有価証券報告書-第101期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/30 14:20
【資料】
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【項目】
152項目

有報資料

下記の事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループ(当社および連結子会社)は、「-共に未来を生きる- 私たちは革新的なモノづくりを通じて、世界中のお客様と社会のために、安らぎに満ちた、今日にない明日を届けます。」という企業理念の下、お客様と社会に寄り添い、新しい価値の提供により、快適・安心・安全な社会の実現に貢献することを目指しております。
(2)経営環境および対処すべき課題
当社グループ(当社および連結子会社)の主力事業である空調機は、日本や欧州でヒートポンプ技術を活用した「再生可能エネルギー利用機器」と位置付けられています。また、世界各国・地域においてクリーンかつ省エネ性・快適性・安全性に優れた必需品であるだけでなく、暖房や給湯用途で化石燃料機器の代替製品として気候変動の抑制に貢献すると期待されております。さらに、急速に進展するIoTやAIなどデジタル技術を活用した新たな製品・サービスの拡大も見込まれ、中長期的に需要が増加すると予想されております。
情報通信・電子デバイスでは、情報通信システムにおいて、災害対応力強化への社会的要請を背景に消防・防災システムの機能高度化・拡充が進展する見込みです。また、電子デバイスでは、産業用ロボットの導入分野拡大に伴い、電子部品・ユニット製造を中心に当社のコア技術を活かせる分野の拡大が期待できます。
これらの事業機会の拡大と同時に、各市場での競争はより一層激化しております。また昨今の新型コロナウイルスの感染拡大への対応をはじめ、予測困難な状況下での事業継続とリスク耐性を確保しつつ、環境変化を迅速かつ的確に捉え、他社に先んじて対応することがますます求められております。
このような状況において当社グループは、今後の成長を牽引する空調機を中心とした強固なビジネス基盤の構築に向けて、開発・販売力をさらに強化するための積極的な先行投資を行うとともに、引き続き全社的なオペレーションの高度化による企業体質強化を進めてまいります。これにより、継続的な売上拡大と利益率向上を図り、本業を通じた持続可能な社会実現への貢献を果たすべく、以下の施策を実行してまいります。
①空調機ビジネスモデルの構築
従来の当社事業領域の強化とあわせ、取扱商品分野のさらなる拡大、ソリューション領域への進出により、当社の空調機ビジネス全体を大きく拡大・変貌させることに取り組んでおります。
具体的には、これまで進めてきた代理店の子会社化も含めた販売体制の強化や、他社との協業・提携等により取扱商品の種類を増やし、さらなる拡販に取り組んでまいります。また、空調設備設計や据付、メンテナンスといったサービスビジネス分野への進出についても、引き続きM&Aや販売子会社の参入を通じて展開地域の拡大を進めてまいります。さらに、IoT・AIなど先進技術の活用やオープンイノベーションを通じた新たな価値の創造、機器買い替え時のリサイクル事業の体制強化など、ハード・サービス両面のドメイン拡大によって、お客様の空調ライフサイクル全般にわたるベストソリューションの提供を目指します。
[空調機開発体制の革新]
空調機ビジネスの拡大を進める上での原動力となる自社開発製品の競争力をさらに高めるため、昨年6月に竣工した川崎本社内の研究開発施設「イノベーション&コミュニケーションセンター」をはじめ、各拠点の技術設備・人員増強により、川崎本社、タイ、中国の開発3極体制の強化に取り組んでおります。また、開発機種数の増加やIoT・AI活用に対応するため、組織力強化活動やソフトウェア革新活動をより一層進めるとともに、昨年8月に開設した「技術アカデミー」で次代を担う技術者育成と開発リーダー層のマネジメント力養成を推進し、開発部門の強化を図ってまいります。これらに加え、外部リソースも積極的に活用し、IoTやAIを活用した製品の展開と商品ラインアップの拡充を推進してまいります。
[空調機営業活動の強化]
重点テーマである「5大拡大プロジェクト」*¹を推進し、さらなる販売拡大を目指します。
海外では、拠点増強も含めた地域戦略や商品戦略の強化、技術サポートや研修体制の強化による販売網とサービス体制の拡充に取り組んでまいります。
国内では、量販店ルートにおけるシェア拡大を図るとともに、住宅設備ルートにおける新規顧客開拓、工事・サービスを含めた体制強化による販売拡大を進めてまいります。
*¹[5大拡大プロジェクト]
①海外コマーシャルビジネスの拡大、②国内住宅設備ルートの積極攻略、③インド市場の攻略・拡大、
④協業加速による北米ビジネス拡大、⑤提携ビジネスの推進
②情報通信・電子デバイスのビジネス基盤の強化
情報通信システムでは、消防・防災システムの提供を通じて、住民の安心・安全を支える防災・減災基盤づくりに貢献するとともに、公共無線を軸とした機能向上・保守に取り組んでいきます。また、民需システムでは、外食産業のお客様向けを中心として、システムの導入だけでなく、深刻化する人手不足に対応したBPOサービス*²を提供し、ビジネス領域を拡大してまいります。
*²BPOサービス:システムを利用してお客様が行っていた業務そのものを受託するサービス
電子デバイスでは、電子部品・ユニット製造においては、設計から製造までの一貫した対応により顧客企業のニーズに応え、新規顧客開拓と既存顧客の深耕に取り組んでまいります。また、当社の強みである小型・高画質カメラの技術を、従来の車載用に加え、産業機器等へも展開してまいります。
③トータルコストダウンの推進・キャッシュ創出力の強化
事業活動のあらゆる局面において省エネ・省資源化と生産性向上を追求し、利益率向上に向けたトータルコストダウンを推進してまいります。生産面ではタイ第二工場の立上げにより、今後の販売拡大への対応を図るとともに、タイ・中国の生産拠点間の生産バランス改善、基幹部品の内製拡大など、さらなる原価低減を進めてまいります。開発面でも設計の上流段階から生産・調達部門、部品ベンダー等と連携してVE効果を高めるほか、設計標準化を通じ部品共通化等を推進してまいります。同時に、生産・販売・在庫計画を一元管理するGDM(グローバル・ディマンドチェーン・マネジメント)においても、基幹システムの再構築を含め、各部門の連携をより一層強化し、期中を通した棚卸資産の適正化、物流コストの低減、リードタイム短縮によるムダの削減に取り組み、「ものづくり」の強化と顧客満足度向上を進めてまいります。
また、財務面においても、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)*³の短縮など資金効率の一層の改善を進め、積極的な先行投資など事業の健全な成長に向けた資金を継続的に生み出す力を強化してまいります。
*³CCC:企業の資金効率を示す指標。売上債権回転日数と棚卸資産回転日数の和から、買掛債務回転日数を差し引いた数値で表される。
さらに、事業を通じて社会的責任を果たすべく、CSRを推進する組織体制を強化し、環境負荷低減や循環型社会形成をはじめとする社会課題の解決と企業価値向上の両立を目指します。また、大規模災害などの発生時でもお客様と従業員の安全を確保しつつ製品・サービス供給を継続・早期復旧できるようBCM(事業継続マネジメント)を強化してまいります。
これらを実現するためには、従業員一人ひとりの力を結集することが不可欠です。従業員が健康で気力を保ち、生産性とモチベーションの向上を図れるよう、企業理念の浸透と実践に努めるとともに、新たな時代に即した働き方改革を推進するための制度刷新や柔軟な勤務形態に対応した環境整備など、さらなる発展の土台となる企業風土改革を進めてまいります。
こうした努力を続けることにより、経営基盤をさらに強化し、お客様や社会からの信頼をより一層強固なものとし、当社グループの継続的な成長を目指して常に自己革新を追求してまいります。
(新型コロナウイルスの影響について)
新型コロナウイルス感染拡大が世界の人々の生活に重大な影響を及ぼし、当社グループの業績も一時的にその影響を受けておりますが、当社グループの事業である空調機、情報通信システム、電子デバイスは、持続可能な社会にとって必要不可欠なものであり、今後とも快適・安心・安全な社会づくりの一端を担う企業グループとして、その責任を果たしてまいります。
また、今回の感染拡大を契機として、部材のマルチソース拡大や柔軟な生産体制の拡充によるサプライチェーンのさらなる強化を進めるとともに、在宅勤務をはじめとする柔軟な働き方の確保や、快適・安心・安全が一層求められる今後の社会に適合した製品・サービスの提供など新たな価値の創出に取り組んでまいります。

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