有価証券報告書-第111期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
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連結財務諸表注記事項(IFRS)
1.報告企業
パナソニック株式会社は日本に所在する企業です。当社(以下、原則として連結子会社を含む)は、総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について、国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、開発・生産・販売・サービス活動を展開しています。
当社の主な事業内容及び主要な活動は、「4.セグメント情報」に記載しています。
2.作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表は、平成30年6月29日において、代表取締役社長 津賀一宏及び取締役(CFO) 梅田博和により承認されています。
(2)測定の基礎
当社の連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品、退職給付制度に係る負債(資産)の純額等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しており、百万円未満を四捨五入しています。
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社により支配されている企業をいいます。支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該連結子会社の財務諸表を調整しています。
グループ会社間の債権債務残高、取引高及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は連結財務諸表の作成にあたり消去しています。
支配を喪失しない子会社に対する所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社がその財務及び営業方針に対して重要な影響力を有しているものの支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、共同支配のうち、事業を各投資企業から独立した事業体が担っており、各投資企業は当該事業体の純資産に対してのみ権利を有するものをいいます。共同支配とは、複数の当事者が共同支配により経済活動を行う契約上の取決めがあり、重要な意思決定が支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法を用いて会計処理しています。
持分法の適用に際し、持分法適用会社となる関連会社または共同支配企業が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社または共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
(2)企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、取得日の公正価値で認識しています。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれています。取得費用は、発生した期間において費用として認識しています。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社及び各子会社の各機能通貨に換算しています。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(4)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社は、金融資産のうち、株式及び債券は約定日に当初認識しています。その他のすべての金融資産は取引の実施日に当初認識しています。
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しています。この分類は、金融資産が負債性金融商品か資本性金融商品かによって次のとおり分類しています。
負債性金融商品である金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しています。
(a)契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(b)金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
売買目的で保有する資本性金融商品を除き、資本性金融商品である金融資産は、原則として、資本性金融商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、その取引費用は発生時に純損益で当初認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び償却原価で測定する金融資産は、取得に直接起因する取引費用を公正価値に加算した金額で当初認識しています。
(ⅱ)事後測定
(a)償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定し、利息は「金融収益」として純損益に認識しています。
(b)公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類することを選択した資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益に認識しています。累積利得又は損失は、認識を中止した場合に利益剰余金に振り替えています。ただし、配当金は「金融収益」として純損益に認識しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益に認識しています。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しています。
(ⅳ)減損
償却原価で測定する金融資産については、期末日ごとに、当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを判定し、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に応じて、次の金額を貸倒引当金として認識しています。
(a)信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない場合
12ヵ月の予想信用損失と同額
(b)信用リスクが当初認識時点から著しく増加している場合
全期間の予想信用損失と同額
(c)信用リスクが当初認識時点から著しく増加している金融資産のうち、信用減損している客観的証拠が存在する場合
全期間の予想信用損失と同額
信用減損の客観的証拠が存在するかどうかを判断する場合に、当社が用いる要件には以下のものがあります。
・発行者又は債務者の重大な財政的困難
・契約違反(債務不履行又は期日経過事象など)
・借手が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
・当該金融資産についての活発な市場が財政上の困難により消滅したこと
ただし、営業債権及びリース債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しています。
貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しています。それ以降の期間において、貸倒引当金を減額する客観的事象が発生した場合は、その戻入額を純損益で認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する発行費用を控除した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
(a)償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、「金融費用」として純損益に認識しています。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定しています。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効になった場合に認識を中止しています。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、通貨リスク及び商品価格の変動リスクをヘッジするために、為替予約、通貨スワップ及び商品先物等のデリバティブを利用しています。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定しています。
デリバティブの公正価値の変動は純損益に認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しています。
当社は、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的及び種々のヘッジ取引の実施に関する戦略について正式に文書化しています。また、当社は、ヘッジ取引に使用されているデリバティブがヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を高い程度で相殺しているか否かについて、ヘッジ取引開始時及びそれ以降も継続的に評価しています。
ヘッジ会計に関する要件を満たすヘッジは、次のように分類し、会計処理しています。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額は、純損益として認識しています。ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整するとともに、純損益として認識しています。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えています。
④ 金融資産と金融負債の相殺
当社は、金融資産及び金融負債について、資産及び負債として認識された金額を相殺するため法的に強制力のある権利を有し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の実現と債務の決済を同時に実行する意思を有している場合にのみ相殺し、純額で表示しています。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で認識しています。取得原価は、主として平均法に基づいて算定し、購入原価、加工費及び、現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。
(7)有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復義務に係る費用の当初見積額が含まれています。
② 減価償却
有形固定資産(土地等の償却を行わない資産を除く)は、見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却を行っています。
主な見積耐用年数は、次のとおりです。
・建物及び構築物 5~50年
・機械装置及び運搬具 2~10年
・工具器具及び備品 1~10年
リース資産は、リース期間の終了時までに所有権の移転が合理的に確実である場合には当該資産の見積耐用年数で、確実でない場合は見積耐用年数とリース期間のいずれか短い方の期間にわたって、償却しています。
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
企業結合により取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。のれんの償却は行わず、毎期減損テストを実施しています。
② 無形資産
無形資産については、原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額、耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。
開発活動における支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しています。
(ⅰ)使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(ⅱ)無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
(ⅲ)無形資産を使用または売却できる能力
(ⅳ)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(ⅴ)無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
(ⅵ)開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産については、当該資産が使用可能になった日から、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行っています。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・ソフトウェア 2~5年
・技術 3~34年
・顧客 2~29年
償却方法及び見積耐用年数は連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(9)リース
契約がリースであるか又は契約にリースが含まれているか否かについては、リース開始日における契約の実質的内容を基に判断しています。
資産の所有に伴うすべてのリスクと経済価値を実質的に移転するリースをファイナンス・リースとして分類し、それ以外のリースはオペレーティング・リースとして分類しています。
(10)非金融資産の減損
非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産等を除く)については、資産又は資金生成単位の減損の兆候の有無を判定しています。減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、減損テストを実施します。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストを実施しています。当社は、1月1日を基準日としてのれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストを少なくとも年1回行っており、さらに、減損の兆候がある場合は、その都度減損テストを行っています。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを行っています。
回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。使用価値は、資産又は資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定されます。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額を減損損失として純損益で認識しています。
のれん以外の減損損失は、過年度に減損損失を認識した資産又は資金生成単位について、当該減損損失の戻入の兆候の有無を判定しています。戻入の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、減損損失の戻入を行っています。減損損失の戻入額は、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却及び償却控除後の帳簿価額を上限として、純損益で認識しています。のれんの減損損失については、戻入を行っていません。
関連会社及び共同支配企業への投資の帳簿価額の一部に含まれる当該投資に係るのれんについては、他の部分と区分せず、当該投資を一体の資産として、減損の対象としています。
(11)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益又は資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、連結会計年度末において施行又は実質的に施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付又は税務当局から還付されることが予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異等について認識しています。企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれの純損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関連する将来加算一時差異については、原則として繰延税金負債を認識しますが、当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関連する将来減算一時差異については、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しています。
繰延税金は、期末日に施行又は実質的に施行されている税率及び税法に基づき、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合に相殺しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
(12)従業員給付
① 退職後給付
当社は、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
(ⅰ)確定給付制度
確定給付負債又は資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定されます。この計算による資産計上額は、制度からの返還又は将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定され、その現在価値は将来の見積給付額を割り引いて算定されます。割引率は、給付支払の見積時期及び金額を反映した期末時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
当期勤務費用及び確定給付負債又は資産の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しています。
数理計算上の差異を含む、確定給付負債又は資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が労働を提供した期間における要拠出額を従業員給付費用として純損益に認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、従業員が関連する労働を提供した時点で従業員給付費用として純損益に認識しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、負債として認識しています。
(13)引当金
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しています。
(14)資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その直接取得費用を含む取得原価を資本から控除しています。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しています。
(15)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対するインセンティブ制度としてストックオプション制度を導入しています。ストックオプションは付与日における公正価値で見積り、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデルを用いて算定しています。
(16)収益認識
① 製品の売上
当社には、主に家庭用製品、産業用製品、製造機器及び消耗品等の製品販売取引があります。
製品の売上は、次の要件をすべて満たした時点で認識しています。
・物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値を買手に移転している
・販売された物品に対して、所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の関与も実質的な支配も保持していない
・収益の額を、信頼性をもって測定できる
・その取引に関連する経済的便益が流入する可能性が高い
・その取引に関連して発生した又は発生する原価を、信頼性をもって測定できる
売上高は、受領した又は受領可能な対価の公正価値により測定しています。
当社は、消費者向け販売店に対する売上に係る、製品価格の下落を補償するための支払に充当される一定の価格調整費用及び販売店に提供するインセンティブ・プログラムに基づく販売リベートを、売上高から控除しています。
② 役務の提供
当社には、製品の売上に付随して発生する修理依頼やメンテナンス、電気・建築設備、環境関連設備や防災・セキュリティ関連設備に関する調査・分析・監理・メンテナンス等の役務提供取引があります。
これらの取引による売上高は、原則として進捗度に応じて認識しています。
③ 請負工事契約
当社には、住宅、電気・建築設備、環境関連設備や防災・セキュリティ関連設備に関する設計・施工等の取引があります。
これらの取引については、受注金額及び完成までに要する総原価を信頼性をもって見積ることができる場合には、期末日における見積総原価に対する累積実際発生原価の割合に応じて売上高を計上しています(進行基準)。当初の売上高の見積り、完成までの進捗状況に変更が生じる可能性がある場合、見積りの見直しを行っています。
受注金額あるいは完成までに要する総原価を、信頼性をもって見積ることができない場合には、発生した原価のうち回収可能性が高いと判断される部分と同額を売上高として計上しています(原価回収基準)。原価は、それらが生じた会計期間に売上原価として純損益に認識しています。
④ 複数要素取引
当社は、製品、機器、据付及びメンテナンス等の組み合わせによる多様な取引契約を顧客と締結しています。このような契約に係る収益については、次の要件を満たす場合、構成要素ごとに個別に認識しています。
・当該構成要素が顧客にとって独立した価値を有している
・当該構成要素の公正価値が信頼性をもって測定できる
なお、複数要素取引に関して、契約の対価を配分する必要がある場合には、各構成要素の見積り公正価値に基づき配分する方法によっています。
⑤ 売上高の総額表示と純額表示
当社は、当社が取引の当事者であるか、代理人であるかを、契約ごとに以下の指標を考慮して判断しています。
・顧客に対する財及びサービスの提供、または注文の履行について、第一義的な責任を有している
・顧客による発注の前後や輸送中、または返品の際に、在庫リスクを負っている
・価格決定の自由を、直接または間接に有している
・顧客に対する債権について、顧客の信用リスクを負担している
当社が取引の当事者であると判断した場合には、当該取引に関する売上高を総額で表示し、代理人であると判断した場合には、当該取引に関する売上高を純額で表示しています。
(17)政府補助金
資産の取得に対する政府補助金は、当社が補助金を受領し、その補助金に付帯する諸条件を遵守することが合理的に確かである場合に、公正価値で測定し資産の取得原価から直接減額しています。
(18)1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する当期純利益を、当連結会計年度中の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して算定しています。
(19)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社は、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を用いています。実際の業績は、会計上の見積り及びその基礎となる仮定とは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、当該見直しを行った連結会計期間及び将来の連結会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りに関する項目は、次のとおりです。
・収益認識
・棚卸資産の正味実現可能価額(「7.棚卸資産」参照)
・繰延税金資産の回収可能性(「13.法人所得税」参照)
・確定給付制度債務(「17.従業員給付」参照)
・非金融資産(のれんを含む)の減損(「26.非金融資産の減損」参照)
・企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値(「34.企業結合」参照)
また、会計方針の適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与える項目は、次のとおりです。
・子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲(「11.持分法で会計処理されている投資」、「30.主要な子会社」参照)
・リースの分類(「10.リース」参照)
・金融資産の分類(「12.その他の金融資産」参照)
・引当金の認識(「18.引当金」参照)
・非金融資産の減損テスト実施に当たっての資金生成単位の判別(「26.非金融資産の減損」参照)
・非金融資産の減損の兆候の有無の評価(「26.非金融資産の減損」参照)
・償却原価で測定する金融資産の信用リスクの著しい増加の有無(「29.金融商品」参照)
(20)未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた主な公表済みIFRS基準書及び解釈指針のうち、適用が強制されないため、当連結会計年度末において適用していないものは、次のとおりです。
当社は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を、翌連結会計年度の期首(平成30年4月1日)より、同基準の適用による累積的影響額を適用日において認識する方法を用いて適用します。IFRS第15号の適用による「利益剰余金」の翌連結会計年度の期首時点における累積的影響額に、重要性はありません。また、翌連結会計年度の「当期純利益」、「基本的1株当たり当期純利益」及び「希薄化後1株当たり当期純利益」への影響は軽微です。
IFRS第16号「リース」の適用による当社の連結財務諸表への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
(21)新たな基準書及び解釈指針の適用
① IFRS第9号「金融商品」
当社は、前連結会計年度の期首(平成28年4月1日)より、平成26年7月に改訂されたIFRS第9号を早期適用しています。この適用による影響額は、前連結会計年度の「連結持分変動計算書」における「新会計基準適用による累積的影響額」に記載しています。
② IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」
当社は、当連結会計年度の期首(平成29年4月1日)より、平成28年1月に改訂されたIAS第7号を適用しています。この改訂は、財務活動から生じた負債の変動を財務諸表利用者が評価できるようにする開示要求を追加するものです。この規定に基づく「財務活動から生じた負債の変動」は、「15.短期負債及び長期負債」に記載しています。
4.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち独立した財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定者が、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となっているものです。
「アプライアンス」は、ルームエアコン、大型空調、テレビ、デジタルカメラ、ビデオ機器、オーディオ機器、固定電話、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、炊飯器、美・理容器具、コンプレッサー、燃料電池、ショーケース等の開発・製造・販売を行っています。「エコソリューションズ」は、照明器具、ランプ、配線器具、太陽光発電システム、水まわり設備、内装建材、外装建材、換気・送風・空調機器、空気清浄機、自転車、介護関連等の開発・製造・販売を行っています。「コネクティッドソリューションズ」は、航空機内エンターテインメントシステム・通信サービス、電子部品実装システム、溶接機、プロジェクター、業務用カメラシステム、パソコン・タブレット、監視・防犯カメラ等の開発・製造・販売を行っています。「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」は、車載インフォテインメントシステム、電装品、自動車用ミラー、車載電池、リチウムイオン電池、乾電池、制御機器、モーター、半導体、電子部品、電子材料、液晶パネル等の開発・製造・販売を行っています。「その他」は、パナホーム㈱等により構成されています。
なお、平成29年度より、セグメント名称を「AVCネットワークス」から「コネクティッドソリューションズ」に変更しています。また、平成29年4月1日付で、従来旧「AVCネットワークス」に帰属していたデジタルカメラ、固定電話等の事業を「アプライアンス」に、従来「アプライアンス」に帰属していた自転車の事業を「エコソリューションズ」に、従来「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」に帰属していた電子部品実装システム及び溶接機の事業を「コネクティッドソリューションズ」に、各々移管しました。さらに、平成29年度より、これまで特定のセグメントに帰属していなかった東南アジアの一部のコンシューマー販売部門を「アプライアンス」に含めています。
以上のセグメント区分の変更に伴い、平成28年度のセグメント情報については、平成29年度の形態に合わせて組み替えて表示しています。
(2)セグメント情報
セグメント情報は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)
(単位:百万円)
(ⅱ)当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)
(単位:百万円)
(注1) 有形固定資産及び無形資産
(注2) 発生ベースの金額
報告セグメントの会計方針は、「3.重要な会計方針」で記載している当社の会計方針と同一です。
セグメント間における取引は、独立企業間価格を基礎として行われています。
報告セグメントの利益は、営業利益をベースとした数値です。
「消去・調整」欄には、セグメント業績の管理上、特定のセグメントに帰属しない収益・費用や、連結会計上の調整及びセグメント間の内部取引消去が含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の売上高に関する調整には、主に一部のコンシューマー商品の販売部門経由の外部顧客に対する売上が内部業績管理価格を用いて作成されていることによる取引価格の差額及び販売価格に関する連結会計上の調整が含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の利益に関する調整には、本社部門等の損益及び一部のコンシューマー商品の販売部門に帰属する損益が含まれています。また、連結会計上の調整として、本社部門で管理している企業結合で取得した無形資産の償却費等やセグメントに帰属しない持分法による投資損益等が含まれています。なお、各セグメントに帰属する持分法による投資損益の金額は重要ではありません。
(3)製品及びサービスに関する情報
「(1)報告セグメントの概要」、「(2)セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(4)地域に関する情報
地域別の売上高(顧客の所在地別に分類)及び非流動資産(持分法で会計処理されている投資、金融資産、繰延税金資産及び確定給付資産の純額を除く)は、次のとおりです。
① 売上高
② 非流動資産(持分法で会計処理されている投資、金融資産、繰延税金資産及び確定給付資産の純額を除く)
(注) 本邦以外の区分に属する主な国または地域
米州…………………北米、中南米
欧州…………………欧州、アフリカ
アジア・中国他……アジア、中国、オセアニア
売上高の米国、中国を除いて、米州、欧州、アジア・中国他の地域に、独立区分して開示する必要のある重要な国はありません。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上高が10%を超える単一の相手先がないため、記載を省略しています。
5.現金及び現金同等物
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっており、連結財政状態計算書上の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の残高は一致しています。なお、現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
6.営業債権
営業債権の内訳は、次のとおりです。なお、営業債権(工事未収入金を除く)は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度に費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ40,704百万円、43,799百万円で、連結損益計算書の「売上原価」に含めています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の評価減の戻入額に重要性はありません。
8.有形固定資産
(1)帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額
① 帳簿価額の増減
減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の損益」に含めています。
当連結会計年度の「売却または処分」には、貸手としてのファイナンス・リースによる減少額が含まれています。(詳細は、「10.リース(2)貸手側」参照)
② 取得原価
(単位:百万円)
③ 減価償却累計額及び減損損失累計額
(2)ファイナンス・リースによるリース資産
有形固定資産に含まれているファイナンス・リースによるリース資産の帳簿価額は、次のとおりです。
9.のれん及び無形資産
(1)帳簿価額の増減
償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
取得のうち、内部開発による増加額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ38,109百万円及び52,939百万円です。これらは、主にソフトウェア及び技術に関するものです。
耐用年数を確定できない無形資産は、上表の「その他」に含まれており、帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ43,647百万円及び41,572百万円です。このうち主なものは商標であり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しています。
(2)取得原価
(単位:百万円)
(3)償却累計額及び減損損失累計額
(4)個別に重要な無形資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、個別に重要な無形資産はありません。
10.リース
(1)借手側
当社は、土地、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、工具器具及び備品、ソフトウェア等をファイナンス・リース及びオペレーティング・リースにより賃借しています。一部のリース資産については、リース期間中または終了時点で、一定の条件のもとで、リース資産を購入するか、あるいはリース契約を解約し、リース資産の一定価額を保証するかを選択することができます。
また、当社は一部の資産を売却し、リースバックしています。リースバックした資産について、当社が継続的に関与することとなる取引条件、義務、契約条項または状況はありません。
①ファイナンス・リース
ファイナンス・リースに基づく将来の最低支払リース料総額及び現在価値は、次のとおりです。
②オペレーティング・リース
解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料総額は、次のとおりです。
オペレーティング・リースに係る支払リース料は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ42,898百万円及び48,422百万円です。
解約不能サブリース契約に係る将来最低受取リース料は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要ではありません。
また、サブリースによる受取リース料は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ27,882百万円及び30,943百万円です。
(2)貸手側
当社は、顧客への供給契約にかかる機械装置及び運搬具等を、ファイナンス・リースとして会計処理しています。
ファイナンス・リースに関する投資未回収総額及び将来の最低受取リース料総額の現在価値は、次のとおりです。
(単位:百万円)
11.持分法で会計処理されている投資
(1)関連会社に対する投資
当社は、関連会社に対する投資を持分法によって会計処理しています。当社にとって個別に重要性のある関連会社はありません。個別に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
(2)共同支配企業に対する投資
当社は、共同支配企業に対する投資を持分法によって会計処理しています。当社にとって個別に重要性のある共同支配企業はありません。個別に重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
12.その他の金融資産
(1)内訳
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。
(2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社では、主に取引又は事業上の関係の維持・強化を目的に保有している株式を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しています。
① 主な銘柄ごとの公正価値
主な銘柄ごとの公正価値は、次のとおりです。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の認識の中止
当社は、主に保有資産の効率化を図るため、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部を処分して認識を中止しています。
処分時の公正価値及び累積利得又は損失は、次のとおりです。
(単位:百万円)
なお、上記累積利得又は損失は、税効果考慮前の金額であり、前連結会計年度及び当連結会計年度において、処分に伴って利益剰余金へ振り替えた税効果考慮後のその他の包括利益の累積利得又は損失は、それぞれ1,135百万円(損失)及び2,153百万円(損失)です。
13.法人所得税
(1)繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳及び増減内容
繰延税金資産及び負債の主な内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
繰延税金資産及び負債の増減内容は、次のとおりです。
(単位:百万円)
② 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除
当社は、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部が、将来の課税所得を減額できる又は税額を控除できる可能性が高いかどうかを考慮しています。繰延税金資産の最終的な回収可能性は、一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除が将来減算される期間における課税所得の水準により決定されます。当社はこの検討において、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の予測及び税務戦略を考慮しています。過去の課税所得の水準及び将来繰延税金資産が減算される期間の課税所得の予測に基づき、当社は、当連結会計年度末において認識された繰延税金資産は実現する可能性が高いと考えています。回収可能性の評価の結果、一部の将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除については繰延税金資産を認識していません。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額並びに繰越期限は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度末(平成30年3月31日)
当社は、日本国内において連結納税制度を適用していますが、上記には同制度の適用外である、地方税(住民税及び事業税)にかかる繰越欠損金を含めていません。当連結会計年度末現在の繰延税金資産を認識していない地方税にかかる繰越欠損金の金額は、住民税分127,144百万円、事業税分610,383百万円です。
③ 繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に関する将来加算一時差異
当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。なお、認識している繰延税金負債については、上記「①繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳及び増減内容」の「繰延税金負債 その他」に含めています。繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に関する将来加算一時差異の総額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ364,597百万円及び324,002百万円です。
(2)法人所得税費用
① 法人所得税費用の内訳
当期税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う当期税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ28,133百万円及び7,750百万円です。
繰延税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う繰延税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ37,273百万円及び8,464百万円です。また、税制変更の影響により、当連結会計年度において繰延税金費用が1,142百万円減少しています。
② 実効税率の調整
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも30.7%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しています。
法定実効税率と実際負担税率との差異は、次のとおりです。
14.その他の資産
その他の資産の内訳は、次のとおりです。
15.短期負債及び長期負債
(1)内訳
短期負債及び長期負債の内訳は、次のとおりです。なお、短期負債及び長期負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
① 前連結会計年度末(平成29年3月31日)
② 当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(注1)平均利率については、期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
(注2)社債の契約条件は、次のとおりです。
(2)財務活動から生じた負債の変動
当連結会計年度の財務活動から生じた負債の変動は、次のとおりです。
(3)負債の担保に供している資産
わが国の慣行として、短期及び長期の銀行借入金については、取引約定書により、銀行からの要求があれば現在及び将来の債務に対して担保及び保証の設定を行うことがあります。また、支払期限が到来した場合や当該借入金の返済が不履行となった場合には、銀行は銀行預金と銀行に対する当該債務を相殺する権利があります。
また、各々の取引契約書において、銀行は追加的な担保差入や一定の資産に対する抵当権の設定を要求できることが定められています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、負債の担保に供している資産に重要性はありません。
16.営業債務
営業債務の内訳は、次のとおりです。なお、営業債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
17.従業員給付
(1)確定給付制度
当社及び一部の子会社は、一定の受給資格を満たす従業員について、外部積立による年金制度を設けています。この制度における給付額は、主として勤続年数及び給与に基づいて計算されます。
確定給付企業年金法に基づき、当社には企業年金制度を運営するパナソニック企業年金基金(以下、「基金」)への掛金の拠出等の義務が課されています。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣又は地方厚生局長による処分、基金の規約及び代議員会の決議を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務が課されています。また、理事に対しては、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、給付に充てるべき積立金(以下、「積立金」)の管理及び運用の適正を害する行為をしてはならないこと、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について、その任務を怠った場合には、基金に対して連帯責任を負うことが規定されています。
基金は、当社より法的に独立した機関であり、基金の代議員会は、雇用主側において選定された代表者(選定代議員)及び従業員側において選出された代表者(互選代議員)の同一人数にて構成されています。代議員会の議事は出席者の過半数で決しますが、可否同数の場合は、議長である理事長が決する権限を有しています。ただし、特に重要な事項に関する議事については、上記を超える多数で決することと規定しています。
積立金の運用については、代議員会の決議を経た運用管理規定により定められている契約内容に基づき、運用受託機関が行います。基金は運用に関する基本方針を作成するとともに、基本方針に整合した運用指針を作成し運用受託機関に交付すること等により、積立金の運用を安全かつ効率的に行う義務を果たしています。
当社は、将来にわたり基金が定める積立金の掛金の拠出義務を負っています。掛金の額は法令が認める範囲で定期的に見直されます。
上記の年金制度に加えて、従業員は、解雇以外の理由に基づく退職に際して、その時点における給与及び勤続年数を基礎とする退職一時金の受給資格を有しています。会社都合または死亡による退職の場合、給付額は自己都合による退職の場合の給付額を上回ります。この退職一時金制度については、外部積立を行っていません。
平成14年4月1日より、当社及び一部の子会社は、上記の年金制度を改定してポイント制を導入するとともに、退職一時金制度からキャッシュバランス年金制度に移行しました。ポイント制のもとでは、各年度に、従業員の職階と勤続年数に応じて付与されるポイントの累計数に基づいて給付額が計算されます。キャッシュバランス年金制度のもとでは、年金加入者の個人別勘定に、毎年の給与水準と市場連動金利に基づいて計算された金額が積立てられます。
当社及び一部の国内子会社は、平成25年度に、従来の確定給付年金制度について、平成25年7月1日以降の積立分(将来分)を確定拠出年金制度へ移行しています。
① 確定給付制度債務の現在価値
確定給付制度債務の現在価値の変動は、次のとおりです。
当期勤務費用は、連結損益計算書の「売上原価」または「販売費及び一般管理費」に含めています。
利息費用は、連結損益計算書の「金融費用」に含めています。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、いずれも17年です。
確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定は、次のとおりです。
前述の重要な数理計算上の仮定のうち、確定給付制度債務の現在価値の計算は、特に割引率の仮定の影響を受けやすくなっています。他の仮定に変化がないとして、割引率が変動した場合に確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、次のとおりです。
感応度分析は他の仮定に変化がないことを前提としており、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
なお、昇給率については重要な変動を見込んでいません。
② 制度資産の公正価値
各年金制度は異なる投資方針を有し、受給者に対する将来の年金給付に対応できる十分な制度資産を確保すべく策定されており、継続的にその準拠性及び適切性を個別に監視しています。また、当社は、年金制度ごとに、制度資産の長期的な期待収益率を考慮した上で、資本性金融商品及び負債性金融商品の最適な組み合わせからなる「基本」ポートフォリオを策定しています。制度資産は、中長期的な期待収益を生み出すべく、「基本」ポートフォリオの指針に基づいて個別の資本性金融商品及び負債性金融商品に投資されます。当社は、この「基本」ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、制度資産の長期的な期待収益と実際の運用収益との乖離幅を毎年検証しています。当社は、制度資産の長期的な期待収益率を達成するために必要に応じて「基本」ポートフォリオの見直しを行います。
当社の制度資産は約25%を資本性金融商品、約45%を負債性金融商品で運用し、生命保険会社の一般勘定などのその他資産で約30%を運用しています。
当社の主要な年金制度において、資本性金融商品は主に上場株式であり、日本株式、他の先進国の株式、エマージング市場株式など幅広く分散されています。負債性金融商品は主に国債・公債、社債から構成されており、格付けがトリプルB格以上、流動性が高く、償還日が適切であるなどの発行条件に制限し、種類、地理など適切な分散投資を行っています。生命保険会社の一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されています。その他の投資にはファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資、プライベートエクイティ投資等が含まれています。ファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資は、主に頻繁に取引される上場株式・債券を投資対象とし、より安定的に収益を得られることを目指しています。プライベートエクイティ投資は、相関関係が低い資産に分散しています。
制度資産の公正価値の変動は、次のとおりです。
なお、当社は、翌連結会計年度に44,120百万円の掛金を拠出する予定です。
制度資産の種類別の公正価値は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(注1) 信託合同口・投資信託は主に上場株式に投資し、約45%を国内株式、約55%を外国株式に運用しています。
(注2) 信託合同口は主に日本国債と外国国債に投資しています。
(注3) 主にファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資が含まれています。
③ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の変動は、次のとおりです。
(注) 確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産(その他の非流動資産)は確定給付制度に対する将来掛金の減額という形による利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。
④ 連結財政状態計算書において認識している資産及び負債
確定給付制度について連結財政状態計算書に計上している資産及び負債の金額は、次のとおりです。
(2)確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ33,751百万円及び33,729百万円です。
(3)従業員給付費用
連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,569,172百万円及び1,678,632百万円です。
18.引当金
当連結会計年度における引当金の増減内訳は、次のとおりです。
引当金の流動、非流動区分ごとの内訳は、次のとおりです。
製品保証引当金は、製品及びサービスの品質・性能につき、一定期間の品質保証をしており、そのアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見込額を過去の実績を基礎にして計上しています。
構造改革引当金は、国内外における経営効率改善やコスト効率化を目的として実施する構造改革活動に係る費用を見積り、引当計上したものです。支払時期は、将来の事業計画等の影響を受けますが、通常、発生から1年以内に完了する短期的性質のものです。
その他の引当金は、主に不利な契約に係る引当金、環境改善に係る引当金、訴訟等に係る引当金及び販売促進に係る引当金です。
不利な契約に係る引当金は、一部の子会社における、特定の原材料を平成32年までの期間にわたり購入する契約に係るものです。
環境改善に係る引当金は、当社の工場及び工場跡地に埋設されている可能性があるPCBを使用した電子機器等(以下、PCB機器)を、PCB特別措置法に基づいて平成39年3月31日までに適正に処理するために、PCB機器が工場に埋設されているか否かの調査等の必要な対処(掘り起こし、既に発見されたPCB機器の保管及び処理、並びに土壌浄化を含む)に係る総費用を見積り、引当計上したものです。
訴訟等に係る引当金は、当社及び当社の一部の子会社が関与している訴訟や政府機関の調査に係るものです。訴訟や調査の結果によっては、当社と複数の子会社に損害賠償金や制裁金が課される可能性があるため、金額は不確定であるものの、合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。この中には、当社米国子会社のパナソニック アビオニクス㈱(以下、「PAC」)のアビオニクス事業に関するものが含まれています。当社及びPACは、PACによる航空会社との特定の取引及びその取引に関連するエージェントやコンサルタントの起用に関する活動について、米国証券取引委員会及び米国司法省(以下、「米国政府当局」)から、連邦海外腐敗行為防止法及び米国証券関連法に基づく調査を受けていましたが、平成30年5月に、米国政府当局との間で、総額280,602,830.93米ドルの支払いについて合意しました。
販売促進に係る引当金は、販売諸施策に基づき、流通過程における商品等の販売促進に係る総費用を見積り、引当計上したものです。
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。なお、デリバティブ負債は純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(ヘッジ会計が適用されているものを除く)、デリバティブ負債以外のその他の金融負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
20.その他の負債
その他の負債の内訳は、次のとおりです。
21.資本
(1)資本管理
当社は、経営活動における資金運用と原資調達の方法・条件等を管理して、投下資金の効率向上による資金コスト軽減と財務構造の安定良化を図ることを基本方針としています。
また、事業収益力強化並びに継続的な在庫削減、設備投資の絞込み、保有資産の見直し等によりフリーキャッシュ・フローを創出・向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。
当社が資本管理として用いる主な指標は、次のとおりです。
(注1) 「現金及び現金同等物」及び「その他の金融資産」に含まれる定期預金等の合計から有利子負債(「短期負債及び一年以内返済長期負債」及び「長期負債」の合計)を差し引いて算出しています。
(注2) 営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
(注3) 「有形固定資産」の発生ベースの増加額です。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)資本金
当社の発行可能株式総数及び発行済株式数は次のとおりです。
なお、当社が発行する株式はすべて無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ120,648,723株及び120,718,303株です。
(3)資本剰余金及び利益剰余金
わが国の会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金額の25%に達するまで、剰余金が配当により減少する金額の10%を資本準備金または利益準備金として積立てることが要求されています。資本準備金及び利益準備金は、配当原資とすることはできませんが、株主総会の決議を経て資本剰余金、その他の剰余金または資本金に振り替えることが可能です。
また、取得した自己株式については、分配可能額の計算に含めることが制限されています。取得した自己株式に関して、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ210,791百万円及び210,896百万円を分配可能額の計算に含めることが制限されています。
(4)その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の内訳及び増減内容は、次のとおりです。
(5)配当
① 前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
(ⅰ)配当金の支払額
(ⅱ)基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
② 当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(ⅰ)配当金の支払額
(ⅱ)基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
22.株式報酬制度
(1)株式報酬制度の内容
当社は、当社株主と株価変動のメリットとリスクを共有し、長期的な業績向上及び企業価値向上に向けた動機付けを従来以上に高めることを目的として、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対し、株式報酬型ストックオプション(新株予約権)を導入しています。
この制度のもとで付与される新株予約権は付与日に完全に権利確定となります。新株予約権は、行使できる期間内において、当社の取締役、役員及びこれらに準ずる地位を喪失した日(以下、「地位喪失日」という)の翌日以降、行使できます。なお、平成28年度8月及び平成29年度8月発行新株予約権については、地位喪失日の翌日、または、新株予約権の割当日の翌日から3年間を経過した日の翌日のいずれか早い日から行使できます。また、新株予約権の行使価格は1円です。
新株予約権を行使した場合、原則として、新株予約権1個当たり当社普通株式100株が付与されます。ただし、当社が当社普通株式の株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む)または株式併合を行う場合には、一定の算式により付与株式数を調整します。
行使期間は割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該新株予約権は失効します。
前連結会計年度及び当連結会計年度において存在する当社のストックオプションは、次のとおりです。
(2)ストックオプション数の変動及び加重平均行使価格
前連結会計年度において行使されたストックオプションはありません。当連結会計年度において期中行使されたストックオプションの行使日における加重平均株価は、1,719円です。
また、未行使のストックオプションの行使価格は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも1円であり、加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、期末未行使残高については27.6年及び23.8年、期末行使可能残高については7.9年及び8.2年です。
(3)期中に付与されたストックオプションの公正価値の測定方法
① 使用した評価技法
ブラック・ショールズ・モデル
② 付与時の公正価値及び主なインプット
(注1) 付与日の東京証券取引所における当社普通株式の終値を使用しています。
(注2) 15年間(平成13年8月23日から平成28年8月23日まで)の各取引日における当社普通株式の普通取引の終値に基づき算出しています。
(注3) 15年間(平成14年8月23日から平成29年8月23日まで)の各取引日における当社普通株式の普通取引の終値に基づき算出しています。
(注4) 残存年数が予想残存期間(15年)に対応する付与日の日本国債の利子率を使用しています。
(注5) 「1株当たりの配当金(平成27年度の実績配当金)÷付与日の株価」として算出しています。
(注6) 「1株当たりの配当金(平成28年度の実績配当金)÷付与日の株価」として算出しています。
(4)株式報酬費用
株式報酬に関して計上された費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ414百万円及び402百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めています。
23.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりです。
24.研究開発費
研究開発費は、次のとおりです。
25.その他の損益
前連結会計年度における「その他の損益」には、訴訟関連費用が14,867百万円、固定資産除売却損が8,671百万円、構造改革費用が6,336百万円、固定資産売却益が27,103百万円含まれています。
当連結会計年度における「その他の損益」には、品質対応費用・市場対策費用が18,127百万円、固定資産除売却損が6,566百万円、構造改革費用が5,694百万円、固定資産売却益が13,401百万円、一部の子会社における確定給付年金制度の清算に伴う利益が11,377百万円含まれています。
26.非金融資産の減損
(1)減損損失
有形固定資産、のれん及び無形資産に関するセグメント別の減損損失計上額は、以下のとおりで、連結損益計算書の「その他の損益」に含まれています。なお、セグメント別金額は、減損テストにおいて配分される資金生成単位が属するセグメント別の金額であり、内部管理上、各セグメントに配分される金額とは一致しません。また、前連結会計年度のセグメント別金額については、当連結会計年度のセグメント形態に合わせて組み替えて表示しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度において、当社は、「エコソリューションズ」セグメントに帰属する一部の事業の無形資産等に関して減損損失を計上しました。これは、事業環境の悪化に伴い、当該事業資産の帳簿価額が将来キャッシュ・フローによって回収できないと見込まれたことによるものです。処分費用控除後の公正価値は、免除ロイヤリティ法や超過収益法等により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。
当連結会計年度において、当社は、「エコソリューションズ」セグメントに帰属する一部の事業の無形資産等に関して減損損失を計上しました。これは、事業環境の悪化に伴い、当該事業資産の帳簿価額が将来キャッシュ・フローによって回収できないと見込まれたことによるものです。処分費用控除後の公正価値は、免除ロイヤリティ法や超過収益法等により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。
(2)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産
① 減損テスト
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストにおける各資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。
各資金生成単位に配分されたのれん及び耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要なものは、「アプライアンス」セグメントに帰属するハスマン事業部に係るのれん及び商標です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は、それぞれ91,026百万円及び82,148百万円、商標の帳簿価額は、それぞれ29,506百万円及び25,179百万円です。
個別に重要なのれん及び商標が配分された資金生成単位の回収可能価額は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法及び類似上場会社比較法に基づく処分費用控除後の公正価値により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。ディスカウント・キャッシュ・フロー法は、取締役会が承認した直近の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。将来見通しの予測期間は5年で、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しています。成長率は、当該資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも2.1%です。割引率は、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12.7%及び11.7%(税引前)です。なお、処分費用控除後の公正価値は、帳簿価額を十分に上回っており、上記の減損判定に用いた主要な仮定(成長率、割引率等)が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、当該資金生成単位において、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しています。
② のれん
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、各資金生成単位に配分されたのれんのうち、個別に重要でないものの帳簿価額の合計は、それぞれ295,861百万円及び326,155百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、それぞれ10,068百万円及び3,256百万円です。
③ 耐用年数を確定できない無形資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、各資金生成単位に配分された耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要でないものの帳簿価額の合計は、それぞれ14,141百万円及び16,393百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、重要ではありません。
27.金融収益及び金融費用
(1)金融収益
金融収益の内訳は、次のとおりです。
(2)金融費用
金融費用の内訳は、次のとおりです。
(3)金融資産の譲渡
当社は、売上債権等の金融資産を、非連結の組成された事業体に譲渡しています。当該事業体は第三者である金融機関によって組成され、それらの金融機関が事業の一環として運営しており、当社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社の関連性は低いと判断しています。
当社は、これらの組成された事業体への契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っておりません。これらの組成された事業体に対する関与の主な内容は、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、全体の認識が中止された売上債権等の譲渡による譲渡損失は、それぞれ1,461百万円及び2,066百万円です。当該損失は、支払利息として連結損益計算書の「金融費用」に含まれています。
当社は、全体の認識が中止された金融資産に対してサービス業務提供の義務を留保していますが、サービス業務提供の費用と受取手数料の額に重要性は無いため、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、サービス業務資産及び負債を計上していません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失の最大エクスポージャーは、譲渡された資産を限られた特定の条件下で買い戻す義務の残高の合計であるそれぞれ14,205百万円及び23,694百万円です。
28.1株当たり情報
1株当たり親会社所有者帰属持分は、次のとおりです。
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益及び希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益の調整計算は、次のとおりです。
29.金融商品
(1)財務上のリスク管理方針
当社は、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、市場リスク)にさらされており、これらのリスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。
また、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機的なデリバティブを保有または発行していません。
(2)信用リスク管理
当社は、主に、営業債権及びリース債権に係る顧客の信用リスク、為替リスク及び商品価格の変動リスクをヘッジするために保有するデリバティブに係る取引相手である金融機関の信用リスクにさらされています。
営業債権及びリース債権については、与信管理に関する社内規程に従い、取引先の経営内容の把握や信用度の判定を行って取引の適否を検討するとともに、取引開始後は、債権管理に関する社内規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、取引の経過、回収の内容、債権残高の推移動向を継続して記録管理し、また、取引先の経営内容・動向等の情報を積極的に収集することで、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。
また、デリバティブ取引については、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、契約相手の信用度が高いことから、信用リスクは小さいと考えています。
保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない連結会計年度末における信用リスクに対する最大エクスポージャーは、「27. 金融収益及び金融費用」に記載された認識の中止を行った金融資産、債務保証を除き、連結財政状態計算書における金融資産の帳簿価額です。なお、当社は、関連会社及び取引先の外部借入金等について、それらの信用補完のために債務保証をしています。これらの債務保証先が債務不履行となった場合、当社に支払債務が発生します。この場合に当社が負うと予想される債務の総額は、当連結会計年度末において、最大39,729百万円です。
① 貸倒引当金の増減
当社では、営業債権及びリース債権と、営業債権及びリース債権以外の債権等に区分して貸倒引当金の金額を算定しています。
営業債権及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しています。営業債権及びリース債権以外の債権等については、原則として12ヵ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上していますが、契約で定められた弁済条件を履行できない場合には、それが相手先の事務処理上の誤りによるものである場合等を除き、信用リスクが当初認識時点より著しく増加したものとして、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上することとしています。
また、いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産として取り扱っています。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しています。
貸倒引当金の金額は、次のように算定しています。
・営業債権及びリース債権
当該債権を弁済期日の経過日数に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定しています。
・営業債権及びリース債権以外の債権等
信用リスクが著しく増加していると判定されていない資産については、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しています。ただし、信用リスクが著しく増加していると判定された資産及び信用減損金融資産に該当する場合には、当該資産に係る回収見込額を個別に見積り、当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、帳簿価額との間の差額をもって算定しています。
貸倒引当金の増減は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において初めて認識した金融資産について、当初認識時点で貸倒引当金を計上したものは重要ではありません。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
② 貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額の総額
貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額の総額は、次のとおりです。
(ⅰ)営業債権及びリース債権
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、報告期間中に直接償却されたものの依然として回収活動の対象となっている金融資産の契約残高に重要性はありません。
(ⅱ)営業債権及びリース債権以外の債権等
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業債権及びリース債権以外の債権等については、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
(3)流動性リスク管理
流動性リスクは、当社が、期限の到来した金融負債の返済義務を履行することができなくなるリスクです。当社では、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針とし、事業を推進しています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資等のため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
主な金融負債の期日別の残高は、次のとおりです。
① 前連結会計年度末(平成29年3月31日)
② 当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(4)市場リスク管理
当社は国際的に事業を展開し、為替レート、金利及び商品価格の変動から生ずる市場リスクにさらされています。当社はこれらのリスク変動を継続的に監視し、ヘッジの機会を検討することによって、これらのリスクを評価しています。
① 為替リスク
外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受けるため、それにより、当社の事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社は、主に為替予約等のデリバティブの利用により、為替リスクの緩和に努めています。
(ⅰ)為替リスクのエクスポージャー
当社における為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは、次のとおりです。なお、デリバティブにより為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
(ⅱ)為替変動リスクの感応度分析
当社が各連結会計年度末に保有する外貨建て金融商品において、日本円が、米ドル、ユーロ及び人民元に対してそれぞれ1%円高になった場合に、税引前利益に与える影響額は、次のとおりです。なお、日本円が米ドル、ユーロ及び人民元に対してそれぞれ1%円安になった場合は、以下の表と同額で反対の影響があります。
本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としています。
(単位:百万円)
② 金利リスク
有利子負債は主に固定金利により調達している社債及び借入金であり、金利リスクは当社のキャッシュ・フローにとって重要ではありません。
③ 商品価格の変動リスク
当社は、長期の購買契約に基づいて非鉄金属等の原材料を調達しており、相場変動等による商品価格の変動リスクにさらされています。当社では、商品先物等のデリバティブの利用により、商品価格の変動リスクの緩和に努めています。
④ 市場価格の変動リスク
当社は、保有する国内外の企業等の株式から生じる株価変動リスクにさらされています。当社では、資本性金融商品について、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握し、保有状況を継続的に見直しています。
(5)デリバティブ及びヘッジ会計
当社が保有するデリバティブは、主に為替予約及び商品先物です。当社は、外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコスト及び価格の為替相場の変動による影響を、為替予約等でヘッジしています。また、長期の購買契約に基づく非鉄金属等の調達に係る相場変動等による商品価格の変動リスクを、商品先物等でヘッジしています。これらは、いずれもキャッシュ・フロー・ヘッジに該当します。
当社は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジ対象取引のキャッシュ・フローの変動がヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。
また、当社は、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。
なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定しています。
① 前連結会計年度
(ⅰ)連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、次のとおりです。
(為替リスクに係るもの)
(注) 連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は「その他の金融負債」にそれぞれ含めています。
なお、当社が為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は最長で約6ヵ月です。
前連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、次のとおりです。
なお、前連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係はありません。
前連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、次のとおりです。
前連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
前連結会計年度における、為替リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、すべてヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによるものです。商品価格の変動リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、商品先物の予定取引を中止したことによるものです。
② 当連結会計年度
(ⅰ)連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
当連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、次のとおりです。
(為替リスクに係るもの)
(注) 連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は「その他の金融負債」にそれぞれ含めています。
なお、当社が為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は最長で約6ヵ月です。
当連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係はありません。
当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
当連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、次のとおりです。
当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
当連結会計年度における、為替リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、すべてヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによるものです。
(6)金融資産と金融負債の相殺
当社では、デリバティブ資産及びデリバティブ負債について、マスターネッティング契約またはそれに類似する契約に基づいて取引を行っており、契約当事者間で決済の不履行が起きた場合は、当該取引先に対する債権債務を純額で決済することとなっています。
前連結会計年度末における、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品はありません。また、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の金額は6,401百万円です。
当連結会計年度末における、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品はありません。また、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の金額は、5,518百万円です。
(7)金融商品の公正価値
① 公正価値と帳簿価額の比較
公正価値は、市場価格または将来のキャッシュ・フローを連結会計年度末における観察可能な割引金利を使用して計算した現在価値に基づいて算定しており、すべてレベル2(「② 公正価値測定のヒエラルキー」参照)に分類しています。
上記以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。
② 公正価値測定のヒエラルキー
IFRS第13号「公正価値測定」では、公正価値を、その測定のために使われるインプット情報における外部からの観察可能性に応じて、次の3つのレベルに区分することが規定されています。
・レベル1:活発な市場における公表価格により測定された公正価値
・レベル2:レベル1以外の、観察可能なインプットを直接又は間接的に使用して算出された公正価値
・レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値測定のヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定の重要なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しています。
公正価値で測定される金融商品の内訳は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度末(平成30年3月31日)
レベル1に区分した市場性のある株式及び商品先物等は、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価格で評価しています。
レベル2に区分したデリバティブに含まれている為替予約、通貨スワップ、商品先物等は、評価技法を用いて評価され、為替レート及び商品先物市場価格などの観察可能な市場インプットを使用した価格モデルに基づき定期的に検証しています。
レベル3に区分した株式は非上場株式であり、当社の定める最も適切かつ関連性の高い入手可能なデータを利用するための方針と手続きに基づき、当該投資先の将来の収益性の見通し、純資産価額や当該投資先が保有する主要な資産等の定量的な情報を総合的に考慮した適切な評価方法により公正価値を測定しています。当該評価の合理性については、会計担当部門が様々な手法を用いて検証しており、部門管理者の承認を受けています。なお、検証の具体的な手法には、外部評価機関の利用が含まれています。
レベル3に区分した金融商品について、観察可能ではないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれていません。
レベル間の振替は、振替を生じさせた事象または状況の変化が生じた日に認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値測定のヒエラルキーのレベル3に分類された経常的に公正価値で測定される金融商品の増減の内訳は、次のとおりです。
(注) 利得又は損失は、前連結会計年度末時点及び当連結会計年度末時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含めています。
30.主要な子会社
(1)当社グループの構成
当連結会計年度末における当社の主要な子会社は、次のとおりです。
「主要な事業の内容」の欄には、セグメントの名称を記載しています。なお、セグメントに帰属しない会社については、販売会社は取扱っている商品のセグメントの名称を記載し、それ以外の会社は「全社」と記載しています。
(注)1. 当連結会計年度において、持分の追加取得により、パナホーム㈱及びパナソニック液晶ディスプレイ㈱の議決権所有割合は、100%となりました。
2. フィコサ・インターナショナル㈱は、当連結会計年度より、連結子会社となりました。
これらを除いて、前連結会計年度末から当連結会計年度末までに、主要な子会社及び議決権の所有割合に重要な変動はありません。
3. 当社が所有するケイミュー㈱の議決権割合は50.0%ですが、主要な製品の製造及び販売活動への関与を通じて実質的に支配しているため、連結子会社としています。
(2)重要性のある非支配持分を有する子会社
当社の子会社のうち重要性のある非支配持分を有する会社の要約財務諸表等は、次のとおりです。なお、要約財務諸表はグループ内取引を消去する前の金額です。
また、パナホーム㈱については、当連結会計年度において持分を追加取得したことにより当連結会計年度末においては非支配持分が存在しないため、当連結会計年度の要約財務諸表については記載していません。
パナホーム㈱(同社及びその傘下子会社)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(3)支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動
支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動のうち、重要なものは次のとおりです。
当連結会計年度において、当社は連結子会社であるパナホーム㈱に対する持分を追加取得し、完全子会社としました。当該追加取得に伴う「非支配持分との取引」の概要は、次のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度において、当社は連結子会社であるパナソニック液晶ディスプレイ㈱に対する持分を追加取得し、完全子会社としました。これにより、親会社の所有者に帰属する持分は20,718百万円減少しています。
31.関連当事者
(1)関連会社及び共同支配企業との取引
当社と関連会社及び共同支配企業との取引及び債権債務残高は、次のとおりです。
なお、関連会社及び共同支配企業との取引は、独立第三者間取引を基礎とした一般的な取引条件で行っています。
① 関連会社及び共同支配企業に対する当社の債権残高及び債務残高
② 関連会社及び共同支配企業に対する当社の売上高及び購入高
(2)主要な経営幹部の報酬
当社の主要な経営幹部(取締役及び社外取締役)に対する報酬は、次のとおりです。
32.非資金取引
重要な非資金取引は、次のとおりです。
33.資産の取得等に係るコミットメント
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における主な契約残高は、特定の原材料を平成32年までの期間にわたり購入する契約及び有形固定資産に関する購入契約等が含まれており、それぞれ126,338百万円及び90,823百万円です。
34.企業結合
前連結会計年度及び当連結会計年度における重要な企業結合は、以下のとおりです。それ以外の企業結合は、個別にも、合算しても、重要ではありません。
(1)前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
当社は、平成28年4月1日に、米国のハスマン㈱の全株式を保有するHussmann Parent Inc.(以下、両社と傘下子会社を含めて「ハスマン」という)のすべての株式を取得し、ハスマンの支配を獲得しました。
ハスマンは、業務用冷凍・冷蔵ショーケースの製造・販売・開発・サービスを展開しています。この取得の結果、当社は、ハスマンの強い顧客掌握力、保守・サービス力と、当社の幅広い技術や商品群を相互活用することが可能になります。ハスマンは当社の保有するCO2冷媒技術やフード・サービス製品を活用してコアの冷蔵製品技術・ショーケース・プラットフォームを一層強化できるほか、当社のLEDや遠隔監視システムなどの幅広い技術プラットフォームを活用することにより、小売業や消費者との接点をより一層強化できると見込まれます。また、この新たな取組みにより、米国だけでなく、周辺の国・地域での成長の実現も図ります。
取得した株式に対して支払われた対価(現金)の公正価値(暫定的金額の調整後)は、141,771百万円です。なお、株式の取得に関連して発生した費用は重要ではありません。
支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は以下のとおりです。
「のれん」はすべて「アプライアンス」セグメントに帰属し、税務上損金算入できません。
「無形資産」のうち、償却対象無形資産67,185百万円の中には、耐用年数21年の顧客62,130百万円が含まれています。償却対象外無形資産29,548百万円は、商標です。
平成28年度の連結損益計算書に含まれているハスマンの売上高及び税引前利益は、それぞれ126,884百万円及び6,523百万円です。
なお、上記企業結合は前連結会計年度の期首に行われたため、プロ・フォーマ情報は開示していません。
(2)当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
① フィコサ・インターナショナル㈱の連結子会社化
当社は、平成29年4月19日に、当社が発行済株式総数の49%を保有するスペインの持分法適用会社フィコサ・インターナショナル㈱(以下、傘下子会社を含めて「フィコサ」という)に関して、当社が保有する同社株式の20%を追加取得するコール・オプションの行使に係る諸条件が整ったことに伴い、当該コール・オプションの潜在的議決権を考慮して、フィコサを連結子会社としました。
フィコサは、自動車向けメカトロニクス、電子システム等の製造・販売・開発を展開しています。この取得の結果、当社とフィコサが進めている、次世代コックピットシステムや先進運転支援システムなど今後の成長分野での事業拡大を目指した協業商品の開発を加速させることができます。
フィコサの支配持分獲得のために支払われた対価の公正価値及び非支配持分の金額(いずれも暫定的金額の調整後)は、以下のとおりです。なお、支配獲得日直前に保有していた資本持分の公正価値(レベル3)は、ディスカウント・キャッシュフロー法により、非支配持分の金額は、フィコサの識別可能純資産における比例割合に基づいて、各々測定しています。
支配獲得日直前に保有していた資本持分を再測定した結果、認識した評価損益は重要ではありません。また、支配持分獲得に関連して発生した費用は重要ではありません。
支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は以下のとおりです。
「のれん」はすべて「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」セグメントに帰属し、税務上損金算入できません。
「無形資産」はすべて償却対象無形資産で、技術、顧客等が含まれており、耐用年数は5年~10年です。
平成29年度の連結損益計算書に含まれているフィコサの売上高及び税引前利益は、それぞれ155,022百万円及び4,343百万円です。
なお、上記企業結合に係るプロ・フォーマ情報は、平成29年度の連結損益計算書に含まれていない金額に重要性がないため開示していません。
② ゼテス・インダストリーズ㈱の支配獲得
当社は、平成29年4月27日に、ベルギーのゼテス・インダストリーズ㈱(以下、傘下子会社を含めて「ゼテス」という)の56.66%(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合)を取得し、ゼテスの支配を獲得しました。
ゼテスは、欧州において物流・人物認証ソリューション事業を展開しています。この取得の結果、ゼテスの物流及び人物認証ソリューションと、当社の先端研究開発能力、グローバルな顧客基盤、技術的な専門知識を統合することで、サプライチェーンソリューション及びセキュリティソリューション両分野において、顧客に提供するソリューション及びサービスを拡大し、グローバル化を進める顧客ニーズに最適な対応をしていくことが可能となります。
ゼテスの支配持分獲得のために支払われた対価の公正価値及び非支配持分の金額(いずれも暫定的金額の調整後)は、以下のとおりです。なお、非支配持分の金額は、ゼテスの識別可能純資産における比例割合に基づいて測定しています。
支配持分獲得に関連して発生した費用は重要ではありません。
支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は以下のとおりです。
「のれん」はすべて「コネクティッドソリューションズ」セグメントに帰属し、税務上損金算入できません。
「無形資産」のうち、償却対象無形資産18,605百万円の中には、耐用年数25年~29年の顧客15,299百万円が含まれています。
平成29年度の連結損益計算書に含まれているゼテスの売上高及び税引前利益は、重要ではありません。
なお、上記企業結合に係るプロ・フォーマ情報は、金額に重要性がないため開示していません。
35.偶発負債
(訴訟等)
当社及び一部の子会社は、取引、租税、製品、知的財産権等に関して、複数の訴訟の被告となる、政府機関の調査を受けるなど、複数の法的手続に関与しています。
当社及び子会社は、これらの訴訟や調査に対応していますが、訴訟や調査の結果によっては当社と複数の子会社に損害賠償金や制裁金が課される可能性があるため、金額は不確定であるものの、合理的に見積り可能な制裁金を引当計上しています。
平成19年11月以降、当社及び当社子会社のMT映像ディスプレイ㈱(以下、「MTPD」)は、ブラウン管事業に関する独占禁止法違反の可能性について、公正取引委員会の調査を受けていました。MTPD及び子会社3社は、平成21年度に公正取引委員会から受けた課徴金納付命令等の取消しを求めて東京高等裁判所で争っていましたが、平成28年4月に請求棄却の判決を受けました。MTPD及び子会社は同月、最高裁判所に上告しました。平成29年12月に最高裁判所が当該上告不受理の決定を下し、MTPD及び子会社に対する東京高等裁判所の判決が確定しました。
また、当社及び当社子会社の三洋電機㈱は、二次電池事業に関する独占禁止法違反の可能性について、米国等において関連する訴訟の被告となっています。
当社及び当社米国子会社のパナソニック アビオニクス㈱(以下、「PAC」)は、PACによる航空会社との特定の取引及びその取引に関連するエージェントやコンサルタントの起用に関する活動について、米国証券取引委員会及び米国司法省(以下、「米国政府当局」)から、連邦海外腐敗行為防止法及び米国証券関連法に基づく調査を受けていましたが、平成30年5月に、米国政府当局との間で、制裁金の支払いについて合意しました。
その他にも当社及び一部の子会社はいくつかの訴訟をかかえていますが、それらの訴訟による損害が仮に発生したとしても、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものではないと考えています。
当社は、訴訟や当局の調査に関して、引当金以外の追加的な費用範囲の見積りは開示していません。調査や法的手続等には、複数の法的論点が存在し、多数の関与者が含まれ、あるいは関連法律が複雑または不透明な海外案件もあるため、そのような見積りは困難なためです。
36.後発事象
当社は、平成30年6月に複数の取引銀行と、期間を3年間とする総額700,000百万円のコミットメントライン契約を締結しました。
パナソニック株式会社は日本に所在する企業です。当社(以下、原則として連結子会社を含む)は、総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について、国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、開発・生産・販売・サービス活動を展開しています。
当社の主な事業内容及び主要な活動は、「4.セグメント情報」に記載しています。
2.作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表は、平成30年6月29日において、代表取締役社長 津賀一宏及び取締役(CFO) 梅田博和により承認されています。
(2)測定の基礎
当社の連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品、退職給付制度に係る負債(資産)の純額等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しており、百万円未満を四捨五入しています。
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社により支配されている企業をいいます。支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該連結子会社の財務諸表を調整しています。
グループ会社間の債権債務残高、取引高及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は連結財務諸表の作成にあたり消去しています。
支配を喪失しない子会社に対する所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社がその財務及び営業方針に対して重要な影響力を有しているものの支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、共同支配のうち、事業を各投資企業から独立した事業体が担っており、各投資企業は当該事業体の純資産に対してのみ権利を有するものをいいます。共同支配とは、複数の当事者が共同支配により経済活動を行う契約上の取決めがあり、重要な意思決定が支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法を用いて会計処理しています。
持分法の適用に際し、持分法適用会社となる関連会社または共同支配企業が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社または共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
(2)企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、取得日の公正価値で認識しています。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれています。取得費用は、発生した期間において費用として認識しています。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社及び各子会社の各機能通貨に換算しています。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(4)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社は、金融資産のうち、株式及び債券は約定日に当初認識しています。その他のすべての金融資産は取引の実施日に当初認識しています。
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しています。この分類は、金融資産が負債性金融商品か資本性金融商品かによって次のとおり分類しています。
負債性金融商品である金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しています。
(a)契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(b)金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
売買目的で保有する資本性金融商品を除き、資本性金融商品である金融資産は、原則として、資本性金融商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、その取引費用は発生時に純損益で当初認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び償却原価で測定する金融資産は、取得に直接起因する取引費用を公正価値に加算した金額で当初認識しています。
(ⅱ)事後測定
(a)償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定し、利息は「金融収益」として純損益に認識しています。
(b)公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類することを選択した資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益に認識しています。累積利得又は損失は、認識を中止した場合に利益剰余金に振り替えています。ただし、配当金は「金融収益」として純損益に認識しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益に認識しています。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しています。
(ⅳ)減損
償却原価で測定する金融資産については、期末日ごとに、当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを判定し、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に応じて、次の金額を貸倒引当金として認識しています。
(a)信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない場合
12ヵ月の予想信用損失と同額
(b)信用リスクが当初認識時点から著しく増加している場合
全期間の予想信用損失と同額
(c)信用リスクが当初認識時点から著しく増加している金融資産のうち、信用減損している客観的証拠が存在する場合
全期間の予想信用損失と同額
信用減損の客観的証拠が存在するかどうかを判断する場合に、当社が用いる要件には以下のものがあります。
・発行者又は債務者の重大な財政的困難
・契約違反(債務不履行又は期日経過事象など)
・借手が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
・当該金融資産についての活発な市場が財政上の困難により消滅したこと
ただし、営業債権及びリース債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しています。
貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しています。それ以降の期間において、貸倒引当金を減額する客観的事象が発生した場合は、その戻入額を純損益で認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する発行費用を控除した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
(a)償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、「金融費用」として純損益に認識しています。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定しています。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効になった場合に認識を中止しています。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、通貨リスク及び商品価格の変動リスクをヘッジするために、為替予約、通貨スワップ及び商品先物等のデリバティブを利用しています。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定しています。
デリバティブの公正価値の変動は純損益に認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しています。
当社は、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的及び種々のヘッジ取引の実施に関する戦略について正式に文書化しています。また、当社は、ヘッジ取引に使用されているデリバティブがヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を高い程度で相殺しているか否かについて、ヘッジ取引開始時及びそれ以降も継続的に評価しています。
ヘッジ会計に関する要件を満たすヘッジは、次のように分類し、会計処理しています。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額は、純損益として認識しています。ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整するとともに、純損益として認識しています。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えています。
④ 金融資産と金融負債の相殺
当社は、金融資産及び金融負債について、資産及び負債として認識された金額を相殺するため法的に強制力のある権利を有し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の実現と債務の決済を同時に実行する意思を有している場合にのみ相殺し、純額で表示しています。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で認識しています。取得原価は、主として平均法に基づいて算定し、購入原価、加工費及び、現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。
(7)有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復義務に係る費用の当初見積額が含まれています。
② 減価償却
有形固定資産(土地等の償却を行わない資産を除く)は、見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却を行っています。
主な見積耐用年数は、次のとおりです。
・建物及び構築物 5~50年
・機械装置及び運搬具 2~10年
・工具器具及び備品 1~10年
リース資産は、リース期間の終了時までに所有権の移転が合理的に確実である場合には当該資産の見積耐用年数で、確実でない場合は見積耐用年数とリース期間のいずれか短い方の期間にわたって、償却しています。
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
企業結合により取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。のれんの償却は行わず、毎期減損テストを実施しています。
② 無形資産
無形資産については、原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額、耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。
開発活動における支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しています。
(ⅰ)使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(ⅱ)無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
(ⅲ)無形資産を使用または売却できる能力
(ⅳ)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(ⅴ)無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
(ⅵ)開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産については、当該資産が使用可能になった日から、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行っています。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・ソフトウェア 2~5年
・技術 3~34年
・顧客 2~29年
償却方法及び見積耐用年数は連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(9)リース
契約がリースであるか又は契約にリースが含まれているか否かについては、リース開始日における契約の実質的内容を基に判断しています。
資産の所有に伴うすべてのリスクと経済価値を実質的に移転するリースをファイナンス・リースとして分類し、それ以外のリースはオペレーティング・リースとして分類しています。
(10)非金融資産の減損
非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産等を除く)については、資産又は資金生成単位の減損の兆候の有無を判定しています。減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、減損テストを実施します。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストを実施しています。当社は、1月1日を基準日としてのれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストを少なくとも年1回行っており、さらに、減損の兆候がある場合は、その都度減損テストを行っています。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを行っています。
回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。使用価値は、資産又は資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定されます。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額を減損損失として純損益で認識しています。
のれん以外の減損損失は、過年度に減損損失を認識した資産又は資金生成単位について、当該減損損失の戻入の兆候の有無を判定しています。戻入の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、減損損失の戻入を行っています。減損損失の戻入額は、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却及び償却控除後の帳簿価額を上限として、純損益で認識しています。のれんの減損損失については、戻入を行っていません。
関連会社及び共同支配企業への投資の帳簿価額の一部に含まれる当該投資に係るのれんについては、他の部分と区分せず、当該投資を一体の資産として、減損の対象としています。
(11)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益又は資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、連結会計年度末において施行又は実質的に施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付又は税務当局から還付されることが予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異等について認識しています。企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれの純損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関連する将来加算一時差異については、原則として繰延税金負債を認識しますが、当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関連する将来減算一時差異については、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しています。
繰延税金は、期末日に施行又は実質的に施行されている税率及び税法に基づき、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合に相殺しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
(12)従業員給付
① 退職後給付
当社は、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
(ⅰ)確定給付制度
確定給付負債又は資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定されます。この計算による資産計上額は、制度からの返還又は将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定され、その現在価値は将来の見積給付額を割り引いて算定されます。割引率は、給付支払の見積時期及び金額を反映した期末時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
当期勤務費用及び確定給付負債又は資産の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しています。
数理計算上の差異を含む、確定給付負債又は資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が労働を提供した期間における要拠出額を従業員給付費用として純損益に認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、従業員が関連する労働を提供した時点で従業員給付費用として純損益に認識しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、負債として認識しています。
(13)引当金
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しています。
(14)資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その直接取得費用を含む取得原価を資本から控除しています。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しています。
(15)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対するインセンティブ制度としてストックオプション制度を導入しています。ストックオプションは付与日における公正価値で見積り、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデルを用いて算定しています。
(16)収益認識
① 製品の売上
当社には、主に家庭用製品、産業用製品、製造機器及び消耗品等の製品販売取引があります。
製品の売上は、次の要件をすべて満たした時点で認識しています。
・物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値を買手に移転している
・販売された物品に対して、所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の関与も実質的な支配も保持していない
・収益の額を、信頼性をもって測定できる
・その取引に関連する経済的便益が流入する可能性が高い
・その取引に関連して発生した又は発生する原価を、信頼性をもって測定できる
売上高は、受領した又は受領可能な対価の公正価値により測定しています。
当社は、消費者向け販売店に対する売上に係る、製品価格の下落を補償するための支払に充当される一定の価格調整費用及び販売店に提供するインセンティブ・プログラムに基づく販売リベートを、売上高から控除しています。
② 役務の提供
当社には、製品の売上に付随して発生する修理依頼やメンテナンス、電気・建築設備、環境関連設備や防災・セキュリティ関連設備に関する調査・分析・監理・メンテナンス等の役務提供取引があります。
これらの取引による売上高は、原則として進捗度に応じて認識しています。
③ 請負工事契約
当社には、住宅、電気・建築設備、環境関連設備や防災・セキュリティ関連設備に関する設計・施工等の取引があります。
これらの取引については、受注金額及び完成までに要する総原価を信頼性をもって見積ることができる場合には、期末日における見積総原価に対する累積実際発生原価の割合に応じて売上高を計上しています(進行基準)。当初の売上高の見積り、完成までの進捗状況に変更が生じる可能性がある場合、見積りの見直しを行っています。
受注金額あるいは完成までに要する総原価を、信頼性をもって見積ることができない場合には、発生した原価のうち回収可能性が高いと判断される部分と同額を売上高として計上しています(原価回収基準)。原価は、それらが生じた会計期間に売上原価として純損益に認識しています。
④ 複数要素取引
当社は、製品、機器、据付及びメンテナンス等の組み合わせによる多様な取引契約を顧客と締結しています。このような契約に係る収益については、次の要件を満たす場合、構成要素ごとに個別に認識しています。
・当該構成要素が顧客にとって独立した価値を有している
・当該構成要素の公正価値が信頼性をもって測定できる
なお、複数要素取引に関して、契約の対価を配分する必要がある場合には、各構成要素の見積り公正価値に基づき配分する方法によっています。
⑤ 売上高の総額表示と純額表示
当社は、当社が取引の当事者であるか、代理人であるかを、契約ごとに以下の指標を考慮して判断しています。
・顧客に対する財及びサービスの提供、または注文の履行について、第一義的な責任を有している
・顧客による発注の前後や輸送中、または返品の際に、在庫リスクを負っている
・価格決定の自由を、直接または間接に有している
・顧客に対する債権について、顧客の信用リスクを負担している
当社が取引の当事者であると判断した場合には、当該取引に関する売上高を総額で表示し、代理人であると判断した場合には、当該取引に関する売上高を純額で表示しています。
(17)政府補助金
資産の取得に対する政府補助金は、当社が補助金を受領し、その補助金に付帯する諸条件を遵守することが合理的に確かである場合に、公正価値で測定し資産の取得原価から直接減額しています。
(18)1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する当期純利益を、当連結会計年度中の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して算定しています。
(19)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社は、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を用いています。実際の業績は、会計上の見積り及びその基礎となる仮定とは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、当該見直しを行った連結会計期間及び将来の連結会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りに関する項目は、次のとおりです。
・収益認識
・棚卸資産の正味実現可能価額(「7.棚卸資産」参照)
・繰延税金資産の回収可能性(「13.法人所得税」参照)
・確定給付制度債務(「17.従業員給付」参照)
・非金融資産(のれんを含む)の減損(「26.非金融資産の減損」参照)
・企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値(「34.企業結合」参照)
また、会計方針の適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与える項目は、次のとおりです。
・子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲(「11.持分法で会計処理されている投資」、「30.主要な子会社」参照)
・リースの分類(「10.リース」参照)
・金融資産の分類(「12.その他の金融資産」参照)
・引当金の認識(「18.引当金」参照)
・非金融資産の減損テスト実施に当たっての資金生成単位の判別(「26.非金融資産の減損」参照)
・非金融資産の減損の兆候の有無の評価(「26.非金融資産の減損」参照)
・償却原価で測定する金融資産の信用リスクの著しい増加の有無(「29.金融商品」参照)
(20)未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた主な公表済みIFRS基準書及び解釈指針のうち、適用が強制されないため、当連結会計年度末において適用していないものは、次のとおりです。
当社は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を、翌連結会計年度の期首(平成30年4月1日)より、同基準の適用による累積的影響額を適用日において認識する方法を用いて適用します。IFRS第15号の適用による「利益剰余金」の翌連結会計年度の期首時点における累積的影響額に、重要性はありません。また、翌連結会計年度の「当期純利益」、「基本的1株当たり当期純利益」及び「希薄化後1株当たり当期純利益」への影響は軽微です。
IFRS第16号「リース」の適用による当社の連結財務諸表への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
基準書 | 基準名 | 強制適用時期 (以降開始年度) | 当社適用年度 | 新設・改訂の内容 |
IFRS第15号 | 顧客との契約から 生じる収益 | 平成30年1月1日 | 平成31年3月期 | 顧客との契約から生じる収益に関する基準の設定 |
IFRS第16号 | リース | 平成31年1月1日 | 平成32年3月期 | リースに関する基準の設定 |
(21)新たな基準書及び解釈指針の適用
① IFRS第9号「金融商品」
当社は、前連結会計年度の期首(平成28年4月1日)より、平成26年7月に改訂されたIFRS第9号を早期適用しています。この適用による影響額は、前連結会計年度の「連結持分変動計算書」における「新会計基準適用による累積的影響額」に記載しています。
② IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」
当社は、当連結会計年度の期首(平成29年4月1日)より、平成28年1月に改訂されたIAS第7号を適用しています。この改訂は、財務活動から生じた負債の変動を財務諸表利用者が評価できるようにする開示要求を追加するものです。この規定に基づく「財務活動から生じた負債の変動」は、「15.短期負債及び長期負債」に記載しています。
4.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち独立した財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定者が、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となっているものです。
「アプライアンス」は、ルームエアコン、大型空調、テレビ、デジタルカメラ、ビデオ機器、オーディオ機器、固定電話、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、炊飯器、美・理容器具、コンプレッサー、燃料電池、ショーケース等の開発・製造・販売を行っています。「エコソリューションズ」は、照明器具、ランプ、配線器具、太陽光発電システム、水まわり設備、内装建材、外装建材、換気・送風・空調機器、空気清浄機、自転車、介護関連等の開発・製造・販売を行っています。「コネクティッドソリューションズ」は、航空機内エンターテインメントシステム・通信サービス、電子部品実装システム、溶接機、プロジェクター、業務用カメラシステム、パソコン・タブレット、監視・防犯カメラ等の開発・製造・販売を行っています。「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」は、車載インフォテインメントシステム、電装品、自動車用ミラー、車載電池、リチウムイオン電池、乾電池、制御機器、モーター、半導体、電子部品、電子材料、液晶パネル等の開発・製造・販売を行っています。「その他」は、パナホーム㈱等により構成されています。
なお、平成29年度より、セグメント名称を「AVCネットワークス」から「コネクティッドソリューションズ」に変更しています。また、平成29年4月1日付で、従来旧「AVCネットワークス」に帰属していたデジタルカメラ、固定電話等の事業を「アプライアンス」に、従来「アプライアンス」に帰属していた自転車の事業を「エコソリューションズ」に、従来「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」に帰属していた電子部品実装システム及び溶接機の事業を「コネクティッドソリューションズ」に、各々移管しました。さらに、平成29年度より、これまで特定のセグメントに帰属していなかった東南アジアの一部のコンシューマー販売部門を「アプライアンス」に含めています。
以上のセグメント区分の変更に伴い、平成28年度のセグメント情報については、平成29年度の形態に合わせて組み替えて表示しています。
(2)セグメント情報
セグメント情報は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)
(単位:百万円)
アプライアンス | エコソリューションズ | コネクティッドソリューションズ | オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | その他 | 消去・ 調整 | 連結計 | |
売上高 | |||||||
外部顧客に対するもの | 2,276,328 | 1,327,386 | 987,381 | 2,268,921 | 638,608 | △154,917 | 7,343,707 |
セグメント間取引 | 227,028 | 219,915 | 63,847 | 147,646 | 35,810 | △694,246 | - |
計 | 2,503,356 | 1,547,301 | 1,051,228 | 2,416,567 | 674,418 | △849,163 | 7,343,707 |
利益 | 98,869 | 64,248 | 50,350 | 93,013 | 8,011 | △37,707 | 276,784 |
減価償却費及び償却費 (注1) | 48,512 | 46,986 | 24,295 | 107,486 | 8,732 | 33,987 | 269,998 |
資本的支出 (注1、2) | 56,186 | 39,620 | 25,405 | 226,845 | 7,963 | 17,189 | 373,208 |
(ⅱ)当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)
(単位:百万円)
アプライアンス | エコソリューションズ | コネクティッドソリューションズ | オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | その他 | 消去・ 調整 | 連結計 | |
売上高 | |||||||
外部顧客に対するもの | 2,358,185 | 1,415,577 | 1,055,405 | 2,659,844 | 633,473 | △140,320 | 7,982,164 |
セグメント間取引 | 230,240 | 207,887 | 63,886 | 143,689 | 42,393 | △688,095 | - |
計 | 2,588,425 | 1,623,464 | 1,119,291 | 2,803,533 | 675,866 | △828,415 | 7,982,164 |
利益 | 104,394 | 72,469 | 105,680 | 91,352 | 10,760 | △4,116 | 380,539 |
減価償却費及び償却費 (注1) | 51,241 | 45,834 | 23,590 | 123,636 | 8,381 | 34,642 | 287,324 |
資本的支出 (注1、2) | 65,304 | 46,948 | 27,286 | 268,586 | 7,792 | 59,271 | 475,187 |
(注1) 有形固定資産及び無形資産
(注2) 発生ベースの金額
報告セグメントの会計方針は、「3.重要な会計方針」で記載している当社の会計方針と同一です。
セグメント間における取引は、独立企業間価格を基礎として行われています。
報告セグメントの利益は、営業利益をベースとした数値です。
「消去・調整」欄には、セグメント業績の管理上、特定のセグメントに帰属しない収益・費用や、連結会計上の調整及びセグメント間の内部取引消去が含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の売上高に関する調整には、主に一部のコンシューマー商品の販売部門経由の外部顧客に対する売上が内部業績管理価格を用いて作成されていることによる取引価格の差額及び販売価格に関する連結会計上の調整が含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の利益に関する調整には、本社部門等の損益及び一部のコンシューマー商品の販売部門に帰属する損益が含まれています。また、連結会計上の調整として、本社部門で管理している企業結合で取得した無形資産の償却費等やセグメントに帰属しない持分法による投資損益等が含まれています。なお、各セグメントに帰属する持分法による投資損益の金額は重要ではありません。
(3)製品及びサービスに関する情報
「(1)報告セグメントの概要」、「(2)セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(4)地域に関する情報
地域別の売上高(顧客の所在地別に分類)及び非流動資産(持分法で会計処理されている投資、金融資産、繰延税金資産及び確定給付資産の純額を除く)は、次のとおりです。
① 売上高
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
日本 | 3,659,113 | 3,724,061 |
米州 | 1,272,214 | 1,368,297 |
欧州 | 607,695 | 821,053 |
アジア・中国他 | 1,804,685 | 2,068,753 |
連結計 | 7,343,707 | 7,982,164 |
米州のうち、米国 | 1,147,690 | 1,237,527 |
アジア・中国他のうち、中国 | 827,473 | 981,697 |
② 非流動資産(持分法で会計処理されている投資、金融資産、繰延税金資産及び確定給付資産の純額を除く)
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
日本 | 1,175,162 | 1,187,947 |
米州 | 422,240 | 395,264 |
欧州 | 80,656 | 183,952 |
アジア・中国他 | 363,189 | 384,845 |
連結計 | 2,041,247 | 2,152,008 |
(注) 本邦以外の区分に属する主な国または地域
米州…………………北米、中南米
欧州…………………欧州、アフリカ
アジア・中国他……アジア、中国、オセアニア
売上高の米国、中国を除いて、米州、欧州、アジア・中国他の地域に、独立区分して開示する必要のある重要な国はありません。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上高が10%を超える単一の相手先がないため、記載を省略しています。
5.現金及び現金同等物
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっており、連結財政状態計算書上の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の残高は一致しています。なお、現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
6.営業債権
営業債権の内訳は、次のとおりです。なお、営業債権(工事未収入金を除く)は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
受取手形 | 68,368 | 78,963 |
売掛金 | 799,271 | 978,627 |
控除:貸倒引当金 | △20,636 | △18,606 |
合計 | 847,003 | 1,038,984 |
7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
製商品 | 492,521 | 606,417 |
仕掛品 | 115,665 | 141,381 |
原材料 | 198,123 | 240,811 |
合計 | 806,309 | 988,609 |
前連結会計年度及び当連結会計年度に費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ40,704百万円、43,799百万円で、連結損益計算書の「売上原価」に含めています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の評価減の戻入額に重要性はありません。
8.有形固定資産
(1)帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額
① 帳簿価額の増減
(単位:百万円) |
土地 | 建物及び 構築物 | 機械装置及び運搬具 | 工具器具及び備品 | 建設仮勘定 | 合計 | |
平成28年3月31日残高 | 223,469 | 492,268 | 390,211 | 106,284 | 76,002 | 1,288,234 |
取得 | 1,224 | 14,379 | 35,964 | 42,893 | 217,181 | 311,641 |
科目間振替 | 11 | 20,771 | 97,770 | 27,444 | △145,996 | - |
売却または処分 | △19,245 | △4,479 | △2,363 | △2,279 | △2,572 | △30,938 |
減価償却費 | - | △49,133 | △113,447 | △61,825 | - | △224,405 |
減損損失 | △6,102 | △3,762 | △7,551 | △2,055 | △293 | △19,763 |
企業結合による増加 | 1,637 | 6,155 | 5,081 | 357 | 998 | 14,228 |
為替換算差額 | △277 | △4,841 | △9,187 | △2,436 | 1,026 | △15,715 |
平成29年3月31日残高 | 200,717 | 471,358 | 396,478 | 108,383 | 146,346 | 1,323,282 |
取得 | 16,951 | 25,397 | 54,005 | 48,152 | 247,729 | 392,234 |
科目間振替 | 82 | 33,504 | 153,174 | 23,678 | △210,438 | - |
売却または処分 | △2,507 | △28,101 | △81,640 | △1,670 | △8,641 | △122,559 |
減価償却費 | - | △48,196 | △119,198 | △59,182 | - | △226,576 |
減損損失 | △2,696 | △4,586 | △6,987 | △1,610 | △1,657 | △17,536 |
企業結合による増加 | 5,405 | 11,374 | 7,560 | 2,351 | 3,344 | 30,034 |
為替換算差額 | 103 | 1,743 | 1,523 | 1,091 | △4,166 | 294 |
その他 | △57 | △2,444 | △2,225 | △346 | △35 | △5,107 |
平成30年3月31日残高 | 217,998 | 460,049 | 402,690 | 120,847 | 172,482 | 1,374,066 |
減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の損益」に含めています。
当連結会計年度の「売却または処分」には、貸手としてのファイナンス・リースによる減少額が含まれています。(詳細は、「10.リース(2)貸手側」参照)
② 取得原価
(単位:百万円)
土地 | 建物及び 構築物 | 機械装置及び運搬具 | 工具器具及び備品 | 建設仮勘定 | 合計 | |
平成28年3月31日残高 | 257,833 | 1,544,718 | 2,354,686 | 927,744 | 77,202 | 5,162,183 |
平成29年3月31日残高 | 236,041 | 1,525,408 | 2,354,091 | 909,323 | 147,574 | 5,172,437 |
平成30年3月31日残高 | 251,063 | 1,547,677 | 2,415,561 | 932,322 | 174,129 | 5,320,752 |
③ 減価償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円) |
土地 | 建物及び 構築物 | 機械装置及び運搬具 | 工具器具及び備品 | 建設仮勘定 | 合計 | |
平成28年3月31日残高 | △34,364 | △1,052,450 | △1,964,475 | △821,460 | △1,200 | △3,873,949 |
平成29年3月31日残高 | △35,324 | △1,054,050 | △1,957,613 | △800,940 | △1,228 | △3,849,155 |
平成30年3月31日残高 | △33,065 | △1,087,628 | △2,012,871 | △811,475 | △1,647 | △3,946,686 |
(2)ファイナンス・リースによるリース資産
有形固定資産に含まれているファイナンス・リースによるリース資産の帳簿価額は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
建物及び 構築物 | 機械装置及び 運搬具 | 工具器具及び 備品 | 合計 | |
平成28年3月31日残高 | 585 | 6,042 | 5,628 | 12,255 |
平成29年3月31日残高 | 968 | 3,893 | 5,711 | 10,572 |
平成30年3月31日残高 | 1,631 | 2,496 | 4,672 | 8,799 |
9.のれん及び無形資産
(1)帳簿価額の増減
(単位:百万円) |
のれん | 無形資産 | |||||
ソフトウェア | 技術 | 顧客 | その他 | 合計 | ||
平成28年3月31日残高 | 295,574 | 58,142 | 66,337 | 21,494 | 32,602 | 178,575 |
取得 | - | 29,924 | 30,947 | - | 696 | 61,567 |
企業結合による増加 | 106,247 | 1,576 | 9,608 | 62,254 | 33,037 | 106,475 |
償却費 | - | △25,196 | △10,783 | △5,518 | △4,096 | △45,593 |
減損損失 | △10,068 | △390 | △13,464 | - | △2,183 | △16,037 |
為替換算差額 | △4,062 | 403 | △17 | △2,650 | △2,053 | △4,317 |
処分・その他 | △804 | △1,307 | △505 | - | △613 | △2,425 |
平成29年3月31日残高 | 386,887 | 63,152 | 82,123 | 75,580 | 57,390 | 278,245 |
取得 | - | 42,498 | 38,195 | - | 2,260 | 82,953 |
企業結合による増加 | 31,021 | 370 | 16,779 | 18,521 | 4,846 | 40,516 |
償却費 | - | △27,881 | △23,388 | △6,586 | △2,893 | △60,748 |
減損損失 | △3,256 | △275 | △3,019 | △1,346 | △1,340 | △5,980 |
為替換算差額 | △4,604 | △12 | 1,436 | △2,655 | △2,234 | △3,465 |
処分・その他 | △1,745 | 38 | 221 | 1,154 | △2,986 | △1,573 |
平成30年3月31日残高 | 408,303 | 77,890 | 112,347 | 84,668 | 55,043 | 329,948 |
償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
取得のうち、内部開発による増加額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ38,109百万円及び52,939百万円です。これらは、主にソフトウェア及び技術に関するものです。
耐用年数を確定できない無形資産は、上表の「その他」に含まれており、帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ43,647百万円及び41,572百万円です。このうち主なものは商標であり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しています。
(2)取得原価
(単位:百万円)
のれん | 無形資産 | |||||
ソフトウェア | 技術 | 顧客 | その他 | 合計 | ||
平成28年3月31日残高 | 662,555 | 354,358 | 429,414 | 57,045 | 101,391 | 942,208 |
平成29年3月31日残高 | 763,936 | 367,560 | 461,111 | 115,601 | 133,386 | 1,077,658 |
平成30年3月31日残高 | 788,608 | 396,583 | 508,352 | 131,937 | 115,538 | 1,152,410 |
(3)償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円) |
のれん | 無形資産 | |||||
ソフトウェア | 技術 | 顧客 | その他 | 合計 | ||
平成28年3月31日残高 | △366,981 | △296,216 | △363,077 | △35,551 | △68,789 | △763,633 |
平成29年3月31日残高 | △377,049 | △304,408 | △378,988 | △40,021 | △75,996 | △799,413 |
平成30年3月31日残高 | △380,305 | △318,693 | △396,005 | △47,269 | △60,495 | △822,462 |
(4)個別に重要な無形資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、個別に重要な無形資産はありません。
10.リース
(1)借手側
当社は、土地、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、工具器具及び備品、ソフトウェア等をファイナンス・リース及びオペレーティング・リースにより賃借しています。一部のリース資産については、リース期間中または終了時点で、一定の条件のもとで、リース資産を購入するか、あるいはリース契約を解約し、リース資産の一定価額を保証するかを選択することができます。
また、当社は一部の資産を売却し、リースバックしています。リースバックした資産について、当社が継続的に関与することとなる取引条件、義務、契約条項または状況はありません。
①ファイナンス・リース
ファイナンス・リースに基づく将来の最低支払リース料総額及び現在価値は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
将来の最低支払リース料総額 | 将来の最低支払リース料総額の現在価値 | |||
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
1年以内 | 9,831 | 9,686 | 9,295 | 9,291 |
1年超5年以内 | 17,354 | 10,106 | 16,761 | 9,495 |
5年超 | 1,646 | 2,107 | 1,590 | 1,979 |
合計 | 28,831 | 21,899 | 27,646 | 20,765 |
控除:利息相当額 | △1,185 | △1,134 | ||
最低支払リース料の 現在価値 | 27,646 | 20,765 |
②オペレーティング・リース
解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料総額は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
1年以内 | 38,375 | 43,761 |
1年超5年以内 | 41,786 | 49,327 |
5年超 | 7,036 | 14,850 |
合計 | 87,197 | 107,938 |
オペレーティング・リースに係る支払リース料は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ42,898百万円及び48,422百万円です。
解約不能サブリース契約に係る将来最低受取リース料は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要ではありません。
また、サブリースによる受取リース料は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ27,882百万円及び30,943百万円です。
(2)貸手側
当社は、顧客への供給契約にかかる機械装置及び運搬具等を、ファイナンス・リースとして会計処理しています。
ファイナンス・リースに関する投資未回収総額及び将来の最低受取リース料総額の現在価値は、次のとおりです。
(単位:百万円)
リース投資未回収総額 | 将来の最低受取リース料総額の現在価値 | |||
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
1年以内 | - | 76,181 | - | 76,181 |
1年超5年以内 | - | - | - | - |
5年超 | - | - | - | - |
合計 | - | 76,181 | - | 76,181 |
正味リース投資未回収総額 | - | 76,181 | ||
最低受取リース料総額の 現在価値 | - | 76,181 |
11.持分法で会計処理されている投資
(1)関連会社に対する投資
当社は、関連会社に対する投資を持分法によって会計処理しています。当社にとって個別に重要性のある関連会社はありません。個別に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
投資の帳簿価額 | 136,845 | 145,992 |
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
当期純利益 | 9,140 | 10,566 |
その他の包括利益(△は損失) | △1,147 | 336 |
当期包括利益 | 7,993 | 10,902 |
(2)共同支配企業に対する投資
当社は、共同支配企業に対する投資を持分法によって会計処理しています。当社にとって個別に重要性のある共同支配企業はありません。個別に重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
投資の帳簿価額 | 19,142 | 1,967 |
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
当期純利益(△は損失) | △762 | △492 |
その他の包括利益(△は損失) | △1,135 | - |
当期包括利益(△は損失) | △1,897 | △492 |
12.その他の金融資産
(1)内訳
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
償却原価で測定する金融資産 | ||
定期預金 | 47,299 | 55,383 |
未収入金 | 84,892 | 64,070 |
リース債権 | - | 76,181 |
その他 | 32,969 | 26,632 |
小計 | 165,160 | 222,266 |
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||
デリバティブ資産 | 15,716 | 16,085 |
小計 | 15,716 | 16,085 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||
株式 | 122,095 | 129,050 |
その他 | 2,534 | 2,622 |
小計 | 124,629 | 131,672 |
合計 | 305,505 | 370,023 |
うち流動資産 | 143,519 | 203,557 |
うち非流動資産 | 161,986 | 166,466 |
(2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社では、主に取引又は事業上の関係の維持・強化を目的に保有している株式を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しています。
① 主な銘柄ごとの公正価値
主な銘柄ごとの公正価値は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
銘柄 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) |
Tesla,Inc. | 44,291 | 40,108 |
㈱東京放送ホールディングス | 11,219 | 12,737 |
大和ハウス工業㈱ | 4,890 | 6,273 |
ルネサスエレクトロニクス㈱ | 4,862 | 4,458 |
東レ㈱ | 4,159 | 4,241 |
大連冷凍機㈱ | 4,602 | 3,762 |
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の認識の中止
当社は、主に保有資産の効率化を図るため、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部を処分して認識を中止しています。
処分時の公正価値及び累積利得又は損失は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
公正価値 | 804 | 2,604 |
累積利得又は損失(△は損失) | △1,579 | △1,736 |
なお、上記累積利得又は損失は、税効果考慮前の金額であり、前連結会計年度及び当連結会計年度において、処分に伴って利益剰余金へ振り替えた税効果考慮後のその他の包括利益の累積利得又は損失は、それぞれ1,135百万円(損失)及び2,153百万円(損失)です。
13.法人所得税
(1)繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳及び増減内容
繰延税金資産及び負債の主な内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 | 連結損益計算書 | |||
前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
繰延税金資産 | ||||
棚卸資産 | 44,744 | 44,738 | △2,644 | △1,169 |
引当金及び未払費用 | 97,559 | 105,105 | △14,267 | 6,678 |
有形固定資産 | 64,194 | 58,923 | △6,726 | △3,887 |
退職給付に係る負債 | 135,450 | 96,571 | △8,382 | △10,052 |
繰越欠損金 | 82,648 | 55,203 | 50,537 | △30,606 |
その他 | 53,736 | 50,534 | △2,129 | △6,685 |
繰延税金資産 合計 | 478,331 | 411,074 | 16,389 | △45,721 |
繰延税金負債 | ||||
有価証券 | △10,170 | △11,698 | 12,434 | - |
無形資産 | △59,956 | △58,762 | 1,778 | 11,421 |
その他 | △63,016 | △71,806 | △31,987 | △8,430 |
繰延税金負債 合計 | △133,142 | △142,266 | △17,775 | 2,991 |
繰延税金資産 純額 | 345,189 | 268,808 | △1,386 | △42,730 |
繰延税金資産及び負債の増減内容は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
期首残高(繰延税金資産 純額) | 409,702 | 345,189 |
純損益として認識 | △1,386 | △42,730 |
その他の包括利益として認識 | △31,073 | △31,542 |
連結範囲の異動他 | △32,054 | △2,109 |
期末残高(繰延税金資産 純額) | 345,189 | 268,808 |
② 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除
当社は、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部が、将来の課税所得を減額できる又は税額を控除できる可能性が高いかどうかを考慮しています。繰延税金資産の最終的な回収可能性は、一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除が将来減算される期間における課税所得の水準により決定されます。当社はこの検討において、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の予測及び税務戦略を考慮しています。過去の課税所得の水準及び将来繰延税金資産が減算される期間の課税所得の予測に基づき、当社は、当連結会計年度末において認識された繰延税金資産は実現する可能性が高いと考えています。回収可能性の評価の結果、一部の将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除については繰延税金資産を認識していません。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額並びに繰越期限は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(単位:百万円) |
金額 | |
将来減算一時差異 | 656,617 |
繰越欠損金 | |
平成29年度から平成37年度まで繰り越すことができるもの | 1,674,090 |
平成38年度以降または無期限に繰り越すことができるもの | 48,044 |
繰越欠損金 合計 | 1,722,134 |
繰越税額控除 | 39,648 |
(ⅱ)当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(単位:百万円) |
金額 | |
将来減算一時差異 | 663,621 |
繰越欠損金 | |
平成30年度から平成38年度まで繰り越すことができるもの | 1,211,576 |
平成39年度以降または無期限に繰り越すことができるもの | 71,000 |
繰越欠損金 合計 | 1,282,576 |
繰越税額控除 | 30,824 |
当社は、日本国内において連結納税制度を適用していますが、上記には同制度の適用外である、地方税(住民税及び事業税)にかかる繰越欠損金を含めていません。当連結会計年度末現在の繰延税金資産を認識していない地方税にかかる繰越欠損金の金額は、住民税分127,144百万円、事業税分610,383百万円です。
③ 繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に関する将来加算一時差異
当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。なお、認識している繰延税金負債については、上記「①繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳及び増減内容」の「繰延税金負債 その他」に含めています。繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に関する将来加算一時差異の総額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ364,597百万円及び324,002百万円です。
(2)法人所得税費用
① 法人所得税費用の内訳
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
当期税金費用 | 101,238 | 83,833 |
繰延税金費用 | ||
一時差異等の発生及び解消 | 38,616 | 44,228 |
繰延税金資産の修正及び取崩 | △37,230 | △1,498 |
繰延税金費用 計 | 1,386 | 42,730 |
法人所得税費用 合計 | 102,624 | 126,563 |
当期税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う当期税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ28,133百万円及び7,750百万円です。
繰延税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う繰延税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ37,273百万円及び8,464百万円です。また、税制変更の影響により、当連結会計年度において繰延税金費用が1,142百万円減少しています。
② 実効税率の調整
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも30.7%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しています。
法定実効税率と実際負担税率との差異は、次のとおりです。
(単位:%) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
法定実効税率 | 30.7 | 30.7 |
海外連結子会社の税率差 | △3.3 | △4.8 |
税務上損金算入されない費用 | 7.4 | 1.3 |
未認識の繰延税金資産の変動 | △19.5 | 1.8 |
子会社等への投資に伴う税効果 | 19.2 | 4.5 |
のれんの減損 | 1.2 | 0.3 |
税制変更の影響 | 0.0 | △0.3 |
その他 | 1.6 | △0.1 |
実際負担税率 | 37.3 | 33.4 |
14.その他の資産
その他の資産の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
前払金 | 18,002 | 20,280 |
前払費用 | 46,322 | 49,191 |
未収法人所得税 | 42,264 | 38,659 |
退職給付に係る資産 | 11,202 | 13,502 |
その他 | 83,446 | 96,784 |
合計 | 201,236 | 218,416 |
うち流動資産 | 137,201 | 165,223 |
うち非流動資産 | 64,035 | 53,193 |
15.短期負債及び長期負債
(1)内訳
短期負債及び長期負債の内訳は、次のとおりです。なお、短期負債及び長期負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
① 前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 平均利率(%) (注1) | 返済期 | |
流動負債 | |||
1年内償還予定社債(注2) | 149,946 | - | - |
短期借入金 | 16,454 | 10.3% | - |
1年内返済予定長期借入金 | 1,343 | 1.9% | - |
短期リース債務 | 9,295 | - | - |
流動負債 合計 | 177,038 | - | - |
非流動負債 | |||
社債(注2) | 928,195 | - | 平成30~38年度 |
長期借入金 | 420 | 2.4% | 平成30~32年度 |
長期リース債務 | 18,351 | - | 平成30~52年度 |
非流動負債 合計 | 946,966 | - | - |
合計 | 1,124,004 | - | - |
② 当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 平均利率(%) (注1) | 返済期 | |
流動負債 | |||
1年内償還予定社債(注2) | 99,993 | - | - |
短期社債 | 240,000 | △0.0% | - |
短期借入金 | 19,315 | 5.3% | - |
1年内返済予定長期借入金 | 6,793 | 1.4% | - |
短期リース債務 | 9,291 | - | - |
流動負債 合計 | 375,392 | - | - |
非流動負債 | |||
社債(注2) | 828,578 | - | 平成31~38年度 |
長期借入金 | 24,000 | 1.6% | 平成31~38年度 |
長期リース債務 | 11,474 | - | 平成31~54年度 |
非流動負債 合計 | 864,052 | - | - |
合計 | 1,239,444 | - | - |
(注1)平均利率については、期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
(注2)社債の契約条件は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
銘柄 | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | 利率 (%) | 償還期 |
第8回 無担保普通社債 | 100,000 | 100,000 | 2.05% | 平成30年度 |
第11回 無担保普通社債 | 150,000 | - | 1.081% | 平成29年度 |
第12回 無担保普通社債 | 220,000 | 220,000 | 0.387% | 平成31年度 |
第13回 無担保普通社債 | 80,000 | 80,000 | 0.568% | 平成33年度 |
第14回 無担保普通社債 | 100,000 | 100,000 | 0.934% | 平成36年度 |
第15回 無担保普通社債 | 200,000 | 200,000 | 0.19% | 平成33年度 |
第16回 無担保普通社債 | 70,000 | 70,000 | 0.3% | 平成35年度 |
第17回 無担保普通社債 | 130,000 | 130,000 | 0.47% | 平成38年度 |
第4回 無担保普通社債 (当初発行会社: パナソニック電工㈱) | 30,000 | 30,000 | 1.593% | 平成31年度 |
(2)財務活動から生じた負債の変動
当連結会計年度の財務活動から生じた負債の変動は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
平成29年 4月1日 残高 | キャッシュ・ フロー | 非資金変動 | 平成30年 3月31日 残高 | |||
連結範囲の 異動 | 為替換算差額 | その他 | ||||
短期社債 | - | 240,000 | - | - | - | 240,000 |
借入金 | 18,217 | △660 | 33,646 | 2,428 | △3,523 | 50,108 |
社債 | 1,078,141 | △150,000 | - | - | 430 | 928,571 |
リース債務 | 27,646 | △9,258 | - | - | 2,377 | 20,765 |
その他の金融負債 | 31,896 | △6,403 | - | △487 | 17,417 | 42,423 |
合計 | 1,155,900 | 73,679 | 33,646 | 1,941 | 16,701 | 1,281,867 |
(3)負債の担保に供している資産
わが国の慣行として、短期及び長期の銀行借入金については、取引約定書により、銀行からの要求があれば現在及び将来の債務に対して担保及び保証の設定を行うことがあります。また、支払期限が到来した場合や当該借入金の返済が不履行となった場合には、銀行は銀行預金と銀行に対する当該債務を相殺する権利があります。
また、各々の取引契約書において、銀行は追加的な担保差入や一定の資産に対する抵当権の設定を要求できることが定められています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、負債の担保に供している資産に重要性はありません。
16.営業債務
営業債務の内訳は、次のとおりです。なお、営業債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
支払手形 | 245,854 | 271,270 |
買掛金 | 710,111 | 875,206 |
合計 | 955,965 | 1,146,476 |
17.従業員給付
(1)確定給付制度
当社及び一部の子会社は、一定の受給資格を満たす従業員について、外部積立による年金制度を設けています。この制度における給付額は、主として勤続年数及び給与に基づいて計算されます。
確定給付企業年金法に基づき、当社には企業年金制度を運営するパナソニック企業年金基金(以下、「基金」)への掛金の拠出等の義務が課されています。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣又は地方厚生局長による処分、基金の規約及び代議員会の決議を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務が課されています。また、理事に対しては、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、給付に充てるべき積立金(以下、「積立金」)の管理及び運用の適正を害する行為をしてはならないこと、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について、その任務を怠った場合には、基金に対して連帯責任を負うことが規定されています。
基金は、当社より法的に独立した機関であり、基金の代議員会は、雇用主側において選定された代表者(選定代議員)及び従業員側において選出された代表者(互選代議員)の同一人数にて構成されています。代議員会の議事は出席者の過半数で決しますが、可否同数の場合は、議長である理事長が決する権限を有しています。ただし、特に重要な事項に関する議事については、上記を超える多数で決することと規定しています。
積立金の運用については、代議員会の決議を経た運用管理規定により定められている契約内容に基づき、運用受託機関が行います。基金は運用に関する基本方針を作成するとともに、基本方針に整合した運用指針を作成し運用受託機関に交付すること等により、積立金の運用を安全かつ効率的に行う義務を果たしています。
当社は、将来にわたり基金が定める積立金の掛金の拠出義務を負っています。掛金の額は法令が認める範囲で定期的に見直されます。
上記の年金制度に加えて、従業員は、解雇以外の理由に基づく退職に際して、その時点における給与及び勤続年数を基礎とする退職一時金の受給資格を有しています。会社都合または死亡による退職の場合、給付額は自己都合による退職の場合の給付額を上回ります。この退職一時金制度については、外部積立を行っていません。
平成14年4月1日より、当社及び一部の子会社は、上記の年金制度を改定してポイント制を導入するとともに、退職一時金制度からキャッシュバランス年金制度に移行しました。ポイント制のもとでは、各年度に、従業員の職階と勤続年数に応じて付与されるポイントの累計数に基づいて給付額が計算されます。キャッシュバランス年金制度のもとでは、年金加入者の個人別勘定に、毎年の給与水準と市場連動金利に基づいて計算された金額が積立てられます。
当社及び一部の国内子会社は、平成25年度に、従来の確定給付年金制度について、平成25年7月1日以降の積立分(将来分)を確定拠出年金制度へ移行しています。
① 確定給付制度債務の現在価値
確定給付制度債務の現在価値の変動は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
期首残高 | 2,528,512 | 2,410,394 |
当期勤務費用 | 12,381 | 11,873 |
利息費用 | 19,208 | 21,678 |
確定給付制度の再測定 | ||
人口統計上の仮定の変更により生じた 数理計算上の差異 | 792 | 5,132 |
財務上の仮定の変更により生じた 数理計算上の差異 | △53,543 | △43,024 |
その他 | △87 | 3,229 |
給付額 | △112,073 | △111,927 |
為替換算差額 | △6,839 | 514 |
過去勤務費用 | △528 | △1,047 |
清算 | △7,808 | △11,377 |
企業結合及び処分による増減 | 30,379 | 3,860 |
期末残高 | 2,410,394 | 2,289,305 |
当期勤務費用は、連結損益計算書の「売上原価」または「販売費及び一般管理費」に含めています。
利息費用は、連結損益計算書の「金融費用」に含めています。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、いずれも17年です。
確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定は、次のとおりです。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
割引率 | 0.9% | 0.8% |
昇給率 | 3.6% | 3.6% |
前述の重要な数理計算上の仮定のうち、確定給付制度債務の現在価値の計算は、特に割引率の仮定の影響を受けやすくなっています。他の仮定に変化がないとして、割引率が変動した場合に確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
仮定の変動 | 確定給付制度債務の現在価値への影響 | |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
0.5%の上昇 | 155,025(減少) | 141,044(減少) |
0.5%の低下 | 169,005(増加) | 156,974(増加) |
感応度分析は他の仮定に変化がないことを前提としており、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
なお、昇給率については重要な変動を見込んでいません。
② 制度資産の公正価値
各年金制度は異なる投資方針を有し、受給者に対する将来の年金給付に対応できる十分な制度資産を確保すべく策定されており、継続的にその準拠性及び適切性を個別に監視しています。また、当社は、年金制度ごとに、制度資産の長期的な期待収益率を考慮した上で、資本性金融商品及び負債性金融商品の最適な組み合わせからなる「基本」ポートフォリオを策定しています。制度資産は、中長期的な期待収益を生み出すべく、「基本」ポートフォリオの指針に基づいて個別の資本性金融商品及び負債性金融商品に投資されます。当社は、この「基本」ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、制度資産の長期的な期待収益と実際の運用収益との乖離幅を毎年検証しています。当社は、制度資産の長期的な期待収益率を達成するために必要に応じて「基本」ポートフォリオの見直しを行います。
当社の制度資産は約25%を資本性金融商品、約45%を負債性金融商品で運用し、生命保険会社の一般勘定などのその他資産で約30%を運用しています。
当社の主要な年金制度において、資本性金融商品は主に上場株式であり、日本株式、他の先進国の株式、エマージング市場株式など幅広く分散されています。負債性金融商品は主に国債・公債、社債から構成されており、格付けがトリプルB格以上、流動性が高く、償還日が適切であるなどの発行条件に制限し、種類、地理など適切な分散投資を行っています。生命保険会社の一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されています。その他の投資にはファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資、プライベートエクイティ投資等が含まれています。ファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資は、主に頻繁に取引される上場株式・債券を投資対象とし、より安定的に収益を得られることを目指しています。プライベートエクイティ投資は、相関関係が低い資産に分散しています。
制度資産の公正価値の変動は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
期首残高 | 1,958,782 | 1,959,308 |
利息収益 | 15,218 | 18,457 |
確定給付制度の再測定 | ||
制度資産に係る収益 | 49,288 | 57,062 |
事業主拠出 | 37,505 | 30,642 |
給付額 | △107,182 | △108,993 |
為替換算差額 | △6,084 | 1,683 |
清算 | △7,341 | - |
企業結合及び処分による増減 | 19,122 | 1,416 |
期末残高 | 1,959,308 | 1,959,575 |
なお、当社は、翌連結会計年度に44,120百万円の掛金を拠出する予定です。
制度資産の種類別の公正価値は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(単位:百万円) |
活発な市場における 公表市場価格があるもの | 活発な市場における 公表市場価格がないもの | 合計 | |
現金及び現金同等物 | 214,981 | - | 214,981 |
資本性金融商品 | |||
国内株式 | 20,821 | - | 20,821 |
外国株式 | 51,086 | - | 51,086 |
信託合同口・投資信託(注1) | - | 416,334 | 416,334 |
負債性金融商品 | |||
国債・公債 | 44,822 | - | 44,822 |
社債 | - | 8,217 | 8,217 |
信託合同口(注2) | - | 788,360 | 788,360 |
生命保険会社の一般勘定 | - | 299,011 | 299,011 |
その他(注3) | - | 115,676 | 115,676 |
合計 | 331,710 | 1,627,598 | 1,959,308 |
(ⅱ)当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(単位:百万円) |
活発な市場における 公表市場価格があるもの | 活発な市場における 公表市場価格がないもの | 合計 | |
現金及び現金同等物 | 272,015 | - | 272,015 |
資本性金融商品 | |||
国内株式 | 55,096 | - | 55,096 |
外国株式 | 44,612 | - | 44,612 |
信託合同口・投資信託(注1) | - | 376,448 | 376,448 |
負債性金融商品 | |||
国債・公債 | 46,313 | - | 46,313 |
社債 | - | 8,293 | 8,293 |
信託合同口(注2) | - | 754,340 | 754,340 |
生命保険会社の一般勘定 | - | 287,249 | 287,249 |
その他(注3) | - | 115,209 | 115,209 |
合計 | 418,036 | 1,541,539 | 1,959,575 |
(注1) 信託合同口・投資信託は主に上場株式に投資し、約45%を国内株式、約55%を外国株式に運用しています。
(注2) 信託合同口は主に日本国債と外国国債に投資しています。
(注3) 主にファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資が含まれています。
③ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の変動は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
期首における影響額 | 4,240 | 5,461 |
利息費用 | 24 | 36 |
確定給付制度の再測定 | ||
資産上限額の影響の変動 | 1,197 | 1,144 |
期末における影響額 | 5,461 | 6,641 |
(注) 確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産(その他の非流動資産)は確定給付制度に対する将来掛金の減額という形による利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。
④ 連結財政状態計算書において認識している資産及び負債
確定給付制度について連結財政状態計算書に計上している資産及び負債の金額は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
確定給付制度債務の現在価値 | 2,410,394 | 2,289,305 |
制度資産の公正価値 | 1,959,308 | 1,959,575 |
資産上限額の影響 | 5,461 | 6,641 |
合計 | 456,547 | 336,371 |
連結財政状態計算書上の金額 | ||
退職給付に係る負債 | 467,749 | 349,873 |
退職給付に係る資産 | 11,202 | 13,502 |
純額 | 456,547 | 336,371 |
(2)確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ33,751百万円及び33,729百万円です。
(3)従業員給付費用
連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,569,172百万円及び1,678,632百万円です。
18.引当金
当連結会計年度における引当金の増減内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
製品保証引当金 | 構造改革引当金 | その他 | 合計 | |
平成29年3月31日残高 | 51,458 | 3,627 | 279,855 | 334,940 |
期中増加額 | 24,024 | 5,694 | 80,190 | 109,908 |
期中減少額(目的使用) | △23,927 | △7,964 | △99,323 | △131,214 |
その他 | △2,446 | - | △15,017 | △17,463 |
平成30年3月31日残高 | 49,109 | 1,357 | 245,705 | 296,171 |
引当金の流動、非流動区分ごとの内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
流動負債 | 317,261 | 285,954 |
非流動負債 | 17,679 | 10,217 |
合計 | 334,940 | 296,171 |
製品保証引当金は、製品及びサービスの品質・性能につき、一定期間の品質保証をしており、そのアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見込額を過去の実績を基礎にして計上しています。
構造改革引当金は、国内外における経営効率改善やコスト効率化を目的として実施する構造改革活動に係る費用を見積り、引当計上したものです。支払時期は、将来の事業計画等の影響を受けますが、通常、発生から1年以内に完了する短期的性質のものです。
その他の引当金は、主に不利な契約に係る引当金、環境改善に係る引当金、訴訟等に係る引当金及び販売促進に係る引当金です。
不利な契約に係る引当金は、一部の子会社における、特定の原材料を平成32年までの期間にわたり購入する契約に係るものです。
環境改善に係る引当金は、当社の工場及び工場跡地に埋設されている可能性があるPCBを使用した電子機器等(以下、PCB機器)を、PCB特別措置法に基づいて平成39年3月31日までに適正に処理するために、PCB機器が工場に埋設されているか否かの調査等の必要な対処(掘り起こし、既に発見されたPCB機器の保管及び処理、並びに土壌浄化を含む)に係る総費用を見積り、引当計上したものです。
訴訟等に係る引当金は、当社及び当社の一部の子会社が関与している訴訟や政府機関の調査に係るものです。訴訟や調査の結果によっては、当社と複数の子会社に損害賠償金や制裁金が課される可能性があるため、金額は不確定であるものの、合理的に見積り可能な金額を引当計上しています。この中には、当社米国子会社のパナソニック アビオニクス㈱(以下、「PAC」)のアビオニクス事業に関するものが含まれています。当社及びPACは、PACによる航空会社との特定の取引及びその取引に関連するエージェントやコンサルタントの起用に関する活動について、米国証券取引委員会及び米国司法省(以下、「米国政府当局」)から、連邦海外腐敗行為防止法及び米国証券関連法に基づく調査を受けていましたが、平成30年5月に、米国政府当局との間で、総額280,602,830.93米ドルの支払いについて合意しました。
販売促進に係る引当金は、販売諸施策に基づき、流通過程における商品等の販売促進に係る総費用を見積り、引当計上したものです。
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。なお、デリバティブ負債は純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(ヘッジ会計が適用されているものを除く)、デリバティブ負債以外のその他の金融負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
デリバティブ負債 | 21,896 | 15,805 |
未払金 | 102,070 | 98,523 |
預り金 | 199,100 | 183,920 |
その他 | 6,559 | 25,352 |
合計 | 329,625 | 323,600 |
うち流動負債 | 329,625 | 304,977 |
うち非流動負債 | - | 18,623 |
20.その他の負債
その他の負債の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
未払費用 | 538,281 | 546,024 |
未払人件費等 | 201,848 | 226,158 |
前受金・前受収益 | 107,021 | 111,403 |
その他 | 34,277 | 35,887 |
合計 | 881,427 | 919,472 |
うち流動負債 | 865,389 | 907,756 |
うち非流動負債 | 16,038 | 11,716 |
21.資本
(1)資本管理
当社は、経営活動における資金運用と原資調達の方法・条件等を管理して、投下資金の効率向上による資金コスト軽減と財務構造の安定良化を図ることを基本方針としています。
また、事業収益力強化並びに継続的な在庫削減、設備投資の絞込み、保有資産の見直し等によりフリーキャッシュ・フローを創出・向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。
当社が資本管理として用いる主な指標は、次のとおりです。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
ネット資金(注1) | 196,587百万円 | △91,902百万円 |
親会社所有者帰属持分比率 | 26.3% | 27.1% |
親会社所有者帰属持分当期純利益率 | 9.9% | 14.4% |
フリーキャッシュ・フロー(注2) | △34,746百万円 | △35,646百万円 |
設備投資額(注3) | 311,641百万円 | 392,234百万円 |
減価償却費 | 224,405百万円 | 226,576百万円 |
(注1) 「現金及び現金同等物」及び「その他の金融資産」に含まれる定期預金等の合計から有利子負債(「短期負債及び一年以内返済長期負債」及び「長期負債」の合計)を差し引いて算出しています。
(注2) 営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
(注3) 「有形固定資産」の発生ベースの増加額です。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)資本金
当社の発行可能株式総数及び発行済株式数は次のとおりです。
なお、当社が発行する株式はすべて無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
(単位:株) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
発行可能株式総数 | 4,950,000,000 | 4,950,000,000 |
発行済株式数 | ||
期首残高 | 2,453,053,497 | 2,453,053,497 |
期中増減 | - | - |
期末残高 | 2,453,053,497 | 2,453,053,497 |
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ120,648,723株及び120,718,303株です。
(3)資本剰余金及び利益剰余金
わが国の会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金額の25%に達するまで、剰余金が配当により減少する金額の10%を資本準備金または利益準備金として積立てることが要求されています。資本準備金及び利益準備金は、配当原資とすることはできませんが、株主総会の決議を経て資本剰余金、その他の剰余金または資本金に振り替えることが可能です。
また、取得した自己株式については、分配可能額の計算に含めることが制限されています。取得した自己株式に関して、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ210,791百万円及び210,896百万円を分配可能額の計算に含めることが制限されています。
(4)その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の内訳及び増減内容は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
純損益に振り替えられる ことのない項目 | 純損益に振り替えられる可能性のある項目 | 合計 | ||||
確定給付制度の再測定 | その他の包括 利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | 在外営業活動体の換算差額 | キャッシュ・ フロー・ヘッジの公正価値の 純変動 | 有価証券 未実現損益 | ||
平成28年3月31日残高 | - | - | △149,473 | △1,175 | 42,726 | △107,922 |
当期発生額 | ||||||
税効果調整前 | 100,929 | 7,452 | △65,807 | △3,865 | - | 38,709 |
税効果額 | △27,416 | △3,192 | - | 1,202 | - | △29,406 |
税効果調整後 | 73,513 | 4,260 | △65,807 | △2,663 | - | 9,303 |
純損益への振替額 | ||||||
税効果調整前 | - | - | 4,503 | 5,294 | - | 9,797 |
税効果額 | - | - | - | △1,667 | - | △1,667 |
税効果調整後 | - | - | 4,503 | 3,627 | - | 8,130 |
その他の包括利益 -税効果調整後 (△は損失) | 73,513 | 4,260 | △61,304 | 964 | - | 17,433 |
非支配持分への帰属 | △492 | 33 | △7,671 | 31 | - | △8,099 |
ヘッジ対象の非金融資産への振替 | - | - | - | 0 | - | 0 |
利益剰余金への振替 | △74,005 | 1,135 | - | - | - | △72,870 |
新会計基準適用による累積的影響額 | - | 33,354 | - | - | △42,726 | △9,372 |
平成29年3月31日残高 | - | 38,716 | △203,106 | △242 | - | △164,632 |
当期発生額 | ||||||
税効果調整前 | 90,581 | 8,496 | △10,797 | △1,387 | - | 86,893 |
税効果額 | △28,919 | △2,051 | - | 487 | - | △30,483 |
税効果調整後 | 61,662 | 6,445 | △10,797 | △900 | - | 56,410 |
純損益への振替額 | ||||||
税効果調整前 | - | - | 3,945 | 3,585 | - | 7,530 |
税効果額 | - | - | - | △1,059 | - | △1,059 |
税効果調整後 | - | - | 3,945 | 2,526 | - | 6,471 |
その他の包括利益 -税効果調整後 (△は損失) | 61,662 | 6,445 | △6,852 | 1,626 | - | 62,881 |
非支配持分への帰属 | 102 | 35 | 6,397 | 6 | - | 6,540 |
ヘッジ対象の非金融資産への振替 | - | - | - | △561 | - | △561 |
利益剰余金への振替 | △73,314 | 2,153 | - | - | - | △71,161 |
非支配持分との取引等 | 11,754 | - | - | - | - | 11,754 |
平成30年3月31日残高 | - | 47,279 | △216,355 | 817 | - | △168,259 |
(5)配当
① 前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
(ⅰ)配当金の支払額
決議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 配当の原資 | 1株当たり 配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 |
平成28年4月28日 取締役会 | 普通株式 | 34,815 | 利益剰余金 | 15.0 | 平成28年3月31日 | 平成28年6月3日 |
平成28年10月31日 取締役会 | 普通株式 | 23,210 | 利益剰余金 | 10.0 | 平成28年9月30日 | 平成28年11月30日 |
(ⅱ)基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
決議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 配当の原資 | 1株当たり 配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 |
平成29年5月11日 取締役会 | 普通株式 | 34,986 | 利益剰余金 | 15.0 | 平成29年3月31日 | 平成29年6月8日 |
② 当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(ⅰ)配当金の支払額
決議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 配当の原資 | 1株当たり 配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 |
平成29年5月11日 取締役会 | 普通株式 | 34,986 | 利益剰余金 | 15.0 | 平成29年3月31日 | 平成29年6月8日 |
平成29年10月31日 取締役会 | 普通株式 | 23,324 | 利益剰余金 | 10.0 | 平成29年9月30日 | 平成29年11月30日 |
(ⅱ)基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
決議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 配当の原資 | 1株当たり 配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 |
平成30年5月10日 取締役会 | 普通株式 | 46,647 | 利益剰余金 | 20.0 | 平成30年3月31日 | 平成30年6月8日 |
22.株式報酬制度
(1)株式報酬制度の内容
当社は、当社株主と株価変動のメリットとリスクを共有し、長期的な業績向上及び企業価値向上に向けた動機付けを従来以上に高めることを目的として、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対し、株式報酬型ストックオプション(新株予約権)を導入しています。
この制度のもとで付与される新株予約権は付与日に完全に権利確定となります。新株予約権は、行使できる期間内において、当社の取締役、役員及びこれらに準ずる地位を喪失した日(以下、「地位喪失日」という)の翌日以降、行使できます。なお、平成28年度8月及び平成29年度8月発行新株予約権については、地位喪失日の翌日、または、新株予約権の割当日の翌日から3年間を経過した日の翌日のいずれか早い日から行使できます。また、新株予約権の行使価格は1円です。
新株予約権を行使した場合、原則として、新株予約権1個当たり当社普通株式100株が付与されます。ただし、当社が当社普通株式の株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む)または株式併合を行う場合には、一定の算式により付与株式数を調整します。
行使期間は割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該新株予約権は失効します。
前連結会計年度及び当連結会計年度において存在する当社のストックオプションは、次のとおりです。
名称 | 付与日 | 付与数 | 付与日における 新株予約権1個 当たり公正価値 | 行使期間 |
パナソニック株式会社 平成26年度8月発行 新株予約権 | 平成26年8月22日 | 2,088個 | 105,400円 | 自 平成26年8月23日 至 平成56年8月22日 |
パナソニック株式会社 平成27年度8月発行 新株予約権 | 平成27年8月20日 | 1,729個 | 112,400円 | 自 平成27年8月21日 至 平成57年8月20日 |
パナソニック株式会社 平成28年度8月発行 新株予約権 | 平成28年8月23日 | 5,800個 | 71,300円 | 自 平成28年8月24日 至 平成58年8月23日 |
パナソニック株式会社 平成29年度8月発行 新株予約権 | 平成29年8月23日 | 3,561個 | 112,800円 | 自 平成29年8月24日 至 平成59年8月23日 |
(2)ストックオプション数の変動及び加重平均行使価格
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
オプション数 (個) | 加重平均行使価格(円) | オプション数 (個) | 加重平均行使価格(円) | |
期首未行使残高 | 3,793 | 1 | 9,593 | 1 |
期中付与 | 5,800 | 1 | 3,561 | 1 |
期中失効 | ― | ― | ― | ― |
期中行使 | ― | ― | △30 | 1 |
期中満期消滅 | ― | ― | ― | ― |
期末未行使残高 | 9,593 | 1 | 13,124 | 1 |
期末行使可能残高 | 503 | 1 | 2,904 | 1 |
前連結会計年度において行使されたストックオプションはありません。当連結会計年度において期中行使されたストックオプションの行使日における加重平均株価は、1,719円です。
また、未行使のストックオプションの行使価格は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも1円であり、加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、期末未行使残高については27.6年及び23.8年、期末行使可能残高については7.9年及び8.2年です。
(3)期中に付与されたストックオプションの公正価値の測定方法
① 使用した評価技法
ブラック・ショールズ・モデル
② 付与時の公正価値及び主なインプット
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
名称 | パナソニック株式会社 平成28年度8月発行新株予約権 | パナソニック株式会社 平成29年度8月発行新株予約権 | ||
公正価値 | 713円 | 1,128円 | ||
付与日の株価 (注1) | 1,028.0円 | 1,459.5円 | ||
行使価格 | 1円 | 1円 | ||
予想残存期間 | 15年 | 15年 | ||
予想ボラティリティ | 35.39% | (注2) | 34.75% | (注3) |
無リスクの利子率 (注4) | 0.06% | 0.28% | ||
配当利回り | 2.43% | (注5) | 1.71% | (注6) |
(注1) 付与日の東京証券取引所における当社普通株式の終値を使用しています。
(注2) 15年間(平成13年8月23日から平成28年8月23日まで)の各取引日における当社普通株式の普通取引の終値に基づき算出しています。
(注3) 15年間(平成14年8月23日から平成29年8月23日まで)の各取引日における当社普通株式の普通取引の終値に基づき算出しています。
(注4) 残存年数が予想残存期間(15年)に対応する付与日の日本国債の利子率を使用しています。
(注5) 「1株当たりの配当金(平成27年度の実績配当金)÷付与日の株価」として算出しています。
(注6) 「1株当たりの配当金(平成28年度の実績配当金)÷付与日の株価」として算出しています。
(4)株式報酬費用
株式報酬に関して計上された費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ414百万円及び402百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めています。
23.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
従業員給付費用 | 815,348 | 861,131 |
広告宣伝費 | 105,285 | 112,238 |
運送保管料 | 176,779 | 189,786 |
減価償却費及び償却費 | 82,449 | 84,947 |
その他 | 663,067 | 689,908 |
合計 | 1,842,928 | 1,938,010 |
24.研究開発費
研究開発費は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
研究開発費 | 436,130 | 448,879 |
25.その他の損益
前連結会計年度における「その他の損益」には、訴訟関連費用が14,867百万円、固定資産除売却損が8,671百万円、構造改革費用が6,336百万円、固定資産売却益が27,103百万円含まれています。
当連結会計年度における「その他の損益」には、品質対応費用・市場対策費用が18,127百万円、固定資産除売却損が6,566百万円、構造改革費用が5,694百万円、固定資産売却益が13,401百万円、一部の子会社における確定給付年金制度の清算に伴う利益が11,377百万円含まれています。
26.非金融資産の減損
(1)減損損失
有形固定資産、のれん及び無形資産に関するセグメント別の減損損失計上額は、以下のとおりで、連結損益計算書の「その他の損益」に含まれています。なお、セグメント別金額は、減損テストにおいて配分される資金生成単位が属するセグメント別の金額であり、内部管理上、各セグメントに配分される金額とは一致しません。また、前連結会計年度のセグメント別金額については、当連結会計年度のセグメント形態に合わせて組み替えて表示しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
アプライアンス | 2,480 | 270 |
エコソリューションズ | 24,725 | 8,599 |
コネクティッドソリューションズ | 8,513 | 5,871 |
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | 4,841 | 7,250 |
その他 | 5,309 | 4,782 |
連結計 | 45,868 | 26,772 |
前連結会計年度において、当社は、「エコソリューションズ」セグメントに帰属する一部の事業の無形資産等に関して減損損失を計上しました。これは、事業環境の悪化に伴い、当該事業資産の帳簿価額が将来キャッシュ・フローによって回収できないと見込まれたことによるものです。処分費用控除後の公正価値は、免除ロイヤリティ法や超過収益法等により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。
当連結会計年度において、当社は、「エコソリューションズ」セグメントに帰属する一部の事業の無形資産等に関して減損損失を計上しました。これは、事業環境の悪化に伴い、当該事業資産の帳簿価額が将来キャッシュ・フローによって回収できないと見込まれたことによるものです。処分費用控除後の公正価値は、免除ロイヤリティ法や超過収益法等により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。
(2)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産
① 減損テスト
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストにおける各資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。
各資金生成単位に配分されたのれん及び耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要なものは、「アプライアンス」セグメントに帰属するハスマン事業部に係るのれん及び商標です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は、それぞれ91,026百万円及び82,148百万円、商標の帳簿価額は、それぞれ29,506百万円及び25,179百万円です。
個別に重要なのれん及び商標が配分された資金生成単位の回収可能価額は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法及び類似上場会社比較法に基づく処分費用控除後の公正価値により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。ディスカウント・キャッシュ・フロー法は、取締役会が承認した直近の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。将来見通しの予測期間は5年で、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しています。成長率は、当該資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも2.1%です。割引率は、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12.7%及び11.7%(税引前)です。なお、処分費用控除後の公正価値は、帳簿価額を十分に上回っており、上記の減損判定に用いた主要な仮定(成長率、割引率等)が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、当該資金生成単位において、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しています。
② のれん
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、各資金生成単位に配分されたのれんのうち、個別に重要でないものの帳簿価額の合計は、それぞれ295,861百万円及び326,155百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、それぞれ10,068百万円及び3,256百万円です。
③ 耐用年数を確定できない無形資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、各資金生成単位に配分された耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要でないものの帳簿価額の合計は、それぞれ14,141百万円及び16,393百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、重要ではありません。
27.金融収益及び金融費用
(1)金融収益
金融収益の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
受取配当金 | ||
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | 1,857 | 2,250 |
受取利息 | ||
償却原価で測定する金融資産 | 16,956 | 20,522 |
為替差益 | 3,019 | - |
合計 | 21,832 | 22,772 |
(2)金融費用
金融費用の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
支払利息 | ||
償却原価で測定する金融負債 | 19,536 | 18,526 |
従業員給付に係る利息純額 | 4,014 | 3,257 |
為替差損 | - | 2,938 |
合計 | 23,550 | 24,721 |
(3)金融資産の譲渡
当社は、売上債権等の金融資産を、非連結の組成された事業体に譲渡しています。当該事業体は第三者である金融機関によって組成され、それらの金融機関が事業の一環として運営しており、当社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社の関連性は低いと判断しています。
当社は、これらの組成された事業体への契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っておりません。これらの組成された事業体に対する関与の主な内容は、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、全体の認識が中止された売上債権等の譲渡による譲渡損失は、それぞれ1,461百万円及び2,066百万円です。当該損失は、支払利息として連結損益計算書の「金融費用」に含まれています。
当社は、全体の認識が中止された金融資産に対してサービス業務提供の義務を留保していますが、サービス業務提供の費用と受取手数料の額に重要性は無いため、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、サービス業務資産及び負債を計上していません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失の最大エクスポージャーは、譲渡された資産を限られた特定の条件下で買い戻す義務の残高の合計であるそれぞれ14,205百万円及び23,694百万円です。
28.1株当たり情報
1株当たり親会社所有者帰属持分は、次のとおりです。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
1株当たり親会社所有者帰属持分 | 673円93銭 | 732円12銭 |
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益及び希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益の調整計算は、次のとおりです。
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 149,360百万円 | 236,040百万円 |
期中平均普通株式数 | 2,321,856,424株 | 2,332,366,262株 |
希薄化効果 | ||
ストックオプションによる普通株式増加数 | 765,265株 | 1,195,184株 |
希薄化後の期中平均普通株式数 | 2,322,621,689株 | 2,333,561,446株 |
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 64円33銭 | 101円20銭 |
希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 64円31銭 | 101円15銭 |
29.金融商品
(1)財務上のリスク管理方針
当社は、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、市場リスク)にさらされており、これらのリスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。
また、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機的なデリバティブを保有または発行していません。
(2)信用リスク管理
当社は、主に、営業債権及びリース債権に係る顧客の信用リスク、為替リスク及び商品価格の変動リスクをヘッジするために保有するデリバティブに係る取引相手である金融機関の信用リスクにさらされています。
営業債権及びリース債権については、与信管理に関する社内規程に従い、取引先の経営内容の把握や信用度の判定を行って取引の適否を検討するとともに、取引開始後は、債権管理に関する社内規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、取引の経過、回収の内容、債権残高の推移動向を継続して記録管理し、また、取引先の経営内容・動向等の情報を積極的に収集することで、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。
また、デリバティブ取引については、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、契約相手の信用度が高いことから、信用リスクは小さいと考えています。
保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない連結会計年度末における信用リスクに対する最大エクスポージャーは、「27. 金融収益及び金融費用」に記載された認識の中止を行った金融資産、債務保証を除き、連結財政状態計算書における金融資産の帳簿価額です。なお、当社は、関連会社及び取引先の外部借入金等について、それらの信用補完のために債務保証をしています。これらの債務保証先が債務不履行となった場合、当社に支払債務が発生します。この場合に当社が負うと予想される債務の総額は、当連結会計年度末において、最大39,729百万円です。
① 貸倒引当金の増減
当社では、営業債権及びリース債権と、営業債権及びリース債権以外の債権等に区分して貸倒引当金の金額を算定しています。
営業債権及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しています。営業債権及びリース債権以外の債権等については、原則として12ヵ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上していますが、契約で定められた弁済条件を履行できない場合には、それが相手先の事務処理上の誤りによるものである場合等を除き、信用リスクが当初認識時点より著しく増加したものとして、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上することとしています。
また、いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産として取り扱っています。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しています。
貸倒引当金の金額は、次のように算定しています。
・営業債権及びリース債権
当該債権を弁済期日の経過日数に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定しています。
・営業債権及びリース債権以外の債権等
信用リスクが著しく増加していると判定されていない資産については、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しています。ただし、信用リスクが著しく増加していると判定された資産及び信用減損金融資産に該当する場合には、当該資産に係る回収見込額を個別に見積り、当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、帳簿価額との間の差額をもって算定しています。
貸倒引当金の増減は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
期首 | 22,201 | 20,636 |
期中増加額 | 4,210 | 3,933 |
期中減少額(目的使用) | △1,735 | △2,768 |
期中減少額(戻入) | △3,650 | △2,538 |
その他 | △390 | △60 |
期末 | 20,636 | 19,203 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において初めて認識した金融資産について、当初認識時点で貸倒引当金を計上したものは重要ではありません。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
② 貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額の総額
貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額の総額は、次のとおりです。
(ⅰ)営業債権及びリース債権
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
期日経過なし | 818,506 | 1,023,482 |
期日経過後3ヵ月以内 | 21,057 | 99,134 |
期日経過後3ヵ月超1年以内 | 17,532 | 6,263 |
期日経過後1年超 | 10,544 | 4,892 |
合計 | 867,639 | 1,133,771 |
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、報告期間中に直接償却されたものの依然として回収活動の対象となっている金融資産の契約残高に重要性はありません。
(ⅱ)営業債権及びリース債権以外の債権等
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業債権及びリース債権以外の債権等については、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
(3)流動性リスク管理
流動性リスクは、当社が、期限の到来した金融負債の返済義務を履行することができなくなるリスクです。当社では、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針とし、事業を推進しています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資等のため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
主な金融負債の期日別の残高は、次のとおりです。
① 前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の金額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | |||||
営業債務 | 955,965 | 955,965 | 955,965 | - | - |
短期負債及び一年以内返済長期負債 | 177,038 | 179,416 | 179,416 | - | - |
長期負債 | 946,966 | 974,056 | - | 658,541 | 315,515 |
合計 | 2,079,969 | 2,109,437 | 1,135,381 | 658,541 | 315,515 |
デリバティブ負債 | 21,896 | 21,896 | 21,896 | - | - |
② 当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の金額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | |||||
営業債務 | 1,146,476 | 1,146,476 | 1,146,476 | - | - |
短期負債及び一年以内返済長期負債 | 375,392 | 378,023 | 378,023 | - | - |
長期負債 | 864,052 | 883,695 | - | 567,949 | 315,746 |
その他の金融負債 | 18,623 | 20,687 | - | 1,501 | 19,186 |
合計 | 2,404,543 | 2,428,881 | 1,524,499 | 569,450 | 334,932 |
デリバティブ負債 | 15,805 | 15,805 | 15,805 | - | - |
(4)市場リスク管理
当社は国際的に事業を展開し、為替レート、金利及び商品価格の変動から生ずる市場リスクにさらされています。当社はこれらのリスク変動を継続的に監視し、ヘッジの機会を検討することによって、これらのリスクを評価しています。
① 為替リスク
外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受けるため、それにより、当社の事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社は、主に為替予約等のデリバティブの利用により、為替リスクの緩和に努めています。
(ⅰ)為替リスクのエクスポージャー
当社における為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは、次のとおりです。なお、デリバティブにより為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
米ドル(千米ドル) | 820,519 | 948,552 |
ユーロ(千ユーロ) | 101,639 | 84,640 |
人民元(千人民元) | 39,537 | 51,489 |
(ⅱ)為替変動リスクの感応度分析
当社が各連結会計年度末に保有する外貨建て金融商品において、日本円が、米ドル、ユーロ及び人民元に対してそれぞれ1%円高になった場合に、税引前利益に与える影響額は、次のとおりです。なお、日本円が米ドル、ユーロ及び人民元に対してそれぞれ1%円安になった場合は、以下の表と同額で反対の影響があります。
本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としています。
(単位:百万円)
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
米ドル | △921 | △1,008 |
ユーロ | △122 | △110 |
人民元 | △6 | △9 |
② 金利リスク
有利子負債は主に固定金利により調達している社債及び借入金であり、金利リスクは当社のキャッシュ・フローにとって重要ではありません。
③ 商品価格の変動リスク
当社は、長期の購買契約に基づいて非鉄金属等の原材料を調達しており、相場変動等による商品価格の変動リスクにさらされています。当社では、商品先物等のデリバティブの利用により、商品価格の変動リスクの緩和に努めています。
④ 市場価格の変動リスク
当社は、保有する国内外の企業等の株式から生じる株価変動リスクにさらされています。当社では、資本性金融商品について、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握し、保有状況を継続的に見直しています。
(5)デリバティブ及びヘッジ会計
当社が保有するデリバティブは、主に為替予約及び商品先物です。当社は、外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコスト及び価格の為替相場の変動による影響を、為替予約等でヘッジしています。また、長期の購買契約に基づく非鉄金属等の調達に係る相場変動等による商品価格の変動リスクを、商品先物等でヘッジしています。これらは、いずれもキャッシュ・フロー・ヘッジに該当します。
当社は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジ対象取引のキャッシュ・フローの変動がヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。
また、当社は、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。
なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定しています。
① 前連結会計年度
(ⅰ)連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、次のとおりです。
(為替リスクに係るもの)
ヘッジ手段 | 想定元本(合計) | 平均レート | 帳簿価額(注) (単位:百万円) | |
資産 | 負債 | |||
為替予約 | ||||
ドル売り/円買い | 760,867千米ドル | 112.05円/ドル | 180 | ― |
ユーロ売り/円買い | 206,941千ユーロ | 120.74円/ユーロ | 188 | ― |
ドル買い/円売り | 298,512千米ドル | 113.60円/ドル | ― | 555 |
ユーロ買い/円売り | 22,284千ユーロ | 120.18円/ユーロ | ― | 9 |
(注) 連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は「その他の金融負債」にそれぞれ含めています。
なお、当社が為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は最長で約6ヵ月です。
前連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、次のとおりです。
なお、前連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係はありません。
(単位:百万円) |
ヘッジ対象リスク | 前連結会計年度末 (平成29年3月31日) |
為替リスク | △1,512 |
商品価格の変動リスク | 1,270 |
合計 | △242 |
前連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
ヘッジ対象リスク | その他の包括利益に 計上したヘッジ損益 (税効果調整前) | その他の資本の 構成要素から純損益 への組替調整額 (税効果調整前) | 組替調整額の 連結損益計算書上 の表示科目 | ヘッジ対象の 資産の取得価額に 振り替えた金額 (税効果調整前) |
為替リスク | △2,166 | 5,544 | 金融収益(費用) | ― |
商品価格の変動リスク | △1,699 | △250 | 売上原価 | 0 |
前連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
前連結会計年度における、為替リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、すべてヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによるものです。商品価格の変動リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、商品先物の予定取引を中止したことによるものです。
② 当連結会計年度
(ⅰ)連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
当連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、次のとおりです。
(為替リスクに係るもの)
ヘッジ手段 | 想定元本(合計) | 平均レート | 帳簿価額(注) (単位:百万円) | |
資産 | 負債 | |||
為替予約 | ||||
ドル売り/円買い | 741,965千米ドル | 108.72円/ドル | 2,098 | ― |
ユーロ売り/円買い | 199,025千ユーロ | 134.11円/ユーロ | 704 | ― |
ドル買い/円売り | 634,231千米ドル | 108.80円/ドル | ― | 1,888 |
ユーロ買い/円売り | 4,069千ユーロ | 130.92円/ユーロ | ― | 2 |
(注) 連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は「その他の金融負債」にそれぞれ含めています。
なお、当社が為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は最長で約6ヵ月です。
当連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係はありません。
(単位:百万円) |
ヘッジ対象リスク | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) |
為替リスク | △178 |
商品価格の変動リスク | 995 |
合計 | 817 |
当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
当連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
ヘッジ対象リスク | その他の包括利益に 計上したヘッジ損益 (税効果調整前) | その他の資本の 構成要素から純損益 への組替調整額 (税効果調整前) | 組替調整額の 連結損益計算書上 の表示科目 | ヘッジ対象の 資産の取得価額に 振り替えた金額 (税効果調整前) |
為替リスク | △917 | 3,585 | 金融収益(費用) | ― |
商品価格の変動リスク | △470 | ― | 売上原価 | △810 |
当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
当連結会計年度における、為替リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、すべてヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによるものです。
(6)金融資産と金融負債の相殺
当社では、デリバティブ資産及びデリバティブ負債について、マスターネッティング契約またはそれに類似する契約に基づいて取引を行っており、契約当事者間で決済の不履行が起きた場合は、当該取引先に対する債権債務を純額で決済することとなっています。
前連結会計年度末における、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品はありません。また、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の金額は6,401百万円です。
当連結会計年度末における、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品はありません。また、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の金額は、5,518百万円です。
(7)金融商品の公正価値
① 公正価値と帳簿価額の比較
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
長期負債(一年以内返済長期負債を含む) | 1,107,550 | 1,120,226 | 980,129 | 990,684 |
公正価値は、市場価格または将来のキャッシュ・フローを連結会計年度末における観察可能な割引金利を使用して計算した現在価値に基づいて算定しており、すべてレベル2(「② 公正価値測定のヒエラルキー」参照)に分類しています。
上記以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。
② 公正価値測定のヒエラルキー
IFRS第13号「公正価値測定」では、公正価値を、その測定のために使われるインプット情報における外部からの観察可能性に応じて、次の3つのレベルに区分することが規定されています。
・レベル1:活発な市場における公表価格により測定された公正価値
・レベル2:レベル1以外の、観察可能なインプットを直接又は間接的に使用して算出された公正価値
・レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値測定のヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定の重要なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しています。
公正価値で測定される金融商品の内訳は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(平成29年3月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産: | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | ||||
為替予約 | - | 2,930 | - | 2,930 |
商品先物 | 11,793 | 993 | - | 12,786 |
小計 | 11,793 | 3,923 | - | 15,716 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
株式 | 96,683 | - | 25,412 | 122,095 |
その他 | - | 2,534 | - | 2,534 |
小計 | 96,683 | 2,534 | 25,412 | 124,629 |
合計 | 108,476 | 6,457 | 25,412 | 140,345 |
金融負債: | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ||||
為替予約 | - | 3,704 | - | 3,704 |
通貨スワップ | - | 23 | - | 23 |
商品先物 | 7,132 | 11,037 | - | 18,169 |
合計 | 7,132 | 14,764 | - | 21,896 |
(ⅱ)当連結会計年度末(平成30年3月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産: | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | ||||
為替予約 | - | 8,029 | - | 8,029 |
商品先物 | 6,710 | 1,346 | - | 8,056 |
小計 | 6,710 | 9,375 | - | 16,085 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
株式 | 96,416 | - | 32,634 | 129,050 |
その他 | - | 2,622 | - | 2,622 |
小計 | 96,416 | 2,622 | 32,634 | 131,672 |
合計 | 103,126 | 11,997 | 32,634 | 147,757 |
金融負債: | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ||||
為替予約 | - | 3,046 | - | 3,046 |
通貨スワップ | - | 16 | - | 16 |
商品先物 | 7,791 | 4,952 | - | 12,743 |
合計 | 7,791 | 8,014 | - | 15,805 |
レベル1に区分した市場性のある株式及び商品先物等は、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価格で評価しています。
レベル2に区分したデリバティブに含まれている為替予約、通貨スワップ、商品先物等は、評価技法を用いて評価され、為替レート及び商品先物市場価格などの観察可能な市場インプットを使用した価格モデルに基づき定期的に検証しています。
レベル3に区分した株式は非上場株式であり、当社の定める最も適切かつ関連性の高い入手可能なデータを利用するための方針と手続きに基づき、当該投資先の将来の収益性の見通し、純資産価額や当該投資先が保有する主要な資産等の定量的な情報を総合的に考慮した適切な評価方法により公正価値を測定しています。当該評価の合理性については、会計担当部門が様々な手法を用いて検証しており、部門管理者の承認を受けています。なお、検証の具体的な手法には、外部評価機関の利用が含まれています。
レベル3に区分した金融商品について、観察可能ではないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれていません。
レベル間の振替は、振替を生じさせた事象または状況の変化が生じた日に認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値測定のヒエラルキーのレベル3に分類された経常的に公正価値で測定される金融商品の増減の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する 金融資産 | ||
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
期首残高 | 27,918 | 25,412 |
利得又は損失(注) | △5,592 | 3,796 |
購入 | 3,790 | 4,908 |
売却 | △704 | △1,482 |
期末残高 | 25,412 | 32,634 |
(注) 利得又は損失は、前連結会計年度末時点及び当連結会計年度末時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含めています。
30.主要な子会社
(1)当社グループの構成
当連結会計年度末における当社の主要な子会社は、次のとおりです。
主要な子会社 | 主要な事業の内容 | 所在地 | 議決権の 所有割合 (%) |
パナホーム㈱ (注1) | その他 | 日本 | 100.0 |
パナソニック スマートファクトリー ソリューションズ㈱ | コネクティッドソリューションズ | 日本 | 100.0 |
パナソニック エコシステムズ㈱ | エコソリューションズ | 日本 | 100.0 |
ケイミュー㈱ (注3) | エコソリューションズ | 日本 | 50.0 |
パナソニック コンシューマー マーケティング㈱ | アプライアンス | 日本 | 100.0 |
パナソニック液晶ディスプレイ㈱ (注1) | オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | 日本 | 100.0 |
三洋電機㈱ | エコソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ、その他、全社 | 日本 | 100.0 |
パナソニック セミコンダクター ソリューションズ㈱ | オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | 日本 | 100.0 |
パナソニック システムソリューションズジャパン㈱ | コネクティッドソリューションズ | 日本 | 100.0 |
パナソニック ノースアメリカ㈱ | アプライアンス、エコソリューションズ、コネクティッドソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ、その他、全社 | アメリカ | 100.0 |
パナソニック アビオニクス㈱ | コネクティッドソリューションズ | アメリカ | 100.0 |
ハスマン㈱ | アプライアンス | アメリカ | 100.0 |
パナソニック ブラジル㈲ | アプライアンス、コネクティッドソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | ブラジル | 100.0 |
パナソニック ヨーロッパ㈱ | 全社 | イギリス | 100.0 |
フィコサ・インターナショナル㈱ (注2) | オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | スペイン | 69.0 |
パナソニックAVCネットワークス チェコ㈲ | アプライアンス | チェコ | 100.0 |
パナソニック ホールディング オランダ㈲ | 全社 | オランダ | 100.0 |
パナソニック アジアパシフィック㈱ | アプライアンス、エコソリューションズ、コネクティッドソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ、全社 | シンガポール | 100.0 |
パナソニック インド㈱ | アプライアンス、コネクティッドソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | インド | 100.0 |
パナソニック台湾㈱ | アプライアンス、エコソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ、全社 | 台湾 | 69.8 |
パナソニック チャイナ㈲ | アプライアンス、エコソリューションズ、コネクティッドソリューションズ、全社 | 中国 | 100.0 |
パナソニックAPエアコン広州㈲ | アプライアンス | 中国 | 67.8 |
パナソニックAS大連㈲ | オートモーティブ&インダストリアルシステムズ | 中国 | 60.0 |
「主要な事業の内容」の欄には、セグメントの名称を記載しています。なお、セグメントに帰属しない会社については、販売会社は取扱っている商品のセグメントの名称を記載し、それ以外の会社は「全社」と記載しています。
(注)1. 当連結会計年度において、持分の追加取得により、パナホーム㈱及びパナソニック液晶ディスプレイ㈱の議決権所有割合は、100%となりました。
2. フィコサ・インターナショナル㈱は、当連結会計年度より、連結子会社となりました。
これらを除いて、前連結会計年度末から当連結会計年度末までに、主要な子会社及び議決権の所有割合に重要な変動はありません。
3. 当社が所有するケイミュー㈱の議決権割合は50.0%ですが、主要な製品の製造及び販売活動への関与を通じて実質的に支配しているため、連結子会社としています。
(2)重要性のある非支配持分を有する子会社
当社の子会社のうち重要性のある非支配持分を有する会社の要約財務諸表等は、次のとおりです。なお、要約財務諸表はグループ内取引を消去する前の金額です。
また、パナホーム㈱については、当連結会計年度において持分を追加取得したことにより当連結会計年度末においては非支配持分が存在しないため、当連結会計年度の要約財務諸表については記載していません。
パナホーム㈱(同社及びその傘下子会社)
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | |
非支配持分が保有する持分比率 | 45.5% |
(単位:百万円)
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | |
流動資産 | 222,364 |
非流動資産 | 56,692 |
流動負債 | 105,210 |
非流動負債 | 14,889 |
非支配持分の累積額 | 52,104 |
(単位:百万円)
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | |
売上高 | 359,607 |
当期純利益 | 7,727 |
その他の包括利益 | 233 |
当期包括利益 | 7,960 |
非支配持分に配分された当期純利益 | 3,272 |
非支配持分に支払われた配当 | 1,615 |
(3)支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動
支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動のうち、重要なものは次のとおりです。
当連結会計年度において、当社は連結子会社であるパナホーム㈱に対する持分を追加取得し、完全子会社としました。当該追加取得に伴う「非支配持分との取引」の概要は、次のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
取得した非支配持分の帳簿価額 | 49,184 |
非支配持分に支払った対価 | 92,788 |
親会社の所有者に帰属する持分の減少 | 43,604 |
当連結会計年度において、当社は連結子会社であるパナソニック液晶ディスプレイ㈱に対する持分を追加取得し、完全子会社としました。これにより、親会社の所有者に帰属する持分は20,718百万円減少しています。
31.関連当事者
(1)関連会社及び共同支配企業との取引
当社と関連会社及び共同支配企業との取引及び債権債務残高は、次のとおりです。
なお、関連会社及び共同支配企業との取引は、独立第三者間取引を基礎とした一般的な取引条件で行っています。
① 関連会社及び共同支配企業に対する当社の債権残高及び債務残高
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度末 (平成30年3月31日) | |
関連会社 | ||
債権残高 | 17,153 | 21,935 |
債務残高 | 69,330 | 70,563 |
共同支配企業 | ||
債権残高 | 78 | - |
債務残高 | 40 | - |
② 関連会社及び共同支配企業に対する当社の売上高及び購入高
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
関連会社 | ||
売上高 | 127,176 | 119,178 |
購入高 | 274,336 | 292,565 |
共同支配企業 | ||
売上高 | - | - |
購入高 | 94 | - |
(2)主要な経営幹部の報酬
当社の主要な経営幹部(取締役及び社外取締役)に対する報酬は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
基本報酬 | 937 | 736 |
業績連動報酬 | 308 | 239 |
株式報酬型ストックオプション | 295 | 178 |
合計 | 1,540 | 1,153 |
32.非資金取引
重要な非資金取引は、次のとおりです。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
新規のファイナンス・リースによる 有形固定資産の取得 | 3,393 | 3,273 |
株式交換による自己株式の減少額 | 20,055 | - |
33.資産の取得等に係るコミットメント
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における主な契約残高は、特定の原材料を平成32年までの期間にわたり購入する契約及び有形固定資産に関する購入契約等が含まれており、それぞれ126,338百万円及び90,823百万円です。
34.企業結合
前連結会計年度及び当連結会計年度における重要な企業結合は、以下のとおりです。それ以外の企業結合は、個別にも、合算しても、重要ではありません。
(1)前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
当社は、平成28年4月1日に、米国のハスマン㈱の全株式を保有するHussmann Parent Inc.(以下、両社と傘下子会社を含めて「ハスマン」という)のすべての株式を取得し、ハスマンの支配を獲得しました。
ハスマンは、業務用冷凍・冷蔵ショーケースの製造・販売・開発・サービスを展開しています。この取得の結果、当社は、ハスマンの強い顧客掌握力、保守・サービス力と、当社の幅広い技術や商品群を相互活用することが可能になります。ハスマンは当社の保有するCO2冷媒技術やフード・サービス製品を活用してコアの冷蔵製品技術・ショーケース・プラットフォームを一層強化できるほか、当社のLEDや遠隔監視システムなどの幅広い技術プラットフォームを活用することにより、小売業や消費者との接点をより一層強化できると見込まれます。また、この新たな取組みにより、米国だけでなく、周辺の国・地域での成長の実現も図ります。
取得した株式に対して支払われた対価(現金)の公正価値(暫定的金額の調整後)は、141,771百万円です。なお、株式の取得に関連して発生した費用は重要ではありません。
支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は以下のとおりです。
(単位:百万円) | ||
現金及び現金同等物 | 16,917 | |
のれん | 91,156 | |
無形資産 | 96,733 | |
その他の取得資産 | 51,893 | |
取得資産計 | 256,699 | |
借入金 | 41,371 | |
繰延税金負債 | 31,523 | |
その他の引継負債 | 42,034 | |
引継負債計 | 114,928 | |
取得純資産計 | 141,771 |
「のれん」はすべて「アプライアンス」セグメントに帰属し、税務上損金算入できません。
「無形資産」のうち、償却対象無形資産67,185百万円の中には、耐用年数21年の顧客62,130百万円が含まれています。償却対象外無形資産29,548百万円は、商標です。
平成28年度の連結損益計算書に含まれているハスマンの売上高及び税引前利益は、それぞれ126,884百万円及び6,523百万円です。
なお、上記企業結合は前連結会計年度の期首に行われたため、プロ・フォーマ情報は開示していません。
(2)当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
① フィコサ・インターナショナル㈱の連結子会社化
当社は、平成29年4月19日に、当社が発行済株式総数の49%を保有するスペインの持分法適用会社フィコサ・インターナショナル㈱(以下、傘下子会社を含めて「フィコサ」という)に関して、当社が保有する同社株式の20%を追加取得するコール・オプションの行使に係る諸条件が整ったことに伴い、当該コール・オプションの潜在的議決権を考慮して、フィコサを連結子会社としました。
フィコサは、自動車向けメカトロニクス、電子システム等の製造・販売・開発を展開しています。この取得の結果、当社とフィコサが進めている、次世代コックピットシステムや先進運転支援システムなど今後の成長分野での事業拡大を目指した協業商品の開発を加速させることができます。
フィコサの支配持分獲得のために支払われた対価の公正価値及び非支配持分の金額(いずれも暫定的金額の調整後)は、以下のとおりです。なお、支配獲得日直前に保有していた資本持分の公正価値(レベル3)は、ディスカウント・キャッシュフロー法により、非支配持分の金額は、フィコサの識別可能純資産における比例割合に基づいて、各々測定しています。
(単位:百万円) | ||
対価全体(支配獲得日直前に保有 していた資本持分)の公正価値 | 22,818 | |
非支配持分 | 11,383 | |
合計 | 34,201 |
支配獲得日直前に保有していた資本持分を再測定した結果、認識した評価損益は重要ではありません。また、支配持分獲得に関連して発生した費用は重要ではありません。
支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は以下のとおりです。
(単位:百万円) | ||
現金及び現金同等物 | 15,442 | |
営業債権 | 27,521 | |
有形固定資産 | 23,250 | |
のれん | 11,881 | |
無形資産 | 17,991 | |
その他の取得資産 | 20,098 | |
取得資産計 | 116,183 | |
短期負債及び長期負債 | 32,462 | |
営業債務 | 27,129 | |
その他の引継負債 | 22,391 | |
引継負債計 | 81,982 | |
取得純資産計 | 34,201 |
「のれん」はすべて「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」セグメントに帰属し、税務上損金算入できません。
「無形資産」はすべて償却対象無形資産で、技術、顧客等が含まれており、耐用年数は5年~10年です。
平成29年度の連結損益計算書に含まれているフィコサの売上高及び税引前利益は、それぞれ155,022百万円及び4,343百万円です。
なお、上記企業結合に係るプロ・フォーマ情報は、平成29年度の連結損益計算書に含まれていない金額に重要性がないため開示していません。
② ゼテス・インダストリーズ㈱の支配獲得
当社は、平成29年4月27日に、ベルギーのゼテス・インダストリーズ㈱(以下、傘下子会社を含めて「ゼテス」という)の56.66%(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合)を取得し、ゼテスの支配を獲得しました。
ゼテスは、欧州において物流・人物認証ソリューション事業を展開しています。この取得の結果、ゼテスの物流及び人物認証ソリューションと、当社の先端研究開発能力、グローバルな顧客基盤、技術的な専門知識を統合することで、サプライチェーンソリューション及びセキュリティソリューション両分野において、顧客に提供するソリューション及びサービスを拡大し、グローバル化を進める顧客ニーズに最適な対応をしていくことが可能となります。
ゼテスの支配持分獲得のために支払われた対価の公正価値及び非支配持分の金額(いずれも暫定的金額の調整後)は、以下のとおりです。なお、非支配持分の金額は、ゼテスの識別可能純資産における比例割合に基づいて測定しています。
(単位:百万円) | ||
対価全体(現金)の公正価値 | 20,044 | |
非支配持分 | 8,247 | |
合計 | 28,291 |
支配持分獲得に関連して発生した費用は重要ではありません。
支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は以下のとおりです。
(単位:百万円) | ||
現金及び現金同等物 | 2,427 | |
のれん | 9,263 | |
無形資産 | 20,062 | |
その他の取得資産 | 16,412 | |
取得資産計 | 48,164 | |
短期負債及び長期負債 | 1,567 | |
繰延税金負債 | 6,935 | |
その他の引継負債 | 11,371 | |
引継負債計 | 19,873 | |
取得純資産計 | 28,291 |
「のれん」はすべて「コネクティッドソリューションズ」セグメントに帰属し、税務上損金算入できません。
「無形資産」のうち、償却対象無形資産18,605百万円の中には、耐用年数25年~29年の顧客15,299百万円が含まれています。
平成29年度の連結損益計算書に含まれているゼテスの売上高及び税引前利益は、重要ではありません。
なお、上記企業結合に係るプロ・フォーマ情報は、金額に重要性がないため開示していません。
35.偶発負債
(訴訟等)
当社及び一部の子会社は、取引、租税、製品、知的財産権等に関して、複数の訴訟の被告となる、政府機関の調査を受けるなど、複数の法的手続に関与しています。
当社及び子会社は、これらの訴訟や調査に対応していますが、訴訟や調査の結果によっては当社と複数の子会社に損害賠償金や制裁金が課される可能性があるため、金額は不確定であるものの、合理的に見積り可能な制裁金を引当計上しています。
平成19年11月以降、当社及び当社子会社のMT映像ディスプレイ㈱(以下、「MTPD」)は、ブラウン管事業に関する独占禁止法違反の可能性について、公正取引委員会の調査を受けていました。MTPD及び子会社3社は、平成21年度に公正取引委員会から受けた課徴金納付命令等の取消しを求めて東京高等裁判所で争っていましたが、平成28年4月に請求棄却の判決を受けました。MTPD及び子会社は同月、最高裁判所に上告しました。平成29年12月に最高裁判所が当該上告不受理の決定を下し、MTPD及び子会社に対する東京高等裁判所の判決が確定しました。
また、当社及び当社子会社の三洋電機㈱は、二次電池事業に関する独占禁止法違反の可能性について、米国等において関連する訴訟の被告となっています。
当社及び当社米国子会社のパナソニック アビオニクス㈱(以下、「PAC」)は、PACによる航空会社との特定の取引及びその取引に関連するエージェントやコンサルタントの起用に関する活動について、米国証券取引委員会及び米国司法省(以下、「米国政府当局」)から、連邦海外腐敗行為防止法及び米国証券関連法に基づく調査を受けていましたが、平成30年5月に、米国政府当局との間で、制裁金の支払いについて合意しました。
その他にも当社及び一部の子会社はいくつかの訴訟をかかえていますが、それらの訴訟による損害が仮に発生したとしても、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものではないと考えています。
当社は、訴訟や当局の調査に関して、引当金以外の追加的な費用範囲の見積りは開示していません。調査や法的手続等には、複数の法的論点が存在し、多数の関与者が含まれ、あるいは関連法律が複雑または不透明な海外案件もあるため、そのような見積りは困難なためです。
36.後発事象
当社は、平成30年6月に複数の取引銀行と、期間を3年間とする総額700,000百万円のコミットメントライン契約を締結しました。