有価証券報告書-第138期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:03
【資料】
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【項目】
139項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、経済活動が広範な地域で停滞いたしました。そのなかで、一部の国々においては、経済活動の段階的再開や景気対策の効果による回復の動きが見られましたが、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
国内経済においても、新型コロナウイルス感染症の収束の兆しは依然として見えず、外出自粛や訪日外国人の大幅な減少による消費低迷が長期化しており、厳しさを増す状況となっております。
このような状況下ではありますが、当社グループは、中期経営計画の重点課題である変化を先取りしたビジネス創出と技術力強化の一環として、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を踏まえた製品やサービスの開発と営業活動に注力いたしました。また、コスト削減による収益力向上、成長力の強化を重点テーマとして、激変する外部環境に適応するための事業改革を推進いたしました。
当期の経営成績といたしましては、受注高は85,185百万円(前期比28.2%減)、売上高は92,755百万円(前期比16.9%減)となりました。損益面につきましては、営業利益は5,713百万円(前期比35.9%減)、経常利益は6,463百万円(前期比33.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,916百万円(前期比25.3%減)となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。
[交通運輸インフラ事業]
「鉄道信号」では、国内市場において、当期への繰越し案件等が堅調に推移したことにより、新型コロナウイルス感染症による影響は比較的少なく、JR・私鉄各社向けのATC(自動列車制御装置)のシステム更新や、CTC(列車集中制御装置)等の各種信号保安装置の設置工事の受注・売上がありました。また、鉄道の設備情報・沿線情報・サービス情報をIoTネットワークによって収集・蓄積・分析するシステム「Traio(トレイオ)」の顧客への導入が決定したほか、ゲリラ豪雨や台風等による線路冠水に対応するための耐水形転てつ機を販売開始いたしました。
さらに、国内初となる踏切を有するATS(自動列車停止装置)区間の自動運転の実証運転にも取り組んでおり、機器の改良や作業の自動化を推進することで、鉄道に従事する労働人口減少等、顧客の経営課題解決に貢献する製品やサービスの開発を推進しております。
海外市場においては、新型コロナウイルス感染症により、一部案件の進捗に影響が生じたものの、バングラデシュ・ダッカMRT6号線や台湾南廻線での鉄道信号保安装置等の売上がありました。また、当社が信号システム一式を受注したインド・デリーメトロ8号線では、インドで初となる完全無人運転を開始いたしました。同路線は、2018年5月に有人運転による全線開業をしておりますが、2020年12月には難易度が最も高いGoA4(注1)を達成し、省人化に合わせて、留置線での車両電源の自動OFF/ON制御や、惰行走行の割合の制御により、省電力化も実現いたしました。
道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の部材調達が遅れたものの、交通管制システムの中央装置や道路情報板の設置、パーキングメーターの改良工事等の受注・売上がありました。また、交通信号機の灯色情報や灯器に設置したカメラ、センサからの情報を自動運転車両に提供する実証実験に参画いたしました。自動運転車両とインフラ機器が調和した協調型システムの社会実装に向け、オートバレーパーキング(注2)等の難易度の高い課題に取り組む実証実験を通じて、技術蓄積や路車協調システムの有効性の検証を進めてまいります。
結果といたしましては、受注高は50,401百万円(前期比19.7%減)、売上高は51,189百万円(前期比8.5%減)となりました。また、損益面では7,114百万円のセグメント利益(前期比13.9%増)となりました。
(注)1.GoA(Grade of Automation/鉄道自動運転レベル):UITP(国際公共交通連合)による鉄道の自動運転レベルを定める基準で、GoA0~GoA4に分類され、GoA4 は運転手・添乗員が乗車する必要がなく、完全無人で運行が管理されるレベル。
2.オートバレーパーキング(Automated Valet Parking):自動運転の技術を活用し、無人の駐車場内で車両が自動走行を行い、駐車スペースに自動駐車するシステム。
[ICTソリューション事業]
駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響から、各種駅務機器やパーキングシステムソリューションについては顧客の設備投資が大きく抑制され受注・売上が前期比で減少いたしました。一方、駅ホームにおける転落事故の防止対策となるホームドアについては、全国的に設置が促進されており、当社といたしましても、販売強化に取り組んでおります。
海外市場においては、鉄道信号同様にアジア諸国中心の各プロジェクトを遂行してまいりました。新型コロナウイルス感染症により、一部案件の進捗に影響が生じたものの、バングラデシュ・ダッカMRT6号線やタイ・バンコクレッドラインにおけるAFCシステム等の売上がありました。
セキュリティシステムソリューションを中心とする「スマートシティ」では、ホームドアメーカーや建機・農機メーカー向けの3D距離画像センサや、危険物の有無を短時間で探知できるX線手荷物検査装置、地中レーダ等の受注・売上がありました。また、新型コロナウイルス感染症予防として、除菌機能を付加した清掃ロボットの販売を開始いたしました。清掃ロボットとエレベーターとの連動実現にも取り組み、清掃ロボットが各階を自走して移動するオペレーションも可能にいたしました。
結果といたしましては、受注高は34,783百万円(前期比37.7%減)、売上高は41,565百万円(前期比25.4%減)となりました。また、損益面では1,650百万円のセグメント利益(前期比73.4%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、受取手形及び売掛金の減少2,923百万円等がありましたものの、たな卸資産の増加2,884百万円、時価の上昇等による投資有価証券の増加2,407百万円、有形・無形固定資産の増加711百万円等により、前連結会計年度末に比べ3,384百万円増加の141,356百万円となりました。
負債は、短期借入金の増加3,433百万円等がありましたものの、支払手形及び買掛金の減少3,072百万円、電子記録債務の減少1,192百万円、未払法人税等の減少1,029百万円等により、前連結会計年度末に比べ1,661百万円減少の56,662百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の配当による減少1,621百万円等がありましたものの、親会社株主に帰属する当期純利益4,916百万円の計上、その他有価証券評価差額金の増加1,635百万円等により、前連結会計年度末に比べ5,046百万円増加の84,694百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は13,250百万円となり、前連結会計年度末に比べ684百万円増加いたしました。 各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少△4,288百万円、たな卸資産の増加△2,884百万円、法人税等の支払△2,718百万円等がありましたものの、税金等調整前当期純利益7,282百万円の計上、売上債権の減少3,281百万円等により、1,145百万円の資金の増加(前年同期は9,160百万円の資金の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入868百万円等がありましたものの、有形・無形固定資産の取得による支出△2,863百万円等により、1,911百万円の資金の減少(前年同期は4,600百万円の資金の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出△1,618百万円等がありましたものの、短期借入れによる資金の増加3,205百万円等により、1,354百万円の資金の増加(前年同期は4,367百万円の資金の減少)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
交通運輸インフラ事業51,73092.2
ICTソリューション事業41,79374.8
合計93,52383.5

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高受注残高
金額(百万円)前年同期比
(%)
金額(百万円)前年同期比
(%)
交通運輸インフラ事業50,40180.347,81998.4
ICTソリューション事業34,78362.318,30273.0
合計85,18571.866,12189.7

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
交通運輸インフラ事業51,18991.5
ICTソリューション事業41,56574.6
合計92,75583.1

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当連結会計年度は、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」で掲げるビジネス転換や、事業ドメイン、人材・組織、技術開発などに関する戦略に取り組んだ2年目となりました。
売上高については、交通運輸インフラ事業においてはJR各社向けの信号設備更新等があったものの、ICTソリューション事業においては顧客の設備投資が大きく抑制されたことにより92,755百万円(前期比16.9%減)となりました。
損益面につきましては、営業利益5,713百万円(前期比35.9%減)、経常利益6,463百万円(前期比33.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,916百万円(前期比25.3%減)となりました。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金は、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達については、運転資金は期限が1年以内の短期借入金により調達しております。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。
③経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をより具体的な取り組み・施策に展開した、3年ごとの中期経営計画「21中計」の2年目の経営上の目標値としましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、交通インフラへの設備投資や公共事業投資が減少すると予想されるため、2020年8月時点において計画値の見直しを行い、売上高850億円、営業利益率5.2%、並びにRОE3.4%といたしました。
当期における当社グループの経営成績は、売上高927億円、営業利益率6.2%、並びにRОE6.0%となり、収益性・効率性の各指標で目標値を上回ることができましたが、前期比では減収減益となりました。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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