「鉄道信号」では、国内市場において、JR・私鉄各社向けの各種信号保安装置の販売に取り組み、列車の走行、停止、駅と列車のドア制御連携などをトータルで管理するATO(Automatic Train Operation/自動列車運転装置)の拡販やATC(Automatic Train Control/自動列車制御装置)など各種信号保安装置をはじめとした機器の受注・売上がありました。東京都交通局からは都営大江戸線において、海外で多数の導入実績を持ち、安全性と信頼性で高い評価を受けている当社製CBTC(Communications Based Train Control/無線式列車制御システム)「SPARCS」の受注がありました。また、労働人口減少に対応するため、CBM(Condition Based Maintenance/状態基準保全)及び鉄道の自動運転を基礎としたO&M(Operation & Maintenance/運用・保守)ソリューションの提案も積極的に行いました。
海外市場においては、当社製CBTC「SPARCS」を搭載したジャカルタ都市高速鉄道、韓国の金浦都市鉄道が開業を迎えました。また、台湾鐵路管理局からは、各種信号装置の保守・更新を受注したほか、台湾交通部鉄道局より台湾・嘉義市街高速鉄道高架化計画電子連動システム工事を受注いたしました。そのほか、新興国の旺盛な鉄道インフラ需要に応えるべく、営業活動を推進しております。
道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、小型化・軽量化した新型LED交通信号灯器や新型パーキングメーター、停電などにより電力供給が断たれた場合に自動で起動する発動発電機の受注・売上がありました。また、当期は内閣府主導による戦略的イノベーションプログラムや、JR東日本気仙沼線BRTのバス自動運転の技術実証等7件の実証実験に参加し、研究開発に活かしてまいりました。
結果といたしましては、受注高は62,790百万円(前期比8.8%増)となり、売上高につきましては55,966百万円(前期比7.3%増)となりました。また、損益面では6,243百万円のセグメント利益(前期比2.0%減)となりました。
[ICTソリューション事業]
駅務自動化システムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、様々なラインナップを誇るホームドアで、JR・私鉄や公営交通において受注・売上があり、業績を牽引いたしました。視覚障がいのある方がホームドアに接近した際の案内や、車両の開扉案内をする装置の開発も進めております。他にも多言語対応次世代券売機などの新製品の拡販に努めたほか、消費税増税に対応するためのシステム改修を行いました。
海外市場においては、インドのチェンナイメトロ公社より延伸9駅分のAFCシステム一式を受注したほか、インド、タイ、バングラデシュなどのアジア諸国を中心としたプロジェクトの履行に努めております。
今後の取り組みといたしましては、音声対話による駅案内を行う駅案内ロボットの開発・販売を進めてまいります。また、顔認証システムを利用した次世代改札機の実用化に向けた開発も推進してまいります。
パーキングシステムソリューションやセキュリティシステムソリューションを中心とする「スマートシティ」では、国際線旅客ターミナルビルにおいて顔認証によるスムーズな搭乗を可能にするPRS(Passenger Reconciliation System/旅客通過確認システム)の受注・売上がありました。
また、スタジアムやアミューズメント施設などの不特定多数の人が集まる場所において、従来よりも短時間で検査可能なX線手荷物自動検査装置の受注・売上がありました。キャッシュレス社会の到来に向けて、QRコードでの決済が可能なパーキングシステムの拡販にも努めてまいりました。
結果といたしましては、受注高は55,814百万円(前期比0.3%増)となり、売上高につきましては55,709百万円(前期比16.8%増)となりました。また、損益面では6,209百万円のセグメント利益(前期比59.2%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、時価の下落等による投資有価証券の減少3,072百万円等がありましたものの、受取手形及び売掛金の増加1,548百万円、繰延税金資産の増加1,050百万円、有形・無形固定資産の増加337百万円、たな卸資産の増加235百万円、現金及び預金の増加179百万円等により、前連結会計年度末に比べ328百万円増加の137,971百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金の増加1,608百万円、短期借入金の増加795百万円、電子記録債務の増加196百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,815百万円増加の58,323百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益6,584百万円の計上等がありましたものの、自己株式の取得3,500百万円、その他有価証券評価差額金の減少3,776百万円、配当金の支払1,621百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,487百万円減少の79,648百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は12,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ179百万円増加いたしました。
各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払△2,760百万円等がありましたものの、税金等調整前当期純利益9,662百万円の計上、減価償却費2,066百万円の計上等により、9,160百万円の資金の増加(前年同期は3,291百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出△2,328百万円、有形・無形固定資産の取得による支出△2,254百万円等により、4,600百万円の資金の減少(前年同期は2,437百万円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる資金の増加784百万円等がありましたものの、自己株式の取得による支出△3,500百万円、配当金の支払による支出△1,621百万円等により、4,367百万円の資金の減少(前年同期は426百万円の資金の増加)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 交通運輸インフラ事業 | 56,122 | 108.5 |
| ICTソリューション事業 | 55,841 | 116.7 |
| 合計 | 111,963 | 112.4 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比 (%) | 金額(百万円) | 前年同期比 (%) | |
| 交通運輸インフラ事業 | 62,790 | 108.8 | 48,607 | 116.3 |
| ICTソリューション事業 | 55,814 | 100.3 | 25,084 | 100.4 |
| 合計 | 118,604 | 104.6 | 73,691 | 110.4 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 交通運輸インフラ事業 | 55,966 | 107.3 |
| ICTソリューション事業 | 55,709 | 116.8 |
| 合計 | 111,675 | 111.8 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当連結会計年度は、10年後の100周年に向けて長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を策定し、ビジネス転換や、事業ドメイン、人材・組織、技術開発などに関する戦略を定めました。また、長期経営計画を3年ごとに展開した「21中計」をスタートさせ、同期間を当社の構造改革期と位置づけ、ビジネスのグローバル化とソリューション化を推進しております。
売上高については、交通運輸インフラ事業においてはJR各社向けの信号設備更新や海外案件の増加があったこと、ICTソリューション事業においてはホームドアの売上が牽引したことにより111,675百万円(前期比11.8%増)と増加しております。
損益面につきましても、売上高の増加及び原価率の改善などによって利益は大幅に増加し、営業利益8,912百万円(前期比27.3%増)、経常利益9,674百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,584百万円(前期比24.1%増)となりました。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金は、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達については、運転資金は期限が1年以内の短期借入金により調達しております。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。
③経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をより具体的な取り組み・施策に展開した、3年ごとの中期経営計画「21中計」の初年度の経営上の目標値としましては、売上高1,050億円、営業利益率7.0%、並びにRОE7.0%としておりました。
当期における当社グループの経営成績は、売上高1,116億円、営業利益8.0%、並びにRОE8.1%となり、2期連続の増収増益で過去最高の業績を達成し、収益性・効率性の各指標で目標値を上回ることができました。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益、及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とは異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
a.完成工事高及び完成工事原価
当社及び連結子会社においては、社内の原価管理部門が策定した工事原価総額に基づき、成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。工事原価総額は、受注案件ごとに過去の実績等を考慮して、当初策定していますが、想定外の事象の発生等により、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
b.受注損失引当金
当社及び連結子会社においては、社内の原価管理部門が策定した原価総額に基づき、受注済みの案件のうち、当該受注契約の履行に伴い、翌期以降に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、将来の損失に備えるため翌期以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。受注損失引当金は、受注案件ごとに過去の実績等を考慮して、当初策定していますが、想定外の事象の発生等により、見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
c.退職給付
当社及び連結子会社2社においては、各種退職給付及び年金制度を有しており、退職給付債務及び退職給付費用を、割引率等のさまざまな仮定に基づいて算出しております。将来の経済環境の変化などによる割引率等の仮定の変更は、将来の退職給付債務、退職給付費用及び制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。また、実際の結果は、当社及び連結子会社2社の仮定と異なる場合があり、当該差異は、発生時にその他の包括利益として認識しております。
d.繰延税金資産
当社及び連結子会社は、繰延税金資産について、回収可能性が見込まれるものに限り認識しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上、実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に、将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。