有価証券報告書-第119期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 10:48
【資料】
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【項目】
189項目
①地球環境問題の解決に向けた取り組み
当社グループは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を制定しています。2030年までに全事業会社のCO₂排出量を実質ゼロとし、2050年には全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上(注)1の削減インパクト創出を目指すとともに、循環経済の実現に向けた事業活動を進めています。この環境ビジョンのもと、当社グループは各事業分野において地球環境問題の解決に取り組んでおり、その一つとして、成長分野であるデータセンター領域に注力しています。
生成AIの普及やデジタル化の進展に伴い、データセンターは社会インフラとして不可欠な存在となる一方、電力消費量の増大という新たな環境課題が顕在化しています。データセンターの消費電力は、サーバーの演算処理だけでなく、電力の変換・供給時に生じるロスや、冷却設備に要する電力量にも大きく左右されます。当社グループは、データセンターにおける電力供給・計算基盤・冷却の各レイヤーに強みを持つ事業を展開しており、データセンターのエネルギー利用効率の向上を支えるシステム及びデバイス・材料の提供に加え、冷却負荷低減に寄与するシステムの提供の両面から、環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。
・電源分野:分散型電源システム用の蓄電システムにより、集中型電源システムと比較してサーバーへ供給される電力の変換回数・ロスを低減するとともに、使用電力のピーク抑制による系統電力への負荷を低減
・デバイス分野:電源や半導体の性能を最大限に引き出し、電気信号品質を確保する高性能なデバイス・材料を提供
・冷熱技術分野:空冷及び液冷、廃熱利用等を組み合わせた高効率な冷却システムにより、冷却に必要な電力量を削減
これらの取り組みにより、当社グループはデータセンター全体を俯瞰した環境負荷低減に貢献しています。
Panasonic GREEN IMPACTがゴールと定める削減インパクトの2/3を占める削減貢献量は、自社の技術や製品、サービスを使用した場合にどれだけのCO2削減効果が見込めるかを推定する指標です。当社グループのサステナビリティデータブックでは、削減貢献量の事例や算定式などを開示しています。当社グループは、削減貢献量が資本市場で適切に評価される指標となるために、国際標準化から社会実装、金融との接続まで一体的に取り組み、財務価値化の促進と企業価値の向上を図っています。日本が主導して策定された国際規格IEC63372(削減貢献量)は、当社参画のもと2026年1月に発行されました。現在、当社はGHGプロトコル改訂への反映及びISOにおける標準化をWBCSDやIECとも連携して戦略的に推進しています。
私たちの次の世代、さらには未来の世代にわたって、人々が安心してこの地球で暮らしていけるよう、今後も事業活動を通じて、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー(注)2の実現に向けた取り組みをグループ一体となって加速していきます。
なお、当社グループは2019年5月にTCFD(注)3提言への賛同を表明しています。当社グループは、マテリアリティ特定プロセスを経て、地球温暖化の進行を当社グループにおける最重要課題とし、気候変動に関するリスクと機会の特定にあたっては、TCFD提言を踏まえ、シナリオ分析による戦略のレジリエンスを検証しています。また、投資家等とのエンゲージメントを実施することを想定し、TCFDが推奨する開示項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。
ガバナンス当社グループでは、環境経営推進体制のトップに取締役会が位置しており、グループ環境経営について取締役会への報告を実施しています。グループ長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」は、本プロセスを経て、2022年4月に発信されました。GREEN IMPACT PLAN 2024+1では、社会に約束した環境目標の主要項目に対する進捗と実績について、グループCEOや事業会社社長などの経営幹部が出席するグループ経営会議で確認し、方向性・課題及び重要施策について意思決定を行ってきました。特に重要な内容は取締役会に諮られています。2026年4月より、Group Transformation Round Tableにおいて、事業CEO参画のもと、環境を経営に統合する議論を推進しています。
戦略気候変動がもたらす影響について、当社グループの事業におけるリスクと機会を把握した上で、影響のある項目についてインパクト分析を行い、最も影響の大きい項目を軸に2030年を想定した社会シナリオを策定しました。そのシナリオに対応した戦略を検討し、当社グループの戦略のレジリエンスを検証しました。
リスク管理当社グループは、環境リスクを継続的に低減するためのマネジメント体制を整備し、事業会社ごとの環境リスク管理体制を組織しています。グループ全社のリスクマネジメントの基本的な考え方に則り、毎年度、環境リスクの洗い出しやグループ全社のリスクマネジメント推進、さらに環境リスクが発現した際の迅速な対応を進めています。また、当社グループでは、PHD及び事業会社で同一のプロセスに基づくリスクマネジメントを推進しています。PHDエンタープライズリスクマネジメント委員会では、当社グループの経営・事業戦略と社会的責任の観点から審議を行い、グループの重要リスクを決定します。2025年度には、グループの重要リスクのうち、戦略リスクとして気候変動や環境規制、サーキュラーエコノミーの進展、オペレーショナルリスクとして自然災害やサプライチェーンマネジメントが取り上げられています。
指標と目標当社グループは、温室効果ガス(GHG)削減目標を設定しています。2017年10月にSBT(注)42度目標として認定され、2023年5月にはパリ協定に沿って新たに設定したGHG削減目標が1.5度目標として認定されました。さらに、長期目標として、2024年9月にネットゼロ目標の認定を受けました。(下記の表を参照)

GHG排出量目標(SBT1.5度目標認定)目標目標進捗率
当社グループ事業活動における排出量
(スコープ1、2)(注)5
2030年に90%削減(2019年度比)45%(注)6
当社グループ製品使用における排出量
(スコープ3)(注)5
2030年に30%削減(2019年度比)― (注)7

GHG排出量目標(SBTネットゼロ目標認定)目標目標進捗率
当社グループバリューチェーン
全体における排出量(スコープ1、2、3)
2050年に90%削減(2019年度比)― (注)7

(注)1 全世界の排出総量の約1%にあたる3億トン以上:2020年の世界のエネルギー起源CO2排出量317億トン (出典:International Energy Agency)
2 サーキュラーエコノミー :循環経済。製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化するなど、モノのシェアリングやサービス化で資源の有効活用を図る経済システム
3 TCFD :Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受けて、金融安定理事会により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースのことであり、2017年に提言を公開
4 SBT :Science Based Targetsの略で、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度未満、できれば1.5度未満に抑えるという目標に向け、科学的知見と整合した削減目標
5 スコープ1~3 :国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル」の中で設けられている排出量の区分。スコープ1は事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)、スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3はスコープ1、2以外の事業者の活動に関連する他社の排出
6 45% :第三者検証完了前のため、2024年度の確定値から算出。最新の値は、追って当社サステナビリティ・ウェブサイト(TCFDへの対応)にて開示
7 ― :算出対象製品拡大による排出量増加のため進捗率は算出せず

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